この間に12匹の色違いと出会いました……
どうして……
44話
「ふぅ……ふぅ……おま、ちを……」
「ふた、りとも……はや、い……よ……」
「ああ、ごめん。またちょっと休憩入れる?」
「そうしましょうか。無理やり進んで足を怪我していては大変ですし」
預かり屋を出て数日。
途中途中キャンプを行って一歩、また一歩と無茶をしない範囲でゆっくり進んでいたボクたちはナックルシティへの入り口があるナックル丘陵へ向けて足を運んでいた。ワイルドエリア最北端にあるこの地域は、レベルが高いと言われているワイルドエリアの北の中では大きな町が近いせいか割とおとなしいポケモンが多かったりする。少なくとも今のボクたちにとっては特に障害にもならないレベルだと思われる。しかし、この場所の辛い所はここに行くまでの道の険しさである。というのもこのナックル丘陵に行くためには巨人の帽子、または巨人の鏡池という場所を通過する必要があるんだけど……この二つの区域、ほぼ全てがかなり勾配の激しい坂道である。
テンガン山なんて目じゃないのではというレベルで激しい勾配の癖にロッククライミングできるような凹凸がなく、まあ何とか人間が登れるかなくらいの勾配なため頑張って歩くしかない。中には自転車で爆走している人も見かけるけど……なんて脚力しているんだろう。太ももパンパンになってそうだ。
そしてそのある意味ナックルシティへ向けての洗礼をうちのメンバーではセイボリーさんとユウリがしっかりとうけることとなった。いや、正確にはボクとサイトウさんも受けてはいるけど、ボクは旅の経験の多さから、サイトウさんは普段から空手で体を鍛えているからこれくらいの壁はそんなにつらくはない。けど今回が初めての旅のユウリと、明らかに体力系ではないセイボリーさんはかなりつらそうにしている。確かにこの上り坂かなり勾配があるのもそうだけど、それ以上に長い。とにかく膝に来るこの勾配に二人は着実にダメージを負っていた。
普段からこんな道なんて通らないから当然と言えば当然。だから休み休み行動していたんだけど……それでもつらかったみたいだ。
ちなみに今回ボクたちが選んだ道は巨人の鏡池の方だ。別にどっちでも構わないんだけどこちらの方が少し距離が短い。ただ距離が短いということはその分勾配が急になりやすいという意味でもあるんだけどね。山道が蛇行になっている理由だ。
(そういう意味ではこっちを選んだのはミスだったかも……)
まあ進んでしまったものは仕方ないのでゆっくり休みながら行くことを提案するボクとサイトウさん。
「いえ、大丈夫……です」
「私も……まだいけるよ……」
「ですが二人とも息がかなり上がってますよ……?」
「うん、ここはしっかり休んだ方が……」
「「だ、大丈夫……!!」」
しかし意地でも休まずに頑張ろうとする二人。う~ん、ボクが無茶をしようとすると怒るのに……ちょっとムッとしちゃう。
「「くっ、いつまでも二人の背中を追いかけるだけなのは悔しい……!!」」
何か聞こえた気がしたけど……サイトウさんと顔を見合わせてそこまで言うならということでとりあえずこのまま進むことに……
「あ、そうですよ!いいことを思いつきました!!ヤドラン、ユンゲラー!出てきてワタクシを浮かせるのです!」
「あ、ずるい!!」
手持ちを取り出したセイボリーさんはいつしか足を怪我した時と同じようにサイコパワーで自分を浮かせて楽をし始めた。
((それでいいんだ……))
サイトウさんとどこか思いが重なった気がしたけど……まあいいや。しかしこうなるとユウリがちょっとかわいそうで……
「裏切者!!私にはそんなことできる子いないのに!!」
「ふふふ、これがワタクシのエレガントな作戦!!ワタクシだけが楽を出来れば良いのです!!」
なんだかセイボリーさんが別の人に見えてきた。いつものようにこのままセイボリーさんをいじる流れになるのかななんて思ったけど、どうもそれだけの気力も残っていないようで、何とかいい返しながらもそれでも肩で息をしている。
ふわふわと浮きながら高笑いしているセイボリーさんと膝に手を当てて辛そうにするユウリがまるで今までの弄りのお返しと言わんばかりな状況に少しだけおかしな気持ちになる。このまま2人の漫才を見てもいいんだけど……先に進むとなる以上やっぱり何かしらの手は打たないといけない。
「しょうがないなぁ……キルリア、出てきて。あとサイトウさん。このリュック、しばらくの間持ってもらってもいい?」
「ええ、構いませんが……何をするのですか?」
「まぁ、ちょっとね?」
懐のボールからキルリアを呼び出し、ボクのそばに待機。その間にリュックをサイトウさんに預けて自分の体を身軽な状態にしておく。そのままの状態でユウリに近づき、手助けをする準備へ。具体的にいえばユウリに背中を向けてしゃがんだ状態だね。
「ユウリ、おいで?」
「ふぇ?」
いきなりのことに変な声をあげてしまうユウリ。一瞬目の前の状況が理解できなかったのか首を傾げるものの、ボクの背中を見て何を言いたいのか理解し、慌てて自分が平気ということを見せるためか、直ぐに体を起こして飛んだり跳ねたり足踏みをしたりする。
「だ、大丈夫だよフリア!!ほらこの通り……あ……」
しかし急にそんな激しい動きをするものだから体がぶれ、膝が笑ってしまい崩れ落ちそうになる。そこをなんとか尻もちを着く前に手を取ってコケないようにする。
「口ではそう言っても体は限界みたいだよ?ほら、大人しくボクに任せなさいな?」
「で、でも……流石にフリアの体力が……」
「ボクの方こそ、体力は全然あるよ。ユウリから見ても分かるでしょ?」
「そうだけど……」
体は辛いかもだけどそれ以上に甘えることに抵抗があるのか難色を示すユウリ。
「セイボリーさんがあれだけズルしてるんだからユウリもズルして甘えればいいんだよ。ね?」
「えと……ほんとにいいの?」
「本人が言ってるから大丈夫だよ。ほらおいで」
「……うん。ありがとう。じゃあ……失礼するね?」
再び背中を向けてしゃがみこむ。今度はちゃんと甘えてくれたようでゆっくりとボクに体重がかかってくる。ユウリがしっかりと背中に乗っかってきたのを感じたボクはゆっくりと腰を上げてユウリを持ち上げていく。いわゆるおんぶだ。
「えっと、その……重くない?ほんとに大丈夫?」
「平気だよ。むしろ軽いくらい。あれだけ食べてるのに体型維持できるのは素直に尊敬するなぁって改めて思ったくらいかな?」
「うぅ……」
あのユウリがしおらしくなってしまっているのがちょっと新鮮で面白く、ついついいじってみたくなるけどあまりいじわるすると何されるか分からなくてちょっと怖いのでこの辺にしておいて前に進む。けど、もちろんこのまま進めばいくらユウリが軽いと言ってもしんどいのは目に見えている。なんせボクより軽いとはいえ、2人分の体重が脚にかかってくるのだから。だからこそさっき呼んだ頼もしい仲間の出番だ。
「キルリア、お願いね」
「キルッ!!」
後ろからキルリアがサイコパワーでユウリを支えるとボクとユウリの体が少しふわりとする。ボクとユウリの体が少し軽くなったあかしだ。
「フリア、これって……」
「ボクだってエスパータイプが仲間にいるんだよ?」
「むう、それってやっぱり私が重いってことじゃん!」
「違うってば。その証拠にボクにもかけてもらっているから。あとは……キルリア、回復お願いね」
ボクの言葉とともに頷きながらいのちのしずくを放ってユウリを回復させていく。
「ふくらはぎとか膝がつらいでしょ?これで少しは楽になればなって。サイコパワーで浮かせてもらってるから体への負担も減るし回復速くなるんじゃない?」
「そ、そこまで考えて……」
キルリアのサイコパワーは人を浮かばせるほどの力はないものの、少し補助するくらいの力は十分にある。出力そのものは高い方だからボクに近ければ近いほど力は発揮できるしね。これで重力による筋肉の疲労も防げるし、何ならいのちのしずくで回復させてあげることができるからユウリにとってものすごく癒しになるはずだ。そのためのこの行動。
「ユウリも休めるしボクも楽して動けるまさに一石二鳥の作戦でしょ?」
「あ、ありがと……」
「いえいえ~」
最近ボクがあんまり旅の先輩としての行動できていなかったからこういう時くらいは先輩というところを見せなきゃね。
「よかったですねユウリさん」
「な、何がですか!?」
これでカバンもボクがしっかりと持っていたら本当にかっこよかったと思うんだけど……ボクのカバンは背負うタイプだからおんぶとなると邪魔になっちゃうんだよね。前に回すのもちょっとおかしな話だし……
「はぁ……おっきな背中だなぁ」
「そう?ボクとユウリってそんなに身長変わらないと思うけど……」
……年下の女の子よりも身長が少し低いことに若干の悲しさを感じるけど気にしてはいけない。
「そういう事じゃないもん。バカ」
「ちょ、ユウリ?頭ぐりぐりしないで!?な、なんかくすぐった……ひゃわぁ!?」
「フ、フリアも変な声上げないの!!」
そんなこと言われても前髪が首筋をくすぐってきて物凄くこしょばいんだから仕方ないじゃない!!
「もう……ふぁ、わあ……」
「眠い?」
「少しだけ……」
「寝ても大丈夫だよ。なれない坂道で疲れたでしょ?ゆっくりお休みなさいな」
「うん……ありがと……そうするね……」
ほどなくして背中から聞こえる一定リズムの呼吸音。やっぱりそれなりに疲れがたまっていたみたいだ。
「……ちょっと進む速度落としましょうか」
「そうしてもらえると助かるかな」
「了解しました。辛くなったら言ってください。その時はわたしがゴロンダしかり、ゴーリキーしかり、呼び出して変わりますので」
「うん、ありがと。その時はお願いするね」
とはいっても変わるつもりはあんまりないんだけどね。というより変われないといった方が正しいかもしれない。
(こうも背中から服をがっしり掴まれたら……ねぇ)
肩甲骨あたりに感じる握りこぶしのような感覚。それに少しの微笑ましさを感じながらボクたちはゆっくりとナックルシティへ足を進めていった。
「さぁヤドラン、ユンゲラー!進むのです!!ワタクシの楽のために……って二人とも足並みをそろえなさい!!じゃないとワタクシの体が……ぎゃあああ!!!」
……視界の端で叫んでいる変態は視界に入れないように。
☆
「ここがナックルシティ……すごいなぁ……」
あれから無事にナックル丘陵に到着したボクたちは、ナックルシティへの入り口の前に立つリーグ委員の人にバッジのリングケースを見せてエンジンシティまで制覇していることを証明。
しっかりと確認してもらったのち、門をくぐって中に入ったボクたちを迎え入れたのは天高くそびえたつお城のような建物であるナックルスタジアム。中世の城壁をそのまま残したようなその外観も合わさってものすごく歴史的な景観をにおわせる風景は、機械的な壮大さを見せつけてくるエンジンシティとは全く違う空気で圧倒してくる。
エンジンシティのような近代的な空気はなく、むしろタイムスリップしたかのような空気を感じるほどで、町の賑わい具合なんかもこちらの方が圧倒的なようにも見える。店の並び具合もすごく、ブティックや美容師、カフェ、等々……ついつい目移りしてしまいそうなほどだ。個人的にはエンジンシティよりも空気感は好きかもしれない。
「ガラル全体を見ても歴史の深い街の一つですからね。それこそ宝物庫にはガラルの伝承に伝わる大切な資料がたくさん保管されていると聞きます」
「ガラルの伝承というと……エンジンシティのスボミーインとか、ターフタウンの地上絵とかが関係しているあれかな……?」
もはや懐かしくも感じるけどその実まだ数日前に見たばかりのこの地方の伝説。気にならないと言えばうそになるけど関わったらかかわったでそれはそれで大変そうだなぁというのが今のボクの感想。正直シンオウの伝説とかかわった経験からくるにろくなことにはならなさそうなのでできれば穏便に行きたいかなあなんて……。とはいえほかのことは大いに気になる。
「これはすごいなぁ。他のところもしっかり見て回りたいかも!」
「それはいいですね。わたしも回りたいところがあるのでぜひ行きましょう」
「行こう行こう!!サイトウさん甘いもの好きだったよね?ここにもバトルカフェあるみたいだから一緒にいこ!!」
「それはとても魅力的なんですが……まずはポケモンセンターで休みましょうか。……二人とも今は少し休みたいみたいですし……」
「あれ?」
「うう……うう……」
「うおえ……」
サイトウさんに言われて後ろを振り向くとそこには顔を真っ赤にしてうずくまるユウリと顔を真っ青にしてふらふらしているセイボリーさんの姿。どうでもいいけど2人の顔色が真逆でなんだかおもしろい。
「えっと……二人とも大丈夫?」
「「大丈夫じゃないです……」」
「でしょうね……」
セイボリーさんはなんで大丈夫じゃないかわかるんだけどユウリはなんで大丈夫じゃないのか。サイトウさんは察しがついているみたいだけど……。よくわからないけどとりあえず二人ともつらそうにしているのだけはわかったのでまずはポケモンセンターへ。お店は逃げるわけじゃないから回るのは明日からでもいいはずだ。
まだ日は少し高いけどもう少し立てば夕方に差し掛かる。長旅の疲れもあるだろうし、ナックルシティに到着したとはいえ、実はこの町は次のジムがある場所ではない。このナックルシティにもナックルスタジアムがあるんだけど、ここに挑戦できるのは後4つのジムバッジを集めた時……つまり、ここは8つ目のジムバッジがある場所だ。すなわち、ここナックルスタジアムは最後のジムである。
エンジンシティの時と同じように他の場所を回ってここに戻ってくる必要があるってことだね。
では次のジムがどこにあるかと言うと、ここから西にある6番道路へと向かい、そこを抜けた先にあるラテラルタウンという場所に4つ目のジムが存在している。
言ってしまえばここまで長い時間をかけて旅をしてきたけどまだ目的地に到着はしていないということだ。
ナックルシティに初めて来たということで軽く観光こそするけど、おそらく明後日か明明後日くらいにはもうここも旅立つことになる可能性がある。だからこそサイトウさんはこの疲れをちゃんと抜くためにも今日は早めに休もうという提案をしたというわけだ。
現にこのまま観光を続けちゃうと明日の丸一日がセイボリーさんとユウリの回復で潰れちゃって観光時間が逆にへりそうだしね。
まずはポケモンセンターでみんなを癒し、それからスボミーインへ。その予定でボクたちの足を進めようとして……
「あ、おーいフリア!ユウリ!」
「ん?」
どこからかボクたちを呼ぶ声。それが気になりあたりをキョロキョロ見回してみるとこちらに駆けてくる特徴的なサイドテールが見えてきた。この髪型をしているボクの知り合いは一人しかいない。
「久しぶりね。テレビで活躍は見てたからそろそろ来るかななんて思ってたけど……想像よりちょっと遅かったわね。何か問題とかあった?」
「久しぶりですソニアさん。何もなかった……とは言えないですけど、概ね楽しく冒険させてもらってるのでボクたちは平気ですよ。そういうソニアさんは研究ですか?」
「そうそう。ここナックルシティには重要な資料が沢山あるからね」
エンジンシティ以来の再会となるソニアさんだ。ガラルの伝承について調べるために色々旅をしているみたいだけどいまはちょうどここを調査している時だったらしい。
(となると調べているのはさっきサイトウさんとの会話の話題に上がった宝物庫にある資料とやらが関係しているのかな?)
「すみません、フリアさん。少しいいですか?」
そんなこんなで少し久しぶりな人との会話に思わず弾んでしまいそうになる所をサイトウさんに声をかけて振り向く。するとそこにはいよいよ倒れそうになっているセイボリーさんが……
「わわわ!?セイボリーさん大丈夫!?」
「わたしが一足先に彼を連れて行っておきます。フリアさんはユウリさんと一緒に彼女とのお話を」
「いや、でもサイトウさんに押し付けちゃうのは……」
申し訳なさが大きいためその提案は承諾しかねる。女性に男性の介抱を任せるというのがどうにも気が進まない。けどサイトウさんはそっとボクの胸に手を当て、明確に手助けを拒否してくる。
「どうもあなたとユウリさんは彼女と会うのが久しぶりなようですね。友との会話は大事だと思います。ここはわたしに任せて会話を楽しんでください」
「でも……」
「では、これは貸しということにしましょうか。どこかでちゃんと返してください。これならどうでしょう?」
少しいたずらに微笑みながらそういうサイトウさん。ここまで言われてしまうと断ったら逆に失礼な気がしてしまうレベルだ。実際ソニアさんと久しぶりの再会だし、少しお話したいなとも思ってはいた。ここは素直に甘えてしまおう。
「じゃあお願い。借りは明日バトルカフェを奢るでどうかな?」
「ふふふ、それは楽しみですね。期待しておきます。ではお先に失礼しますね」
「うん、また明日!」
「ま、またあした……」
明日の約束を終えてサイトウさんはセイボリーさんをゴロンダを呼び出して抱えてもらいながらポケモンセンターの方へ歩いていった。そんな2人をボクと、赤くなりながらも何とか声を絞り出したユウリと見送りながらソニアさんの方へと視線を向ける。
「今の子は?」
「女の子の方がガラル空手の申し子のサイトウさんで、シルクハットの人がセイボリーさん。サイトウさんがかくとうタイプのエキスパートで、セイボリーさんがエスパータイプのエキスパートですね。2人とも強いですよ」
「フリアがそう言うってことはかなりの実力なんでしょうね……ところで、ユウリはどうしたの?まさかまたなにかしたの?」
「いつの間にボク常習犯みたいな扱いになったんですか?」
「……」
未だに顔を赤くしながら下を向いているユウリを不審に思うソニアさんは、ボクに対してジト目を向けながら聞いてきた。この状況下でボクを疑うのは分かるけど……そんなにボクは毎回問題を起こしてるだろうか……そんなことないとは思うんだけど……今回だって単純な善意からの行動だし。
「足が疲れて可哀想だったからおんぶして運んであげただけなんだけどなぁ……」
「絶対それが原因だと思うんだけど……」
「で、でも本当に疲れててしんどそうで……おんぶしてあげたらすぐ寝ちゃいましたし……」
「だから!それが原因!!」
「ぅー!ぅー!」
「ちょ、ユウリ!?」
ポカポカとボクを叩き始めるユウリ。痛くはないんだけどどう対処していいかわからなくてあたふたしてしまう。
「はぁ……わたしが離れている間に物凄く仲良なっちゃって……」
「あ、あの……助けて貰えません!?」
「嫌よ。あなた達の間に入ったらギャロップに蹴られちゃうじゃない」
「どういうことですか!?と、とにかくユウリも落ち着こ?ボクが悪いなら謝るから……ね?」
「……わかった」
ようやくユウリがおさまってくれたことにほっと一息。どうやらいつの間にかユウリの触れてはいけないところに触れていたみたいだ。今度から意識して気をつけよう。
「お久しぶりですソニアさん。それとごめんなさい……」
「うん、久しぶり。それと気にしないで。あんたはあんたでしっかり頑張りなさい」
「……?は、はい。頑張ります?」
「……なるほど無自覚か」
ようやく落ち着きを取り戻したユウリとソニアさんが少し変わった会話を繰り広げる。なんだろう、女性同士しか分からない何かとかなのかな?ヒカリがいればなにかわかったのかもだけど……
「まぁ、とりあえず落ち着いたということで……話が大きく変わるんだけど、フリア。あなたに聞きたいことがあるの」
「ボクにですか?」
「ええ。確かあなたってシンオウ地方チャンピオンの推薦でジムチャレンジに参加してるのよね?」
「はい、そうですけど……」
「じゃあシンオウ地方チャンピオン……シロナさんの仕事を手伝ったこととかある?」
「それはまぁ、何回か経験が……なるほど」
ここまで来てようやく理解した。
シロナさんはシンオウ地方チャンピオンであると同時に考古学者の側面も持っている人だ。シンオウ地方の歴史を紐解くために色んな場所を資料片手に飛びまわり、ついに伝説と語り継がれるポケモンと出会い、当時手伝いをしていたボクたちとそのポケモンを巻き込んだ大きな戦いに発展した事件は未だにボクの記憶に新しい。
そして今、ボクの目の前にガラルの伝承を紐解くために色々な場所を駆ける女性が1人。別に彼女は考古学者という訳では無いけど、その姿はとてもシロナさんとタブって見える。そしてそのことはおそらく本人が1番自覚しているということなのだろう。
「つまり、シンオウ地方で考古学の一端に触れた経験のあるボクからの意見が聞きたいってことですか?」
「ええ。話が早くて助かるわ。わたしが自力で解決出来れば最高なんだけど、正直そんな簡単なことなら先駆者がいてもおかしくないと思うの。きっともっともっと深い何かがあるはず……なら、参考にするのにあんたほどふさわしい人いないでしょ?ガラルの住人でないってところもポイントが高いわね。わたしたちでは分からない客観的視点の意見を出せるもの」
「なるほど……」
もっともな意見だ。特におかしなところもないし、反論することも無い。ただ……
(あの事件、酷かったんだよなぁ……ああならないといいけど……)
シンオウ地方で起きた大きな事件。正直あまりいい思い出ではないのであれに似たようなことが再発するなら出来れば触れたくないというのが1番なんだけど……
(ここまで期待されてると断るのもなぁ……)
ものすごく真剣な目で見つめてくるソニアさんの期待を裏切りたくない言うのも大きい。なにかに真っ直ぐ頑張る人というのは自然と応援したくなるものだ。
(……しょうがないよね。だって手伝いたいんだもん)
「分かりました。ボクがどこまで役に立つか分かりませんけど手伝います」
「ホント!?ありがとう!!」
手を軽く叩きながら飛んで喜ぶソニアさん。その姿を見るだけで手伝うことを選んでよかったなって思ってしまう。
「じゃあ早速行きましょう!!ユウリも着いてきて!!」
「え、わ、私も!?」
「視点はできる限り多い方がいいもの!!さ、はやくはやく!!」
そう言いながらボクとユウリの手を持って走り出すソニアさん。いきなりのことにバランスを崩しそうになるものの、何とか立て直してついて行く。
「って、ついて行くのはいいんですけどどこに行くんですか!?」
「そんなの決まってるじゃない!!」
ボクの質問に対してソニアさんは足はとめず、しかし首だけをこちらに向けて素晴らしい笑顔で言い放つ。
「ナックルシティの宝物庫!!安心しなさい。許可は取ってあるから!!」
「宝物庫……」
この地方の歴史の財産。その中心。少しだけ、ボクの心が跳ねた。
……なんだかんだでボクも、こういうのは好きなのかもしれない。
坂
あれかなり急ですよね。
リアルだと登りたくないです。
おんぶ
フリア君は意外と体力、力共にありますが、しなやかな筋肉なためあまりそう見えないです。
サイトウ
なんだかここのサイトウさんすごく大人では……
の割にはちょっとおちゃめに……
甘いものを食べている時のキラキラした顔がすごく脳裏に着いているのでオフの時はこんな感じかもと思いながら書いています。
解釈違いならすみません。
ソニア
久しぶりですね。
相変わらず伝説巡り。
しかしこうやって改めて見直すとフリア君ほど意見を聞くのに適任な人いませんね。
割と自然な流れにできたのではと思います。、
セイボリー
いつもの
おまたせ
ネタわく()
ごめんなさい、本当にこういう扱いするつもりなくてもついついなってしまうんです。
書きやすすぎて困ってます……
ここ好き機能ってみなさん使ってますか?
私は使い方よくわからなくて使ったことないです。
総数とかの表示基準とかもよく分からなくて……
私が少しこのサイトで書かなくなっていた間に色々変わってますね。
気分は浦島太郎です。
この作品にもいくつかして頂いていますね。
して下さった方、感謝です。
お気に入りも600を超え評価ポイントも1000を超え……本当にありがとうございます。