【完結】ポケットモンスター 約束のためにもう一度   作:犬鼬

46 / 374
季節の変わり目ですね。
天気も不安定で体調も崩しやすいですが元気に行きましょう。

……実は個人的には雨の方が好きなので、これくらいの天気の方が私は過ごしやすいです。


46話

 ガラルの英雄伝説について描かれたタペストリーを見るために宝物庫を訪れた次の日。いろいろ頭を使ったり、気になることを聞いてしまったため少しだけ不安や懸念点の多い夜を過ごすことになったたものの、結論としてはホップのことも、英雄伝説のことも、現状ボクに出来ることは残念ながらないので一旦置いておいて、今日はせっかくのナックルシティ観光日ということで全力で楽しむことにしたボクたちは、もはやおなじみとなったメンバーで今日も今日とて楽しく一緒に過ごしていた。

 

 勿論ホップのことが気にならないというわけではないけど、落ち込んでいるところに下手にボクたちが声をかけるよりかは、今ホップと一緒に旅をしているであろうマリィに任せる方が原因などをよく知っているため対処はしやすいだろうし、もしボクたちも手助けをしないといけないほど深刻ならマリィに連絡を入れてほしいとメールを入れてあるのでたぶん大丈夫なはずだ。

 

 ……それにポケモントレーナーをやっているとスランプの一つや二つは普通に経験してしまう。

 

 厳しいことを言うとこの壁はいつかちゃんと乗り越えないといけない壁だ。

 

 何よりもボクがそうだったから……。

 

 勿論ボクにアドバイスできることならどんどんしていきたい。それに、どちらにせよボクたちがこれから行く先に間違いなくホップたちはいるんだからおのずとアドバイスをする機会はやってくる。それよりも今は吹雪事件、ワイルドエリア縦断、英雄伝説の考察と、かなり体と脳を酷使してきてまだ疲れが抜けきっていない現状でこの先にある高低差の激しく、ガラルの中では日差しも強くかなり暑い場所と言われる6番道路を抜けるのはさすがに危険と判断。ホップたちと再会する前にケガをしましたなんてことになったらそれこそ笑い話にもならないので焦る気持ちはひとまず抑え込んで、体を休めて備えることに決めたボクたちは予定通りの場所へと足を運んでいた。

 

「イーブイ、『でんこうせっか』!!」

「ペロッ!?」

 

 素早く走り出したイーブイが、相手のペロッパフにぶつかり大きく態勢を崩す。ここまでたくさんの攻撃を受けていたため限界が近いのかフラフラしているペロッパフ。それでもまだ頑張ろうと踏ん張るものの、そんな大きな隙を見逃さられる訳もなく……

 

「エレズン、『ようかいえき』!!」

 

 エレズンより放たれるこうかばつぐんの技をしっかりと受けてしまい目を回して倒れていく。

 

「ペロッパフ戦闘不能!!よってこのバトル、フリア選手、ユウリ選手の勝ち!!」

 

「「いえ〜い!!」」

「ブイッ!」

「エレ〜!」

 

 審判からあがるバトルの終了の宣言を合図にハイタッチするボクたち。ユウリとのダブルバトルは久しぶりだったからどうかな?なんて思ったけど、この前よりも息ピッタリな連携が取れてとても楽しかった。イーブイとエレズンも楽しかったようで、イーブイはもとよりあのビビリなエレズンまでもが喜んでいるのが少し嬉しかったり。

 

「いやはや、噂通りやはりお強いですね〜。あなた方と手合わせできて光栄ですよ。後でサイン頂いてもよろしいですか?」

「えと……は、はい」

「サ、サイン……相変わらず慣れないかも……」

 

 2人でバトルの結果に満足し、喜んでいるとそんなことをお願いされる。ガラルに来てジムチャレンジを進めていく中で写真やサインをせがまれることも多くなってきたこの頃。ただ自分の名前を少しアレンジして書くだけなのにどうしてこんなにも恥ずかしいのか。何度しても慣れないし、恥ずかしいからどちらかと言うとあまりしたくはないのだけど、こうして今目の前で「ありがとうございます!」と歓喜しながら大切そうに色紙を抱える姿を見てしまうとやってよかったなと思えるから不思議だ。

 

「さて、向こうはっと……」

 

 自分のサインから目をそらすように別のバトルコートを見てみるとセイボリーさんとサイトウさんのペアも勝ったみたいで、ボクたちと同じようにサインをせがまれていた。自分で言うのもなんだけど、ジムチャレンジの注目選手が4人もいるこのお店はちょっとしたお祭り騒ぎになっていた。

 

(まったり観光するつもりなのにこの調子だと難しいそうだなぁ……でもここには来たかったし……)

 

 思いのほか目立ってしまったためお店に迷惑がかかってないか心配だったけど、店員さんもみんなと一緒にはしゃいでいるから多分大丈夫だと思われる。

 

「皆様本当にお強い!!注目選手と各ジムリーダーから推されるのも頷けます!!……さて、そんなお客様には我々に勝利した報酬をお渡ししないといけませんね」

 

 っと、そういえば今ボクたちがどこにいるか言い忘れていたね。

 

「こちら、今回の勝利者限定スイーツ。ビークインのあまーいはちみつ、『ダイミツ』を使った『ダイミツモモンパフェ』になります!!」

「「「おお〜!!」」」

 

 バトルコート近くの席に置いてある大きく、甘そうなパフェ。

 

 ここはバトルカフェ、ナックルシティ支店。昨日サイトウさんと約束した通り、ボクたちはバトルカフェでスイーツを堪能していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「ん〜!!おいひい〜!!」」」

 

 1口食べた瞬間に広がるモモンの実とダイミツの甘みが広がっていき、幸せな感覚を強く伝えてきてくれる。ほっぺたが落ちそうなほど美味しいそのふたつの味は、ターフタウンで取られた牛乳から作ったクリームとこれまた綺麗にマッチしており、まろやかで舌触りがよく、それでいて全然くどくない爽やかな甘さになっている。

 

 惜しい点と言えば、どうやらこのダイミツというのがなかなかに貴重らしく、一日にお店で出せる量が決まっていることくらいかな?今日ここで食べられているのも、バトルで勝ったことと、ジムチャレンジで注目されているからという理由だと思うので少しずるをしている気がしなくもないけど……甘いものには逆らえませんでした。

 

「これがダイミツモモンパフェ……噂以上の美味しさだよ〜」

「これは売り切れるのも納得かも……本当に美味しい……」

「やはりこのパフェは素晴らしいです。木の実もクリームもダイミツも、全てがお互いを引き立てあっているのでいくらでも食べられちゃいそうです」

 

 ユウリ、ボク、サイトウさんと感想を口々に言いながら次々と口の中に運んでいく。その度に飽きない甘さのせいで思わず口からため息を零してしまい、その美味しさに感動。そして落ち着いたらまた食べての無限ループだ。本当にいくらでも食べられてしまいそうでちょっと怖い。

 

「よくそんな重そうなものを軽く食べられますね……」

「甘いものは別腹だからね。セイボリーさんは食べないの?」

「ワタクシは結構です。見てるだけで胸焼けしそうですよ……」

「勿体ない……」

 

 紅茶を優雅に飲みながら眉を少しゆがめるセイボリーさん。このパフェの美味しさを感じないなんて勿体ない。次いつ食べられるかも分からない貴重なパフェなんだから少し食べるだけでもすればいいのに……余ったものはボクたちが食べるし。

 

「ねぇ?みんな」

「ブイッ!!」

「ハミュッ!!」

 

 ボクの言葉に返事を返してくれたのはイーブイとユキハミだけだったけど、他のみんなも口の中に食べ物があるから喋らなかっただけで幸せそうな顔を浮かべながらスイーツを食べていた。もちろんボクの手持ちだけではなく、ユウリやサイトウさん、セイボリーさんの手持ちのみんなだって美味しそうに食べていた。

 

「自分で作るのもいいけどやっぱりお店のものはひと味もふた味も違うなぁ〜」

「私はフリアが作ったポフィンも大好きだけどなぁ……」

「わたしも同意です。ここのお店に負けないくらい美味しいというのはわたし達が保証しますよ」

「ありがと……ほっぺのクリームがなかったらもっと様になってたんだけどね……2人とも動かないでね」

 

 机の端に置いてある紙ナプキンを使ってほっぺについたクリームを拭き取ってあげる。2人ともしっかりしているところは本当に頼りになるのにふとした時に実年齢以上に幼く見えてしまうから困る。こういうところはヒカリやジュンのような手のかかるメンバーと一緒だなぁって思ってしまい、ついついお節介が出てしまう。

 

(あの2人も大概だったからなぁ……)

 

 今頃ホウエンでシロナさんとなにかしてるのかななんて思いながらちゃちゃっと拭き終わったため、紙を小さくまとめて端によけておく。

 

「すいません。ありがとうございました」

「あ、ありがと……」

 

 素直に礼を言って再びパフェにスプーンを向けるサイトウさんと、顔をうつむけて手を止めてしまうユウリ。二人の反応の落差に苦笑いを浮かべながら、ボクも再びパフェを食べ進める。

 

「う~ん、本当に何度食べても飽きないし美味しいし……木の実もものすごく新鮮というか、鮮度がいいよね」

「瑞々しさが違いますからね。果汁と言い甘さと言い最高です」

「バトルカフェの商品で余った木の実も少し分けてもらえたからその木の実でポフィンを作ってみてもいいかもしれないね。甘くておいしいものが作れそうかも」

「それたべさせてもらってもいいですかっ!?」

「うおわぁ!?」

 

 ダンッ!!と机に手を叩いて音を立てながら顔を近づけて迫ってくるサイトウさん。あまりの迫力にびっくりしてしまい思わずのけぞり、椅子に座ったまま後ろに倒れそうになって……

 

「うわわわ……」

「っと、何をしているんですか」

「あ、ありがとうセイボリーさん」

 

 セイボリーさん本人が持つサイコパワーで椅子がピタッと止まり、まるで逆再生されたかのようにゆっくりと元の場所に戻ってくる。その分サイトウさんにまた顔が近づくため顔を少し引くのは忘れない。

 

「す、すみません……こんなにおいしい木の実からフリアさんの手作りポフィンが作られると思うと絶対に美味しいなと思いましてつい……」

「あはは……期待されるの自体は嬉しいから気にしないで。素材の良さを殺さないかが心配だからもしかしたら失敗しちゃうかもだけど……」

 

 ボク自身は確かにポフィンを作ること自体は可能だけど職人というわけではないから本家の人と比べるとどうしても見劣りしてしまう。このパフェだって、ボクでも似たようなものを作れるとは思うけど、クリームの泡立て具合だとか、ダイミツの調合量だとかは専門家の方が明るいのは当然だからどうやったって負けてしまう。ボクにポフィンづくりを教えてくれたヒカリならその限りではないんだろうけど……

 

(あれ、そういえば……)

 

 ポフィンのことを考えている間にふと気になったことがあったので周りを見渡してみると、ボクが探しているポケモンが見当たらない。そのポケモンの持ち主であるユウリに視線を向け、気になったことを質問する。

 

「ねぇユウリ……」

「はい!!なんでしょう!!」

「えっと……本当にごめん、ゆっくり落ち着いてから質問するね?」

「は、はいぃ……」

 

 いまだにほんのり顔が赤いユウリが勢いよく顔を上げてボクに対しては普段使わない敬語での返事。どうもほっぺを拭かれたのがボクの想像以上に恥ずかしかったらしく、今の今までずっと困惑していたみたい……なのかな?

 

(うむむ、ヒカリやジュンにする時の癖でついついやってしまったけどよくよく考えたらあまりしない方がいいよね?今度から注意しておこう)

 

 誰だっていきなり顔を触れるのは嫌だからね。しっかりと反省しながらようやく落ち着いてきたユウリの状態をしっかりと確認して今度こそ聞きたかったことを質問する。

 

「ふう……よし!お待たせフリア。何か聞きたいことあったんだよね?」

「うん。ヒンバスの姿が見えないなぁと思って……もしかして今疲れて眠ってたりするの?」

「ああ、ヒンバスのこと……大丈夫、今も元気いっぱいだから平気だよ!ただちょっと外に出るのは待ってもらっててね?……あ、来た!」

「ん?」

 

 ユウリが店の奥に視線を向けて待ちわびたかのような声を上げる。その動きにつられて視線を向けると店員さんが一つの水槽を持ってきていた。

 

「お待たせしました。これくらいの大きさで大丈夫でしたか?」

「はい!ありがとうございます!!待たせてごめんね?出てきて、ヒンバス!!」

 

 その水槽を確認したユウリが嬉しそうに懐のボールからヒンバスを呼び出す。呼び出されたヒンバスは水の中が気持ちいいのか、一度水面から元気よくはねた後、嬉しそうに遊泳を始めた。物凄く大きい水槽というわけではないのでもしかしたら少し窮屈かもしれないけど、久々の水中がよほど満足いったのか、特に文句を言いそうな感じには見えない。

 

 ユウリの言っていた通り、いたって元気なようでちょっと安心だ。

 

 ヒンバスのような水中を主な活動拠点としており、地上でも活動はできない事はないけど、あまりそのように体ができていないポケモンはこうして定期的に水中で自由に動けるようにしてあげないと体調を崩しやすくなってしまう。他に例を挙げるならトサキントやコイキングがこれに該当するかな?人間の体が繊細なのと同じようにポケモンだって繊細なところはあるため、こういうストレスを発散できる機会というのはかなり大事だったりする。そういったところをしっかりと意識できるようになっているあたり、ユウリもトレーナーとして順調に成長しているようで感心感心。

 

(ボクも似たポケモン持ってるしね。今頃楽しそうに泳いでいるんだろうなぁ)

 

 水槽に顔を近づけて青色のポフィンを上げているユウリと、それを食べながら嬉しそうに旋回するヒンバスを見ながら手持ちの子を思い出す。

 

(……あれ?)

 

 そんな微笑ましい光景を見ていると、ふとヒンバスの違和感に気づく。

 

「ねぇユウリ。ヒンバスのそれ……」

「ああ、これ?」

 

 旋回を沢山しているせいで少し見づらい所をユウリが呼び止めて見えやすいようにヒンバスを誘導してくれる。ボクが気づいた異変にセイボリーさんとサイトウさんも気づいたようで、興味深そうにその部分を眺める。

 

「ある日ヒンバスの体を拭いてあげていたら変わっていたんだ。もしかしたら何か体調を崩したサインなのかなって思ったんだけど、ヒンバス自身が全然元気そうだからよくわからなくて……」

「ふむ……鱗が1枚だけ変わった色をしていますね……」

「変わった色……というか虹色ですね。凄く綺麗な色をしていますが……これは自然にこんな色に変わったのですか?それともどこからか持ってきたのですか?」

「それが全然わからなくて……フリアなら何か知ってるのかなって」

 

 セイボリーさんもサイトウさんもヒンバスのこの変化は初めて見るようで首をかしげていた。一方でユウリはもしかしたら大切な仲間が病気か何かなのでは?と思っているのか、少し不安げな表情を見せる。正直このユウリの不安を解消させてあげたいと言う気持ちはあるんだけど……

 

(う~ん、勿論答えは知っているんだけど……どうせなら何も知らない状態でその姿を見届けてびっくりしてほしいんだよね……)

 

「うん。ボクは知っているよ。大丈夫、これは別に体調を崩していたり、病気にかかっているわけじゃないから安心して?」

「本当……?」

「うん。ボクが保証する。ユウリは引き続きちゃんと青色の……渋い味のポフィンをちゃんとあげてね。あ、ポフィンの在庫ある?」

「そういえば今ので最後かも……」

「ワイルドエリアでいろいろあったもんね……はいこれ。少ないけどとりあえずこれでつないでくれる?またすぐ作ってあげるから」

「うん……ありがとう」

 

 ボクの言葉は信じているけど不安が解消されたわけじゃないから安心できない……といった表情を浮かべるユウリ。少し申し訳ないなんて思う気持ちが膨れるけど……やはりこのポケモンに関してはちゃんとその目で見て感動して欲しい。だからここは心を鬼にして隠す決断を貫き通す。

 

「大丈夫……信じて。ね?」

「……わかった。フリアを信じる。こういうってことは、きっと凄いことが起きるから楽しみにしててってことだよね……楽しみにしてるね」

「その気持ちの3倍位は期待してくれても大丈夫だと思うよ」

「そんなに凄いことが起きるのですか?」

「それは是非ともワタクシも知りたいですね……」

 

 サイトウさんとセイボリーさんもかなり気になっている様子で、なんなら今の時点で既にうずうずしている。さすがに気が早すぎると思うけど、それはあくまで全てを知っているボクだからこその感想であって、何も知らない彼女たちからすれば何が起きるのか気になって仕方がないだろう。2人にも是非とも見て欲しいよね。

 

「きっとみんな感動するよ」

「感動……?そんなことが起きるの?」

「うん。だから楽しみに━━」

「マミュミュ!!」

「んみゅっ!?」

 

 していてね。と続くはずだった言葉は顔面に覆いかぶさってきたマホミルによって遮られる。突如顔を襲ってくる甘く優しい香りについつい落ち着いてしまいそうになるところを何とか耐えて引き剥がす。まるでイタズラ成功とばかりに微笑むマホミルに相変わらず毒気が抜かれてしまい、結局そんなに怒らないで終わるあたり、自分の甘さがよくわかってしまう。

 

「全くもう……楽しい?マホミル」

「ミュミュ〜」

 

 それはもう嬉しそうにくるくる回りながら自分の感情を伝えてくる彼女になんだかこちらまで癒されてしまう。先程まで不安そうな顔をしていたユウリも、ちゃんと決められたのかその表情は柔らかくなっており、セイボリーさんとサイトウさんもボクとマホミルのやり取りが面白かったのか微笑みながらそれぞれの食べ物、飲み物を頂いていた。

 

 あまり時間をかけてしまうとせっかくのパフェが溶けてしまうので……いや、溶けかけのアイスはそれはそれですごく美味しいから良いといえば良いんだけど……それでも溶けきってしまう前に食べてしまいたいと思い、マホミルから視線をパフェに戻し、再びスプーンを持つ手を動かしていく。

 

「……あれ?マホミル?」

「ミュ?」

 

 すると先程ヒンバスに感じた違和感と同じようなものをマホミルにも感じたため改めて視線をマホミルに戻すと、マホミルの側頭部2箇所にいつもはつけていないものがついていた。

 

 ついているものの正体はこのバトルカフェで売ってあるアメざいくのひとつで形的にベリーアメざいくと呼ばれているものだ。

 

「どうしたの?それ」

「ミュミュミュ〜」

 

 マホミルが差す指の先を見つめると、ここの店員さんがおまけでつけておいてくれたのか、みんなが食べているスイーツとは別に、さらに何個かのアメざいくが入った皿が置かれており、こちらもみんながみんな幸せそうな顔をして食べていた。どうやらマホミルの側頭部に着いているこれもあそこから取ってきたということだろう。

 

「ミュミュ?ミュミュミュミュ?」

 

 まるで、『どう?似合ってる?』とでも言ってるかのようにボクに近づいて目の前を左右に揺れ動くマホミルの姿がこれまた凄く愛おしく、ついつい頭を撫でながら感想を伝える。

 

「うん。凄く似合ってて可愛いよ」

「ミュミュ〜……」

 

 褒められた喜びと、撫でられた気持ちよさから目を細めながら鳴くマホミルに再び癒される。

 

「けど、あんまり食べ物で遊んだらダメだよ?ちゃんと残さず食べてね?」

「ミュ〜!」

 

 ただ、クリームポケモンであるマホミルだからこそ許される芸当であることに変わりはないので一応注意はしておく。ボクの言葉に鳴いて返事をしながら、楽しそうにみんなの下に戻っていくマホミルに今の言葉が効果を成しているとは思わないけど……

 

「ごちそうさま〜。う〜ん、美味しかった〜!!」

 

 なんてマホミルとじゃれている間にユウリがパフェを完食し、満足気に手を合わせた。彼女の宣言通り、目の前の容器には何も残っておらず、パフェの姿はどこにもない。とは言うものの、ボクの容器内のパフェもかなり減っており、全体的に見ればあと1、2割くらいしか残っていない。サイトウさんもかなり減っているのでボクたち2人が食べ終わるのもそう遠くないだろう。

 

「本当にぺろりと完食しましたね……一体その小さな体のどこにしまわれるのか……」

「なんですかそれ、身長マウントです?」

「単純に不思議に思っただけですよ。やはり女性はみんなこういうものなのですかね?」

「ボク男なんだけど……?」

「……う〜ん、この紅茶とケーキも実にエレガント。感謝を込めてゴチソウサマですね」

「……」

 

 あからさまに視線を逸らして誤魔化すセイボリーさん。まぁいいけどさ。今更身長は諦めてるし、小さくて困ったことないし。

 

 ジト目でセイボリーさんを見ながらもボクも完食し、サイトウさんも無事完食。手持ちのみんなも大変満足したのか、幸せそうに伸びており、1部のポケモンはその満腹感と多幸感からお昼寝に入ってしまった子も見える。その光景がこれまた微笑ましく、ごちそうさまと手を合わせながらその光景を眺めている。

 

 紅茶を飲んで口の中をさっぱりさせほっと一息。

 

 食休みも兼ねた静かな時間がほんの少しだけ作られて……

 

「さて、ここでしたいことは終わったし……次はブティックに行かない?」

 

 ユウリの一言にボクとサイトウさんが笑顔で頷き、セイボリーさんも仕方ないといった様子で、それでも少し微笑みながら頷くことによって次の目的地が決まった。

 

 今までの激動な出来事とは真反対の、まったりとした観光の時間がこうして過ぎていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




バトルカフェ

疲れたのでカフェでバトルして休みます。(???)
開幕からものすごい矛盾な気もしますけど、これまでが命に関わるバトルだったのでそれと比べるとかなり気楽に戦えます。
ちゃんとリラックスにはなっているということですね。

ダイミツモモンパフェ

無茶苦茶甘そう。

セイボリー

サイコキネシスは彼自身もちゃんと使えます。
シルクハットの周りに浮くボールがそうですね。
……そう考えるとあの世界、一般人も逸般人ですね……




よくよく考えたらこの作品、R-15すらついていないんですね。
超健全作品です()
……この後の展開次第で増やす可能性はありますけどね、
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。