【完結】ポケットモンスター 約束のためにもう一度   作:犬鼬

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51話

「おぇ……まだ頭クラクラする……」

「マホ〜……」

「ああ、うん。大丈夫だよ〜。ありがとね〜」

 

 ラテラルスタジアムのジムミッションをどうクリアしたのか全く覚えていないため、若干消化不良感の否めない結果だったんだけど、それ以上に頭の中をシェイクされまくったせいで未だにぐるぐるする頭を抱えてラテラルスタジアム内にある休憩所の机に頭を乗せて休んでいるボク。

 

 机の上には先のジムミッションで進化したばかりのマホイップも乗っており、さすがに反省しているのかボクの頭を撫でながら申し訳なさそうに鳴いている。

 

 今思えば、元々くるくる回るのが好きだった子だし、初めて見るまるで遊具のような乗り物にテンションが上がってしまったのだろうということは想像に難くない。そんな彼女の心情を悟っているため、コーヒーカップから降りてすぐの時みたいに、ちょっとした怒りの感情が頭を埋めることはなく、むしろ今は進化した嬉しさとマホミルからさらに可愛らしい姿になったことに対してほっこりしている自分がいる。

 

 青色の体色になっているところも、ボクが個人的に青系統の色を気に入っている節があるのでポイントが高かったり。ボクのお気に入りのマフラーも水色だしね。

 

 こうやって休みながら頭の中をひとつずつ整理していくとようやく頭の不愉快な部分が抜けていく感覚が現れ始める。このまま行けばすぐにでも回復しそうだ。

 

「ふぅ〜……しっかし、乗り物酔いってこんなに辛いんだね……初めてだから知らなかったや……」

「やっぱり、想像以上に体弱いんね?フリアって」

「あ、マリィ」

「ほい、お茶でよかと?」

「さんきゅ〜……ってひゃぁ!?」

「ん、ちょっとした意地悪」

「絶賛体調不良者にやる!?それ!!」

 

 机に突っ伏してるところに声をかけてきたマリィはどうやらボクにつめた〜いお茶を買ってきてくれていたみたいだ。それだけなら普通にありがたかったんだけど、首筋に直接当ててきたため変な声を上げながら反応してしまう。

 

(うぅ、今のせいで変に視線集めたぁ……)

 

 こちらを見てくると言ってもほんの数秒で、すぐに飽きるか各々のやることに集中し直したみたいでこちらを見つめる人なんてほとんどいないけど、それでも1回視線を集めてしまったという事実が羞恥心となってボクを襲ってくる。というかマホイップと言い、マリィと言い、ヒカリやジュンと言い、なんでボクをからかったり、振り回すことを良くするのか……そんなにボクって弄りやすいのかな……?

 

「確かにそうだけど……あんまし元気ない姿を手持ちの子に見せん方がよかとよ。ほら、マホイップも凄く悲しそうな顔しとるし」

「……そういうことにしておいてあげる」

 

 どうも話を上手くそらされた感じがするけど、マホイップが今にも泣きそうな顔をしていることに変わりはないので今はこちらを優先させる。言葉では大丈夫とは言ったけど、確かにこういうことは態度で示さないとしっかりと伝わらないものだ。さっきも言った通り進化してくれたことは凄くおめでたいし、マホイップになってさらに可愛く、頼もしくなったことが嬉しいのも事実。

 

 そんなおめでたい事が起きた子にさせていい顔ではない。しっかりと頭を撫でてあげ、笑顔で声をかけていく。

 

「あれ、そう言えばユウリたちは?」

「皆無事ジムミッション突破して、とりあえずちょっと落ち着いたから〜って言いながらお花摘みと物販見に行っとるね。すぐ帰ってくるけん、心配せんでもよか」

「そっか……しかし、ジムミッション中に進化するとは思わなかったなぁ……」

 

 ユウリたちが特にトラブル等に巻き込まれてないというのがわかったので話をマホイップに戻す。

 

 個人的にはこれは嬉しい誤算だったんだけど、ポケモンって基本的に戦闘によるレベルアップで進化するし、そうじゃない個体も大体が進化の石や特別な道具、もしくは誰かと交換することによって進化する。けどマホイップの場合はそのどれにも該当しない。

 

 強いていえば飴細工をプレゼントしているんだけど、もしこれで進化をするのなら、ワイルドエリアで吹雪に襲われた時に、ベリーあめざいくをあげた時点で進化をしていないとおかしいので話が合わない。それに、野生のマホイップがどうやっても存在しないことになってしまうしね。少なくとも今回の進化の仕方から、レベルアップによる進化ではないことがわかったので他の条件があるはずなんだけど……

 

「あれ、フリア知らなかったと……?って、元々ここの産まれじゃないから知らなくてもおかしくはなかったね。マホミルの進化ってかなり特殊で、ある程度成長した個体が何かしらの飴細工を身につけた状態でくるくる回ることで進化するの。特に、信頼出来るトレーナーが一緒に回ってあげたらその分早く進化できるみたいやんね」

「何その進化方法……」

「ほら、お菓子を作れるフリアなら想像しやすいと思うんけど、クリーム作るのに泡立て器でぐるぐるかき混ぜるでしょ?要はそれに近いことしてるって訳」

「あぁ!すごく納得した」

 

 マホイップがクリームポケモンという種類に分類されることを考えるとなるほど理にかなってると言うか、説得力しかない進化方法だ。もしかしたらこの進化方法を見つけたからこそクリームポケモンと呼ばれるようになったのかもね。

 

「にしてもよくそんな進化方法わかったね……どうやって見つけたんだろ?」

「一説によれば、パティシエとしてお店を出していた人が、ある日空腹で倒れそうなマホミルに飴細工をあげて救出。助けてもらったマホミルが今度はそのお礼をするために看板ポケモンとしてそのパティシエのお店で客引きをするようになったとか。結果お店は大繁盛。そのことに嬉しさと感謝を感じたパティシエはその感情の勢いのままマホミルを持ち上げて一緒にくるくる踊ったところ進化したみたい」

「ほぇ〜。なんだか1本のドラマになりそうなお話だね」

 

 思いのほか微笑ましい起源のせいか、聞いているだけで心があたたまるいいお話だ。

 

「マホイップに進化したあともそのお店はどんどん繁盛していったみたいで、それからというもの、マホミルが姿を現したパティスリーは大繁盛が約束されるって言われるようになったとね」

「あ、それは図鑑説明にもあったから知ってる!」

「ちなみにその噂のパティスリーが、今ガラルにあるバトルカフェの本店って言われてるね」

「どうりで美味しいわけだ」

 

 裏にこんな話があったのかと思うと、やっぱりこういう歴史のお話は面白い。流石に全ポケモンを調べるのはきついけど、せめて自分の手持ちの事くらいは知っておきたいよね。

 

「ふふっ、でもよくよく考えたらフリアもポフィン作れるから、フリアがお店を出したら案外繁盛するんじゃなかと?」

「あはは、それじゃあトレーナーを引退する時はパティシエになってみるのも悪くないかもね」

「じゃあその時はあたしが店員をしてあげるよ」

「それは頼もしいね」

「マホマホ〜!!」

 

 その時はヒカリも誘ってみたらなかなかいい線行くのではないだろうか?

 

(……いやいや、なんでそんなこと考えてるの?)

 

 ツッコミ不在のよく分からない未来造像図に少し頭を傾げてしまうけど……割と本当に楽しそうだし想像出来てしまうのが怖いところだ。

 

「なになに?2人の結婚したあとの計画?」

「ん?」

「なっ!?」

 

 2人でそんなことを話していたところに横から聞こえる声。マリィの驚いたような声にちょっとびっくりしたけど、一先ず置いておいて声の主を確認すると、ナックルシティで別れたばかりのソニアさんがハロハロ〜と手を振りながらこちらに歩いてきていた。

 

「あれ、ソニアさん……?どうしてここに?というよりよくここまで来れましたね……ってよくよく考えたらジムチャレンジ経験者でしたね」

「もう、わたしの事をいくらなんでも見くびりすぎじゃない?……まぁ、ここにはアーマーガァタクシーで来てるんだけど」

「やっぱりずるじゃないですか」

「あんな道通るのは物好きかジムチャレンジャーくらいしかいないわよ!!」

「け、結婚……あたしが……?い、いやいや……」

「マリィ〜?どうしたの〜?」

 

 どうやらアーマーガァタクシーでここまで来たらしいソニアさんと再び合流。まだ別れて数日しかたってなかったため、ナックルシティで感じたような懐かしさはあまり無かったけど、やっぱりこうやって顔見知りと出会うのは嬉しいというか落ち着くというか。

 

 こうやって話していくと段々と頭の痛みと気持ち悪さも引いていくし、気がつけばいつものボクの体調に戻っている。マホイップもそのことが嬉しいのか膝の上でご機嫌にお座りしている。かわいい。

 

 その代わりに今度はマリィの様子がおかしくなってるけど……

 

(なにこれ、このバッドステータスって交代制なの?)

 

「あんた……意外と節操なしなのね?」

「物凄い風評被害受けてる気がするんですけど!?え、どこでそんなに評価落とされた!?」

「これはあんた本人の問題なのか、はたまたシンオウ地方で過ごした環境のせいなのか、そこが問題ね」

「あの……何かしら琴線に触れたなら教えてくれません?ちゃんと謝りますので……」

「謝る相手はわたしじゃないけどね?」

「……?」

「はぁ……」

 

 何か粗相をしたのなら挽回したいと思いあれこれ聞いてみても、その度に評価が下がっている気しかしない。あと遠回しにジュンたちのこともバカにされてる気がするけど……気のせい?いや、ジュンはバカで合ってはいるんだけど。

 

「まぁ、わたしはギャロップに蹴られたくないから傍観することにして……わたしがここにいる理由ね」

 

 なんだか聞いたことあるセリフを聞きながらどこかもやもやした気持ちを頭に残しているけど、ソニアさんから本題が提出されたので今はそちらに集中する。その間にマリィもいつもの状態に戻ってたし、なんなら……

 

「お〜い、フリア〜!マリィ〜!戻ったぞ〜!!」

「おまたせ〜……ってソニアさん?」

「おや、あなたは確かナックルシティで出会ったお方……」

 

 ユウリとホップ、セイボリーさんまでもが集合してきた。最近のイツメンの中ではサイトウさんのみ居ないけど、彼女はビートと一緒で今日ジム戦のはずなので今頃準備をしてるところだろう。まだ出番は先みたいなので急ぐ必要は無いけど、出番が来たら精一杯応援しよう。

 

 話が逸れたね。元に戻すために視線でソニアさんに訴えかけると、ソニアさんも頷いてくれたので、そのまま続きのお話を喋ってもらう。

 

「わたしがここに来たのはナックルシティの時と一緒で、ここに英雄伝説のヒントがあるからよ」

「ここにもあるんですか?」

 

 確かに遺跡やら掘り出し物やらが沢山あるため、歴史的なものは色んなところで見つかりそうな気はする。……流石にラテラルタウン入口の巨大ディグダの石像は関係ない気がするけど。

 

「ラテラルスタジアムの左手に道があったでしょ?その道を進むと階段がずっと続いていて、その階段を登りきった先に英雄伝説に関係があると言われている遺跡があるの」

「そんな道あったか?」

「ホップ……スタジアムしか目に入ってなかと……」

 

 ホップの言葉にみんなが苦笑いを浮かべる。この様子を見るにホップ以外のみんなはしっかりとそのことを覚えているみたいだけど、確かにラテラルスタジアムの入口に向かい合った時、左手にラテラルタウンの奥へ進める階段があったのを記憶している。特にお店があるとか住宅街があるとかで賑わっているわけでもなかったのでまだその道には進んではいないんだけど……

 

「そっか、その先にも遺跡があるんだ……」

「とは言っても、レプリカなんだけどね。写真で見たこともあるんだけど……正直あんまり期待はしていないのよね」

 

 そう言いながら懐から1枚の写真を取り出すソニアさん。それにつられてみんなで覗き込んで確認するけど……

 

「……落書き?」

「フリア、失礼だぞ!」

「遺跡への道すら覚えてないホップが言える義理じゃなかと……」

「でもフリアの言う通り、落書きにしか見えないかも……」

「なんですかこのナンセンスな遺跡……というかこれは壁画というのでは?」

「言いたい放題ね、あんた達……」

 

 ボクたちの一切容赦ない感想に思わず苦笑いを浮かべてしまうソニアさんだけど、決して否定をする訳では無いあたり、ソニアさんも心のどこかでそう思っている節があるみたいで強くは反論出来ない状態だ。

 

 いや、割とマジめにこれが遺跡と言われても全然信用出来ないし、これはレプリカらしいけど本家はどうなのか逆に気になるレベルだ。ソニアさんがあまり期待していないという理由もすごく納得できる。ボクが同じ立場だったら調べすらしないかも……

 

「けど、英雄伝説については分からないことの方が多いからさ……ちょっとでも手がかりになる可能性があるなら調べないに越したことはないかなって。やらない後悔よりやる後悔でしょ?それに、歴史の研究に無駄足は日常茶飯事だしね。むしろ、こういう失敗を積み重ねた上に成功ってものはなるのよ!!」

「「「「「おお〜……」」」」」

 

 ソニアさんの言葉がなんだかかっこよく聞こえてしまい思わず全員で拍手。ソニアさんのこういう前向きなところは見ていてすごく気持ちがいいよね。

 

「じゃあ早速その遺跡に向かうんですか?」

「ええ……と言いたいんだけどね。流石にここ連日研究ばかりだし、アーマーガァタクシーで楽してきたとはいえ、6番道路を通ってきてるから暑さのせいで汗がちょっとね……?」

「あの道路、空中でも暑いんですね……」

 

 恐るべきコータスパワー。彼らがいる限り、あの場所は常夏の楽園を維持し続けるだろう。……海はないけど。

 

「だからちょっと休憩しようかなって。それに、聞くところによると明日はフリアたち、ジム戦するんでしょ?」

「はい。今日みんなで無事にジムミッションを突破したので早速明日挑もうかなと」

 

 ビートやサイトウさんみたいに何日かおいて挑んでも良かったのだけど、別にいたずらに日にちを遅らせる理由もないので挑めるなら挑んでしまおうということになり、ボク、ユウリ、セイボリーさんの3人で仲良く明日ジム戦をすることに。後半戦最初ということもあり、ジムリーダーが出すポケモンも今までの3匹から4匹に増えているため、さらに激しい戦いが予想される。気を引き締めていかないとね。

 

「よくよく考えたらわたし、まだフリアとユウリのジム戦を現地観戦出来てないからさ。これを機に見ておきたいなって思ってね。だから明日は観客席でしっかりと応援してあげるわ。だから、負けるんじゃないわよ?」

 

 これは嬉しい言葉だ。応援がなくてももちろん負ける気は無いし、勝つために全力で頑張るけど、こうやって知り合いに背中を押してもらえると分かるととても心強い。

 

「「勿論です!」」

 

 元気よく頷くボクとユウリ。今回もできることならしっかりと1発で超えたいよね。

 

「しっかし、フリアって面白いわよね〜。今までのジムミッションのアーカイブは見たんだけど全部トラブル起きてない?」

「うぐっ、割と気にしてるところを……」

「ターフではウールーにまとわりつかれ、バウでは水に打たれ、エンジンではまさかのポフィン持ち込みに、ラテラルではマホミルシェイク……ふふふ、本当に見ていて飽きないわぁ」

「マホミルシェイクなんて呼ばれてるんです!?あれ!!」

 

 なんだかネットの掲示板とかSNSとかを見るのが怖くなってきた……。普段から見てるほうじゃないし、ボク自身そう言ったサイトやアプリのアカウントを持っている訳では無いので詳しく知りはしないけど、ああいう場所では割ときつい言葉を影で言われているものらしい。エンジンの時も思ったけど本当に炎上していないか心配だ。

 

 この事を毎回ジムリーダーや関係者に聞いてみると皆物凄く微笑ましい表情で見てくるのが凄く気になるんだけど……これは心配しなくていいっていうことでいいんだよね?大丈夫だよね?

 

「そ、その分ジム戦頑張ってるので……許してください……」

「ほんと、一転してジム戦は凄くかっこいいから凄いわよね」

「そのギャップがまたいいらしくて、女性からのうけもよかとよ?」

「そうなの……?」

 

 マリィにちらっとネットの反応を見せてもらうと、確かにソニアさんが言ってた通りのコメントがいくつか見受けられる。

 

 これはこれでなんというか……

 

「……なんか、恥ずかしい……どう反応すれば……」

「「「その反応がもうずるいんだと思う」」」

「……?」

 

 女性陣からの言葉に思わず首を傾げてしまうけどとにかく恥ずかしい。

 

「そうだ、これを機にせっかくだからフリアもアカウントを作って……」

「絶対にいやっ!!」

 

 ボクには高度な文明なので絶対に手は出しません!!

 

 でもあとから聞くに、どうやらボク以外の人は皆アカウントを作っているらしく、なんとあのサイトウさんまでもがそのアプリで発信をしているのだとか。

 

(それはそれで仲間はずれみたいでなんか嫌だなぁ……)

 

 それからというもの、ネットでのみんなの評判の話題になって花を咲かせている間、ずっともやもやしながら過ごすボクであった。

 

(……アカウント、作った方がいいのかな?)

 

 ……もう少し様子を見よう。うん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「すぅ……はぁ……」

 

 深呼吸をひとつ。真っ暗な廊下から見える四角い光に向けて1歩、また1歩と足を進めていく。

 

(やっぱり、このジム戦直前のこの通路を歩くと、いやがおうにも引き締まる……)

 

 そして真っ白い出口に到着した瞬間、暗いところから明るいところに出たため、真っ白で見づらかった景色が少しずつ色を取り戻していく。

 

 ようやく目が慣れて、周りの景色を鮮明に見えるようになった時、目に入ってくるのは深く、濃い紫色に彩られた広大なバトルコート。ゴーストジムの名を冠するのにふさわしい舞台と言えた。

 

 コツコツと靴が地面を叩く音を響かせながらバトルコートの中央へ歩いていくと、向かい側の廊下から同じく、このバトルコートに向かって、まるで火の玉が空中をふわふわ揺らめいているかのように、右へ、左へと体をゆらゆら揺らしながら歩いてくるオニオンさんの姿が目に入る。

 

(流石に一緒の廊下から来るのはカブさんだけだよね)

 

 1つ前のジムのことを思い出し、そして直ぐにその記憶を片隅に寄せておく。今は目の前の強敵のことをしっかり考えないとダメだ。

 

 歩くスピードの兼ね合いでボクが先にバトルコート中央へ到着。その数秒後、オニオンさんも真ん中に到着したので、お互い向かい合って視線を合わせる。

 

 相変わらずオニオンさんは白色の仮面をつけているため、表情は読み取れないけど、仮面の穴から覗く紫色の瞳がこの前会った時よりも鋭くこちらを射抜いているのが伝わってくる。背が低く、ボク以上に女性的なイメージを持たれやすい彼だけど、こうして対峙してみるとよく分かる。

 

(このプレッシャー……やっぱりジムリーダーなんだなぁ)

 

「……あの……体、大丈夫……?」

「え?」

 

 そのプレッシャーに負けないように気を張っていると、急にボクを心配する言葉を投げかけられる。その言葉の真意が少し分からなくて、若干返答に困っていたところに、オニオンさんがさらに言葉を続ける。

 

「……昨日……凄く辛そう……だったから……大丈夫かなって……」

「あぁ〜……うん、もう全快してるから大丈夫です!ありがとうございます」

 

 どうやら昨日ボクが酔って突っ伏しているところを見られていたみたいで、その事に感する心配だったようだ。行動がふわふわしてて少し読みづらいけど、こうして話してみるとやっぱりとても優しい人だ。そして同時に……

 

「……よかった。……あなたの強さ……ねえさんから沢山聞いた……だから……あなたとは、是非とも本気で戦いたかったから……」

「っ!!」

 

 どうしようもないくらい、ポケモンバトルが大好きな人だ。

 

 

『今回のバトルは4体4のシングルバトル!!さぁさぁ、最初の関門と言われるエンジンジムを越えるもの達を迎え撃つ後半勢最初の壁!!どんなバトルが繰り広げられるのか大変楽しみですね!!』

 

 

「怖いし、緊張もする……けど……それ以上に……ポケモンと……バトルが……大好きだから……!!」

 

 ナレーションの声を合図にボクはモンスターボールを、オニオンさんはダークボールを構える。

 

「分かります。その気持ち……ボクだって、バトルもポケモンも大好きですから!!」

「……はい……伝わってきます。……なので……!!」

 

 観客の大歓声があらゆる音を上書きしていくのに不思議と耳まで届いてくるオニオンさんの、決して大きいとは言えない、しかし、芯の通った重い言葉。

 

 

「怖いけど……押しのけて……乗り越えて……っ!!ほ、本気で……全力で……っ!!あなたを迎え撃つ……壁になります!!ねえさんが認めた強さ……ボクに見せてください!!」

 

 

ジムリーダーの オニオンが

勝負を しかけてきた!

 

 

「いけ!!」

「……いって!!」

 

 いよいよ折り返しとなるジム戦。小さく、けれど大きな意志を持った、勇ましきジムリーダーとの激闘の幕が上がった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




マホミル、マホイップ

姿を見せたら繁盛する。のくだりは実際に図鑑にありますけど、その理由に関してはオリジナルです。
こんな話だといいなぁと思い綴りました。
しかし、飴細工が必要って、野生のマホイップはどう誕生してるのでしょうね?

遺跡

……遺跡?
壁画……じゃないの?(調べている時の私の反応)
あれ、レプリカって言われてますけど、本物もあんな落書きみたいな感じなんですかね?

ネットの反応

可愛いとかっこいいを兼ね備えてるのは卑怯では……?
ちなみにユウリさんたちがフリアさんと行動を共にしているのはバレているので、ユウリさんたちに、「フリア選手もアカウント作るように言ってください!!」みたいなお話が来ていたりいなかったり……

オニオン

怯えてるけど頑張る子。
応援したくなりますね。




ニンダイでカービィの新作が発表されて飛び跳ねてます。
30周年なので予想はしてましたけど、やはり発表があると嬉しいですね。
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