「いけ!!ジメレオン!!」
「……いって!!デスマス!!」
お互い1匹目のポケモンを同時に場に繰り出す。こちらの先発はジメレオン。いきなりのエースにオニオンさんの体が少しだけ反応した気がした。ボクの手持ちはもう筒抜けになっているという前提で考えると、まさか最初からジメレオンが来るということは予想出来なかったのか、はたまた……
(あのデスマスに対してあまりよろしくないかのどちらか、かな?)
相手の先発であるデスマス。もちろん、デスマスのことはボクも知っている。けどボクの知っているデスマスとは若干の差異が見られ、赤い目をした小さい影が、金色のマスクを持っている姿ではなく、紫色の目をしており、もはや尻尾がめり込んで取り外しが出来ない粘土板のようなものが、金色の仮面の代わりにその小さな影にくっついていた。
リージョンフォーム。
ガラル地方に来て初めて見た訳ではないけど、やっぱり別の姿の方が馴染みあるボクにとっては、こういう存在とのバトルは先入観に囚われがちなので下手な新種ポケモンよりも戦いにくかったりする。
幸いにも最初の展開は激しい攻撃からのスタートではなく、お互いの様子を観察するためのゆったりした出だしになったため、こうやってじっくり観察する時間が取れた。これなら初見殺しを喰らうこともあまりないかもしれない。先手必勝をしてこないあたり、あのデスマスはボクの知っている姿と同様、そんなに早い訳では無いのかもしれないね。
「なら……ジメレオン!!『みずのはどう』!!」
様子見をしながらも効きそうならそのまま攻めるためのみずのはどう。青色の水球が真っ直ぐデスマスの方へと飛んでいく。
「……デスマス、『ぶんまわす』」
対するデスマスは、オニオンさんの小さくも、しかしはっきりと芯の通った声に従って尻尾についている粘土板を遠心力をのせて振り回す。そのまま粘土板をみずのはどうに叩きつけて威力を相殺。みずのはどうは衝撃を受けて爆発する。何とか防いだデスマスだけど、明らかに想定以上にダメージが入っているようにも見える。
もしかしたらリージョンフォームによってみずタイプに弱くなっているのかもしれない。
「ならこのまま攻めまくるよ!!もう一度『みずのはどう』!!」
「ジメッ!!」
指示に従い再び水を溜めるジメレオン。この攻撃を起点に攻勢に転じてまずは1匹落とす。そう思ったのだか……
「ジメッ!?」
突如貯めていた水が技を放つ前に爆ぜてしまい不発に終わる。
「……もう一度『ぶんまわす』です」
「っ!?ジメレオン!!ガード!!」
その事に驚いている間にデスマスが懐に入り込んで粘土板を叩きつけてくる。咄嗟に腕をクロスして受け身に回ったことで最小限に抑えたものの、先程のみずのはどうの分の仕返しはしっかりとされてしまった。
その攻防の間に先程の答えを頭の中で出す。
(かなしばり!やっぱり来た!)
先程ジメレオンのみずのはどうが封じられた理由。最後に使った技を一時的に封印するその技は、ウルガモスと戦った時にセイボリーさんにみせてもらっているためすぐにわかった。ただあの時と違うことと言えば……
(指示が一切聞こえなかった……ううん。そもそも声を出していない。ゴーストタイプとの親和性がいいって言ってたけど、指示しなくても伝わるレベルなんだ)
不幸な事故により身についた偶然の産物でありながらもここまでのものへと昇華させているのは、間違いなく彼自身の実力による所。力を手に入れただけじゃなくてそこから自分で育てているのもしっかりと感じる。これだけ若くしてジムリーダーにつけるのも納得だ。けど……
(負けるわけにはいかないんだよね!!)
みずのはどうが封じられたからと言って戦えないわけじゃない。そもそもジメレオンが持っている技の中で、ゴーストに対して有効に働く技は本来はみずのはどうではない。
「……デスマス、『ぶんまわ━━』」
「『ふいうち』!!」
「……っ!?」
三度攻撃態勢に入ったデスマスに対して深く潜り込んで攻撃を放つジメレオン。みずのはどうを苦手とするタイプとは別に、このジムならではのゴーストタイプを絶対に含むため、あくタイプの技であるふいうちがとにかく刺さる。この技がある限り、ジメレオンを完璧に封じたとは言わせない。
もっとも、このふいうちは相手の攻撃技に合わせないと意味がないため、変化技を得意とするゴーストタイプに決めるにはボクの見極めがかなり大事になるんだけどね。
「……デスマス、『おにび』……です!」
「そうくるよね」
デスマスの周りから紫色の3つの焔が現れ、ジメレオンに向かって高速で飛び回る。
おにびは変化技のためふいうちは合わせられない。右から、上から、左から、包囲してくるように飛んでくる火の玉。
「ジメレオン!走って!!」
「ジメッ!!」
本来ならみずのはどうで消したいところだけど、かなしばりが邪魔をして相殺が出来ない。幸いスピードに自信のあるジメレオンのおかげで避けること自体は可能だけど……
「ジメッ!?」
「次、右と後ろから来るから前に抜けて!!」
おにびが追尾弾であるため、避けても避けてもキリがなく、永遠とジメレオンの周りを3つの火の玉がまとわりついてくる。そこに定期的にデスマスからぶんまわすが飛んでくるので攻撃に移れない。
(このままじゃこちらが消耗するだけ……なら!!)
「ジメレオン!!もう一度前!!」
おにびを避けるためにボクの指示を聞いたジメレオンが大きく前に飛ぶ。当然そんなわかりやすい動きをすれば、デスマスもいい加減相手を止めるために攻撃を構える。
「……デスマス、『ぶんまわす』!!」
ジメレオンを無理やり後ろに吹き飛ばし、迫っているおにびにぶつけるためにぶんまわすを構えるデスマス。今から避ける動作をしても間に合わないだろう。けど、ここまで来れば避ける必要は無い!
「ジメレオン!!構えて!!」
「ジメッ!!」
「……な、何を?」
ボクの言葉の意味を理解したジメレオンが大きく手を広げてデスマスの動きを迎え入れる。何をするか理解できないオニオンさんだけど、今から考えても動きを変えられないと悟り、そのまま攻撃。勢いを載せて飛んでくる粘土板。それをボクの指示を聞いて構えていたジメレオンは少しのダメージはあるものの、しっかりと受け止め、キャッチした。
「デス!?」
「……捕まえられた!?」
「そのままおにびにたたきつけて!!」
「……!?」
デスマスの粘土板はデスマス本人の尻尾のようなところが埋め込んであるため引っこ抜けない。なら当然その粘土板を振り回せばデスマスも振り回される。それを利用して今まさに後ろから着弾しそうなおにびに対して、背負い投げのような形でデスマスを後ろに投げてぶつけていく。
「……デスマス!!……体をひねって」
せめてもの抵抗と体をくねらせておにびを躱そうとするものの、それに合わせてジメレオンが上手くデスマスを振り回して躱させない。不思議な攻防が繰り広げられる中、おにびがようやくジメレオンに追いつき、紫色の爆発が上がる。その爆煙の中からジメレオンとデスマスが同時に飛び出し、お互いのトレーナーの下へ。
「……デスマス……大丈夫……?」
「ジメレオン、行ける?」
「デスッ!!」
「ジメッ!!」
お互いにまだまだ行けると返事を返してくる。しかし、先程のおにびによる爆発が思いの他大きく、当初の予定だとデスマスだけにやけどを付与して自分は逃げるつもりだったんだけどそうは問屋が卸さなかったみたいで、ジメレオンも共にやけど状態になってしまっていた。
(これはちょっと嫌な展開だ……)
お互い5分にも見えるこの状況。しかし、ことゴーストタイプ相手に状態異常になるのはまずい。
「ジメレオン、『かげぶんしん』!!」
「……デスマス、『ぶんまわす』!!」
狙合いを少しでも逸らさせるためにかげぶんしんで惑わそうとするものの、冷静に全体攻撃であるぶんまわすで処理。かげぶんしんの後隙を見せてしまう。
(けど、相手が狙うならここ!!)
「……デスマス!!」
「ジメレオン!」
「……よけて!」「『ふいう━━』なぁ!?」
相手が後隙を狙って攻撃するところにふいうちを合わせようとするものの、それすらも読み切ってよける。そして生まれるかげぶんしんの後よりも大きな後隙。
「……デスマス……『たたりめ』!」
「ジメレオン!!」
とうとう受けることとなるゴーストタイプの技、たたりめ。普通に攻撃する分には対して痛くない攻撃であるものの、攻撃した相手が何かしらの状態異常になっているときは、威力が倍になるという効果がある。そして今のジメレオンは火傷状態……つまりこの条件に当てはまった状態だ。
(冷静すぎる……確かに一度ふいうちみせてるから頭の片隅にはあるはずだけど、わざわざ隙を一回見逃してそのあとにさらに大きな一撃当ててくるなんて……)
こちらだってたたりめの存在は予想できた。けど予想されたうえで避けられないタイミングで打ってきた。
「ジ……ジメッ!」
「……よし、ジメレオン。まだいけるね」
やけどによるスリップダメージとたたりめによる大ダメージでかなりつらい状況だけどまだまだ頑張れると声を張るジメレオン。
(けどやっぱり想像以上にたたりめとかなしばりが厄介すぎる)
ゴーストタイプならではの搦め手がじわじわと首を絞めてくる。ボク自身、ゴーストタイプの厄介なところはよく知っているけど、こうして対面してみてその対応のしづらさを再確認する。
(やっぱりここはあの子の出番を多めにしなきゃだね)
そのためにもまずはあの技をもう一度誘発させなくてはいけない。
「ジメレオン!!突っ込め!!」
「ジメッ!」
痛む体に鞭を打って走り出すジメレオン。再びデスマスの懐に向かって駆けだすその姿に警戒心を引き上げるオニオンさん。
お互い頭の中にあるのは、バトルの駆け引きにおいてとっても大事なふいうちの存在のはず。1回目はボクが勝ち、2回目はオニオンさんが勝った。
なら次は……
「……デスマス、『おにび』!!」「ジメレオン、『ふいうち』!!」
デスマスの変化技とジメレオンのふいうち。3回目のふいうちを打つか打たないかの読み合いはオニオンさんに軍配が上がった。
ふいうちをおにびの引き打ちによってケアしたデスマスは余裕をもってふいうちをよけ、返しのおにびがジメレオンに直撃する。既にやけどになっているため大きくダメージを受けることもなければ、さらにやけどになることもないけど、紫の炎に焼かれたジメレオン顔がまたゆがみ、確かなダメージを受けて少し怯んでしまう。その隙をオニオンさんは見逃さない。
そして同時に……
「……デスマス『た━━』」
「ジメレオン、『とんぼがえり』!!」
「『━━たりめ』……え?」
その行動をボクも見逃さない。
デスマスが攻撃するよりも速く蹴りを叩き込み、その跳ね返りの力を利用してボクの右手に持っているモンスターボールに帰ってくるジメレオン。そしてすぐさま左手に持つボールを投げ、このジムで一番期待しているポケモンに託す。
「行け!イーブイ!!」
「……イーブイ!?」
出てきたのはイーブイ。ジメレオンの代わりに出てきたイーブイに向かって
「ブイ?」
たたりめはゴーストタイプの技でイーブイはノーマルタイプ。
この2つのタイプには大きな特徴があり、それはお互いがお互いに干渉することができないというもの。そのためノーマルタイプであるイーブイは、こちらの主力技が当たることは無いけど、同時に相手の技も当ることがない。そしてゴーストタイプの特徴としてもう一つ、珍しいことに自分と同じタイプであるゴーストタイプが弱点となっているという点が挙げられる。基本的に自分と同じタイプの技は耐性があるため、効果がいまひとつになることが多いのだけど、ゴーストタイプとドラゴンタイプは異例として、自分のタイプの技で大きく傷ついてしまう。
このタイプ相性を理解しておけばゴーストタイプとの戦いはかなり楽になる。最も、イーブイは技マシンや技レコードでシャドーボールを覚える他、ゴーストタイプの技を覚える手段がない。当然今のボクの手持ちにそんな高価なものはまだなく、現状覚えることはできないため、そう簡単に対策を立てられるわけではない。
しかし、ボクのイーブイならゴーストタイプの技を覚えられなくても
(今!!この場で、最後に使われた技がたたりめであるこの瞬間なら!!)
「イーブイ!!『まねっこ』!!」
「……ここで……『まねっこ』!?」
まねっこによって最後に放たれた技、たたりめが発動。イーブイの尻尾が怪しい紫色を放ち、先ほど自分を襲った黒い靄を今度はデスマスに対して放つ。慌ててよけようとするものの、急に現れたその技に対して反応が間に合わず直撃。
ここで改めて思い出してほしいのがたたりめの効果である状態異常のポケモンに2倍の威力が決まるという事。そして先ほどジメレオンに活躍によりデスマスもまたやけどになっていること。
「デスッ!?」
「……デスマス!?」
ばつぐんの技にさらにたたりめの効果が乗った、推定威力4倍のダメージがデスマスを襲う。かろうじて耐えるものの立っているのがやっとの状態。そこにさらにイーブイで追い打ちをする。
「イーブイ、『かみつく』!!」
「ブイッ!!」
あくタイプの技であるかみつくによる的確な攻撃によりさらに後ろに吹き飛ぶデスマス。もう倒れてもおかしくないダメージを負いながら、それでもまだ倒れないのはオニオンさんとの絆が強いせいか。っていうか絶対ボク以外の人が対戦相手なら絶対に倒れている。間違いなく他の人との戦いのときより少しレベルが高い。
(けどあと一押しすれば今度こそ戦闘不能になる!)
それを感じ取ったイーブイがデスマスの懐にもぐりこもうとする。
「……あのイーブイは……厄介です。……だからせめて……『おにび』!!」
デスマスを倒されることを、そしてデスマス自身もそれを確信しながらも主のためにおにびを構える。確かにここでイーブイまでやけどになったらこの先の戦いがつらくなる。だから……
「イーブイ!
「ブイッ!!」
「……どういう!?」
デスマスに向かっていた体を180°反転させ、ボクの指示通りこちらに向かってでんこうせっかで走ってくるイーブイ。正確には
「……また交代!?」
一瞬でボールに吸い込まれていくイーブイを横目にすぐに右手にあるボールを投げる。現れるのは2度目の登場となるジメレオン。そのジメレオンに向かって3度目となるおにびの襲来。
またこの状況かと思うかもしれないけど、今この状況は先ほどとは決定的に違う点がある。
それは一度ボールに戻ったことによって起こること。
すなわち……
「ジメレオン、『みずのはどう』!!」
かなしばりの解除だ。
「ジ~ッメ!!」
今まで打てなかった鬱憤を晴らすかの如く巨大な水の塊を放出するジメレオン。その水の塊はおにびの炎をすべて消し去りながらなお勢いが衰えておらず、デスマスに向かって突き進んでいく。ジメレオンの体がほんのり水色に光っているあたり、げきりゅうが少し発動しているのがこの水の威力の原因だろう。
デスマス特有の特性で、相手の特性を上書きし、消すことができるミイラもまた、ボールに戻ったことによって解除されているため安心してげきりゅうの恩恵を受けることができる。
(ガラルのデスマスがボクの知っているデスマスと同じ特性かはわからないけどね。兎にも角にも……)
響き渡る水の爆音と巻きあがる水しぶき。それらが晴れた先では目を回しているデスマスが倒れていた。
『デスマス戦闘不能!!勝者、ジメレオン!!』
(まずは一本……)
これがボクのゴースト対策であるイーブイサイクル。
「……ふいうちをちらつかせてわざと隙を作り……たたりめを打たせる場を作って……その瞬間イーブイに変わり……まねっこで逆に利用……凄い……これが噂の戦略……」
「本当はもう少し温存したかったんですけどね……」
ゴーストタイプの主力技を無効にできるイーブイは今回の戦いにて重要なポジションであるのは間違いない。使い所はかなり考えないと行けないけどね。
ジメレオンも想像以上に削られてるしこのままこの2匹で回し続けるのはどこかで限界が来そうだ。特にジメレオンはやけどになっているし、げきりゅうが発動しているということは、少なくとも半分以上の体力が削られているということになる。倒れるのも時間の問題だろう。油断なんて絶対に出来ない。
「……改めて、貴方の強さ……分かりました。……こちらも……さらに気を引き締めます……ミミッキュ!!」
「ミミッキュ……」
次に繰り出されるのはオニオンさんの2体目のポケモン、ミミッキュ。
やる気満々なのか、可愛らしいピカチュウの着ぐるみの中から覗く、不気味な真っ黒の影のような腕が怪しく、鋭く光っている。
「まだ行けるよね、ジメレオン!!」
「ジメッ!!」
対するジメレオンもかなり傷ついているものの、ボクの言葉に吠えて返し、自らを鼓舞する。うん。まだまだ戦える。
「いけ!!『みずのはどう』!!」
(まずは本体を守っている皮を剥がさないと!!)
ミミッキュの特性、ばけのかわ。あらゆる攻撃を1度だけ無効にでるその特性は、どんな行動をしても1回は絶対に動けるというアドバンテージがある。さらにミミッキュ自身、覚える技の範囲がかなり広いため、何をしてくるか分かりにくい。
(これが攻撃一辺倒なら脳死でふいうちで構わないんだけど……またふいうちを打つか打たないかの読みあいか……)
先ほどはわざと読み負けるように動いたとはいえ、トータルで言えばボクが読み負けている状態。相手の動きを読むことに関しては少し自信があったんだけど……このまま読み負けが続きそうならちょっと落ち込みそうだ。
「ジメレオン、『みずのはどう』!!」
「……ミミッキュ、『きりさく』!」
みずのはどうをきりさいたミミッキュの周りが水しぶきおおわれる。その中を突っ切ったジメレオンが、皮膚がぬれたことで姿を消して見えなくなっていく。
「……ターフタウンでみせた……ッ!」
「これでジメレオンの場所はわからない」
勿論ボクからもジメレオンの姿は確認できない。けどジメレオンならきっとここにいるはずというのがわかる。ボクの考えを読み取ってくれるこの子なら!!
「ジメレオン、『みずのはどう』!!」
「……ミミッキュ!!……下!!」
ミミッキュの懐から突如現れるひとつの水球。ボクの期待通り、ミミッキュの懐深くまで入り込んでいたジメレオンが、普段なら投げて放つその技を手のひらに携えたままミミッキュのおなかに叩きつける。オニオンさんも気づいたものの、そのころにはすでに手遅れであり、みずのはどうの直撃がミミッキュを襲う。切り裂かれたときの爆発よりもさらに大きい爆発が起き、再び巻き起こる水しぶきからジメレオンとミミッキュの両者が飛び出してくる。
はたから見てもクリティカルヒットと取れるその攻撃は、しかしミミッキュの化けの皮によって受け止められているため、ほんの少しミミッキュの体力を削ったにとどまってしまう。けどこれでもうミミッキュを守るものはない。こちらへの被害もなく剥がせた最高の展開だ。
(これで少しは安心だ)
「ジメレオン!!もう一回『みずのはどう』!!」
あとはミミッキュの得意とする近距離戦を拒否しながら戦えばミミッキュ突破すらも見えてくる。
「……ミミッキュ!!……攻め時!!」
化けの皮が外れたことによって、ピカチュウの被り物の首が支えきれなくなり、垂れ下がった状態で走ってくるミミッキュ。恐らく化けの皮が消えたことで余裕もなくなったため、少しでも速くジメレオンを落とすための行動だろう。焦ってくれているのならこちらのふいうちも当てやすいし、ばけのかわもないこの状態なこちらの攻撃も通じる。けど……
(攻め時……?いったいどういう……)
オニオンさんの言葉が頭に引っかかってしまいどうしても考えてしまう。が、その答えはすぐにわかることに。
「ジメッ!?」
「ジメレオン!?」
構えていたみずのはどうがまたもや消滅する。
(またかなしばりを貰った?……いや違う!!)
さっきも見たこの現象に再びかなしばりを受けたのかと考えるがその考えもジメレオンの表情を確認したらすぐに否定される。
目の下に隈のような紫色の陰りが見え、苦しそうにうめくジメレオン。この状態になる技は一つしかない。
「のろい!?いつの間に!?」
普段は自分の素早さを下げ、代わりに攻撃と防御を強化する変化技だけど、ゴーストタイプが使うことにより、自らの体力を削る代わりに、相手に定期的に大ダメージを与える凶悪な効果に変わる特殊な技。
(いつつけられたのか、ああ言ったものの心当たりはある。それはジメレオンがみずのはどうを懐で当てた時だ。きっと最初にかなしばりを受けた時と同様に、指示をすることなくのろいを発動したに違いない。無償でばけのかわを剝がせたと思ったけどとんでもない!)
「ジメレオン!!」
「……ミミッキュ!!……『きりさく』!!」
呪いのダメージと火傷のダメージの取り、ついに膝をついてしまうジメレオン。ボクの呼びかけに答えるべく何とか動こうとするものの、立ち上がったころにはすでにミミッキュが近くまでいて腕を構えている状態。
もう避けることは不可能。このままジメレオンは戦闘不能になるだろう。
「ジメッ!!」
「……ッ!!……わかった。ありがとうジメレオン」
倒れる事を覚悟したジメレオンがボクに向かって吠え、その言葉の意味を理解したボクは感謝を述べながらジメレオンに最後の指示をだした。
「ジメレオン、『ふいうち』!!」
ジメレオンのふいうちととミミッキュのきりさくによる相打ち。両者大きく飛ばされてそれぞれのトレーナーの近くまで転がってくる。その結果は……
『ジメレオン戦闘不能!!勝者、ミミッキュ!!』
やけどの効果によって攻撃を下げられているジメレオンが打ち負ける結果となった。しかし、最後に与えたふいうちのダメージとのろいによる自傷ダメージを考えれば、ジメレオンは本当によく頑張ってくれた。
「ありがとう、ジメレオン……ゆっくり休んで」
最高の仲間に改めて感謝を言いながらボールに戻す。向かいを見れば、オニオンさんの顔も『やられた』と言わんばかりの顔をしていたし、ミミッキュだって少しぐったりしているように見える。これでふいうちの読み合いは2勝2敗の互角だ。
代償としてイーブイのサイクル回しはもうできなくなったけど、それでも十分な働き。
(ジメレオンが託したバトン。必ず繋げて見せる)
その意思を固め、ボクは懐から次のポケモンを構える。
「さあ次は君の出番だ!!初陣、張り切っていこう!!ユキハミ!!」
4対4から3対3。
どちらも譲らない綺麗な互角の勝負。激闘は、まだ始まったばかりだ。
おにび
アニメのおにびと聞くと、ボルケニオンの映画の時にピカチュウがおにびから逃げるシーンが頭に浮かびます。
あの時の作画本当にすごかったですよね。
カロス編のアニポケはずっとそうなんですけど戦闘シーン本当にやばいです。
おにびが追尾式という点もそのあたりからとらせてもらっています。
ミイラ
ミイラになっちゃったっていうあのテキスト好きです。
ちなみにこの時点でフリア君はガラルデスマスの特性がさまようたましいだと知りません。
ガラルデスマスは初めて見たと言っているので当然ですね。
なのでこの戦いではフリア君はガラルデスマスの特性はミイラだと仮定して戦っています。
なのであんなことを頭の中で考えていたという事ですね。
イーブイ
というわけでこのジム戦ではまさかのイーブイが主役です。
まねっこと言い、タイプと言い、ここでは輝きやすいですね。
のろい
ミミッキュののろいと聞くとダイマックスアドベンチャーの個体が思い出されますね。
ちなみにダイマックスアドベンチャーの進捗ですが、グラードンとウツロイドの色違いは確保できましたが、いまだにラティアスは出ません。
どうして……
最初に落ちるのがまさかのジメレオンという展開。
次はユキハミちゃんの初陣ですね。