私の2回目のワクチンが次の金曜日になりました。そのため、副反応が出た場合次の更新が困難な可能性があります。
次の投稿予定日は定期通り行けば10月10日の日曜日、23時なのですが、そのタイミングで更新がなければ副反応中と思って頂けたらと思います。
回復し次第、続きは書きますのでご理解の程、よろしくお願いします。
「……ユキハミ……珍しいですね……ここに挑むまでに連れてきている人……余りいないですよ」
「この子との出会いは少し特別なので」
「ハミュ!!」
初陣を華々しく飾るべく大きく吠え、アピールをするユキハミは傍から見ても物凄くやる気に満ち溢れている。セイボリーさんとの模擬戦で戦い方の感覚を掴んだというのも彼女が自信を持てる要因かもしれない。セイボリーさんの対策のための戦闘だったはずだけど、ボクも助けられているので後でお礼をしっかりとしておこう。
「……その子も、きっと驚く戦い方……するんですよね……楽しみです!!」
「そんなに期待されちゃうとくすぐったいんですけど……応えられるようにいかせてもらいます!!ユキハミ、『こなゆき』!!」
ボクの指示に従い、白く輝く冷たい風が広がっていく。それは通り過ぎた所を全て凍らせていく冷気の波となってミミッキュに襲いかかる。
「……ミミッキュ、『きりさく』!!」
迫り来る冷気に対して真っ黒な爪が宙を駆け回り、氷の津波をかき消していく。数秒ほど続いたその攻防はミミッキュの方に軍配が上がり、こなゆきを見事に防ぎ切る。その証拠という訳では無いけど、ミミッキュの周りの地面は薄く、白色に雪化粧が施されており、見るだけでこちらまで冷えてしまいそうな雰囲気を漂わせている。
「やっぱり当たらないよね……なら足を奪う!!『こごえるかぜ』!!」
「……もう一回『きりさく』!!」
こなゆきとはまた違った、ゆったりとした冷気がミミッキュの周りを漂い始める。相手を攻撃するために放つ技ではなく、相手の動きを阻害することに特化したこの技を、先ほどと同じくきりさくによって冷気を弾こうと奮戦するものの、性質の違うこおり技に悪戦苦闘するミミッキュ。よく目を凝らしてみてみれば、切り裂くときに振り回していた黒色の腕がわずかに白く、霜が付着しているのが見える。
「……腕の動きが……鈍く……!」
「ユキハミ、糸で捕獲!!」
動きが鈍くなった一瞬の隙をついて糸を飛ばす。この糸を貰うのはやばいと悟ったミミッキュも必死に体や腕を振って避けようとするものの、こごえるかぜにより動きを阻害されているため思うように体が動かせず、体のど真ん中に命中してしまう。
「そのまま巻き取って!!」
「ハミュ~ッ!!」
口からつながっているこおり混じりの頑丈な糸は、ミミッキュが剥がそうときりさくで何度も何度も攻撃するものの、一向に切れる様子がなく、その間にどんどん引き寄せてミミッキュとの距離を詰めていく。力に少し自信のないユキハミが踏ん張っている姿は少々心苦しいものがあるものの、せっかく敵の自由を奪えるチャンスなので頑張っていただきたい。そんなボクの思いを叶えるために頑張っているユキハミのおかげもあって大分ミミッキュとの距離も縮まってきた。しかし、忘れてはならないのがそもそもミミッキュは遠距離よりも近距離戦が得意だという事。そして対するユキハミはどちらかというと遠距離戦が得意で近距離はあまり戦いたくないレンジだ。勿論そのことはボクだって知っているし、オニオンさんだって知らないわけがない。
「……近づけさせてくれるのなら……むしろありがたいです……!!……ミミッキュ……むしろ飛び込んで!!」
そうなれば当然次に起こすアクションは引き寄せられることを逆手に取って飛び込んでくること。凍っている地面を走るわけだから、余計に冷やされてじわじわ体力を削られる。けど、オニオンさんからの視点からすればこのまま引き寄せれられ、相手の作戦にはまる方が嫌なので動いた方がましになると考えるのは自然なこと。
「ユキハミ!!糸を回して!!」
ミミッキュがこちらに走ってきたことによって糸がたわみ余裕が生まれる。その部分をユキハミが器用に糸を回すことによりキレイなわっかが出来上がる。その大きさはちょうどミミッキュの胴体よりも一回り大きいくらいで、そのわっかがまるで輪投げのように綺麗にミミッキュを中心にぐるりと周りを囲っていき……
「ユキハミ、もう一回縛る!!」
「ハミュ!!」
「キュ!?」
「……ミミッキュ!?」
ユキハミが再度引き寄せることによってそのわっかが締まり、中心にいたミミッキュを縛り上げる。くっついていただけとは違い、じわじわと自分を縛り上げるその糸は、単純に締め上げられるだけではなく、こおりの混じった糸ゆえに縛られたミミッキュを凍らせてじわじわと体力と体温を奪って動きを阻害していく。
(ゴーストタイプに対して温度下げたりするのが効果あるかは不安だったけど……うまくいってよかった!!)
「……最初から……これが狙い……!!」
「ユキハミ!!今度は振り回して叩きつけて!!」
「ハミュミュ!!」
今まで手前に引っ張っていた力を、今度は上方向に向けてミミッキュの体を宙に浮かせる。空中に放り出されるミミッキュは、体の冷えと糸による縛りでいよいよ抵抗できない。その事を改めて確認できたので続けて地面に叩きつけるべく、咥えている糸を今度は下方向に振るう。浮き上がったからだを一転して下に振られるミミッキュにはもはや抵抗の色は見えず、なすがままに地面へとたたきつけられる。凍った地面に叩きつけられたことにより、地面の薄氷が割れ霜が飛び、辺りが少し白色に霧がかる。そのため若干視界が悪いものの、ユキハミの姿はしっかりと確認でき、縛られたまま地面にたたきつけられたミミッキュの姿も同時に確認できた。
「まずっ!?ユキハミ!!後ろに飛ん━━」
「……ミミッキュ……『かげうち』!!」
気づいた時にはもう遅く、白い霧に隠れた黒色の塊が既にユキハミの後ろに回り込んでおり、自慢の黒い腕によって一閃。体重の軽いユキハミが空中へと吹き飛ばされる。一方のミミッキュは、ユキハミが吹き飛んだことを確認し、糸から脱出するために1度脱ぎ捨てたピカチュウの被り物を再び纏って空中へと視線を向ける。
……ちなみにミミッキュの本体はボクは直視していない。どうやら見たら大変なことになるらしいし、観客席から若干悲鳴が上がった気がするけど気にしたらダメな気がするのでとりあえずスルー。
「……ミミッキュ……『きりさく』!!」
「ユキハミ!!『こなゆき』!!」
空中に投げ出されたユキハミを地上で待ち構えて黒い腕をしならせるミミッキュに対してこなゆきを吹きかける。空から打ち下ろされる冷気は、しかし再びミミッキュの黒い腕に阻まれて周りへと流れていく。結果としてミミッキュの周りに氷の柱がいくつか乱立するに留まり、観客から見ればそれはこおりによる森のようにも見えるだろう。
(予定通り!!)
「……ミミッキュ……このまま『きりさく』……反撃!」
「ユキハミ、糸を柱に!!」
こなゆきを受けきって迎撃の準備を整えているミミッキュに対してそのまま着地をするのは自殺行為でしかない。特に決して耐久の高いと言えないユキハミにとっては一撃でも致命傷になりかねないのでよける必要がある。
そこで出てくるのが先ほど立てたこの柱。
柱に向かって糸を張り付け、糸を巻き取ることによって立体機動へ移行するユキハミ。セイボリーさんとの練習試合でも見せたこの行動は、素早さの遅いユキハミにとって一種の生命線でもある。特にミミッキュはゴーストタイプの中ではまだ動きの速い方ではあるため、その動いに対応するためにはやっぱりこの方法しか思いつかなかった。けど、その効果は絶大だ。
「……想像以上に速い……読めない……!?」
勿論今のユキハミの動きよりも速く動くポケモンなんてごまんといるだろうけど、元のユキハミの動きが遅すぎるせいでそのギャップから目が追い付かなくなっている。乱立しているこおりの柱によって視界が制限されているところも大きいだろう。
(このままいけばミミッキュを混乱させたまま突破できる!!)
柱を陰にしながら縦横無尽に飛び回るユキハミ。ミミッキュはその動きに対応できずに周りをキョロキョロしているため、おそらく次の攻撃には反応できないと見える。明らかにこちらが有利の状況。
「……流石に……これ以上好き勝手はさせない!!ミミッキュ……こおりに『きりさく』!!」
しかし相手もさすがに判断が速い。こなゆきによってできたこおりの柱は急増で作られたものだ。つまり耐久力がない。それはミミッキュくらいの力があれば十分に破壊が可能な程で、あの黒い腕が振るわれればこの柱たちは簡単に崩壊し、ユキハミの機動力は一気に元に戻る。いや、地面に散らばるこおりのかけらによって足場の環境が悪くなることを考えたらむしろユキハミの機動力はマイナスに振りきれるレベルだろう。身長の小さいユキハミにとって自分より少しだけしか高さの無い障害物は、立体機動にも使えないただの邪魔ものでしかない。それを瞬時に判断しての行動。その思考へ至るまでの速さも、そしてそこからすぐに打開策を指示する速さも、さらにその指示に反応する行動力も、そのどれもが一級品であり、ジムリーダーとして認められている手腕足りえるもの。
だからこそ、オニオンさんならこの作戦の弱点を突いてくると読んでさらにその先に罠を張る。
「ユキハミ!!糸を引き寄せて!!」
「ハミュゥゥゥ!!」
「……こ、これは……!?」
ミミッキュによって砕かれた、大小様々なこおりのかけらが宙を舞っている中、そのこおりの破片たちすべてが、今までユキハミが立体機動として使っていた糸によってつながっており、レーザートラップのように縦横無尽に走っているこの糸は、ミミッキュを中心にまるで結界を張っているかのように見えた。
「これがユキハミによる糸の結界!!半径20メートル……ミミッキュの動きは完全に封じた!!」
「ハミュミュ!!」
まるで『ズアッ』という音でも聞こえそうなほど、ノリノリにポーズを取るユキハミに若干の苦笑いを浮かべながらも、ちゃんと糸を引き絞り、空中にあるすべてのこおりの破片がミミッキュに突き刺さるように引き寄せる。
「……ミミッキュッ!!『きりさく』で……糸を切って!!」
「ここで逃がしちゃだめだ!!『こごえるかぜ』で足を止めて!!」
最後の抵抗を見せようとするミミッキュに対して、確実に最後の攻撃を当てるために相手の足をしっかりと奪っておく。
ジメレオンによって削った分。のろいによって自傷したダメージ。ここまでユキハミが与えてきたダメージ。そしてこのこおりの雨。
これらのダメージがあわさればミミッキュを落とすに十分足りうる。足止めに放ったこごえるかぜが、ピカチュウの被り物も一緒に地面に縫い留めるかのようにこおりで固められたので先ほどのようにパージして本体だけ脱出なんてことも絶対に起きない。
ユキハミが気合を入れて勢いよく糸を手繰り、引き寄せられた氷の破片すべてがミミッキュに引き寄せられ、全弾余すことなく直撃。
今闘っているこの場所がゴーストタイプのスタジアムということもあって、こおりでできたお墓にも見えなくない状態が出来上がる。
トレーナーも、観客も、中にいるミミッキュの無事が確認できないためおのずと静まり返っていく。
そのまま数秒たち、やがてこおりの破片の一部が転がり落ち、それによって出来上がったわずかな隙間からミミッキュが顔を出す。
「……ミミッキュ」
オニオンさんの声が響く。
しかし、その言葉にミミッキュは答えることなく目を回して地に伏した。
『ミミッキュ戦闘不能!!』
「ッし!!」
2体目撃破。それも敵に回すと厄介と言われるあのミミッキュをだ。これはユキハミの華々しい初陣を飾ることができたんじゃないだろうか。
「ユキハミ!!よく頑張ったよ!!」
早速このバトルで素晴らしい立ち回りを見せてくれたユキハミをねぎらう。本当だったら今すぐ近づいて抱きしめたいところだけど、この様子だと次のポケモンともまだまだ戦えそうだし、せっかく乗ってきているこちらの流れをここで途切れさせるのはもったいない。ここはこのままユキハミに任せるためにさらに発破をかけていく。
「この調子で次もお願いね!!」
誰よりも小さく、けど物凄く頼りになる相棒に声をかける。しかし、ここにきてようやく何かがおかしいことに気が付いた。
「……ユキハミ?」
ユキハミの性格上、ここまで声をかけてあげれば絶対に返事を返してくれるはず。決して長い付き合いではないけど、それくらいのことはボクにだってわかっている。なのにそのユキハミからの返事が全くない。
(そういえば……
嫌な予感が駆け巡りユキハミを凝視する。そのとき……
「ハ……ミュ……」
今まで気力で何とか立っていただけだったらしいユキハミが、力尽きて倒れてしまっていた。
『ユキハミ戦闘不能!!』
『なんとここにきてダブルノックダウン!?ユキハミが完全に優勢に見えたのに蓋をあければ共倒れ!!いったい何が起きたんだああ!!』
いきなり起きた謎の出来事に観客も実況も戸惑いの色を隠せない。けど……ボクにはよくわかった。
「ありがとう……そしてごめんね。ユキハミ……これは全部ボクの観察力不足だ」
「……ミミッキュ……こう指示することしかできなくて……ごめん」
両者お互いに謝罪を述べながら倒れた仲間をボールへ戻す。同時に頭の中で先ほど起きたことの答えが渦巻いて行く。
(完全にやられた……これはみちづれだ)
みちづれ。
ゴーストタイプの技で、この技を発動した後に相手の技によって戦闘不能になった時、自分を攻撃したポケモンも一緒に戦闘不能へと持っていく凶悪な技。今の自分ではユキハミを突破することはおろか、このままいけば倒されると察してしまったミミッキュがオニオンさんに頼んで放った最後の悪あがき。それは勢いに乗ってきたボクたちの姿勢をかき乱すのにこれ以上ない成果を上げてくれていた。
恐らくオニオンさんにとってもこの選択は取りたくない行動だったはずだ。それは彼自身の言葉からも感じ取ることができる。そして同時にミミッキュの思いもつないで闘うという決意も。それはつまり、今の一手でボクたちの勢いをくじくだけでなく、オニオンさんたちの勢いや士気を高めたことになる。
(今のみちづれ……想像以上に流れを取られている……本当にやられたな)
その証拠か、明らかにオニオンさんから伝わってくる空気が変わった。ここから間違いなく彼の攻撃は激化することだろう。
だけど……
(……面白くなってきた!)
心を占めるのはただただ楽しみという感情だけだった。その証拠に自然と口の端が持ち上がる。やっぱりボクもバトルが大好きなトレーナーという事なのだろう。強敵との戦いが楽しくてたまらない。
(そうだよ!ポケモンバトルは楽しいんだよ!……この気持ちはコウキがまた笑えるように供給しないといけない……だから!!)
「ボクは勝って前に進む!!後半戦はもっと全力で勝ちに行く!!行くよ!オニオンさん!!」
「……ボクだって……ミミッキュがくれたチャンス……絶対に無駄にしない!!」
両者2対2。
ボクが少し先行していた状態からまた振り出しに戻ったこの盤面だけど、お互いすでに体は温まりまくっている状態だ。ここからはもっと派手なバトルになってくる。それは観客と実況にも伝わっており、まるで爆発したかのような観客たちの歓声により、スタジアムがより一層激しく震えだす。
地響きすら聞こえてくるほど高まったボルテージ。その中心に立つボクたちは次の仲間を高々と宣言しながら呼び出す。
「行け!!マホイップ!!」
「……行って!!……サニゴーン!!」
ボクが呼び出す4匹目は昨日進化したばかりのマホイップ。対するオニオンさんが繰り出したのはサニーゴに似たような雰囲気こそ感じるものの、姿も色も明らかに違う全く知らないポケモンだった。
「『マジカルシャイン』!!」
「……『げんしのちから』!!」
両者のポケモンが場に出た瞬間、お互いがいきなり技を放つ。フェアリーの光と宙を浮かぶ岩が両者のど真ん中でぶつかり合い激しい爆発を巻き起こす。今までが静かな立ち上がりだったことに対して今回はいきなり攻撃同士のぶつかり合い。その爆風の凄さから思わず顔をおおって目を瞑りそうになってしまう程。
(想像以上に威力が高い!!げんしのちからってこんなに威力出るものじゃないよね?ってことは考えられるのは……あのポケモン自身が特殊攻撃が滅茶苦茶得意というパターン……)
昨日進化したばかりということもあって、マホイップという種のことを完全に理解しきれていない節があるためなんとも言えないものの、恐らくこの予想は当たっていると思われる。というのも、マホミルの時点で特殊攻撃が得意な節があったため、そんなポケモンが進化すれば大体の例外を除いて元々得意だったところがさらに伸びるように進化するからだ。今もマジカルシャインの威力はかなり高かった。そんなマホイップの攻撃を真正面から相殺仕切ることの出来るあのポケモンも特殊よりのステータスになっていると考えるのは別段おかしなことでもないと思う。
しかしあくまでこれは予想。
違うことも考慮して戦いは組み立てていく。
(ターフタウンのように下調べが出来ればなぁ)
ボクがここまで未知の情報に振り回されているのには実は理由があり、これまでのジム戦は試合のアーカイブを確認することでジムリーダーの動きをじっくり見ることができた。もちろん、実際に相対しないと分からないことも多いため得られる情報には限度があるし、鵜呑みにするのは良くないのだけど……ここまで来ると別の問題が上がる。
それは、そもそもここのジムを受けている人が少ないということ。
カブさんという圧倒的関門の前に躓くことが多すぎて、ここにたどり着く人自体が少なく、そうなれば必然的に挑む人も減るためアーカイブも一気にその数を減らしてしまう。よって事前調査が上手くできず、知らないことが増えてしまったという訳だ。
(けど、その事を考えればこの先はもっと分からないことが沢山増えていく。今のうちにこの状況に慣れておかないとね)
改めて気を引き締め、すぐに戦場に目を戻す。
「……『おにび』!!」
「『マジカルフレイム』!!」
次にぶつかり合うは紫と赤の炎。空中でぶつかり合い、激しい爆発音が奏でられると同時に周辺の温度が一気に上がっていく。この温度によってユキハミに作られた氷のステージがどんどん溶かされていき、いつの間にやらステージはフラットへ。
「……『げんしのちから』!!」
「『マジカルシャイン』!!」
再びぶつかる光と岩。また広がる爆風を見てこのままでは埒が明かないと判断する。
「マホイップ、『めいそう』!!」
(相手が特殊タイプならめいそうで火力を上げながら特防もあげられる。お互いの攻撃が綺麗に相殺している以上、こうやって積み技で差をつけられたらかなりでかいはず)
「……させちゃ行けない!!……『おにび』!!」
「こっちもやけどは貰いたくないです!!『マジカルフレイム』!!」
めいそうを積ませたくないオニオンさんと、やけどを受けたくないボクによる4回目の相殺。
お互いが足の遅い特殊よりのポケモンなため、どうしても腰をどっしりと据えた砲台同士の戦いになってしまう。いよいよ持って埒が明かない。
(なら……ユキハミの時みたいにマホイップに機動力を増やすだけ!!)
「マホイップ!!地面にクリームを伸ばして!!」
「……また来る……次はどんな奇策……ッ!!」
マホイップ自身の特性。それは自分の体から大量のクリームを作り出すことができるというもの。トレーナーと深く信じ合えているマホイップはその分甘く、美味しく、たくさんのクリームを作ることが出来る。一見、バトルには使えなさそうな性質に見えるけどその実かなり使い方の幅は広い。相手の体に付着させれば動きを阻害し、拳に付着させれば殴りのダメージを抑え、自分の周りに固めれば即席の壁として機能する。
食べ物を粗末にしているようで少し罪悪感を感じるものの、マホイップがノリノリなので許していただくとしよう。
次々と地面を広がっていくクリームは、このラテラルスタジアムの地面を自分の体色と同じである水色に染めていく。それは水色というのも合わさってひとつの大きな海にも見えるほど。
(さぁ、ここまで行けばマホイップの独壇場!!)
「マホイップ!!飛び込んで!!」
「マホホ!!」
笑顔でクリームの海に飛び込むマホイップの姿が一瞬で溶け込んで見えなくなる。この地面に広がったすべてのクリームがマホイップの道となる。
「『マジカルシャイン』!!」
「……っ!!……サニゴーン、後ろに『おにび』!!」
いつの間にか後ろに回り込んでいたマホイップからの攻撃に何とか反応しておにびで相殺。そこから反撃に出ようとするもすでにそこにマホイップはおらず、遠く離れた位置でめいそうをしている姿が確認できる。
「これでマホイップの機動力は補える……オニオンさん!行きますよ!!」
「マ~ホッ!!」
ボクたちの気合の入った掛け声。それに対してオニオンさんは……
「……すごいです。本当に……だけど……ボクだって負けない……サニゴーン!!」
「ゴーン……!」
静かに、けど厳かに。呟きとともにサニゴーンの周りに浮き上がるのは岩の群れ。先ほどから何回か攻撃に使っているげんしのちからだ。けど、いまさらそんな技を打たれたところで今のマホイップには当たらない。
一体何に使うのか。
警戒のため身構えるマホイップ。しかし、次に起きることは予想だにしない事だった。
「……サニゴーン。……信じてるよ。……がんばって!」
「ゴーン!!」
「ッ!?」
突如膨れ上がるサニゴーンからのプレッシャー。よく見れば周りをに浮かぶ岩からエネルギーのようなものがゆっくりとサニゴーンに向かって流れているのが見える。
「……まさか!?」
そこまで来て何をしようとしているのかわかってしまう。
げんしのちからは普通に使う分には少し威力の低い岩タイプの技でしかない。しかし、ある効果が発動した時に恐ろしい技となる。
それは自分の能力をすべて引き上げる効果。
発動する可能性はかなり低いけど発動すればそれだけで逆転なんて当たり前の状況になってしまう。ただ、やっぱり可能性自体は低いのでそこまで危惧する必要もない技。だけど……
「げんしのちからの追加効果を意図的に発動してる!!」
「ゴオオオォォォォン!!!」
全能力が上がったサニゴーンが雄たけびを上げる。
「……行くよ。サニゴーン!!」
紫色の瞳をさらに光らせ、オニオンさんが呟く。
「マミュミュ!!」
クリームの中から、瞑想を終え研ぎ澄まされたマホイップが構える。
「……マホイップ。勝つよ!!」
ボクも、さらに頭を回転させ場を見つめる。
さらに盛り上がるバトルフィールドの中、お互いの攻撃はまだまだ激化していく。
ユキハミ
というわけでデビュー戦。
みちづれによる共倒れとなりましたけど頑張ったのではと。
気分はスパイダーマンですね。
ちなみにユキハミは、図鑑説明でもしっかりとこおり混じりの糸を吐くと書いてあるんですけど『いとをはく』は覚えないんですよね。
なのでここでは相手の素早さを落とす目的では一回も使っていません。
それはこごえるかぜの仕事ですね。
マホイップ
最近アニポケでも戦闘描写があったためものすごく助かった次第です。
あれがなかったらここのバトルはアニポケのヌメルゴン対ペロリームのような真正面からの殴り合いになっていたと思います。
別にあれを悪いとは思わないのですが、フリア君の設定上、やっぱり奇策を使いたいんですよね。
クリームの使い方面白かったです。
げんしのちから
強制追加効果発動。
控えめに言ってオニオン君やばい……。
サニゴーン
サニゴーンの特攻種族値は145と、剣盾の初期環境ではシャンデラ、クワガノンと並んで一位でした。
とんでもない火力ですね。
ちなみに、もしギルガルドが弱体化されてなかったら、とくこう一位はギルガルドがかっさらっています。
……絶対このラインがあるからギルガルド弱体化してませんかこれ?
スマブラであのキャラが登場して泣いてました。
危うく間に合わないところだった……危ない危ない……