【完結】ポケットモンスター 約束のためにもう一度   作:犬鼬

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ダイパのリメイク。

移動がしづらいことや、バグがちょっと多いかなと思うところ。
シロナさんの編成が努力値含めがちなところが好きだったところ。

等々、不満や好評なところはいろいろありますが一文でまとめるなら……

ネジキチャレンジしたかったなぁ……。

ま、制作会社がゲーフリではなく外注なのでそういうところを考えるといい所も悪い所もあったかなと。
外注作品が悪いわけではないのはコロシアムで証明されているので単純に個人としてはもうちょっと何か欲しかった……。

ネジキ復活しないかなぁ。


64話

「美味しい~!!フリア、おかわり!!」

「相変わらず本当に美味しい……ほんと、多芸ね」

「やっぱりリンゴとはちみつは王道だよな!!」

「今日もうまくできているみたいでよかったよ」

 

 ルミナスメイズの森のどこだかわからない場所。夕食を作ったボクたちは、みんなでカレーに舌鼓を打ちながら談笑をしていた。談笑をするような状況じゃないと思われるかもしれないし、ラテラルタウンを速く出た理由はこういった遭難とかをしても野宿をする回数を減らすためという目的だったりはするんだけど、それと同時に旅に遭難や迷子、トラブルはやっぱりつきものなわけで……少なくともここにいるメンバーは、こういった非常事態を楽しめるメンバーだ。これくらいの談笑は許されるだろう。もっとも、それはこの四人がそろっているからだとは思うけどね。

 

(ボクがガラルにきて最初に迷った時はとても心細かったもんなぁ……)

 

 思い出されるのはまどろみの森にて迷った時の話。霧も深いし初めての場所で方角もわからないし、あの頃はポケモン図鑑の更新もしてなかったから周りのポケモンについてすらも知らなかったし……

 

 そばにいたのはヨノワールのみ。一番の信頼を置いているとはいえ、やっぱり心細いのに変わりはない。

 

 けど今回は頼もしい仲間がいる。それだけでもこんなにも心強く、また不安なことでさえもふざけながら一緒に歩ける。うん、無茶苦茶心強い。

 

「カレーが美味しすぎてやばい……これはまた私のおなかが……ううぅ~!!」

「でもユウリってそんなに体型変わらないよな。気にしなくてもいいと思うぞ?」

「変わらないように努力してるの!!相変わらずホップはそのあたり鈍いんだから……ね~アブリボン?」

「むむむ、とは言われてもわからないものはわからないぞ?なぁバチンキー?」

「リリィ?」

「キィ?」

 

「ふふふ」

 

 今も楽しそうに言い合いをしている2人と、そんな2人の言い合いよりカレーの方に夢中になってしまっているバチンキーとアブリボンという構図がなんだかおもしろくてついつい笑ってしまう。

 

(やっぱり旅はみんなとするのが一番だよね)

 

「ん?フリア、何か嬉しそうだけど……そんなにカレー褒められるのよかったと?」

 

 そんなこんなで現状に微笑んでいるとその姿をばっちりとマリィにみられていた。ちょっと恥ずかしい。

 

「あはは、まぁそんなところ。マリィもたくさん食べてね。まだまだたくさんあるし」

「そう?もうあんまりないように見えるけど……?」

「え?結構作ったと思うんだけど……」

 

 食べ盛りであるボクたちにとっては、カレーなんてほぼすべての人が好きと答える食べ物はいくらでも食べることができると言っても過言ではない。そんな成長真っ盛りである少年少女が4名もいるうえ、総勢17匹にも及ぶ、こちらもまた成長真っ盛りのポケモンたち。これだけの数の人間やポケモンが食べるのだから、すぐになくなることを予想して、各々が持っている鍋全部使って、しかもそれらが全て満タンになる程の量を作った。いくら大食いのユウリがいるとしても、ボクの予想ではこんなにすぐになくなることは無いと思ったのだけど……

 

「確かに……予想よりもちょっと早くなくなっている?」

 

 今すぐにもなくなりそうっていうわけではないものの、それでもかなり減っていた。いくらユウリでもこんなにすぐに食べきるとは思えなくて……そこまで考えてある言葉が頭をよぎる。

 

(そういえばこの森に入る前にサイトウさんに忠告をされていたっけ?たしか……いたずら好きなポケモンもいる、だっけ?)

 

 いたずら好きなポケモンというものの存在自体はさして珍しいものでもない。シンオウ地方でもたくさんそういった個体はみてきたつもりだ。そのことについてはサイトウさんも知っていると思うし、割と冒険においては初歩的であるそのことについてわざわざ言う必要はあまりないこともサイトウさんならわかっているとは思う。けど、それでも改めて言う必要があるということは、それ相応のちょっと厄介なポケモンがいるという事な気がする。

 

 マリィもその考えに至ったのか、ボクが周りを見回して少し警戒している頃には一緒になって辺りをきょろきょろしていた。そうやって周辺を観察すること数秒。意外にもその答えはすぐ判明して……

 

「ねえフリア……あのポケモン……」

「……うん、あの子が犯人っぽいね」

 

 マリィが指を差した先には、何かの大きな木の実の皮で作ったように見える器のようなものに、山盛りに注がれたカレーを大事そうに抱えながら抜き足でここを離れようとしている一匹のポケモンと思われる影。黒色の長い髪に緑色の下半身とピンク色の上半身。特に目に付くのは、自身の顔と同じくらいあるんじゃないのかと思われるほど大きな耳。人によっては悪魔みたいなんて言いそうな見た目をしているんだけど……なんだか嬉しそうな顔をしてカレーを運んでいる姿を見るとものすごく微笑ましく見えてしまう。ロトム図鑑をそっとかざしてみると、どうやらあのポケモンはギモーと呼ばれるポケモンらしい。しょうわるポケモンと称される彼らは、謝るふりをして髪の毛のとげで攻撃をするというちょっとずるい戦い方をするらしいんだけど……

 

「とてもそんなずる賢い子に見えんとね……」

「うん……なんか、凄くかわいらしい子だね」

 

 カレーを抱えて一生懸命テトテト歩く姿は初めてのお使いをしている子供のように見える。そんな幼い子を見守る暖かい目でマリィと見守っていると、ロトム図鑑の声が聞こえていたのかギモーがこちらに見つかっていたことに気づき、その体を大きく跳ねさせる。さらにそこから慌てて逃げようと走り出すギモーだったけど、慌てて走り出したせいか、木の根っこに足を引っかけてしまいこけそうになる。

 

「危ない!!」

 

 その事にボクよりも早く気付いたマリィが走って駆け寄ることによって、カレーもギモーもしっかりと抱えることに成功した。ボクもサポートのために駆け寄っていたものの、マリィによるファインプレーによって一人で解決してしまったため特に必要なかった。

 

(っていうかずいぶん器用だなぁ)

 

「大丈夫?マリィ。はい、カレー受け取るよ」

「うん、何とか……ありがと、フリア」

 

 そんなことを思いながら両手が塞がっているマリィからカレーを受け取り、マリィはマリィでギモーをこけそうな態勢から元に戻してあげる。

 

 ぐううぅぅ。

 

 ギモーを元に戻してあげている間に響くおなかの音。ボクもマリィもご飯を食べている途中なので今おなかが鳴るとは考えにくい。となるとこのおなかの音の正体は一人しかいないわけで……

 

「あなた、おなか減ってたんね」

「ギ、ギモッ!!」

 

 地面に立たせたギモーと目線を合わせながら問うマリィに対して、警戒心を解かないギモーはマリィに対して声を上げながら構えを解かない。いつ攻撃をされてもおかしくはなさそうなんだけど、それに対してマリィはまったく気にした様子もなく、平常心で対応する。

 

「フリア、そのカレー貰ってもよかと?」

「ん、いいよ~。はい」

 

 マリーに頼まれて、先ほどこぼれそうになったカレーを再びマリィに返す。

『ありがと』と小さく言葉をこぼしたマリィは、再びギモーに顔を合わせながらそっとそのカレーをギモーの前に置いた。

 

「はい。これが欲しかったんよね。あたしたちの分はまだあるから食べても大丈夫とよ。……あ、フリア、カレーあげてよかった?」

「あげてから聞くことじゃないでしょ。それにボクが断ると思う?」

「全然。ほら、ここのシェフもこういってるし、しっかりお食べ」

「ギモ……」

 

 怒られる、ないし襲われることを予想していたのか、マリィの対応に面を喰らってしまい戸惑った様子を見せるギモー。いきなり目の前に帰ってきたカレーの存在が信じられないみたいで、いまだにどうすればいいのか困っているようにも見えるその姿は、先ほどまでの威嚇をしていた姿とは真逆の、迷子になった子供のような弱弱しさを感じた。

 

「……フリア、余ってるスプーンある?」

「あるよ~。はい」

 

 その姿がどうもマリィにとっては母性本能をくすぐられる行動だったらしく、ボクからスプーンを受け取ったマリィが、一口分カレーを掬ってギモーのに差し出す。所謂、あーんをする態勢だ。

 

「お腹すいてるんよね?あなたに何があったかのかわかんないけど、少なくとも今は何も気にしなくても大丈夫とよ」

 

 優しく諭すように話すマリィに自然と心を開いて行くギモーはゆっくりと差し出されたスプーンに口をつけていく。一口口に含んだ瞬間一気にその表情を一気にほころばせるギモー。どうやらボクが作ったカレーはギモーのお口にもしっかりあったらしく、その一口を皮切りにマリィからスプーンを受け取り、先ほどまでの警戒心と小心具合が嘘のようにカレーに食らいついて行く。余程お腹を減っていたのか、物勢いでカレーを食べ進めるギモーを微笑みながら見守るマリィは、そのままおかわりのカレーも用意し始める。

 

「フリア。あたしがこの子の面倒見るからこっちはもう大丈夫とよ。ユウリたちが食後にまた何かしようとしてるみたいだし、そっち行って大丈夫と」

「了解。また何かあったら言ってね」

「ん」

 

 ボクに小さく返事を返しながらギモーを見守るマリィを背に、ユウリとホップの元へと戻るボク。あの様子だとマリィに全部任せて大丈夫だと思う。

 

(というかあの波長の合い具合、ワンチャンそのままマリィの手持ちになりそうだったよね)

 

 図鑑を見るとギモーのタイプはあく、フェアリータイプ。マリィがあくタイプのエキスパートであることを考えるとそのまま仲間になってもおかしくはなさそうだ。また新しい仲間が増える嬉しさと、どんな強敵となって立ちふさがってくるかの楽しみが一緒に襲ってくる。まだ見ぬ未来にワクワクしながらユウリとホップの下へと戻ると、流石におなか一杯になってのか、折り畳みテーブルの上にティーカップとポットを準備し、食後のティータイムに入ろうとしている2人の姿があった。ポケモンたちもちゃんと食べ終わったのか、寝転んで食休みをするもの、走り回って遊ぶもの、座って他のポケモンと談笑するものと、各々が好きなように行動していた。

 

「おうフリア。そっちで何かあったみたいだけど大丈夫なのか?」

「うん。マリィが見てくれてるから大丈夫」

 

 ホップの言葉に返しながらボクも椅子に座る。椅子に体を沈ませる感覚に若干の脱力感を感じながらテーブルへと視線を向けると、先ほども見たティーカップとポットが目に入る。と、ここまで近づいて確認し、ようやく気付いたことがあった。

 

「あれ、このティーポット初めて見るけど……だれか新しく買ったの?」

「あ、それは私が骨董屋さんで貰ったんだ」

 

 ボクの疑問に答えたのは紅茶の素材を準備しながら答えるユウリ。言葉的にただで譲ってもらったという事なんだろうけど、パッと見ただけでも物凄く高価なもののようにも見える。

 

「よく譲ってもらえたね……骨董品屋で扱ってたくらいだから相当高級なものだと思うんだけど……」

「私もそう思ったんだけど、『家じゃ使わないし、ジムチャレンジで有名になっている嬢ちゃんに使ってもらった方がこいつも幸せだ』なんて言いながら渡されたの。断ろうとも思ったんだけど、梱包も丁寧にされちゃったしどんどん話進んじゃうからタイミング失っちゃって……それにこういう良いポットでお茶を作ると美味しいって言われているでしょ?」

「ああ、なるほど……」

 

 ここまでユウリに言われて何となくユウリがしたお願い事がわかってきた気がする。

 

「だから……フリア、これで紅茶作ってほしいなぁ。なんて……」

「だと思った。わざわざ素材まで準備してるんだもん。すぐ作るから少し待ってもらっていい?」

「やった!!ありがとうフリア!!」

「俺ももらっていいか?」

「勿論。みた感じ4人分はあるっぽいし、全員の分ちゃんと作るよ」

 

 作るとはいっても茶葉の乾燥等は既に終わっているお店のものを使うわけだし、ボクがすることで注意することと言えば、汲み立ての水を使うことができないので、せめて軟水を使う事と茶葉の量をしっかり計ること、蒸らす時間をしっかりすること、そして紅茶を入れる前にポットとカップを温めておくことくらいだ。他にはポットの材質は鉄分を含まない方がいいとかあるんだけど、見た感じポットは陶磁器製ぽいし、カップの形は今更変えようもないので気にするところでもないだろう。

 

 ここまでの知識全部ヒカリからの受け売りだ。彼女の家事力は本当にすごい。

 

 特に手間取ることもなく紅茶を作り終え、その間に予想通りギモーを仲間に加えてみんなに自己紹介をしているマリィも無事合流。時間も程よくたったと思うので、まずはこのポットを持ってきてくれたユウリのカップに注ぐ。

 

 勢いよく真っ白のカップに注がれた琥珀色の液体は香ばしい匂いをあたりに振りまきながらその存在感を周囲に伝えていく。

 

「「「おお~……」」」

 

 そのあまりにもきれいな紅茶の流れる様に思わず声を上げる3人。続いてマリィの分、ホップの分という順番に注いでいき、最後に自分の自分のカップに注ごうとして……

 

「……あれ?出てこない……?」

 

 ポットの注ぎ口から零れていたはずの液体がぴたりと止まってしまう。

 

「分量は間違えてないし、ちゃんと4人分の紅茶を作ったと思ったんだけど……」

「あ、フリア!下下!!」

「下?……あ!」

 

 マリィに言われて下に視線を向けると、そこには琥珀色の水たまりができていた。言わずもがな、ボクが作った紅茶だ。

 

「注ぐときにこぼした憶えはないんだけど……」

「たぶんここじゃなかと?」

「これは……ひび割れ?」

「うっすら表面も濡れているし、ここが原因っぽいぞ」

 

 みんなでポットのある一部分に目を向けると、そこには少し注視したらようやく見える程度の小さなひび割れがあった。ホップのいう通り、ひび割れの部分は少しだけ琥珀色の輝いており、ここから紅茶が流れてしまったと簡単に考察できる状態になっていた。

 

「うそ……私がどこかにぶつけちゃったのかな……」

「梱包は丁寧だったから流石に大丈夫だとは思うけどな……それよりも俺はもともとひび割れてただけだと思うぞ?骨董品ってことはかなり古いポットだよな?これって」

「あたしもホップの考えと同じかな。単純に古いものだから劣化してるだけじゃなかと?」

「うう~、せっかくいいもの貰ったと思ったのに~……」

「まあまあ、とりあえずみんなの分は注げたんだし、その一杯をしっかり味わってくれたらボクは十分嬉しいよ」

 

 それにひび割れているとはいっても全く作れないというわけではない。今度注ぐときはどうにかしてそこを塞ぎ、また作り直したときに紅茶を飲めばいいからそんなに急ぐこともない。それでも 納得いかないといった顔をしているユウリをひとます置いておいて、紅茶と一緒に食べるためのポフィンや飴細工を並べていく。

 

 紅茶とポフィンの匂いにつられて集まってくるみんなのポケモンたち。そんなみんなにポフィンを配り終えたらいよいよお茶会の完了だ。

 

「さあ召し上がれ~」

 

 ボクの言葉に3人とポケモンたちがうなずき、それぞれがお菓子や紅茶を口につけていく。

 

「っ!?凄く美味しか……ポットが違うとここまで違いが出るの?」

「今まで飲んできたものの中で一番だぞ!!」

「うん。香りも香ばしいし、暖かくて落ち着くかも……ポフィンともよく合う」

 

 お菓子も紅茶もみんなの口によくあってくれたみたいで、ほっと思わず口からこぼれる幸せのため息がみんなの満足感を如実に表していた。かけたカップのせいで全員分用意出来はしなかったけど、やっぱりこうやってみんなの幸せそうな顔を見ているとそれだけでボクも満足できるね。

 

 ポフィンを口に運びながらみんなの様子を見守るボク。皆の顔も幸せそうで、お菓子やお茶を口に運んでいる姿を微笑ましく思いながら眺めていると、やっぱりユウリだけはどこか納得がいかないような、そんな表情をしていて……

 

「うう~、やっぱりフリアもいま飲んでこの味を感じた方がいいよ!!」

「う~ん、でももう残ってないしなぁ……」

 

 ユウリがそこまで言うくらいだから本当に美味しいんだろう。勿論ボクだって飲んでみたくはあるんだけど、先ほども言った通り本来残っていたであろう紅茶はすべて地面にこぼれてしまっている。流石に今からもう一回淹れるというのもちょっと手間だし、再び零れるのがわかっているのに作るというのも、飲食物を無駄にしている感が強くて忍びない。やっぱりまた次の機会にしないと……と考えていたら、ユウリが勢い良くこちらを向きながら声を出す。

 

「じゃあ私のをあげるから!!」

「え?……いいの?」

 

 声を上げながらずずいっとカップを突き出すユウリ。そのカップの中にある琥珀色の液体はその量を減らしており、また湯気の量が減っていることからほんの少し冷めているのもわかるけど、まだまだ美味しく飲める状態であろうということはわかる。けど、先ほども言った通りそこそこ減っている形跡があるのでユウリもしっかりとこの紅茶を味わっていたはず。だとすればこの紅茶を独り占めしたいって気持ちは少なからずあるとは思うんだけど……

 

「別に一人で最後まで楽しんでもいいのに……」

「それ以上にこの料理やティータイムの準備をしてくれたフリアを労いたいの」

「気持ちだけで十分嬉しいんだけどなぁ……」

 

 それでもじっとこっちを見ているあたりボクが受け取らないと納得はしてくれなさそうだ。

 

(これがヒカリやジュンなら全く気にせずに独り占めするのに……あの2人が悪いというわけじゃないけど、あの2人と比べるとユウリって本当に優しい子だよね)

 

 あの2人にもこれくらいの優しがあってもいい気がするんだ。いや、元気があるトラブルメイカーと考えると退屈しない面白さはあるんだけどね。

 

「じゃあ、そこまで言うなら少し貰おうかな」

「うん!飲んで飲んで!!」

 

 仕方なくボクが折れたら凄く嬉しそうに笑顔を浮かべながらカップを差し出すユウリ。それを微笑ましく思いながら受け取り、琥珀色に輝く液体を口に運ぼうとして……

 

「……(じーっ)」

「……ゆ、ユウリ?」

「な、なに!?」

「えっと……そんなに見つめられると飲みづらいんだけど……」

 

 じっとこちらを見てくる視線に気を取られてなんだか紅茶を飲みにくい空気。ボクの顔に何かついていたりするのかな?

 

「あ、ううん!!気にしないで!!ささ、どうぞどうぞ!!」

「うん、ならいいんだけど……いただくね」

「……うん」

 

 やっぱりボクから視線を外さないユウリに若干の疑問を抱きながらも、流石にこれ以上紅茶を冷ましてしまうと美味しくなくなりそうだから口をつける。

 

(うん、凄く香りもいいし美味しい……これ淹れたてだったらすごく美味しいんだろうな)

 

 素直な感想を浮かべながら喉を潤す感覚に幸福感を感じているボク。

 

(……だけどやっぱり視線が気になる!!)

 

「え、ええと……ユウリ?」

「ふぇ!?な、なに!?」

「やっぱりボクの顔に何かついてる?あと顔赤いけど……体調悪い?」

「な、何でもないの!!大丈夫!!」

「そ、そう……無理はしないでね?あ、あと紅茶ありがとうね。すごく美味しかった」

「う、うん……」

 

 ボクは十分紅茶を楽しんだのでユウリにカップをお返しする。一方で両手でカップを受け取ってカップを見つめるユウリ。相変わらず顔が真っ赤なのがちょっと心配になるけど……まあ本人が大丈夫だと言っているからそれを信じよう。

 

「あぅ……こ、これよくよく考えたら……フリアが……く、口を……」

 

 ……大丈夫だよね?

 

「……あれ?」

 

 ユウリが少し心配でちょっと視線を向けてみると、ユウリの近くに漂う影が見えた。それはピンク色のアンティークカップに見える物体。しかし、明確におかしい所があり、それはそのティーカップが()()()()()()()()という事。

 

「なにこれ?」

 

 ユウリもようやくそのことに気づいたみたいで顔を向ける。時を同じくしてホップとマリィもその異変に気付いたみたいで、空中に浮かぶカップに皆の線が集まった。そして……

 

「バッチャ……?」

 

 カップの模様が動き、目と口のような部分が浮かび上がり、そこから幼い声が響いた。

 

「ポケモン……?」

 

 ギモーに続いて、新たな出会いの予感を感じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




紅茶

実際に淹れ方を調べて書きました。
淹れ方ひとつでそこそこ変わりそうですよね。本場のものを飲んでみたいです。

ギモー

というわけでマリィさんの手持ちに。
マリィさんの手持ちは、バトルのタイミング的にこの場所ではまだギモーは手に入れていません。
9番道路で戦った時に手持ちにいませんからね。けど流石にストーリーとして書くのはここ辺りで仲間にしていた方がよさそうだなと。

空飛ぶカップ

空を飛ぶカップの正体はポケモンのようですが……ピンク色の空飛ぶカップ……そんなポケモンなんていましたっけ?(すっとぼけ)









ダイパリメイクは地下探検楽しくて石像集めるゲームになりそうですね。
カセキホリダーかな?
色厳選は引き続き剣盾で頑張りますよ。
アルセウスもものすごく楽しみですね。
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