【完結】ポケットモンスター 約束のためにもう一度   作:犬鼬

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せっかくのリメイクだったのにビークインにかいふくしれいが帰ってこなかったことが悲しいです。
はねやすめを返せばいいってもんじゃないんですよ!


アラベスクタウン編
68話


「神秘的な町やんね……」

「常にイルミネーションが輝いてるみたい……」

 

 マリィ、ユウリが町に入ってすぐに目を輝かせながら感想をこぼしていく。その言葉はボクとホップも同感で、静かに頷きながら周囲に目を回していく。今のボクたちは、田舎から都会にやってきて背の高い建物に驚いている姿ととてもよく似ている事だと思う。それほどまでに周りの景色はボクたちの視線をひきつけてやまないものだった。

 

 アラベスクタウン。

 

 ルミナスメイズの森の奥にある巨木の群生地に作られたこの町は、ルミナスメイズの森同様、巨木から伸びている枝と葉によって日光がほぼ完全に遮断されているため、まだまだ昼にさしかかるかどうかといったくらいの時間であっても真っ暗だ。ただ、ルミナスメイズの森と違うのはこの場所が光るキノコの群生地でもあるのか、至る所に光源が自生しているため真っ暗な森の中なのにとても明るく、華やかでより神秘的な環境になっている。巨木をくり抜いてその中に作られている家も見受けられるその風景と相まって、なんだか妖精の住む秘境に紛れ込んでしまったかのような感覚さえ感じる。森と町の境界線もほぼ無いため、町に入り込んでいる野生のポケモンの数もほかの町と比べて圧倒的に多い。今も屋根の上にたくさんのネマシュが引っ付いて、仲良く体を左右に揺らしボクたちを歓迎しているように見える。

 

「自然と共にあるって感じだぞ」

「言っちゃ悪いんだけど、さっきまでラテラルタウンにいたから余計に自然を強く感じるね」

 

 どこからが入口か分からない道を歩きながらボクとホップで話し合う。ラテラルタウンが荒れ地という印象を受けてしまうためかどうしてもこういう印象を受けてしまうんだけど……荒れ地のすぐ隣がこんな森の中だなんて、よくよく考えたらなかなかおかしな環境をしているよなぁと思わなくはない。

 

「……なんであのチョンチー、宙に浮いてるんだろう?」

「「「……さぁ?」」」

 

 神秘的のベクトルをどこか間違えている気も少ししてくる。

 

 まぁそんなことは置いておいて、ここ、アラベスクタウンに来たということは、ボクたちには当然するべきことがあり、それはここのスタジアムにてジムチャレンジを行うこと。

 

 折り返しを超えた5番目にあたるこのスタジアム。

 

 正直オニオンさんとのバトルは一瞬負けを本気で覚悟したため、そんなオニオンさんより強いであろうポプラさんとのバトルは否が応でも力が入ってしまう。周りからは強いと言われても、内容はいつも綱渡り。いつ負けてもおかしくはないからね。

 

(気合い入れないとね!!)

 

 軽く頬を叩き、気合いを入れるボク。そんなボクの行動がしっかり見えていたのか、疑問を浮かべるマリィたちにちょっと気恥かしさを覚えたためちょっと早足にスタジアムへ。

 

 神秘的なこのアラベスクタウンを観光するのもいいんだけど、ポットデスの案内によって予想よりもかなり早く到着することができたため、それならやることをさっさと終わらせて、残りの時間を楽しんだり、対策に当てようという寸法だ。

 

 アラベスクタウンそのものの大きさはそんなにないみたいなので、ルミナスメイズの森のように特に迷うことなくアラベスクスタジアムに到着はできた。自然だらけの町の中に堂々と建つそのスタジアムは、しかし外観のデザインはこの風景を壊すことのないものとなっており、自然の中に人工物がぽつんとある、本来なら違和感しか無いはずの状況なのに全く違和感が感じられない。考えた人は控えめに言って天才だと思う。そのデザインの秀逸さは、早足で歩くボクに続いていたユウリたちも思わずため息をこぼしてしまうほど。最も、そんな幻想的な外観であるこのスタジアムも、中に入ってしまえば今までのスタジアムとほとんど変わらない、現代風の内装だ。

 

(ある意味こちらの方が帰ってきた感じがして落ち着くかも)

 

 神秘的なのも非現実的で少し面白いけどね。

 

 中に入ってしまえば、もう5回目にもなる受付のお時間。カウンターで待っているジムトレーナーの人に声をかけて、ジムミッションの日を予約していく。

 

(さてさて、ここのジムミッションはどうなるんだろうね?)

 

 ジムミッションを準備するのは当然そのスタジアムにいるジムリーダー自身だ。つまり今回のジムミッションは、ここのジムリーダーであるポプラさんが準備していることになる。

 

(ポプラさん……)

 

 その名を頭の中に浮かべて思い出すのはやっぱりラテラルタウンでの出来事と発言。ピンクやら真っ直ぐやらひねくれているやら、本人独特の思考回路を展開していたため、傍から聞いててもよく分からず、終始頭の中をかき乱されていた印象しかない。もし、あの掴みどころのない発言や仕草がバトルスタイルにも影響するのだとしたら、既に戦うことを想像するのがしんどそうだし、何よりこれから受けるジムミッションも物凄くややこしいものになっている気がする。 内容が分からない以上、警戒のしようなんて全くないけど、気合いはしっかりと入れておかないと簡単に足元を掬われてしまいそうだ。

 

 そしてもうひとつ思い出すこと。それは……

 

(ビート、何してるかなぁ?)

 

 あの夜、ポプラさんに連れられてボクたちより一足先にこの町に到着し、ポプラさんの元で特訓をしているであろうビートの姿。さすがに昨日今日の出来事で、もう見切りをつけてヨロイ島に行っているなんてことは無いだろうから、まだここにいるとは思うんだけど……

 

(一目だけでも無事なのを確認しておきたいなぁ……いや、でもユウリたちはあまりいい印象を抱いてないからこっそりの方がいいのかな……うむむ……)

 

「おや、あんたたち。遅かったじゃないか」

 

 ビートの事で頭を少し傾げていると、突如鼓膜を打つ声。4人揃って声の聞こえた方に顔を向けると、そこには老齢の女性が1人。言わずもがな、ここのジムリーダーであるポプラさんだ。

 

「ポプラさん!!」

「「こんにちは」」

「ああ、こんにちは」

 

 まさかの登場に少しテンションが上がるホップと、そんな中でもしっかりと挨拶を欠かさないユウリとマリィ。その反応が真っ直ぐで嬉しかったのか、ポプラさんもどこか元気そうに返事を返す。ボクも挨拶をしておかなきゃね。

 

「ポプラさん、こんにちは。ラテラルタウンぶりです」

「ああそうだね。あれからすぐにここに来ると思ったが、ちょいと予想よりゆっくりだったね。何かあったのかい?」

「いえ、単純にルミナスメイズの森で迷ってしまいまして……」

「さすがの注目選手でも、自然には勝てないってかい?」

 

 ボクの到着が遅れた理由を聞いてかかと笑うポプラさん。少し恥ずかしいからやめて欲しい……。

 

「フリア、ポプラさんと会ったことあるのか?」

「うん。ラテラルタウンで夜散歩してた時にたまたまね?」

 

 知り合い気分で話しているボクたちの関係に疑問を持ったホップが質問をして来たので返しておく。……ビートの事は伏せてだけど。

 

「夜に散歩……ってことは、あの日?」

「そういえば気分転換で外歩くって言ってたっけ?あの時に会ったんだ」

 

 ユウリとマリィはその時のことに心当たりがあるのか納得をした。と言っても、あの日はビートの件にミロカロスの件、そしてガラルの伝説についての話し合いもしたからかなり濃密な1日だった。嫌でも記憶に残っていることだろう。その日のことを思い出したあと、少し疑惑の顔を浮かべるユウリとマリィ。

 

(うん。何となく考えていることは分かるけど今すぐその思考は捨てた方がいいと思うよ)

 

「あんたたち、やっぱり失礼なこと考えているね?」

「「い、いえ!!滅相もありません!!」」

「ん?」

「あはは……」

 

 いきなりのポプラさんからの言葉に背筋をぴんと伸ばしながら謝罪をするユウリとマリィ。その様子にあの日のボクと同じく徘徊癖がどうのこうのを想像したんだろうなぁとわかってしまい、ボクの顔にも苦笑いが浮かぶ。後に魔術師のあだ名もあるということを知ることができたんだけど、どちらかと言うとエスパーな気がしなくもない。本当に掴みどころのない人だ。唯一流れを理解していないホップが首を傾げている。彼にはぜひこのまま純粋でいて欲しいものだ。

 

 ……ポプラさんにはピンクもひねくれも足りないって理由で不合格にされそうだけど。いや、その基準がボクには分からないからなんとも言えないけどね?

 

「まぁ、確かにあたしはそこそこの時間をジムリーダーとして務めているからね。あんたたちの言いたいことも分からないことも無い。寛容なあたしに感謝するんだよ?」

 

((((70年もジムリーダーの座に座っていたのをそこそことは言わないと思うんだけど……))))

 

 うん、今ならみんなが何を考えているか分かる気がする。というかホップ含めてみんなの意思が一致したと思う。と、まぁとりあえずそこは置いておいて。

 

「そろそろお昼が近いと思うんですけど、ポプラさんはジム戦の準備とかは大丈夫なんですか?」

 

 町が変わっても基本的にジムの運営は変わらないだろうから、そうなれば午後からはポプラさんはジム戦を控えているということになる。早い挑戦者の番となれば、そろそろ準備を始めておかないとなかなかに辛い時間だ思うんだけど……

 

「大丈夫じゃないよ。だからさっさと準備をしなきゃならないんだがねぇ……全く、ローズのやつもレディの扱いがわかってないよ」

「え、えっと……もし手が足りないなら手伝いますよ?」

「あたしたちが邪魔してるかもしれんし……」

 

 ポプラさんの言葉に慌ててフォローを入れようとするユウリとマリィ。先程脳内で失礼なことを考えたのが少し後ろめたいのだろう。けど、その申し出をポプラさんは首を横に振ることで断った。

 

「いや、大丈夫だよ。あたしの用事はもう終わったからね。あとはジム戦用の手持ちを準備するだけだからあんたたちに手伝ってもらうことはないよ。ジムミッションの内容の変更手続きも済ませたしね」

「「「「変更の手続き?」」」」

 

 断られた時の発言から首をかしげるボクたち。ジムミッションの変更っていうのはどういう事なんだろう?

 

「ジムミッションの内容っていうのはジムチャレンジが始まる前にリーグに対してこういう内容にするっていう計画書を出すのさ。あらかじめ申請しておかないと、一応怪我する可能性とかもあるからねぇ」

 

 ポプラさんの言葉から思い出されるのはルリナさんのミッション。水圧につぶされかけたという経験がある以上、ジムトレーナーやジムリーダーが見守っているとはいえ危険な場面だってあることはボク自身が体で理解している。オニオンさんのところもちょっと危なかったし……ワイルドエリアそのものを障害物にしている以上そういう危険も承知の上で参加者も参加しているとはいえ、いたずらに危険にする必要はないしね。

 

 あまりに危険な内容だったらリーグ側も止めるという事なのだろう。まぁ、そういう裏側のことは今は考えなくてもいいだろう。ボクたちが気にするべきは、ジムミッションの内容を変更したというところだ。

 

「内容の変更ってそんなことあるんですか?」

「いんや、前例はないさね。あたしが初めてやったことだよ。だけどちょっと面白いことになりそうだし、こうした方がいろいろとメリットが多そうだからそうさせてもらったんだよ」

「「「「……?」」」」

 

 ポプラさんの説明がわからずにそろって首をかしげるボクたち。やっぱりこの人の考えはよくわからない。

 

「安心おし。あんたたちにとってもそんなに悪い話じゃないさね。特に、そこのシンオウチャンピオンの推薦者にとっては……ね」

「……ボク、ですか?」

 

 ポプラさんの怪しい笑みがボクに向かって突き刺さる。

 

(ボクにメリットのある変更……?それっていったい……いや、もしかして?)

 

 ボクの頭の中にひとつの予想が浮かび上がる。……たしかに、もしそうなのだとしたら、ボクにとってはすごく面白そうなことになるかもしれない。

 

「さあさあ、あたしはこれから忙しくなるんだ。こんなところで油売る暇があるんなら、対策を立てるなりしっかり休むなりするんだね。ほら、出てった出てった」

 

 手で軽くボクたちをあしらいながらスタジアムの奥へと足を運ぶポプラさん。確かにポプラさんが言う通り、ここにもう用がない以上、外に出て対策を練るなり観光をするなりしておいた方が有意義だろう。みんなその考えに至ったため、特に文句を言うことなく外に向けて足を運んでいく。

 

「なんなんだろうな。変更されたジムミッションって」

「さあ?どっちにしろ明日になればわかることだし、深く気にしなくてもいいんじゃない?」

「そうそう。今はアラベスクタウンをしっかり楽しも!!」

 

 ポプラさんの言っていたことが全く予想できていないホップたちは、結論としては明日を待てばいいというものになった。普通に考えたらその結論にたどり着くのが一般的だと思うんだけど、ボクだけは答えに心当たりができてしまったため、どうもさっきからにやけが止まらない。

 

「なんだかフリア、楽しそうだね?」

「そう……かも」

 

 ユウリからの言葉を肯定するボク。

 

(ああ、どうかボクの予想通りでありますように……)

 

 みんなにとって歯切れの悪い回答をしたことによっていぶかしげな顔を浮かべるホップたち。けど、どうか許してほしい。もうすでに明日のことを考えるだけでワクワクしてしまっているから。

 

(明日が本当に楽しみだ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれ、今回のジムミッションって観客はいないんですか?」

 

 受付を終えて次の日。ボクたちのジムミッションが開始される当日に、いつものジムミッションと同じようにアラベスクスタジアムの控室に入ったボクたちは、別々の部屋に案内されていた。そんな中で説明されたのが、今回のジムミッションには観客がいないという事。

 

「ええそうよ。というのも実はジムチャレンジって別に中継することは強制じゃないのよ。他の場所で言うと、ネズジムリーダーのところも中継はしないみたいね」

「あ、そうなんですね」

 

 ここにきて聞かされる衝撃的な真実。

 

(あれ別に強制配信じゃなかったんだ……だったらボクの痴態は未然に防ぐことができたのでは?)

 

 ここにきて少しだけボクの心の中に黒い炎が灯ったような気がしたけど、ガラルの人のテンション的にどうやったって防ぐことはできないんだろうなぁと思い立ってあきらめることに。とりあえず、もし今回のジムミッションで変な乗り越え方をしても、ここのジムに関しては外に漏れることがないからそれだけでも良しとしよう。

 

「まあ、そういうわけだから、他のスタジアムみたいに緊張する必要はないから安心しなさいね」

「は、はい。ありがとうございます」

「詳しい内容はポプラさんから教えてもらえると思うわ。じゃあジムミッション、頑張ってね」

 

 女性のジムトレーナー(というか、どうやらここのジムトレーナーは女性しかいない)の方に案内されて、ジムミッションの会場へ足を運んでいく。まるでどこかの会館の舞台袖のような、大道具などで散らかっている長い道を歩いて行くと、ひかりが漏れている部屋が目に入る。そのまぶしさに若干目を細めながら潜り抜けると、そこは舞台袖から一転して舞台の上にあがったような場所で、その舞台上の中心にはバトルコートが描かれていた。

 

 ここが舞台の上なら、観客がいるのでは?と思い、ふと横に視線を向けると、そこには椅子に座ってこちらを見守るポプラさんの姿がある。

 

「よく来たね。フリア選手。それじゃあさっそくだけどジムミッションの内容を説明するよ」

 

 少し離れているのにはっきりと耳に届くその声に頷き、続きの言葉を聞き逃さないように耳を傾ける。

 

「ルールは簡単。あたしが用意したトレーナーに一対一のポケモンバトルで勝つこと。ただそれだけだよ。わかりやすいだろう?」

「はい。変なアトラクションとかなくてとてもやりやすいです」

「正直だねぇ」

 

 今までがちょっと特殊なことだらけだった上、ミッション考案者がポプラさんとなれば、きっと変な問題が出されると思って身構えていたら、内容はなんてことないただの一対一のポケモンバトル。いや、正確にはポプラさんがジムミッションの内容を変えた結果、このシンプルなものに変わった。と考えるのが普通だろう。

 

(きっと変更前は無茶苦茶厄介だったんだろうなぁ……)

 

 ifの世界線の話を少し想像しながら、すぐに頭の中を切り替える。シンプルなものに変わったのはありがたいし、正直昨日予想した展開と全く一緒でどんどんテンションが上がってくる。

 

「さて、それじゃあ肝心の対戦相手を呼ぼうかね」

 

 ポプラさんの言葉を合図に、ボクの向かい側の舞台袖から1人の影がこちらに向かってくる。

 

(来たっ!!)

 

 光の関係か、その人影はまだ黒く見えて誰だか全く区別がつかないけど、昨日のポプラさんの言葉からしてもう彼以外ありえないであろう。

 

 カツ……カツ……

 

 靴が床を叩く音を耳にしながらゆっくりとその人物を待つ。そしてその人物が舞台に上がりきり、ついにその正体を表す。

 

 癖の着いた特徴的な銀髪を揺らし、薄紫色の相変わらず光の灯っていない瞳で真っ直ぐこちらを見るその人影の招待は……

 

「予想よりもかなり早い再会でしたね。フリア」

「やっぱり君がジムミッションの相手なんだね!!ビート!!」

 

 ラテラルタウンにて、ポプラさんに引き抜かれていったビートだった。ローズ委員長に見限られ、失意の中にいた彼が今、こうしてボクの目の前に壁として立ち塞がったのだ。

 

 ……フェアリータイプのユニフォームである、ピンクと水色のパステルカラーユニフォームに身を包んで。

 

「ぶっ!!」

「わ、笑いましたね!?」

「ご、ごめん……ふ、普段のビートからかけ離れた服だから……に、似合ってる、よ?」

「笑いを堪えながら言われてもバカにしているようにしか聞こえないのですが!?」

 

 あまりにも急なイメージチェンジのため、思わず吹き出してしまうボク。別にフェアリータイプのユニフォームがおかしいわけでは断じてない。フェアリータイプらしい、可愛いデザインだと思うんだけど、あの慇懃無礼でツンツンしていたビートが急にこの服に袖を通すという無先とのギャップがデカすぎて、ついつい笑ってしまった。似合っているというのは本当のことなので許して欲しい。

 

「あははは……と、とにかく元気そうで安心したよ」

「どこがですか!!まだ特訓を受けて2桁日行ってないですけど、それでも毎日ピンクピンクピンクピンク!!もう頭がおかしくなりそうだ!!」

「……っふふ」

「まだバカにしてますか!?」

「あんた、うるさいよ。黙ってピンクらしくしな」

「ぼくのせいなんですかね!?これ!?」

「あっはははは!!」

 

 タネマシンガンの如く文句を言い続けるビートと、それを軽くあしらうポプラさんの関係がとても微笑ましく、ついつい笑ってしまう。あれだけ文句言っておきながら、ここから離れていないあたりビート自身もポプラさんのことをしっかりと認めているということだろう。

 

(なんだかんだでいいコンビじゃん?)

 

 これならビートの心配はもう要らなさそうだ。

 

「ぐぅ……こうなったら、ポケモンバトルで判らせてあげますよ!!ちょうど今日は合法的にあなたを叩きのめせますからね!!」

「いいよやろう!!ラテラルタウンじゃ中断させられちゃったからね!!」

「今度こそ、ぼくのブリムオンがあなたの━━」

「待ちな!」

 

 ビートが懐にあるブリムオンのモンスターボールに手をかけようとしたところで待ったをかけるポプラさん。その言葉を聞いて苦い顔を浮かべるビート。はて、なにかあったのだろうか?

 

「あんたの気持ちを尊重させたくはあるんだけど、今回はジムミッションとしてのバトルだ。悪いけどこれはビート、あんたの特訓でもあるんだよ?使っていいポケモンは指定したあの子だけ。わかったね?」

「……ええ、分かりましたよ」

「あらら、そういう決まりなんだね」

 

 明らかに不満ですといった顔を浮かべながらも、口では了承の意を唱えている。相変わらず素直じゃないというかひねくれているというか。しかし、どうやらビートのポケモンは固定されているらしい。となると、ジムミッション用の調整されたポケモンだろう。ならばヨノワールを出す訳には行かないかな。ヨノワールは全力バトルの時に出したいから。それに……

 

「あんたたちの因縁を決める場を、こんなかび臭いところにしていいのかい?」

 

 ボクとビートの目がスっと細くなる。

 

 あんたたちの本戦はもっとでかい舞台でやれ。ポプラさんはそう言いたいんだろう。

 

 意外と茶目っ気のあるお方だ。

 

 その通りだ。ここまで来たのなら、願わくばたくさんの観客がいるあのスタジアムの中心で戦いたい。これはそのための前哨戦。

 

「行くよ!!ビート!!」

「ええ!!」

「ではこれより、アラベスクスタジアムのジムミッションを始めるよ!!」

 

 ポプラさんの、とても88歳とは思えない大声を合図に、ボクたちのバトルが始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ジムミッション

実際のところはどうなんでしょうね?
隙かって決められるとはいえ、一応審査くらいはあるんじゃないかなという妄想です。

ビート

というわけで意外と早い二回目のバトル。しかし、あくまでジムミッション。
本気バトルの続きはまた後で。




同期組の力比べをしたらおそらく主人公の次に強いのは(ザシアン、ザマゼンタをゲットする前は)ビートさんだと思ってます。なので彼にはちょっとしたライバルポジションに。
アニポケで言えばシンジや、アランみたいな場所ですね。
ちなみに他のキャラは……
ユウリ、マリィ→セレナ、ユリーカ
ホップ、セイボリー→シトロン
サイトウ→コルニ
のイメージ。
XYで例えたらこんな感じです。




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