【完結】ポケットモンスター 約束のためにもう一度   作:犬鼬

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臆病だったぼくは、あなたに手を差し伸べてもらったから変われたんだ。


76話

「マホイップ、『ドレインキッス』」

『避けてこっちも『ドレインキッス』!!』

 

 戦場を駆ける水色のマホイップと、バトルコートのど真ん中で鎮座し、底上げされた能力を遺憾無く発揮して暴れ回るピンク色のマホイップ。両者同じポケモンのはずなのにその火力は雲泥の差で、ピンクのマホイップが技を放つ度に爆音が鳴り響き、その技の火力の高さを物語ってくれている。特攻を限界まであげたこの技は、当然当たれば即瀕死。絶対に貰う訳には行かない。しかもただそれだけではなく、特防も一緒に鍛えられているためこちらからの攻撃は微々たるダメージしか入っていない。

 

 キルリアが倒れて、次はどうすればいいのか未だに頭の中が整理出来ずに悩んでいる中、とにかく戦うことだけは継続しなくてはという気持ちでマホイップを出して応戦しているボク。しかし、一向に打ち勝てるビジョンなんて想像できなくて……

 

(このままじゃあボクのマホイップに申し訳ない……)

 

 何かを思いつくまでの時間稼ぎとして繰り出したマホイップは、先のバトルで既に体力は少なく、しかも猛毒状態になっているため長く戦うのは不可能だし、今回は完全なる上位互換が相手だ。そんな相手に万全ですらないボクのマホイップが勝てるはずもなく……言ってしまえばマホイップを時間稼ぎのための捨て駒扱いしているようなもので、そのことにとても申し訳なさを感じながらも、それでもボクの気持ちを理解して、苦しいはずなのにそのことを表にも出さずにボクに微笑みかけてくれたマホイップには感謝しかない。そんな健気な彼女のためにも、一刻も早く打開策を編み出したい。しかし……

 

(ダメだ、どうやってもマホイップの防御を撃ち破る方法が……ないっ!!)

 

 とけるとめいそうによって防御面も最大まで鍛えきった相手のマホイップを打ち破る術が全く出てこない。それに……

 

「マホイップ、『アシストパワー』」

「っ!?逃げて!!」

 

 まるで爆撃のような音と共に繰り出される一撃必殺の技。たとえ当たっていなくても、この一撃の大きさを目の前にするだけでボクの心はガリガリと削られてしいまう。

 

「マホイップ!!『マジカルフレイム』!!」

「クリームで消火しな」

「そのスキをついて『マジカルシャイン』!!」

「いいタイミング。しかし、やっぱりもう効かないねぇ」

「くっ」

 

 その攻撃を乗り切り、こうやって何とか薄い隙をついて攻撃を当てていても全くこたえていないのが余計に心にくる。ダメージは入っているはずなのに、そのダメージが小さすぎて道のりが果てしない。

 

(せめてどくびしを当てられれば……)

 

 キルリアが考えたようにどくびし作戦も敢行しようとしたものの、クリームの操作力でも負けているため、そもそもクリームを使うことが出来ない。どうすればいいのか全くわからず、それでも何とか少しずつポプラさんのマホイップを攻撃していくボクのマホイップ。けど、毒で倒れるのも時間の問題。いよいよ時間が無くなってきたそのとき……

 

「ここまでよく頑張ったねぇ。だけど、そろそろトドメと行くさね」

「今度は何を……」

 

 相手の動きを見逃さないように、しかし変な動きをしたらすぐに視線をそらせるように警戒しながら構えると、()()()()()()()()()()()()()

 

「……え?」

 

 一瞬何故そんなことをするのかと思ってしまい、直ぐに頭を振る。こんなことをする理由なんてひとつしかない。

 

 

「さぁ、腹は括ったかい?これがあんたへのトドメだよ」

 

 

 ポプラさんの言葉と共に、マホイップを戻したボールが赤く光りながら巨大化する。そしてそのボールを少し辛そうにしながらも天高くに放り投げると、飛び出してくるのは30mくらいある巨大なウェディングケーキ。その頂点に座するマホイップが、天高く咆哮をあげる。

 

 キョダイマホイップ。

 

 もう死に体の相手に何故わざわざこの手札を切ったのか。それはこの状態で打てるキョダイマックス技にある。

 

「さああたしからのプレゼントさ。受け取りな。『キョダイダンエン』」

「マホイップ!!」

 

 キョダイダンエン。

 

 キョダイマホイップ専用のその技は、相手に大ダメージを与えると同時に技の使用者を回復させるというもの。つまり……

 

 

『フリア選手のマホイップ戦闘不能!勝者、ジムリーダーのマホイップ!!』

 

 

 ボクのマホイップが倒れ、頑張って少しずつ削っていたポプラさんのマホイップの体力が元に戻るということ。キルリア、マホイップの2体がかりで与えたダメージが、ほぼ全て無意味となってしまった。

 

(……きっつ)

 

 降参はしたくない。確かにそう言ったけどこの状況はもうどうしようもない。まだあと1匹ボクは残っているけど、その1匹で勝てるのだろうか。

 

(ヨノワールなら……まだ……)

 

 唯一勝てそうだと思うのはヨノワールを繰り出すこと。ヨノワールをダイマックスさせて全力で戦えば或いは……

 

(……けど、今ヨノワールに頼ってるようじゃこの先戦えるの……?)

 

 その考えがボクの判断をにごらせる。だけど、現状ボクの手持ちで今のマホイップに対抗できるのはこの子しかいないし、それでも勝てるかわからない状況だ。

 

 こんな所で躓かないためにも、少しでも勝率が高い方に駆けるのは普通のことで……

 

(……頼むしかない。ヨノワールに!!)

 

 あまりしたくないけど背に腹は抱えられない。ボクは相棒の入っているボールに手を伸ばした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ぼくはボールの中からずっと眺めていた。ぼくの大切な主とジムリーダーとの戦いを片時も目を離さずに。そして今、ぼくの主は絶体絶命のピンチにあっている。

 

 あのマホイップによってどんどん仲間たちが突破されているから。

 

 最初は主の勝ちだと決めつけていた観客たちも、既に今はジムリーダーが勝ったと手のひらを返して歓声と落胆の声をあげていた。そしてそれはぼくの主も同じで……最後のポケモンにヨノワールを選ぼうとしているところだった。

 

 正直言えば少しムカついてしまった。

 

 あれだけ主の勝利を思っておきながらあっさり手をひっくりかえした観客も、こんな状況になって最後にヨノワールに頼んでしまう主にも。

 

 そしてなによりも、この状況で勝てると思われていない自分の弱さが許せなかった。

 

 主に対しては確かに苛立ちを感じてしまったけど、それ以前にあのマホイップにも、横にいるヨノワールにも勝てないと納得してしまっている自分がそれ以上に許せなかった。こういった危機的な状況に、自分が頼られないということも含めて……

 

 ヨノワールがとても強いこと自体は主のポケモンになり、隣のボールに収まった時からわかってはいた。隣から感じるその圧倒的な存在感とプレッシャー、それでいてどこか暖かく包んでくれるかのようなその雰囲気は、『ああ、ぼくはこのポケモンには勝てない』と無意識に感じてしまう程だった。今この場面で、ヨノワールが選ばれることは凄く自然なことだ。

 

 それでも、ぼくを頼ってほしかった。

 

 あの日、あの森で、おびえて縮こまることしかできなかったぼくを、主は身を挺して守ってくれたんだ。しかも、一緒に遊んでいたヒバニーとサルノリが選ばれて、自分だけが取り残されて自信を無くしていた時に、主はぼくに手を差し伸べてくれた。

 

 一緒に来ないかって。

 

 嬉しくないはずがない。いやなはずがない。その時にこうも思ったんだ。

 

『この人を一番守れるように強くなりたいんだ』って。

 

 確かに今のぼくは、きっとあのマホイップよりも、隣にいるヨノワールよりも……弱い。

 

 ラテラルタウンではヨノワールの強さをその目にして。今この場ではあのマホイップの巧みさに震えて、自分との実力の差にまた自信をなくしそうになった程だから。

 

 それでも……

 

(ぼくはあなたのために戦いたい!!戦わせてほしい!!あなたの隣に、立っていたい!!)

 

 もしかしたら、ヨノワールじゃなくてぼくを選んだせいでここのジムで負けてしまうかもしれない。ただでさえ今不安になっている主に対して、さらに悪影響を及ぼすことになってしまうかもしれない。

 

 でも……それでも……

 

(今日だけは、ぼくのわがままを通してほしい!!)

 

 だからぼくは必至に主張する。ぼくを選んでくれと、自分が入っているボールを必死に動かす。

 

 確かにぼくとマホイップには差がある。でも、絶対に勝つから。あなたの不安を吹き飛ばすから。

 

 どうか、ぼくを選んでほしい。

 

 今のこの場で、選んでもらうために、主に勝ちを届けるために、必死にボールを動かした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……あれ?」

 

 ヨノワールへと手を伸ばそうとしたときに震えだすヨノワールの横にあるボール。その振動は、まるでぼくに任せてほしいと言っているような気がして……

 

(君は……)

 

 手がまた止まってしまう。

 どう考えたって、この子であのマホイップに勝つビジョンが見えないから。それでも……

 

(この子が、こんなにも自分を主張するなんて……初めてだ)

 

 初めて見るその現象に、そして自分から信じてと言ってくれている気がするこの子の意気込みに、『任せてみたい』、そう思ってしまったから。

 

 手を、ヨノワールからひとつ横にずらす。

 

「……信じていいかい?」

 

 ボクの言葉に、さらに大きく震え、嬉しそうにするボールに先ほどまで感じていた絶望感が少し消える。

 

(励ましてくれているのかな……?だとすると、あの森での出来事の逆だね)

 

 あんなにおびえていたあの子が、今はボクを元気づけるために必死にやる気を出してくれている。それがどこかおかしくて、同時に凄く嬉しくて。

 

「……うん。わかった。君を信じる!!」

 

 自分から主張してきたその意思を信じよう。これで負けたとしても、この子のせいには絶対にしない。この状況を許してしまった時点でボクが悪いのだから。

 

(いや、そもそも負けることを前提にしている時点で、もう駄目だよね!!)

 

 この子は勝つつもりでいる。そんな子相手に負ける可能性を少しでも想像する時点で失礼だ。

 

(絶対に勝つ!!この子と一緒に!!)

 

 腰からモンスターボールを構え、赤い光を送っていく。徐々に肥大化していくモンスターボール。

 

「行くよ……」

 

 両手でないと抱えきれないほど大きくなったそのボールを構え、天高く放り投げ、最後のポケモンを繰り出す。

 

 

「君に託す!!()()()()()!!」

 

 

 現れるのはダイマックスジメレオン。水色の体に紫色の前髪のようなものをなびかせ、指先から水をしたたらせながら自信満々に現れる。

 

 

「ジメェェェェ!!」

 

 

 響き渡るジメレオンの咆哮。こんな絶望的な状況でも決して諦めず、その目には闘志がみなぎっていた。そんなジメレオンの闘志に、ボクも心が熱くなる。

 

 なぜだろう、だんだんと負ける気がしなくなってきた。

 

「ジメレオン……絶対勝つよ!!」

 

 

「ジメェッ!!」

 

 

 改めて、ボクとジメレオンの心がつながった気がした。そんな時だった。

 

 ダイマックスジメレオンが青く光りだした。

 

「ジメレオン……?」

 

 とても眩しく、暖かい光に包まれて良くジメレオン。目の前で激しく光っているのに、なぜか眩しさを感じさせないその光からボクの視線は外せない。それどころか、ここにいるすべての人がジメレオンに視線を奪われていた。

 

 ダイマックの赤いひかりにも負けないその神秘的な光は、数秒間ジメレオンを包んだのちに弾けて消える。青色の光が消え、再び赤い光が集まりだしたその先には……

 

 

「レオオオォォォォッ!!」

 

 

「ジメレオン……ううん、()()()()()()!!」

 

 ジメレオンの進化系であるインテレオンが、その凛々しい姿を見せつけるかのように雄たけびを上げる。

 

「この土壇場で進化かい……本当に魅せてくれるねぇ」

「えへへ……ボク自身、なんだか信じられないです」

 

 ダイマックスしたまま進化。そんな珍しい場面に立ち会えたせいか、会場のボルテージはさらに跳ね上がる。その盛り上がりがさらにボクたちの背中を押してくれる。

 

「面白い流れの取り方だよ。だがね、あたしのマホイップを、()()()()()()()()止められるかい?」

「……」

 

 進化をその程度扱い。人によっては物凄く怒りが飛び出そうな発言だけど、ことこの場面においてはポプラさんの発言は正しい。確かにポケモンの進化による強化はとても大きく、戦況を一気にひっくり返す出来事だ。しかし、今のマホイップはそれ以上に自分を磨きに磨いた姿となっている。進化したとはいえ、耐久力に難があるところは変わらないインテレオンにとって不利だという状況は変わらない。

 

(まずは、このキョダイマホイップの攻撃を乗り越えなきゃいけない!!)

 

 先にダイマックスを切ってくれたおかげで乗り切る攻撃が2回だけでいいのはボクにとってはありがたい状況。

 

(2回だけなら……たぶん乗り切れる!!)

 

「さあ、この状況をどうやって乗り切るのか見せてもらおうか!マホイップ、『キョダイダンエン』だよ」

「『ダイウォール』!!」

 

 まずは一回。安定のダイウォールで上空から降り注ぐクリームの塊を受けきる。

 

(ここまでは予定調和。問題は次だ)

 

 守る系の技は連続で使用すると失敗しやすい。連続で守れる可能性に賭けるのも選択肢としてはあるけど、今ここで選ぶにはあまりにもハイリスクすぎる。なぜなら技の失敗がそのまま敗北につながるから。しかし、ただ単純に技をぶつけるだけというのも意味がない。相手の特攻が限界まで上がりきっている今、単純なパワー比べをするといくらインテレオンに進化したと言っても間違いなく打ち負けてしまう。

 

 勿論このことはポプラさんも、もしかしたら観客だってわかっているかもしれない。

 次のダイマックス技をどう乗り切るのか。ここは一つの山場になると。

 

「あんたの回答を見させてもらうよ。もう一回『キョダイダンエン』さね」

 

 天から降りそそぐ3回目の攻撃。1つ10万キロカロリーあると言われている暴力的なクリームの塊が3つ、インテレオンめがけて降りそそぐ。そんな相手の攻撃を目の前にして、人差し指に中指を絡めた状態で天を指差し、二重構造になっている瞼をそっと閉じる。

 

(……なるほど、そういう事だね)

 

 インテレオンが何をしたいのか、完全に理解した。確かに、この方法ならうまくいくかもしれない。あとはインテレオンを信じて命令するだけだ。

 

「インテレオン!『ダイストリーム』!!」

 

 

「……レオッ!」

 

 

 圧縮された水がインテレオンの指先から巨大な弾丸となって発射される。本来ならレーザー状に打ち出されるはずのその技とあまりにも違いすぎる打ち方をしたため周りの観客は驚きの声を上げ始める。

 

 そんな周りの動揺を無視して登り続ける水の弾丸はついにぶつかる。

 

()()()()()()()()()()()()

 

「よし!!」

「……いい答えだ」

 

 キョダイダンエンの側面に直撃したダイストリームは、威力の差があったためかキョダイダンエンを打ち消すことこそできなかったものの、その軌道を僅かにそらすことに成功。更にそれだけでなく、キョダイダンエンの側面を跳ねて、他のキョダイダンエンの側面に跳弾としてぶつかることによって全てのクリーム弾を逸らす。大きく逸れることこそないけど、地面に着弾して爆発した衝撃を込みにしてもインテレオンに当たった攻撃はひとつもない。

 

「全弾避けたかい……見事」

「……避けただけじゃないですよ」

「何?」

 

 3回のダイマックス技の使用により、元の姿に戻っていくマホイップ。これで相手のキョダイマックスは乗りきった。けど、ボクのインテレオンがただ相手の攻撃を防いだだけじゃない。マホイップのキョダイマックスが終わると同時に空から水が落ちてくる。

 

「……雨?……なるほど」

 

 ダイストリームの追加効果は元々雨を降らせる効果がある。しかしそれは相手にあたって初めてその効果が出る。けど今回はマホイップに当たっていないのに雨が降り続けている。理由は簡単で、キョダイダンエンの側面を3回跳ねたダイストリームは、最後に真上に飛ぶように跳弾。そのまま天高く飛んでいき空中で大爆発。その結果、空から大量の水が降り続ける雨に変わったという事だ。

 

(よし、雨があればしばらくはこっちの攻撃が上がる!)

 

 こちらはダイマックス状態で、向こうは通常状態。絶好の攻撃チャンス。

 

「ここで一気に大ダメージを与える!!インテレオン、『ダイストリーム』!!」

 

 再び人差し指の先に集まっていく水の塊。雨によって強化されたその攻撃は、目の前の敵を洗い流すためにどんどんその威力を高めていく。進化したことも相まって、今までで間違いなく一番威力の高いその攻撃は、寸分たがわずマホイップに向かって飛んでいく。この攻撃が当たれば、周りのクリームも一緒に洗い流すことができるから一気にこちら側に傾いてくれるはずだ。

 

(ここから反撃を……)

 

「雨を降らせるのは正しい判断だよ。そうじゃないと……()()()()()()()()()()からねぇ」

「ッ!?」

 

 インテレオンの指先から、間違いなく致命傷を受けると思われる攻撃が飛んできているのに余裕の笑みを崩さないポプラさん。本当にこの人の余裕を崩すことはできるのかと不安になると同時に、なぜこんなにも余裕があるのかと少し長考して……

 

(そうか!あの技!!)

 

「気づいたみたいだけどもう遅いよ。マホイップ『アシストパワー』」

「インテレオン!!打ち負けないように全力で!!」

 

 マホイップから放たれるのは紫色の不思議な波動。自分の能力が上がれば上がるほど威力が積み重なっていくその技は、ダイマックスした状態でダイサイコとして放つとその効果を失って、ただのダイマックス技となってしまう。それでも十分強力ではあるんだけど、アシストパワーの本領は発揮できない。

 

 つまりどういうことかというと、アシストパワーという技は、ダイマックスしていないときの方がより効果的に使用することができる。

 

 それは時として、ダイマックス技を軽く超える威力を叩きだすことが出来るほどに。

 

 圧倒的と思われた水の奔流が紫色の波動とぶつかった瞬間、一瞬均衡状態になったものの、すぐさまこちらが押され始める。ダイマックス状態が残っていて本来有利なのはこちらなはずなのに、相手の攻撃を押し返せる気が一切しない。

 

 一体、あの小さいマホイップの体にどうやってこれだけの力が隠されているのか。

 

 それだけ押し込んでも打ち勝てるビジョンなんて全く見えないし、むしろこちらがダイマックスをしているせいで相手のこの攻撃をかわすことが出来ないからなんとしても相殺までもっていかないといけない。ダイマックスして体力が増えているとはいえ、こんな化け物みたいな威力を受けてしまったらインテレオンは間違いなくやられてしまう。

 

(なんでダイマックスしているのに一撃でやられる心配しないといけないのさ!)

 

 あまりにも理不尽な状況に心の中で悪態を吐きつつもインテレオンを鼓舞し続ける。

 

 せっかく進化したインテレオンの初舞台を敗北という形にしたくない。だから力の限り応援する。しかし、どうしても威力の差というものは変えることは不可能で、こうしている間にも少しずつ、少しずつ、インテレオンへと押し込まれていく。

 

(まずい……もう耐えられない……!)

 

 それでも必死に耐えようと頑張るインテレオンだったけど、ついに限界が来てインテレオンの方へと押し切られてしまう。

 

 同時に起きる轟音。

 

「インテレオン!!」

 

 思わず耳を塞いでしまう程強烈な爆発音を何とか我慢しながら、爆煙の上がる戦況から目を離さずに見つめる。

 

(お願いだ。奇跡でも何でもいいから立っていてくれ!)

 

 そう願いながら煙が晴れるのをじっと待つ。すると……

 

「レ……オ……ッ!」

「インテレオン!!まだいける!?」

「レオォッ!!」

 

 体に傷がつきながらもしっかりと2本の足で立つ、ダイマックスの切れたインテレオンの姿。

 

「……耐えたかい。ダイマックスが切れる時と丁度嚙み合って、体が縮み始めたおかげで直撃を避けられたといったところだね」

 

 煙のせいでわからなかった状況をポプラさんが補完してくれたおかげで納得できた。どうやら本当に紙一重の結果だったらしい。しかし無傷というわけにはいかず、インテレオンにはそれ相応のダメージが入ってしまっている。今もほんの少しだけふらついていて、その姿に不安を覚えてしまう程。けど、逆に今はこれが()()()()()

 

 なぜなら、これでインテレオンが本気を出せるから。

 

 インテレオンの体が()()()()()()()()()()()

 

「……げきりゅう発動。これが最後の攻防というわけだね」

「絶対に勝ちます。この窮地を乗り越えて、ボクはまだまだ上に行きます!!」

 

 さぁ、最終ラウンドだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




キョダイマホップ

ダイマックスを切るタイミングはアシストパワーもあるためちょっと早めに。
ダイマックス技を防御されても問題ないですからね。
それ以上にキョダイダンエンで体力を増やした方がフリアさんに絶望を与えることが出来ると思ったのでこうしました。
実はアシストパワーを打った方が火力が上ということを含めても、そんなにこだわる必要はなかったりします。

ヨノワール

ジムデビューはおあづけです。
もう少しお待ちください。

インテレオン

ついに最終進化。
実機では考えられない遅さですね。それでもこの作品では同期であるラビフットとバチンキーと比べると一番早いです。
ホップさんの御三家がラテラル時点ではまだ最終進化していないので、このタイミングじゃないかなかと思っての進化だったりするのですが……ほとんどの人はカブさんあたりでもうなってそうですよね。
瞼はねらいうちのモーションの時にわかるのですが、2回閉じてます。モデルとなった動物の生態もしっかり再現していて本当にすごいですよね。




げきりゅうインテレオンVS完全要塞マホイップ。
次回でようやく決着です。
さて、どちらがどうやって勝つのでしょうか?




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