78話
「キルリア、はいこれ」
「キル?」
ポプラさんとの激闘を終え、皆の回復を済ませたボクはポプラさんからもらったかわらずのいしをキルリアに渡していた。ポプラさんが渡してくれたということは当然この行動に意味があるといううことで、かわらずのいしというアイテムからわかる通り、その用途はキルリアの進化が起こらないようにするという事。しかし、基本的に進化した方が強くなるポケモンにおいて、進化させないというのはかなり特殊な状況だ。むしろボクは、キルリアが進化した方がさらに活躍できる幅が広がるからキルリア自身進化したがっているのでは?と思っていたところだったりするんだけど……
「キルリアは進化したくないのかな……?」
ポプラさんの観察眼はバトル中にも確認した通りかなりの精度のもので、あの人の言う事だから間違いはないと思うんだけど……
「進化したくない理由……もしかしてキルリア、君は……」
「キル……」
キルリアが今進化したくない理由。実は心当たりがないわけではない。
キルリアというポケモンには2種類の進化先が存在する。
高い特殊攻撃で遠距離の戦いを得意とするサーナイトと、高い物理攻撃から近接戦を仕掛けるエルレイド。戦闘スタイルのまるで違う2匹へとなることが出来るキルリアは、それでいてどちらも強力なポケモンであるためか、どちらに進化させるかで悩みの話題になることもそこそこある。最も、エルレイドはキルリアの性別がオスでないと進化できないから、メスの個体だった場合はサーナイト確定なんだけど……ボクの個体はオスなのでどちらの進化にするか選ぶことが可能だ。
そしてこの2匹は進化方法も異なる。
サーナイトは成長とともに自然と進化していくけど、エルレイドはめざめいしという道具が必要になってくる。つまり、何もなければ大体のキルリアは自然とサーナイトに進化していくことになる。
さて、ここまで言えばわかるだろうけど、自然に進化するときの進化先がサーナイトしかない以上、かわらずのいしを使うというのは、遠回しに
「エルレイドになりたいの?」
「……キル」
「やっぱり……だからポプラさんに挑戦する前、あんなにサーナイトを見つめていたんだ……」
ボクの言葉に頷くキルリア。ボクのキルリアの戦闘スタイルがそもそも近接戦主体なところを考えるとごく自然なことだとは思うけど、こんなにも意思がしっかりしているとは思わなかった。
(……もしかして、あの時が予兆だったのかな?)
同時に頭をよぎるのはキルリアがマホイップに攻撃を叩き込む瞬間起きた輝き。今思えば、殴る瞬間に虹色の光から青色の光に変わったあれは、キルリアの進化の前兆だったのではないだろうか?そして、サーナイトへの進化を悟ったキルリアが、その進化を無理やり抑え込む方に力を使った結果、サイコキネシスが不発。そのまま敗北というのが先の不調の原因。そう考えるとものすごく納得がいく。
今かわらずのいしがキルリアに必要というのもこれで説明がつき、これからの戦い、進化が始まりそうになるたびに力を抑えていたらとてもじゃないけどバトルなんてできない。
せめていまここにめざめいしがあればいいんだけど……残念ながらボクの手持ちにはめざめいしは存在しない。というか、進化のいしは基本的にどれも貴重且つ入手難易度が高いため、なかなか手に入れることがない。
「気づけなかったや……ごめんね?キルリア」
「キ、キルッ!!キルッ!!」
もっと早く気付いてあげればこんなに悩むことはなかったのにと思いながら頭を撫でると、キルリアも自分が悪いだけであなたは悪くないという雰囲気を出しながら慌てて首を振ってくる。その動作が物凄くいとおしくてついついもっと撫でてしまう。
(これは絶対にめざめいし見つけてあげないとね)
キルリアのためにも絶対に見つけてあげないといけない。
少し離れたところから聞こえる大歓声に、そういえば今ユウリが闘っているから早く応援に行かなきゃと、やるとことを思い出したボクは、改めてキルリアをゆっくり撫でた後ボールに戻し、観客席へと足を運んだ。
☆
「つ、疲れた~……」
「ポプラさん、強すぎると……」
「そうか?今までで一番楽しかったジムチャレンジだったぞ?」
「「全問正解して能力あげてもらったらそうでしょうね!!」」
「……?」
「あ、あはは……」
みんなのジムチャレンジが無事に終了し、ロビーの休憩所にて机に突っ伏しながら声を漏らしたり、今回のジムの感想を呟いたりと、各々が山場を乗り越えたことに安堵しながらほっと一息ついていた。ポプラさんとの戦い。間違いなく今までのジムチャレンジの中で1番厄介な相手だった。もっとも、若干1名楽に乗り越えた人もいるみたいだけど……
あれからユウリ、マリィ、ホップの順番でポプラさんに挑み、全員の試合を見ながら応援していたんだけど、ユウリはボクと同じく2問目と3問目で間違えてしまい、能力をかなり削られたためかなり苦しい戦いを強いられていた。ラビフット、ミロカロスが特に大打撃を受けてしまったため、最後のマホイップに物凄く苦戦していたものの、途中でエレズンがストリンダーに進化したことにより形勢逆転。奇しくもボクと同じく進化によって流れを無理やり変えた感じだ。連続で進化させられるという物凄く不運な目にあっているポプラさんだけど、それでもどこか穏やかな表情をしていたあたり、特に理不尽に対して不満などはないようだ。むしろ喜んでいるようにも……気のせいかな?
マリィは正直かなり危なかった。というか負けると思ってしまった。ドクロッグが奇跡みたいな耐えをしていなければ間違いなく負けていただろう。それほどまで追い込まれていた。最終問題だけ正解して、ドクロッグの攻撃力がぐーんと上がっていたのも逆転できた要素かもしれない。1問目と2問目を外してボロボロになっていた時は凄く不安だった。
そして問題のホップ。
この中で誰よりもひねくれていなさそうなホップが、まさかのクイズ全問正解からの、上昇した能力を持って大暴れをしていた。その圧倒具合は、あのポプラさんをバチンキーのみで突破しきったところからもわかるところだろう。最終的にはすばやさ、攻撃、特攻、防御、特防の5つが全部がぐーんと上がっているバチンキーが出来上がっていたし。ポプラさんは嬉しそうにしていたけど、一方観客&ボクたち3人は唖然。たしかにホップはビートとの戦いでスランプを脱すこととに成功しており、はたから見てもすっきりとしたその表情はむしろあの絶不調だった期間が嘘のように明るくなっていたため、このテンションのままバトルに臨むことが出来れば間違いなく素晴らしいパフォーマンスを見せることが出来るだろうとは予想はしていたけど……ふたを開けてみたらまさかまさかの4タテだ。驚くなという方が無理がある。
本当に、バトルで調子がいいのは勿論だけど、よくあの問題全部正解したなと、そっちの点でもびっくりだ。
「あとからフリアの戦いも見たけど、フリアも不正解だったもんね」
「あたしだけが間違えたわけじゃなくてよかったと……」
「オレ的には簡単に見えたけど違ったのか?」
「「絶対違う!」」
今回はボクもユウリとマリィの意見に賛成だ。流石にちょっと理不尽を感じてしまった。
「とはいってもなぁ、1問目は調べればわかるとして、2問目はポプラさんの服装見ればパープルの方が多かったからわかったし、3問目に関してなんて、女性に年齢のことは失礼だから、相手に敬意があるのならちゃんとしないとだめだぞ」
「「「……」」」
なんだろう、ホップに言われると正しいことのような気がして反論できない。と同時に、この問題、ひねくれている人よりも真っすぐな人の方が逆に答えられる気がしてきた。ポプラさんは今すぐ問題の内容を変えるべきだと思う。
「それよりも俺はフリアのアーカイブのポプラさんの方が驚いたぞ。あんな状態のマホイップによく勝てたな……」
「あ、あはは……」
逆にホップから視線を向けられるボクは、そのキラキラした目がちょっと恥ずかしくてよそを向いてしまう。ちなみにあの要塞型マホイップはボクにしか出していない。ここでもボク専用パーティだったみたいだ。解せぬ。
「なんですかあなたたち、まだいたんですか」
ホップからのまさかのカウンターによって微妙な空気になってしまっていたところにかけられる声。その声に反応して振り向けば、いつもの蛍光ピンクの服に身を包んだビートの姿。どうやら今はオフらしい。
「おうビート!今みんなでバトル後の休憩タイム中なんだ。お前も休むか?」
「結構です。ぼくはあなたたちとつるむきは━━」
「まぁまぁいいじゃないか。ジムチャレンジの同期組、交流するぞ!」
「ちょ、無理やり引っ張らないでください!そもそもぼくはもうチャレンジの権利を剥奪されています!!全く、こうするなら最初から許可なんて取らないでください」
離れようとするビートの腕をひっ捕まえて自分の隣の席に誘導するホップ。その姿からは、とてもじゃないけどスランプの原因と被害者の関係だったなんて言われても信じられないほどだ。
「ホップ……あんたもう大丈夫と?」
マリィもそのことが気になっていたのか、少し不安そうに質問するも、当のホップの表情はこれまた明るく……
「確かに、ビートとは色々あったけどポケモントレーナーにとって壁に当たるなんて日常だしな。それに、ビートとフリアのおかげでまた前を向けるようになったんだ。確かに言い方は少しきつかったとは思ってるけど、おかげで今の俺は絶好調なんだ。その点では感謝の方が大きいぞ」
「……そっか」
ならいいけど。言葉を加えて口を閉じたマリィは、ホップの姿を見て安心したのかもう何も言わない。
(なんていうか、こういうところほんとにお姉さんしてるなぁ)
マリィ自身は妹らしいんだけどやっぱり大人びて見えるよね。
「ユウリは平気?」
ホップに関してはもう大丈夫だ。ではあともうひとり気になるとすれば、セイボリーさんとの件から一方的に嫌悪感を抱いていたユウリだ。このことに関してはユウリからの一方通行のものでしかないし、この2人が話すこと自体初めてだと思うからどうしようもないことだとは思うんだけど……
「私も特に気にしてないよ?」
「え?」
帰ってきた言葉はまさかのビートを許す言葉。あれだけ嫌っていたのに何かあったんだろうか?
「ジムミッションでビートとバトルしたでしょ?その時にいろいろわかっちゃって……ああ、この人ってバトルが強くて、ポケモンにも優しくて、でも絶望的なまでに不器用でひねくれている人なんだなぁって」
「……貶してませんか?あなた本当はまだぼくを恨んでません?」
「それに、もうセイボリーさんとの問題は解決しているんでしょ?実はあの後ちょっと会う機会があって、そのあたりについて聞いちゃったんだ」
「おい、話聞けよ」
そこからさらに詳しく話を聞いてみると、どうもボクたちがジムチャレンジでポプラさんと戦う前に散歩をしていたタイミングで、2人でラテラルタウンで何があったのかを話し合っていたらしい。となってしまえば、確かにいろいろマイナスの感情を抱いてこそいたものの、ユウリからしてみれば自分に対する被害そのものは一切ないので、既に終わった問題を根に持って文句を言い続けるのはお門違いだ。ユウリ自身もそのことをしっかりと理解しているため、もうマイナスの感情を向けることはないだろう。
「フリアが信じているものを疑うのもなんかすっきりしなかったし、ちゃんと話してようやくビートのことが少しわかった気がするし、もう大丈夫だよ」
「そっか。ならよかった」
穏やかな表情を浮かべるユウリと、少しそっぽを向いているビートを見ながらほっと一息。
「よかったね。ビート」
「……ふん、勘違いしないでください。彼女がどうしてもセイボリーさんとのことを聞きたがっていたから説明してあげただけです。それ以上でもそれ以下でもありませんし、それから彼女がどう思い、ぼくに対してどのような感情の変化が起きたのかはどうでもいい話です」
元々そっぽを向けていた顔をさらに逸らしながらそういう彼の表情は、どこか赤く染まっているようにも見えて、誰がどう見ても照れ隠しだというのがわかってしまう程。
(ほんと、よかったねビート)
ラテラルタウンで事件が起きたばかりのころと違い、ボク以外にもこうして理解者が増えた事に物凄く安堵を憶える。勿論、世間から見た目というのはまだまだ厳しいものがあるだろうけど、あの事件直後のすべてをあきらめたような状況と比べれば、間違いなくいい方に進んでいる。彼の魅力もこうして少しずつ他の人にも伝わっていることから、彼がまたたくさんの人に注目され始める日もそう遠くないだろう。
「さて!しんみりした話はもう終わりにして、これからどうするかを話そうか!!フリア!ポフィンを食べながら話したいから準備してほしいぞ!!」
「はいはい。すぐ準備するから待ってて」
「じゃあお茶は私のポットデスが……」
「「「「それはやめて!!」」」」
そこから始まるのはみんなでのちょっとしたお茶会。ホップのちょっとした誇張表現をビートが突っ込んだり、ユウリの天然なところをマリィが飽きれながら返したり、ボクのシンオウ地方での旅路の話で盛り上がったり……結局、これからのジムチャレンジについての予定を話すという最初の目標からは物凄くかけ離れた話題にすり替わってしまったものの、物凄く楽しく、それでいた穏やかな時間を過ごすことが出来た。
もう今日はこのまま夜まで話し込んでホテルに泊まることになるだろう。明日からまた冒険が再開され、楽しいけど大変な旅が待っている。これはそんな忙しい明日に向けてのちょっとしたお休み期間。ジムを皆で突破したことに対するちょっとした祝賀会。少しくらい羽目を外したところで誰も何も言わないだろう。
ちょっと視線をそらせば、ポプラさんがこちらを見て柔らかい表情を浮かべているのがわかる。
「フリア……まぁその、あれです。感謝しますよ」
「……どういたしまして」
ビートから聞こえる小さい、けど確かに耳に残る感謝の言葉に、ボクの心は温かくなった。
これからもこの5人での交流は何回も増えていくことになるだろう。
(このつながりは大事にしないとね)
偶然つながったこの関係はどのように広がっていくのか、そのことに期待を膨らませながら、ボクたちの会話は盛り上がっていくのだった。
☆
「んん~、やっと着いた~」
「行きよりはすんなり戻ってこれたけど、やっぱり迷路って大変ね」
「それよりも、俺は久しぶりの日の光にちょっと感動するぞ!」
「あはは、確かに、光るキノコのおかげで光量はあったけど太陽の光はなかったもんね」
心地の良かったお茶会から1日たった今日。アラベスクタウンでの用事をすべて終わらせたボクたちは、次のジムがあるキルクスタウンへ向かうためにルミナスメイズの森を再び通り、ラテラルタウンへと戻ってきていた。というのも、ナックルシティから西に向かい、ラテラルタウン、アラベスクタウンときたボクたちなんだけど、次のキルクスタウンがある場所はナックルシティの東側。つまり、ラテラルタウンとアラベスクタウンの真逆の場所にある。さらには、ターフタウンとバウタウンのような戻らなくても西と東が別ルートでつながっているという事もないので、今回ばかりは本当にナックルシティまで戻る必要がある。
ちょっと不便だなぁと思う反面、行きと帰りで見える景色も少し変わってくるので、ちょっとおもしろかったなぁと思うところもあったり。特に、ルミナスメイズの森を通る機会なんて恐らくもうない可能性の方が高い。そういう意味では貴重な時間だったとも思える。
ちょっと脱線したね。
そんなわけで、次の目標地点はナックルシティの東であるキルクスタウン。そこへ向かうための復路として、朝方からアラベスクタウンを発ったボクたちは、ラテラルタウンへ到着したところで、久しぶりに目に入った太陽の光に感動していたという事だ。
「さてと、ラテラルタウンに戻ってきたけど……どうする?このままナックルシティまで進む?」
「う〜ん……私はここで休みたいかなぁ。ルミナスメイズの森はまだ過ごしやすい場所だからいいんだけど、6番道路はちょっと……」
「あたしも、行くなら朝早くのそんなに暑くないタイミングがよかと」
ラテラルタウンについて次はどうするかの相談をしてみると、女性陣の方からは休みたいとの意見。正確には、今疲れている訳では無いけど、6番道路自体がコータスのせいによる日照りや、スナヘビによる砂嵐と言った天候変化が多い地域なため体力を奪われやすいということと、梯子による上下の移動が多いため普通に歩くよりも体力をたくさん使うということから、少しでも体力を高く保った状態で進みたいから早めに休んでおきたいという思考だ。
夏に足を突っ込み始めた今の時期、日照りでなくても昼はそこそこ暑くなってきたので、この提案はボクも賛成だったり。マフラーも汚れやすいしね。
「じゃあ今日はゆっくり休もうか。ホップもそれでいい?」
「俺はみんなに合わせるぞ。今から出発と言われても平気だしな」
中立であるため特に否定意見も出さずに賛成してくれるホップに、マリィとユウリがありがとうと述べながら今日の予定が決まっていく。
さて、今日はもう行動しないとなると、これからずっと自由な時間になるわけなんだけど……
「どうやって過ごそうかな?」
「ラテラルタウンに関しては大分回り尽くした感じがするもんね」
ユウリの言う通り、ラテラルタウンは1人で散歩も少ししたし、ユウリに腕を引っ張られながら色々見て回ったりもしたので、実は見たい場所というのはあまりなかったりする。ラテラルタウンを発ったのも数日前なので、今すぐに見て回って品ぞろえが変わっているとも考えづらい。
めざめいしが採掘されているかはちょっと気になるけど……
そういうこともあってか、今ここで自由時間になっても回るところがなかったりする。
「それならガラル空手の道場に行きたいぞ!もしかしたらサイトウさんたちに会えるかもしれないしな」
「あ、それは確かに気になるかも」
「確かに!」
そんな時にホップから提案されたのは道場に行くこと。確かに、サイトウさんの元へ顔を出しに行くのはありかもしれない。ボクたちの進捗具合を報告するついでにインテレオンを紹介するにもいいだろう。もしかしたら、今もセイボリーさんと一緒で、彼の現状を聞くことも出来るかもしれないしね。
マリィとユウリからも賛成の言葉が上がっているので、このままいけばこの案が通りそうだ。ただ1つ懸念点があるとすれば……
「ルミナスメイズの森ですれ違っていなければいいんだけど……」
「確かに、もうセイボリーさんがオニオンさんに勝って、2人でルミナスメイズの森に挑戦している可能性はあるよね」
「その時はラテラルスタジアムに行って、ジムチャレンジの観戦でもしようぜ。勉強もできるし、もしかしたらオニオンさんと話せるかもしれないしな」
「成程、ありだね」
「よし、そうと決まれば早速行くぞ!まずはガラル道場だ!!」
会えない可能性があることを考えていると、ホップからさらなる案。確かにこれなら無駄足になることもないだろう。いよいよ反論もなくなったことで、早速みんなで行動に移り始める。
まずはサイトウさんに会うためにガラル道場へ足を向ける。そんなに離れていないはずなのに、久しぶりに感じてしまう彼女との再会を少し楽しみにしながら足を進めていく。すると……
「ノォォォォラァァァァァ!!」
「「「「!?」」」」
突如響き渡る謎の叫び声。そのあまりにも大きな声に思わず全員で耳を塞ぎながら、何が起きたのか確認するために周りを見渡す。
「な、なにあれ」
「始めてみるポケモンだぞ……」
ユウリとホップの言葉につられて視線を向けると、そこには大きな顎をした魚の頭とドラゴンのしっぽを組み合わせたような、パッと見アンバランスに見えて不安感を少し煽ってくるデザインしたポケモンがいた。見たことの無い珍しそうなポケモン。しかし、ボクたちが気になったのはもっと別にある。
「それよりも、なんで
それはマリィが呟いている通り、そのポケモンがダイマックスをしているということ。ダイマックスは特定の場所でしかできない。ラテラルタウンにはそれが可能なスタジアムがあるけど、それでもスタジアムの外ではできないようになっている。それは今も尚全く反応しない自分のダイマックスバンドが証明してくれている。
「一体何が起きて……」
「フリア!!」
「っ!?」
推理をしようとしたところにユウリが声をかけてくる。その声に反応して前を向くと、今まさにそのポケモンがスタジアムに向けてダイストリームを構えているところだった。
「まずっ!?キルリア!!『サイコキネシス』!!」
推理なんかしている場合じゃない。慌ててポケモンを繰り出して守る態勢に入る。ホップたちもボクに続いてポケモンを繰り出し、キルリア、バイウールー、ミロカロス、ドクロッグが、それぞれダイストリームに抵抗する準備を整える。
「ノォォォォラァァァァァ!!」
何とか受け止める態勢が整い、同時に放たれるダイストリームに対してみんなで迎撃を開始。しかし……
「押されてる!?」
「火力が高すぎると!!」
完全には受け止めきれずに少しずつ押され始める。しかし、このダイマックスのポケモンが現れてすぐに起きた出来事のため、今この事件に対応できるのはボクたちしかおらず、ジュンサーさんたちは住人の避難に必死で手を貸して貰えない。
(せめてあと一手、何かあれば止められる!!)
もうちょっと耐えればオニオンさんも応援として来てくれるだろう。そうなればこの攻撃も受け止めきれる。だからそれまでの我慢だ。そう思っていた時。
「ガメノデス!!『ストーンエッジ』です!!」
突如地面から突き出る岩の刃。その攻撃が最後の後押しとなり、ダイストリームを弾ききった。
何とかラテラルスタジアムを守りきったボクたちは、この後直ぐに問題に対処するべく動き出したジムトレーナーにあとを任せて、先程のガメノデスのトレーナーへと視線を向ける。そこには……
「間に合って良かったです。大丈夫でしたか?」
「助かりました。ありがとうございます」
サングラスをかけたふくよかな男性が、ガメノデスを戻しながら礼儀正しく言葉をかけてきた。
キルリア
というわけで不調の原因がこちらです。
進化を抑え込んだせいで不調になるというのは、アニポケのヒカリのポッチャマがそうでしたね。
そちらから参考にさせてもらっています。
ついでにキルリアの進化先ほぼ決まったようなものですかね?ちゃんとエルレイドになれればいいのですが……
同期組
全員がお茶会をしている画像を見たことがあり、とてもいいなぁと思ったので。
この作品でもちゃんと仲良くなってほしいのです。
ちなみにポットデスのお茶を飲みすぎると体を壊します。気を付けましょう。
ダイマックスポケモン
実機でもあった事件が少し前倒しに。
ついでにあのポケモンが暴れてます。いったいなにがみをするポケモンなんだ……()
ガメノデスのトレーナー
どこかで見たことあるような……?
さて、うまくあの人を書くことが出来るのか。少し心配だったり……。