「ヘイ!!」
「「「「「ヘイ!!」」」」」
「ヘイ!!」
「「「「「ヘヘイ!!」」」」」
「この子達は……いったい?」
8番道路は遺跡地帯。梯子を下って低い位置を歩いている時に、近くのレンガの壁に空いている穴の中から、1列に行進しながら歩いてくる6匹の黄色い球体の生き物。先頭の子の掛け声に合わせて、後ろの5匹が元気よく、そして一糸乱れることのない完璧に揃った返事を返しながら、動きをピタリと合わせるそのポケモンは、どこかの軍隊か兵隊かを彷彿とさせるような行動だ。また、1列に並んでいる6匹の先頭の子だけは少し見た目が違っており、後ろに並ぶ5匹の子たちに比べて一回り大きく、体の側面に大きな盾のようなものを備え、時折顔を隠すかのように前に持ってきていたりする。
そんな始めてみる不思議なポケモンに、思わず視線を奪われていたら、横からマクワさんからの説明が入ってくる。
「このポケモンはタイレーツですね。1匹のヘイチョーと呼ばれるリーダーと、5匹のヘイと呼ばれる個体が合わさってひとつのポケモンとなっている珍しいタイプの子です」
「タイレーツ……」
「6匹で1匹のポケモンなのか!?」
マクワさんの言葉を聞き、名前を反芻するユウリと、他のポケモンでは考えられない特徴を持つその姿に驚の声をあげるホップ。確かに、群体でひとつのポケモンと扱われるポケモンは、前例が無いわけじゃないけどかなり珍しい。それこそタマタマくらいしかいないのではなかろうか。かく言うボクも、声には出していないものの心の中ではかなりの衝撃を受けており、マクワさんの説明に驚きながらロトム図鑑をかざして改めてこの子について調べていく。
『タイレーツ じんけいポケモン かくとうタイプ
6匹で1匹のポケモン。隊列を組みかえながら、チームワークで戦う。隊長の命令は絶対』
「え、かくとうタイプなの?」
「あたしも、てっきりむしタイプだとばかり……」
タイレーツについて調べた結果わかった新しい情報に、今度はボクとマリィが声を上げる。ポケモンはとある一部のポケモンを除いて、そのほとんどがパッと見ただけで、どんなタイプを持っているのかというのは慣れていけば割と簡単に予想することは出来る。けど、どうやらこの子はその「とある一部」に分類されるらしく、むしタイプと予想していたボクたちを裏切るようにかくとうタイプである。
「初見では見分けがつかないですよね。しかしこれにも理由があるみたいですよ」
マリィと2人でうなっているところに再びマクワさんからのお言葉。先ほどのマクワさんの言葉から、今回もためになるまめ知識がもらえそうな気がして、2人そろって耳を傾けていく。
「タイレーツは図鑑に載っている通りかくとうタイプの子です。ではここで問題なのですが、かくとうタイプのポケモンにとって苦手なポケモンはいったい何でしょうか?」
出されたのはまさかの初歩的な問題。単純なタイプ相性にまつわることで、要はかくとうタイプをばつぐんで殴ることが出来るタイプをこたえるだけだと思うんだけど……
「ひこう、フェアリー……あとはエスパー、やんね?」
「うん。その3つ。自分が殴る側で半減されるものも含めればもっとあるけど……」
「いえいえ、それだけで十分ですよ。さて、かくとうタイプが苦手なものを上げてもらったことで、ここからが本番なわけですが……どうやらこのタイレーツという種族、エスパータイプに対して強い苦手意識があるらしいのですよ」
「エスパータイプに苦手意識……」
まぁ、だろうなぁという感想。殴ってもいまひとつで受け止められて、攻撃なんかされた日には当然ばつぐんのダメージを受けてしまう。そんな相手恐れるのは当然で……
「あ、そういう事か」
「「「?」」」
そこまで考えて頭の中で仮説が一つ立ち上がる。他の皆はまだ気づけていないみたいで、頭にはてなを浮かべているけど、マクワさんはボクが答えに辿り着いたと確信しているみたいで、表情を柔らかくし、サングラスを人差し指で持ち上げながら言葉を続ける。
「では答えはフリアさんに言ってもらいましょうか」
マクワさんの言葉に首で答えながら、皆の視線が集まる中、今度はボクが口を開いていく。
「先ほどマクワさんが言った通り、タイレーツはかくとうタイプで、エスパータイプを苦手としている。だからできる限りエスパータイプの敵には攻撃して欲しくないし、そもそも対面すらしたくない。そこで大事なのが自分の見た目」
「見た目が大事……?かわいく見える姿とか?」
「もしくはこの丸いフォルムに謎があるのか?」
「ホップもユウリもハズレ。答えはボクとマリィが言った言葉だよ」
「あたしがタイレーツをみて言った言葉ってなると……『むしタイプだとばかり』……?あ!」
「「あ!!」」
マリィが一足先に気づき、続けてユウリとホップが同時に気づく。これで全員どういうことかわかった。説明もマクワさんにバトンタッチといこう。
「タイレーツはエスパータイプが苦手であるということに対して、自身の姿をむしタイプに見えるようにするということで対処しているのですよ」
かくとうタイプに強いエスパータイプはむしタイプを弱点に持っている。そのむしタイプに自身の姿を寄せることによって、エスパータイプに対して抵抗を示しているというわけだ。
「実際にこの効果は馬鹿にならないようで、一部のエスパータイプにはしっかりといかくの効果が出てきているようですよ。あとはいわタイプも呼びやすいという利点もあります。かくとうにいわは苦手な上に、自分はばつぐんで殴れますしね。最も、あくまでたくさんある諸説の一つですが」
「凄いぞ、まるでポケモン博士だぞ」
ホップの言葉に皆で頷く。確かに、自分の専門でないポケモンに対してもここまでの知識があるとなると、博士と言われる方が納得できる。
「自分のタイプに弱点を取ってくる相手ですからね。そちらの研究も欠かしてないだけですよ」
「なんか……かっこいいぞ!!」
マクワさんの何でもないような言い方に目を輝かせるホップ。
(確かに、ちょっとわかるかも)
この勤勉さが、彼がここまでジムチャレンジを生き残っている理由なんだろうなと凄く理解させられる瞬間だった。
そんなマクワさんの新しい一面と対面しながら、いまだに行進と陣形を組み替える練習を繰り返しているタイレーツを横目に確認しながら、ボクたちは8番道路を歩いて行く。その間にも、マクワさんから聞かせられるたくさんのポケモン豆知識に、驚いたり感動したり、様々な感情を表しながら歩いていくこと数時間。8番道路もかなり進み、前半の遺跡えエリアがあと少しすれば抜けられるかなというところまで進むことが出来た。今現在は、また下に降りる梯子を見つけたところで、この梯子をおりて低い位置を進み、次に見えてくる階段と梯子を上り切ればようやく遺跡エリアのゴールというところまで進むことが出来た。というよりか、今いる位置から視線を上に向ければ、当面の目標である遺跡エリアのゴールが目視できそうなくらいには近づいている。
かなり日も落ちてきているので、理想は後半のあられエリアにたどり着く前の場所でテントを立てて、まだ暖かくて過ごしやすい場所で1夜明かしてから8番道路の後半に差しかかることだろう。もう夏も間近とはいえ、季節関係なしにあられが降り続けるほど寒い場所に、夜という更に寒く、視界も悪い時間帯にわざわざ冒険を続けるのはさすがに自殺行為という他ない。その辺は既にみんなで相談して決めているので、ゴールが近づいている今となっては、みんなの頭の中はもうテントでのお泊まりへとシフトし始めていた。
「フリアの手料理を食べるの、なんだか久しぶりかも」
「ユウリ、ポフィンいつも食べてるじゃん」
「お菓子とご飯は別なの〜!」
「ほう、フリアさんの料理、そんなにすごいのですか」
「この中では間違いなく1番うまかと。……女性として、負けてる気になるんけど」
「フリアのおかげで野宿でも十分満足できるんだぞ」
「それはそれは……僕も少しくらいなら嗜みますが、そう言われると少し楽しみになってきましたよ」
「ちょ、あまりハードル上げないで貰えませんか!?」
ボクの料理の腕前はあくまで一般人の域を出ることはないし、ヒカリという上がいることもあり、そんなに自信もって出せる趣味でもないから、あまり持ち上げられまくるのも恥ずかしくて勘弁して欲しいものなんだけど……既に盛り上がりまくっているから訂正するに訂正できない。
(はぁ……まぁ、手を抜くつもりもないし、全力で作らせてもらうだけだけどさ?ちょっとばかりみんなのボクに対する評価高すぎないかなぁ……悪い気はしないけど……)
困惑8割と嬉しさ2割というなんとも表現しがたい感情を抱きながら道を歩く。今日のゴールも見えてきた緩い旅道中。和やかな時間がゆっくり進んでいた。しかし、その時間は唐突に終わりがやってきて。
「きゃああああ!?落ちるゥ!!」
突如響く女性の悲鳴に全員の意識が上に向く。すると、そこからは悲鳴を上げた女性が足を滑らせたのか、はたまた他の要因によって押されたのかわからないけど、こちらに背中を向けて落ちてくるところが目に入る。
梯子をかなり上ってようやく到達できるその高さは、当然上から落ちれば怪我じゃすまないレベルのものだ。このまま放っておくなんて当然できない。
「キルリア!!『サイコキネシス』!!」
「カビゴン!!お腹で受け止めるんだぞ!!」
「キル!!」
「カァァビ……」
ボクがキルリアを出して、両手に構えたサイコキネシスで女性の落ちてくるスピードを何とか落とし、その着地地点にホップがカビゴンを呼び出すことでクッション代わりにする。その狙い通り、緩やかに落ちてくる女性はカビゴンのおなかの上に無事着地。しかし、カビゴンのおなかの弾力が強すぎたのか、女性が弾かれて隣のレンガの壁にぶつかりそうになる。
「ミロカロス!!尻尾で捕まえて!!」
「ルオォッ!!」
その受け止め漏らした女性をユウリがミロカロスを呼び出し、長い体を巻き付けて受け止めることによってガード。これでようやく、落ちてきた女性の体に傷をつけることなく無事に受け止めることに成功した。ミロカロスがユウリの指示によって、ゆっくりと女性を解放し、ボクたち5人で駆けよって安否を確認する。恐い思いをしただろうし、何かしらトラウマだとか、精神的ショックだとか、心の傷を負っている可能性もあるかもしれないしね。
「あの、大丈夫ですか?」
「もし怪我があるなら手当しますよ」
一応カバンの中から医療道具を取り出しながら、マクワさんと声をかけてみる。一方で女性は、うずくまって震えたままで反応を返してくれない。もしかしたら本当に心に何か傷ができたのかと焦り始めるボクたち。どう対処すればいいのかわからずあたふたしている間に女性の震えがどんどん酷くなっていく。
「お、おい。どうすればいいんだ?」
「わ、わかんない……え?本当に大丈夫!?」
そこからどんどん不安が広がっていき、ユウリとホップが軽くパニックになっていく。いよいよ収拾がつかなくなってきてボクも混乱しかけた時、ついに女性の感情が爆発する。
「無茶苦茶コワかったよォォォォォ!!」
「「「「「「うるさい!?」」」」」
いきなり響く絶叫に思わず耳を塞いでしまうボクたち。そのあまりにもでかい声に、周りにいたポケモンたちが一斉に物陰に隠れてしまい、あたり一帯がしんとなる。
「……人間ってハイパーボイス打てるんだな」
「どっちかというとばくおんぱっぽいかと」
「ホップ、マリィ。事実だけど言ったらだめだよ?失礼になるでしょ?」
「ユウリ、君も同罪」
ホップたちが好き勝手言っているので思わず突っ込んでしまう。というか、今の一連の流れのせいで、ボクたちのパニック具合が一気に収まってしまい、むしろ冷静になってしまう。マクワさんにいたっては未だに流れについていけてないのか、口をぽかんと開けたまま固まってしまっている。何ならサングラスまでずれて、普段隠れている目まで見えてきた。意外と綺麗な目をしているというのが感想だったり……っと、そんなことは今はよくて。
「え、えと……本当に大丈━━」
改めて声をかけて安否を確認しようと声をかける。
「こ゛わ゛か゛っ゛た゛よ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛」
「うわぁ!?」
と、今度は先ほどとは打って変わって大泣きしながら、ボクの胸に飛び込んでがっちりとロックされる。涙をだらだらと流すその姿は本当に怖い思いをしたんだなぁと感じたため、ここで突き放すのも可愛そうだなぁと思ってしまい、あやしてあげるためにもついつい無意識に頭を撫でてあげようとして……
「って、痛い痛い痛い痛い!?」
「「「フ、フリアァッ!?」」」
どんどんボクを抱きしめる腕に力を入れていき、きつくきつく縛られていく。むしろ力が入りすぎて骨がみしみし鳴っているんじゃないかというレベルで締め付けられて、とんでもなく痛い。
「お、お願いします離してください~!!」
「う゛わ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ん゛ッ゛」
「余計きつくなってる!?」
(やばい、このままだと鯖折りになりそう!?こうなったら……)
「ユ、ユウリ!!ボクのホルダーからマホイップを呼んで!!右から2番目のがそうだから!!」
「わ、わかった!!」
「で、できる限り早く!!」
「が、頑張る!」
現在進行形で強くなっていく力に何とか耐えながら、腰からボールを取り出そうとするユウリを応援する。
「と、とれた!!出てきて!!マホイップ!!それと、アブリボンも手伝って!!」
「マホッ!!」
「リリィ!!」
程なくしてボールを取ることに成功したユウリがマホイップをボールから解放して呼び出す。さらには、マホイップで何をしようとしているのかを察してくれたユウリが、アブリボンも呼び出してくれた。
(さすがユウリ!!おかげで思ったよりも早く何とかなりそう!!)
マホイップ1匹でも大丈夫だとは思うけど、1秒でも早くこのロックから抜け出すのなら、1匹でも多いポケモンに手伝ってもらった方が確実だからものすごくありがたい。
「マホイップ!!甘い匂いを出して落ち着かせて!!」
「アブリボンもお願い!!」
2匹から生み出されるのは興奮した感情を落ち着ける甘い匂い。あたりに漂うその匂いは、恐怖のあまりパニックかつ、興奮している感情を確実に鎮めていく。その鎮め具合に比例して徐々にボクを締め付ける力が弱くなっていく。だんだんと痛みから解放されていくボクは、自分の体がとりあえず大丈夫なことにほっと一息。
「フリア、大丈夫?」
「うん。大丈夫だよ。ありがとユウリ。ボクの意図に気づいてアブリボン呼んでくれて」
「ううん。とにかく無事でよかった」
未だにヒリヒリしている腕を軽く擦りながらも、痺れ以外は感じないので大事には至っていないことを確認して、改めて女性に声をかける。マホイップとアブリボンの薫りによって落ち着いた今なら、普通に会話できるだろうと言う考えの元の行動だ。
「改めて、大丈夫ですか?」
「……うん。ありがとうゥ。だいぶ落ち着いたよゥ」
(なんか、凄く独特な喋り方をする人だなぁ)
そこまで考えて改めてこの女性をよく観察してみる。
服装は各スタジアムの物販で売られているユニフォームの、どくタイプのものを着ており、その上に白色の毛皮のコートを纏っている。髪の色はピンク色で、ドクケイルのように見える大きなリボンがとても目によく映る。また、髪のボリュームもかなりあり、特に前髪はボリュームの多さからか、若干目元が影になっており、そこはかとなく暗さと怖さを少し感じる。大人な身長やら体型やらも、威圧感を増している要因なのかもしれない。
「ボクはフリアって言います。もしどこか痛む場所とかあったら教えて貰ってもいいですか?」
とりあえず、無事落ち着いたことが確認できたので、改めて問診を行って体調を諸々確認するために、自己紹介を兼ねながら質問をなげかけてみる。すると、何故か女性の顔が一気に輝きだし、ずいっとボクの方に近づいてきた。
「まさか!あ、あのフリアっち!?」
「フリアっち!?」
初対面のはずなのにいきなりあだ名で呼ばれて困惑するボク。そのせいで一瞬反応が遅れてしまったせいか、そのまま女性に抱きしめられ、頭を抱えられてしまう。
「うち、人気者に憧れててェ、今や時の人のフリアっちのファンだったりするんだけどォ……まさかこんなところで会えるなんて、うちってラッキーィ!!」
「んん〜!!〜〜〜〜〜〜っ!!」
「フリア!?」
「ちょ、フリアが窒息すると!!」
またもや軽い興奮状態に陥った女性に抱きしめられ、胸に顔を抱え込まれているせいで息ができない。こうして抱えられると、他の女性に比べて明らかに主張が強いものを備えていることはよくわかったけど、それ以上に酸素が吸えないので苦しくて仕方がない。慌ててユウリとマリィが間に入ることで、何とかその状況はすぐに収まり、無事に解放して貰えたけど、深呼吸をした瞬間女性から匂ってくる香水の香りにむせてしまい咳き込む。
「フ、フリア……」
「大丈夫と?」
「う、うん……ありがと2人とも。助かったよ……」
「……フリアって、大きい方が好きなの?」
「……え?」
マリィからの安否確認に答えているとユウリからよく分からない質問をなげかけられる。質問の意図がよくわからなかったので、もう1回聞いてみようと口を開こうとして……
「ユウリ!!」
「え?あ!?ごめんなさい!!忘れてフリア!!」
「う、うん……?」
物凄い勢いで誤魔化されたのでとりあえず納得しておく。
「うぅ、変な事聞いちゃった……でも!でも!!むぅ〜!!」
「言いたいことはわかると。……あれはちょっとずるか」
「あの2人、どうしたんだ?」
「さぁ?マクワさんはなにか分かります?」
「……ノーコメントでいさせていただきますよ」
「「?」」
どこか気まずそうにしているマクワさんの反応が余計に疑問を抱かせてくるけど、話したくはなさそうなのでとりあえずこの件は置いておこう。
「ごめんねェ。憧れの人が目の前にいたからびっくりしちゃってェ……うちはクララ。同じジムチャレンジャー同士、仲良くしましょ」
「う、うん。よろしく……」
差し出された手をとりあえず握り返して、友好の握手とする。正直、ここまでの流れで既に若干の苦手意識はあるものの、恐らく根本は悪い人では無いので警戒はいらないと思う。……多分。
「俺はホップだぞ」
「私はユウリ」
「あたしはマリィ」
「マクワと言います」
「ホップきゅんにユウリン、マリィせんぱいにマックン!!よろしくねェ」
「おう!よろしくだぞ!!」
「「「……」」」
ホップだけは何事もなく普通に返事をするものの、それ以外の皆は揃ってクララさんワールドに飲み込まれて反応が消える。気持ちはよーく分かるのでボクも反応がしづらい。というか、むしろこの人相手に普通に反応できるホップって、やっぱり超大物なのではなかろうか?素直に凄いと思ってしまう。
「ああ、憧れの人気者達がこんなに沢山……うちもこうなりたいなァ」
「皆凄いもんな!けど、ジムチャレンジをここまで残ってるクララさんも、十分すごいと思うぞ」
「ホップきゅん……!!ありがとォ〜!!そう言ってくれる人なかなかいないのォ!!」
「そうなのか?それはなんか寂しいぞ」
「だよねだよねェ!!」
((((なんか意気投合してる……))))
やっぱりホップってなんか凄い。
(って、そんな場合じゃなくて!!)
クララさんワールドに対して全く臆することの無い無敵のホップに更に置いていかれそうになる空気を無理やり破って本題を問う。
「クララさん、上で何があったんですか?」
こんな変な空気になっているものの、そもそもの始まりはクララさんが上から落ちてきたから起きた出来事だ。人が空から降ってくるだなんて、当然だけどただ事ではない何かが起きないとありえない状況だ。ボクたちの進む道も、この上の場所である以上クララさんに起きた出来事は決して他人事などではない。ボクがした質問によって、ようやく張り詰めた空気に戻り始めるなか、クララさんがゆっくりと説明をしてくれた。
「それがァ、8番道路の湯けむり小路の手前で大きなポケモンが道を塞いでてェ……」
「大きなポケモン?」
「まさか……ダイマックスポケモン?」
大きなポケモンと聞いて声を荒らげるユウリ。確かにオニオンさんとの会話が未だに頭に残る段階で、大きなポケモンと聞いたら意識するだろう。けど、もしそうならさすがにボクたちからもその姿が確認できるはずだ。
「多分ダイマックスは関係ないかな」
「そっか……でも、なら大きなポケモンって……」
「イワパレス」
「「……え?」」
ボクとユウリの間に割って入るように喋ったのはマクワさん。マクワさんの言葉に皆の視線が集中し、そのことを確認したマクワさんが言葉を続ける。
「8番道路の遺跡と湯けむりの小路の近くにはイワパレスが住んでいるのです。それも通常よりも大きな個体が。おそらく親分か何かなんでしょう。普段は温厚であまり表に出てくることは無いのですが、縄張り意識の強い彼らはひとたび自分の領地を侵されると一気に襲いかかってきます。ここの道路で道をふさげるほど大きなポケモンと言えばイワパレスしかいないでしょう。どうでしょう、クララさん。合ってますか?」
「……うん。マックンの言う通り、今イワパレスが道を塞いでいる」
マクワさんの鋭い推理と、それに対する答え。さらに詳しく聞けば、このイワパレス、たくさんのイシズマイも従えているみたいで、ちょっとした軍隊のようにもなっているのだとか。そんな時に運悪くクララさんが到着してしまい、弾かれてさっきの状況が生まれたというわけだ。
「となると、そのイワパレスたちをどうにかしないと先に進めないということだね……」
「とはいうものの、どうすれば……」
みんなで頭をひねって考えるも、なかなかいい案が出てこない。最悪、時間が解決することに任せて戻る。というのも手ではあるけど……
(あれ、そもそもなんでイワパレスたちはこんなことをしているんだろう?)
マクワさんの話によれば、自分の領地を侵さない限り、攻撃はしてこない温厚な性格らしい。けど今は明らかに怒っている。ではその原因は?そこまで考えて、再びボクたちの視線の隅を、黄色い影が走り抜けた。
明らかにイワパレスたちが待っている場所に向かっている黄色い影。その正体は……
「ヘイ!!」
「「「「「ヘヘイ!!」」」」」
「タイレーツ?」
ここまで来る道中で出会った、6匹で1匹のポケモン。タイレーツが、何かを漲らせながら駆ける姿だった。
タイレーツ
むしタイプに見えるようなデザインは、意図して作られたものらしいです。
デザインを手がけた方が言ってましたね。
初見でタイプを当てられた人は何人いるんですかね?
マクワ
丁寧な口調はもともとしているのですが、ポケモンに詳しいのはオリジナルですね。
影での努力は欠かさないような人だなぁと思ったのでこのような形に。
クララ
満を持して登場。
結構好きなキャラではあるんですが……口調がクセ強くて難しいですね。
力が強いのは、彼女の戦闘開始モーションのボールのスイッチを思いっきり押している描写から。
レアリーグカードでは鉄アレイも掲げていましたし、結構力強いのでは……?
イワパレス
ここにいるシンボルエンカウントのイワパレス、やけに記憶に残っているんですよね。
なぜでしょう?
あれからさらに日間ランキングあがりまして、3位になってました。
驚きの連続ですね。本当に感謝です。
さて、アルセウスでひかるおまもりももらえたので、次はヒスイの姿の色厳選ですね()
とはいっても、アルセウス、割と色でやすいのでありがたかったりしますが。
オヤブン個体は知りません()
明日のダイレクトもとても楽しみです。