【完結】ポケットモンスター 約束のためにもう一度   作:犬鼬

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97話

「『れいとうビーム』!!」

「『サイコカッター』!!」

 

 少し水色が混じった光線と、不思議な色をした空飛ぶ斬撃が、両者の間でぶつかり合う。激しい破壊音が響き渡る中、エルレイドはそんなことお構いなしと前に走り出す。

 

 れいとうビームの冷気を突き抜けながら走りだすエルレイドの視線の先には次のれいとうビームを構えているラプラス。

 

「地面に打ちな!!」

「ラァッ!!」

 

 少し自分の体を浮かせながら放ったれいとうビームは、バトルコートを一瞬のうちにアイススケートリンクに作り替えてしまう。

 

「飛んで!!」

「エルッ!」

 

 このまま地面に足をつけていると一緒に凍ってしまうため、すぐにジャンプして回避。地面が凍って、ラプラスのれいとうビームが終わったと同時に地面に着地した。

 

「エルッ!?」

 

 しかし、普通の地面から急に凍った地面に変わったため、氷に足を取られたエルレイドがバランスを崩していしまう。

 

「もう一度『れいとうビーム』!!」

 

 その隙を逃さないために、今度はバランスを崩しているエルレイドに向けて直接放つ。

 

「『リーフブレード』!!『れいとうビーム』を受け止めて!!」

 

 肘の刃から延びる緑色の光をクロスさせて、正面から飛んでくるれいとうビームを受け止める。しかし、そのリーフブレードを伝ってエルレイドの腕そのものが凍り始めようとしいた。

 

「叩きつけて!!」

 

 腕から延びる緑の刃をそのまま地面に叩きつけて、無理やり腕の凍結を抑えながら、氷の破片をあたりに飛び散らせる。そのなかでも、縦長に細く、少し大きな二つの破片に目をつけた。

 

「エルレイド!!その氷の破片を使って!!」

「エルッ!」

 

 ボクの言葉に頷いたエルレイドが、その少し大きな破片を掴み、その破片を()()()()()()()する。

 

「コツは実戦でうまくつかんで!!エルレイド!ゴーッ!!」

「エルッ!!」

 

 そのまま足の下に置いた氷の破片を使って氷上を滑り始めるエルレイド。最初こそ少し危うい場面も見られたものの、かくとうタイプ特有の柔軟な体さばきによってすぐに順応したエルレイドは、モノの数秒後には綺麗に氷のフィールドを滑っていた。

 

「ほんと、バトルよりもコンテスト適正のがあるんじゃないのかって疑いたくなるほどの思考の広さだねぇ……あんたも大概だけど、あんたの指示を実行し切れる手持ちの子たちも大概だよ」

「誉め言葉として受け取っておきますよ。『サイコカッター』!!」

 

 ラプラスを中心に右回りで滑り続けるエルレイドから放たれる虹色の斬撃。滑りながら攻撃を放つエルレイドは、フィギアスケートの演技をしているようで、技を放つたびに体を一回転させている姿は観客の視線をひきつけてやまない。もうこのスケートシューズも手足のように扱うことが出来るだろう。

 

「器用だねぇ。けど、氷のフィールドはあたしの得意分野でもあるんだよ!滑りながら『うたかたのアリア』!!」

「ラアァッ!!」

 

 メロンさんの指示に頷くと同時にラプラスもエルレイドのように滑走を開始。飛んでくるサイコカッターを体を器用に逸らしてよけ、一部はうたかたのアリアで弾き、一部はオーロラベールに防御を任せていく。

 

「『れいとうビーム』!!」

「『リーフブレード』!!」

 

 前を走るラプラスと、それを追いかけるエルレイドの図。その状態で首だけを後ろに回したラプラスがエルレイドの進む先にれいとうビームを放ち、氷の障害物を作り上げていく。その障害物をリーフブレードで切り裂きながら追い付かんと駆けるエルレイドにさらに指示を出す。

 

「『サイコカッター』!!」

「『10万ボルト』!!」

 

 ラプラスの背中めがけて飛んでいく虹色の斬撃は、しかしラプラスを中心に放たれる電撃によって四方八方に散ることになる。しかし、ラプラスとの距離は着実に迫っており、エルレイドの拳が届くのも時間の問題だ。

 勿論それを理解しているメロンさんは、追い付かせないために次の手を打つ。

 

 全てのサイコカッターを散らしたラプラスは、その場で急旋回してエルレイドと向き合う形を取り……

 

「『ぜったいれいど』」

「ッ!?下がって!!」

 

 ラプラスを中心にすべてを凍結させる氷が展開されたため慌てて下がる指示を下す。

 

 当たればその瞬間負けの大技を躊躇なく放ってくる。

 

 ぜったいれいどなどの大技は強力すぎる技故ためが必要となり、予備動作がわかりやすく技の軌道も読みやすいため避けることは物凄く簡単だったりする。しかし、だからと言って恐くないわけではない。むしろ、ここまでの戦いを繰り広げているのにこの技に当たったらその瞬間負けが確定する。そんなものをいきなり打たれたら、確かによけることは簡単でも心に絶大なプレッシャーがのしかかる。

 

(長期戦をしてオーロラベールが消えるをの待つことも考えたけど、ぜったいれいどの圧力が強すぎてこっちが先に音をあげちゃう!!やっぱりすぐに倒さないと絶対に負ける!!)

 

「ラプラス!回りながら『うたかたのアリア』!!」

 

 ぜったいれいどをよけるにあたって再び開いた距離を活用して、今度は泡の弾幕をその場で回転しながら展開するラプラス。

 

 ラプラスを中心に渦を巻くように放たれたうたかたのアリアは、エルレイドを横から弧を描きながら殴るような軌道を描いて次々飛んでくる。地味に速く、そのうえ変わった軌道を描いてくるため、目で見て避けるのが物凄くやりづらい。しかも、ご丁寧にうたかたのアリアの泡が、全部サイズばらばらなせいで遠近感もつかみにくい。

 

「『リーフブレード』で切り裂いてガード!!」

 

 避けるのをあきらめて、自分に当たりそうと判断したら切り裂くように思考をシフト。エルレイドに飛んでくる泡の弾幕を、次々と切り裂いて道を切り開く。泡と泡の間を滑りながら、自分に当たりそうなものは切り裂いて、再びラプラスとの距離をじわりじわりと縮めていき……

 

「ラプラス!回りながら今度は『れいとうビーム』!!」

 

 かと思えば今度は横なぎのれいとうビームが飛んでくる。地面付近を浮かぶうたかたのアリアなんてお構いなしに薙いでくる凍てつく光線は、泡を固めて落としながらエルレイドにむかって飛んでくる。当然その技をよけるにはジャンプするしかない。

 

 地面を滑りながらタイミングを見計らって空中に浮かびあがるエルレイド。しかし、空中に浮かべば当然取れる行動は限られる。

 

「『うたかたのアリア』!」

「『サイコカッター』!!」

 

 そこを狙って飛んでくる泡の弾幕。それに対してこちらも斬撃の弾幕で対抗する。空中で弾ける水が周りを彩る中、エルレイドの高度が少しずつ下がっていく。

 

「『れいとうビーム』!!」

「足の氷を飛ばして!!」

 

 その着地地点を狙った攻撃に対し、エルレイドは足につけていた氷を飛ばして相殺。すぐさま凍ったうたかたのアリアの陰に移動して、その氷を削って新しいスケートシューズを作って再び走り始める。

 

「今度はこっちから仕掛けるよ!!エルレイド!氷を飛ばして!!」

 

 ボクの指示に頷いたエルレイドが、凍って止まったうたかたのアリアをラプラスの方へ殴って飛ばしていく。氷の地面を滑りながら次々とラプラスに向かって転がっていく様は、向こうの視点からしたらなかなかホラーだろう。

 

「地面に『れいとうビーム』!!」

 

 一方ラプラスは、地面にれいとうビームを打って氷の壁を急遽作り上げるものの、ぶつかってくる氷の塊が多すぎて防ぎきれていない。急造故の脆さによって次々と壁が崩れていく。しかしメロンさんの目的はこれで防ぎきることではない。

 

「『ぜったいれいど』」

 

 氷の壁によってエルレイドが飛ばした氷の球が一か所に固まったのを確認して放たれる絶氷。転がってくるすべての氷をさらに固めて、そこから動かなくされてしまう。

 

「これも全部止められちゃうのか……なんて冷気」

 

 冷気の強さに思わず舌を巻くけど、予想できなかったわけじゃない。

 

「エルレイド!『インファイト』!!」

「エルッ!!」

 

 固められた氷の山に向かって叩きつけられるエルレイドの拳の嵐。氷を砕く音がどんどん響き渡り、ラプラスによって固められた氷の山が少しずつ浮きはじめ……

 

「殴り飛ばせ!!」

「エェェ、ルゥッ!!」

 

 完全に浮いたところでエルレイドによる最後の一撃。ラプラスによってさらに大きく固められた氷の山が、地面を滑りながら再びラプラスに迫っていく。

 

「くっ、『れいとうビーム』!!」

 

 ぜったいれいどでは間に合わないと判断したメロンさんが、少しでも威力を下げるためにれいとうビームを行うものの、氷の質量が大きすぎて抑えきれない。そのまま氷の山に押し流されるように、バトルコートの壁際までラプラスが押され、激しい音を立てながら氷の山とバトルコートの壁の間に押しつぶされる。

 

「ラプラス!『10万ボルト』!!」

 

 氷の山が壁とぶつかることによってようやく氷の山がその動きを止めたところで、ラプラスから放たれる電撃。氷の山を砕きながら放たれたその技によって、壁とサンドイッチされていたラプラスが自由の身になる。

 

「大丈夫かい、ラプラス」

「……ラァ!」

 

 元気に声を上げるラプラスだけど、流石にダメージが大きいのか少しだけふらついている。いくらオーロラベールに守られているとはいえ、流石にあの質量の氷につぶされるのは許容量を超えたダメージだったらしい。

 

(むしろこれでノーダメージだったらこっちの心が折れちゃうけどね)

 

 ようやく取れた大きなダメージ。しかし、当然こうなればメロンさんもやり返すために大きく動き始める。

 

「さて、やられたらやり返さないとね……ラプラス!『うたかたのアリア』!!」

 

 再びあたりに撒かれる大きな泡の弾幕。今度は渦を巻くようにではなく、エルレイドを直接狙うものもあれば、エルレイドの周りに配置するように展開されるものもあり、何かの前準備だということを嫌でも理解させられる。

 

「今度は回りながら『うたかたのアリア』をしな!」

 

 次いで前に走りながら回りだし、再びうたかたのアリア。先の行動で配置されたうたかたのアリアの間を縫うようにして、今度は横なぎの泡が飛んでくる。最程よりも密度が濃く、さっき配置された泡のせいで動ける場所も限られているために避けるのが凄く難しい。けど、避けられないわけじゃない。

 

「エルレイド!まだ対応できるよね?『リーフブレード』!!」

「エルッ!!」

 

 ボクの言葉に頷きながら緑の刃を構えるエルレイドは、増えた弾幕にも臆さずに果敢に前進していく。掠る回数は確かに増えてきたけど、まだまだ許容範囲。だからと言ってこれ以上削られるわけにはいかないため、この弾幕を早急に突破する必要がある。

 

 ラプラスとの体力差は、先ほどの氷の山の攻撃でほぼなくなりはしたけど、もともとの耐久面がこちらが不利のため、体力に関してはむしろ勝っている状況にしないと話にならない。

 

 やはり攻め落とすしかない。

 

 滑りながら次々と泡の弾幕を切り落として前に進むエルレイド。うたかたのアリアではもう止まらない。このままいけばエルレイドがラプラスの懐に入るのは時間の問題。それに対するメロンさんの回答は電撃。

 

「『10万ボルト』だよ」

「避けて!!」

 

 ほとばしる電撃。エルレイドをめがけて飛んできたそれは、しかし、それすらもリーフブレードでいなし、滑り、駆け抜けていく。れいとうビームでも10万ボルトでももう止まらない。長くラプラスの攻撃を見続けたせいもあってか、目が慣れたためどんな攻撃が来ても大方さばけるようになってきている。

 

 目の前にある泡を切り、飛んでくる電撃を横に飛んで避け、次の泡の下をスライディングのような体制で潜り抜けてとにかく前へ。ラプラスから飛んでくる電撃の量も増え始めるけど、、それすらも華麗にさばいていくエルレイド。

 

 もうラプラスは目前。しかし、そんなエルレイドの進撃が()()()()()()()()()()()()止められる。

 

「エルッ!?」

「なっ!?」

「『れいとうビーム』!!」

 

 突如奇襲する形で飛んできた電撃にダメージを受けてバランスを崩すエルレイド。その隙を逃さずに飛んでくるれいとうビーム。何とかリーフブレードで受け流して、すぐ横の泡にぶつけるものの、どこからともなく飛んでくる電撃によって再び打ち抜かれてしまう。

 

(いったいどこから飛んできてるの……?)

 

 技の出所を見つけるためにあちらこちらと視線を移していると、ふと視線を黄色い閃光が横切った。

 

「なっ!?」

 

 その閃光を追いかけて見た先には帯電した泡があり、帯電した泡から泡へとどんどん電撃が伝っていっていた。さっきまで放っていた10万ボルトはエルレイドを狙っていたものではなく、浮かんでいた泡に向かって打ったものだった。

 

「エルレイド!!横の凍った泡を使って!!」

 

 泡から泡への伝導を利用して四方八方から飛んでくる電撃の雨。どうやら帯電している泡同士の間に電気が順番に通っていく仕組みみたいらしく、エルレイドが電撃を貰ったタイミングも帯電していた泡と泡の間に立っていたタイミングだったらしい。

 

 真正面のれいとうビームと合わせて一気に密度が濃くなった敵の弾幕に対して、こちらは先ほどれいとうビームを逸らしたことによってできた氷の泡を、少しだけ穴をあけて、その中に潜り込むことによってやり過ごす。

 

(これで一時的に攻撃から身を守れる……けど……)

 

 伝わってくる電撃と氷の光線。この攻撃をどうにかしないとラプラスに近づくことすらできない。

 

(かといって、今外に出ても間違いなく集中砲火を喰らうだけ。何も対策してないとまた電撃を貰ってしまう)

 

 れいとうビームは基本的に真正面からしか飛んでこないため、絶対に貰わないように意識して行動できるけど、さすがにいろんな方向から飛んでくる10万ボルトまでケアするのは不可能だ。絶対にどこかで被弾するだろうし、何より10万ボルトの追加効果であるまひ状態になってしまったらいよいよゲームオーバーだ。

 

(泡から泡へと伝わる電気を避けながらラプラスに近づく何かを考えないとダメだ。じゃないと何も出来ない!!かといって、今エルレイドが覚えている技でこの状況を打破できるものもないし……)

 

 現在進行形でれいとうビームによってどんどん氷の中に閉じ込められて初めているため、10万ボルトこそ受けないものの、周りを凍らせて氷に押しつぶされる可能性が出てき始め、時間をかけるわけにはいかなくなってきた。かといって、右も左も帯電した泡があるため、いつこれらが帯電してきてもおかしくない。

 

(右も左も動くのが怖い……けど動かないとそれはそれで押しつぶされる……)

 

「さあ、どんどん追い詰めていくよ……」

 

 いつになく鋭い視線を向けてくるメロンさんに少し押されそうになる。焦る心に比例するかのようにエルレイドが入っている氷もみしみしと音を立て初め、氷の破片が宙を舞い始める。その様子を眺め……

 

(……違う!まだ動ける場所がある!!)

 

「エルレイド!!『インファイト』を今自分が隠れている氷と地面に向かって打ちまくって氷の破片を空へ打ち上げて!!」

「エル!!」

 

 氷を殴る音が響き渡り、エルレイドが入っている氷と地面が派手にはじけ、空中に大小さまざまな氷が舞う。その結果、自分を守るものがなくなったため、エルレイドに向かって攻撃が集中し始める。

 

「エルレイド!!空!!氷の破片を使っていって!!」

 

 その攻撃を飛ぶことによって回避し、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()駆け回る。

 

「今度は空かい!『れいとうビーム』!!」

 

 空を駆けるエルレイドを落とそうと、慌てて空に攻撃をするラプラスだけど、うたかたのアリアが地面付近にしかないため、10万ボルトが飛んでこないこの場所ならラプラスの攻撃をいなすことは難しくない。

 

 れいとうビームをすべて避け、空中から一瞬でラプラスへのアプローチをかけていくエルレイド。縦横無尽に駆け回っているため、なかなかとらえることが出来ず、ラプラス側にも焦りが見え始める。

 

「ラプラス!!」

「……ラァッ!!」

 

 メロンさんの言葉を聞いてれいとうビームをやめるラプラス。恐らく、飛び込んでくるであろうエルレイドに対して迎撃の手を取るつもりでいるんだろう。だとすれば、構えているのは10万ボルトかぜったいれいどか。どちらにせよ、今この瞬間しか攻撃するチャンスはない。じゃないと次にまた空から攻める時はさすがに対処されてしまう。

 

(だから、ここで決め切る!!)

 

 ラプラスの周りに集まり始める冷気。それを見て、相手が構えている技がぜったいれいどであることを予想する。このまま攻撃すれば、攻撃前に絶氷にてこちらが倒されててしまう。

 

「氷を打ち出して!!」

 

 それに対して、空中に浮かぶ氷の破片を思いっきり蹴って、ラプラスの頭にぶつける。

 

「ラァ!?」

「ラプラス!?」

 

 氷をぶつけられてしまったことによって怯んでしまい、ぜったいれいどが中断される。ひとまずこれでエルレイドの技の方が先にあてられる。対するラプラスは、ぜったいれいどが間に合わないと判断した瞬間すぐさま別の技に変更を準備する。オーロラベールによって何とか一撃耐えて、返しの10万ボルトでこちらの動きを止め、一気に押し返す。そんな作戦を考えているはずだ。確かにかなり削っているとはいえ、まだまだ体力に余裕のあるラプラスなら耐えきることは全然できるし、返しの10万ボルトでこちらのペースを奪うこともできる。先ほど言った通り、まひが追加で入ろうものならそのままゲームセットだ。

 

 だけど、それはあくまでもこちらの攻撃を耐えることが出来ればの話。

 

 確かにオーロラベールによってこちらの攻撃は半減されるため、インファイトをもってしても耐えきられるかもしれない。ボクならさらに自分からわざと後ろに飛ぶことによって衝撃を逃がし、相手の攻撃を耐えながら反撃しやすい展開を作ると考えるし、メロンさんもそう考えているはずだ。

 

 ラプラスとの距離が縮まる中、ラプラス自身からほとばしる電撃。10万ボルトで反撃する兆しが見えた。逆に言えば、エルレイドが一撃当てるまで攻撃が来ないことが確定した。

 

 オーロラベールを突破できなかった場合、エルレイドが電撃を喰らって倒れることになるけど、オーロラベールさえどうにかできればこちらが勝てる。そして、その技をエルレイドは覚えている。

 

「エルレイド!!『()()()()()』!!」

「っ!?」

 

 メロンさんの表情が変わる。

 

 かわらわり。

 

 普通に戦う分にはちょっと威力が控えめなかくとう技でしかない。しかし、この技には一つ大事な効果があり、それがリフレクターやひかりのかべ、オーロラベールと言った、威力を減少させる壁を無効化し破壊する効果。普段は威力が低い代わりにこういった状況では全く威力を減少させることが出来ない頼もしい技。

 

 オーロラベールをキョダイセンリツで張られることは最初から分かっていた。だからこそボクはこの技をここまで隠してきた。

 

 10万ボルトをカウンターで出そうと構えていたため、今から無理やり発射は間に合わない。

 

「エルッ!!」

 

 白く光るエルレイドの手刀がラプラスに直撃し、同時にラプラスを守るオーロラが割れる音が鳴り響く。

 

「ラァッ!?」

「ラプラス!!」

 

 予想以上に大きなダメージを受けてしまったため、ラプラスが大きくのけぞり、反撃用にためていた10万ボルトさえも霧散した。

 

 絶好のチャンス。ここで倒し切る!!

 

 

「エルレイド!!『インファイト』!!」

 

 

「エエェェェェッ、ルウゥゥゥッ!!」

 

 

 とてもとても遠かったラプラスの懐。何回も潜ろうとしてそのたびに跳ね返されて、やっとたどり着いたその場所に、エルレイドが歓喜の感情を昂ぶらせながら両の拳を全力で叩きつける。観客席を突き抜けて、スタジアムの外まで響いているんじゃないかと勘違いするほどその大きな打撃音は、何秒も何十秒も続く。

 

 それでも頑張って耐えようとするラプラスの表情を見つめ、これで倒れてくれと必死に願う。そして……

 

「エッ、ルゥッ!!」

 

 エルレイドの最後の一撃とともにラプラスが大きく後ろにのけぞらされた。

 

 全員の視線がラプラスに集まっていく。

 

 ここまで3回もインファイトを行ったため、能力もスタミナもかなり削られたエルレイドも、ボクの近くまで下がったのちに膝をついた。万が一にもこれを耐えられたら、おそらくエルレイドはかなり厳しい。

 

(だから頼む……これで倒れてくれ……!!)

 

 そんな願いをエルレイドとしていたその時、首をのけぞらせていた状態で止まっていたラプラスがようやくその首を動かし始める。

 

 ゆっくりと元の位置まで顔を戻し、こちらをにらみつけるラプラス。

 

(耐えられたか……)

 

 ボクとエルレイドがそう思い、苦しいけど、まだまだ戦う意思を見せようとしたとき……

 

「ラ……ァ……」

 

 ラプラスがその巨体を地に沈めた。

 

 

『ラプラス戦闘不能!!勝者、エルレイド!!よってこの戦い、フリア選手の勝利!!』

 

 

「……はぁっ……終わった……」

「エルゥ……」

 

 降りしきる大歓声の中、エルレイドと一緒に大の字で寝るボク。

 

「……仇、とれたね」

「……エル」

 

 お互い疲労困憊で、少し動くのも億劫だった。

 

 それでも勝った喜びを分かち合うために、ボクはそっとエルレイドと拳をぶつけた。

 

 その時に聞こえたこつんという音は、不思議とボクの体の奥底まで響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




アイススケート

アニポケでサトシVSウルップにて、ゲッコウガが行っていた戦法ですね。
あのくるりと回転しながらみずしゅりけんを投げるシーンがかっこよくて好きです。

ラプラス

戦い方が完全に泡狐竜ですね。
回転しながら泡を出すなんてまさしくそうです。
いずれ天眼ラプラスとか現れるんですかね?()

10万ボルト

帯電しているもの同士で電線が引かれるのは、ピクミンのエレキムシだったり、単純に某引っ張りハンティングの友情コンボだったりといろんなところから。
うたかたのアリアに閉じ込めて電撃を当てるなんて戦法も思いつきましたが、今回は断念。

かわらわり

まあこの技は必要でしょう。
ちゃんとイワパレス戦の時点で使っていたので、今回の展開は予想しやすかったのではないでしょうか。




アニポケでセレナさんが出ましたね!!
終始キャーキャー言いながら見てしまいました。
他にも懐かしい要素が多くてとてもよかったです。
またがっつり出てきてほしいですね。
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