【完結】ポケットモンスター 約束のためにもう一度   作:犬鼬

99 / 374
99話

 カタカタ……カタカタ……

 

 目の前でゆっくり揺れるモンスターボール。真ん中のボタンを赤く点滅させながら揺れるそのボールは、現在捕獲されている途中という証で、中に入ったポケモンがちゃんと収まるかどうかの緊張感をこちらに伝えてくる。

 

(どれだけ成長しても、この緊張感というのはいつまでも変わらないわね)

 

 ボールをぶつけたポケモンが捕まるかどうか。それはトレーナーなら誰だって必ず一度は経験する一番身近な緊張。新しい仲間が増えるかもしれないワクワクというのはいつまでたっても消えないもので、トレーナー歴の長い私であっても少なくない緊張を感じている。

 

 もっとも、今回は相手が相手なのもあると思うけどね。

 

 程なくして、ぽんと軽快な音を立てながら、その動きを止めるモンスターボールにほっと一息。

 

「ふぅ……お疲れ様、ガブリアス」

「ギャロップ、よくやったぞ!」

「戻って、マンムー」

 

 三人そろってここまで戦ってきた相棒に声をかけながらリターンレーザーを当てて、ボールの中に戻して休ませる。この三体の他にもたくさんの仲間たちにがんばってもらった。あとでその皆にお礼をしなきゃと思いながら、新しく捕まえることのできたボールをそっと拾う。

 

「これで三体目……順調ね」

「んん~……流石伝説のポケモン……だけど、やっぱりディアルガやパルキアと比べたら少し楽というか、圧は少ないな!!」

「まぁ、あの子たちはそれこそ神話のポケモンなんだから、比べたらかわいそうってものじゃない?」

 

 ボールを腰のホルダーに戻しながら緊張をほぐし、いつも通りのテンションに戻って会話を始めるジュンとヒカリ。やっぱり、一度大きな経験しているだけあって、今回もものすごく頼りになった。それに、2人とも実力も才能も四天王と比べて引けを取らないレベルなので文句なし。おかげで三体目も無事に攻略完了。

 

「とりあえずお疲れ様。あなたたちのおかげで巨人は三体とも無事に捕まえることが出来たわ」

「あったり前ですよ!!ただでさえシロナさんという超強力なトレーナーがいるのに、そこに加えてオレたちもいるんだからな!!」

「全く、すぐ調子乗るんだから……でも、わたしも久しぶりに強敵とバトルしてちょっと楽しかったかも。コンテスト一番っていうのは変わらないけど、たまにはこうやってストレスを発散するのもいいかもしれないわね」

 

 伝説とのバトル。

 

 当然伝説の名を冠するだけあって戦うにおいては強力な相手なはずなのに、まだまだ余力を見せてくれるこの子たちには本当に感心する。合間合間で私がコーチングしてあげているため、ジュンの実力が確実に上がっているのも大きな点ね。

 

「シロナさんからの特訓もちゃんとこなせているし、自分が強くなっているのもわかる……これはフリアを越えていると言っても過言じゃないかもしれないな!!」

「どーだか。ガラル地方で凄く活躍しているし、逆にもっと引き離されてるんじゃない?」

「さ、流石にそんなことはない!!……と思う!!」

「冷や汗出てるわよ~」

「ふふふ」

 

 若干声を震わせているジュンに対して、あきれ顔をするヒカリの姿に思わず笑ってしまう。こういった何も気をかける必要のない相手との何気ない会話というのははたから見ても微笑ましいし、そういうことが出来る友人は貴重だ。

 

(私も、たまにはカトレアのところに顔でも出そうかしら。コクランの紅茶もまた飲みたいしね)

 

 2人のやり取りを見て、私も少し友人のことを思い出してしまったので、どこかのタイミングでイッシュ地方に向かうことも頭に入れておく。今の彼女はイッシュ地方の四天王みたいだし、久しぶりに彼女と戦うのも楽しそうだし、ジュンと戦わせてみても面白いかもしれない。

 

 私の予想では、ちょっとでもカトレアが油断しようものならそのままジュンが勝ち切ってしまうと思っているのだけど……どうかしらね?

 

(その時はヒカリも一緒に連れて行ってあげましょうか。きっとサザナミタウンの別荘を見たら目を輝かせそうだし。……ふふ、また楽しみが増えちゃったわね)

 

「なぁシロナさん」

「んん……何かしら?」

 

 未来を思い、少し微笑んでいるところにジュンから声をかけられたので咳ばらいをし、緩んだ頬を戻しながら返事をする。さっきまでヒカリと話し込んでいたけど、もうとっくに話し終えていたみたい。

 

「これで巨人伝説の調査は終わりなのか?」

 

 そんなジュンから言われたのはこの旅の先について。

 

 私たちが追いかけてきた巨人伝説に関しては、このホウエン地方で確認されているポケモンである、レジロック、レジアイス、レジスチルの三体を捕まえることに成功している。そのため、ジュンの言う通りホウエン地方で行う予定はすべて完了しており、キッサキ神殿の謎についての資料もたくさん確認することが出来た。

 

 この先の研究をするなら、レジロックたちとのコミュニケーションが主になってくる。そうなると別にホウエン地方でなくともできるため、言ってしまえばここに長居する理由はないし、もっと言えばキッサキ神殿に行った方がいろいろ話も進みやすいはず。

 

「そうね、ホウエン地方でやることはもうないから、あとは飛行機に乗るだけね」

「そっか……あ~あ、楽しかったのにこの旅ももう終わりか~……」

「呼ばれて砂漠を歩いたときは、正直ちょっと後悔しちゃったけど……終わりって聞かされるとなんだかさみしいわね~……」

 

 私がホウエン地方でやることがないと伝えたら、目に見えて落胆の表情を浮かべる2人。ジュンはともかくとして、ヒカリに関しては急に呼びつけてしまったため、若干申し訳なさを感じてはいたものの、なんだかんだ楽しんでくれていたことにほっと一息。

 

 彼女はバトルや考古学よりコンテストの方が大事なはずだから、大切な時間を奪っちゃってるなと感じてはいたんだけど……今度何かしらのお礼をしましょうか。と、ひとまずお礼については置いておいて……

 

「何を勘違いしているのかしら?」

「「え?」」

 

 私の言葉に素っ頓狂な声を上げる2人。その表情が面白く、また表情が緩んでしまいそうになるのをぐっとこらえて、私は言葉を続ける。

 

「私がいつ、冒険は終わりなんていったかしら?」

「え!?もしかしてまだ何かあるのか!?」

「でも、もうホウエン地方でやることはもう終わりだって……」

「ええそうね、()()()()()()()()()()()()もう終わったわ」

「「!!」」

 

 私の言葉に、ようやくその意味を理解した2人が、今度は驚いた顔へとその表情を変えていった。本当に反応が良くて面白い子たちだ。

 

「巨人伝説に所縁のある地はホウエン地方とシンオウ地方だけじゃないの。大地を引っ張ったとされる巨人はいろんなところに赴いたのか、あらゆるところでその巨人が作ったとされる小さな巨人が発見されているの」

「それはここまでの冒険の途中で確かに聞いたけど……」

「他にはどこの地方で確認されているんですか?」

 

 まだまだ冒険の続く気配を感じて、少しずつテンションが上がり始めていくジュンと、表面上は特に変わっていないように見えるヒカリ。そんな2人に次の目的地を伝える。

 

「巨人伝説がある場所、それはもう誰かさんが訪れている場所ね」

「誰かさんが訪れてる場所……?」

「……!?なあシロナさん!!それってまさか……!!」

 

 何かに気づいたジュンがさらにテンションを上げながら私に続きを促す。そんな彼の期待に応えるように私も続きを告げる。

 

「ええ、その地方はガラル地方。たった今、フリアがジムチャレンジをしている地方よ」

「つまりつまりつまり!!これからガラル地方に!!」

「そうなるわね」

「いぃぃぃぃぃっ、よっしゃあぁぁッ!!断然、テンション上がってきたぁぁ!!」

 

 ガラルに行き、フリアと会えるということが分かった瞬間喜びを爆発させるジュン。ここまで喜ばれるとこちらもサプライズをした甲斐があるというものだ。

 

「え……じゃあ、シロナさんとジュンはこれからガラルに行くんですか……?」

「ええ。ごめんなさいねヒカリ。コンテストの準備で忙しいだろうに、わざわざつき合わせちゃって。ホウエンでの仕事はもう終わったから、もうこちらは大丈夫よ。時間を取っちゃったお詫びに何かお礼を考えているんだけど……何かあるかしら?」

「お礼……」

 

 喜びを爆発させたジュンに対して、ヒカリはどこか難しい顔をする。確かにすぐにお礼はどうしたい?って聞かれても、返答に困るわよね。

 

「まあ、すぐには思いつかないでしょうから考えておいてちょうだい。ホウエンを離れると言っても、そんなに長くこちらに来ないというわけでもないし……」

「いえ!!お礼は今決めます!!」

「そ、そう?」

 

 まだ時間がかかると思い、後回しを提案したところに食い気味で遮るヒカリ。そこまでして私にお願いしたいことにちょっと驚いたのだけど、こんなにもはっきり言ってくるということは、彼女の中で何かがあるという事なので、彼女からの言葉を待つ。

 

(……まぁ、何となくお礼の内容はわかってきたけどね)

 

 見え透いた彼女の言葉を待っていると、ほどなくして口を開くヒカリ。

 

「わたしもガラル地方に行きたいです!!」

 

(やっぱり……)

 

 予想通りの答えにまたもや頬が緩む。本当にこの子たちは仲が良い。

 

「でも、コンテストの方はいいのかしら?」

「いいか悪いかで言ったらあまりよくはないかもですけど……オフシーズンではあるのでサッと行ってサッと帰ってくればだいじょーぶだいじょーぶ!です!!」

「ほ、本当かしら……?」

 

 彼女の口癖はいまいち信用ならないところがあるので若干の不安はあるんだけど……まあ、今回は彼女の言葉を信じましょう。

 

「わかったわ。じゃあ2人とも、準備が出来次第空港に行ってホウエンを発つわよ」

「「はい!!」」

 

 私の言葉に元気よく返す2人。その姿は、今すぐにでもフリアと会いたいという感情が目に見えて伝わってくる。

 

(ここにあの子もいれば、完璧だったのだけどね……)

 

 みんなの仲が良いからこそ、少しだけ胸にちくりと刺さるものを感じる。けど、この特訓は再びその仲を取り戻すための物。いつか、この胸に刺さるものも、この子たちなら乗り越えられると信じている。

 

 けど、その前に……

 

「ただ、ガラルに行く前に、少しだけ寄り道してもいいかしら?」

「「寄り道?」」

「ええ」

 

 はたから見ても仲のいいこの子たちを見ていると、なんだかこちらまで人肌が恋しくなってきてしまった。だから……

 

「ちょっとだけ、イッシュ地方に……ね」

 

 先ほどたまにはって言ったけど、気が変わってしまい今すぐに会いに行きたくなってきた。ヒカリもガラルについてくるというのなら、なおさら今から行くべきだろう。

 

(これくらいのわがままなら、いいわよね?)

 

 ジュンたちがフリアと会うのを楽しみにしているように、私の心も大きく弾んだ気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ビーコンバッジゲット……これで8つ目……シンオウ地方、コンプリートだ」

 

 右手の人差し指と親指につままれたバッジを太陽にかざしながら、さっきまでの熱いバトルを思い出し、もりあがってくる感情に頬が緩む。

 

 思わずこの昂ぶった感情を体で表現しそうになってしまうものの、そこはナギサシティに吹き抜ける潮風が俺の体を包み込んで冷静にさせてくれる。

 

 深呼吸を一つ、二つ……

 

 心が大分落ち着いたところで、ビーコンバッジをケースにしまいながら、先ほどのバトルを思い出す。

 

「デンジさん、強かったなぁ……」

 

 頭の中によぎるのは、最後の最後にぶつかり合ったエレキブル対エースバーンのシーン。

 

 お互いの全力をぶつけ合ったあの試合は、今思い出してもまた熱が再燃しそうで。

 

「ガラルだと電気タイプのジムリーダーとは戦わなかったから、凄く新鮮だった……また戦いたいな」

 

 全地方の中でもレベルが高いと言われるガラル地方。そのトレーナーと比べても全然強く感じたその実力。きっと彼がガラルに来れば、間違いなくメジャーリーグに入ってくるだろう。それほどの強いトレーナーと戦えたことが嬉しくて、やっぱりシンオウ地方に来たのは正解だったと心から思った。

 

「先ほどのバトル、とてもすごかったですよ。マサルさん」

 

 そんな俺の後ろから声をかけてきた人が一人。同い年か、少し年上くらいに聞こえるその声の主を探すために後ろを振り向くと、そこには裾に白のフリルが付いたエメラルドグリーンのワンピースに白のボレロを羽織っており、胸に大きなリボンをつけている女性が一人。髪型を両側で二房結ったでこ出しのロングヘアにしている彼女は、俺がこの街にきてであった人だった。

 

「ミカンさん。みてくれてたんですね」

 

 ミカンさん。

 

 ここから少し離れたジョウト地方にて、はがねタイプのジムリーダーとして活躍している彼女は、このシンオウ地方にちょっとした特訓のために訪れていたみたいで、ナギサジムに挑戦する俺とたまたまこのナギサシティの海岸で出会った。

 

 出会った当時は、ミカンさんに人見知りでもあったのかちょっとたどたどしい話し方だったけど、ひとたびポケモンバトルをしてみればお互い良いバトルが出来たため意気投合し、少なくとも、変に気負う事なく話すことが出来るくらいには打ち解けることが出来た。

 

 そこからはこうやってちょくちょく話したり、バトルをしてお互いの経験値を積もらせたりと、なかなか有意義な時間を過ごしていた。今回デンジさんに勝つことが出来たのもミカンさんとの特訓のおかげだろう。ジム戦も見に来てくれていたみたいだし、ミカンさんには頭が上がらない。

 

「はい。最初から最後まで、物凄く熱いバトルでした」

「そう言ってもらえると嬉しいです。ありがとうございます!」

 

 そこから行われるのは、さっきのジム戦に関する講評。ここがよかったや、ここはこうできたかもねと言ったお話は、ジムリーダーであるミカンさんだからこそ聞ける話が多く、とてもためになる。彼女の話を聞きながら反省するこの時間もまたとても有意義で、まだまだ強くなれるんだなと思うと俄然やる気が出てくる。そんな楽しい時間を、俺たちが出会った海岸で、波の音と潮の香りを受け止めながら過ごしていった。

 

「そういえば、これで8つ目ですね」

「そうですね」

 

 ミカンさんに言われて改めて実感する、シンオウバッジコンプリートの感覚。

 

 ガラル地方は、どの地方と比べてもポケモンバトルに力を入れているため、基本的にレベルが高いと言われている。だから、最初は他の地方で勉強すると周りに行った時、あまり意味が無いのでは?なんて言われたし、かく言う俺も、最初こそはこの旅が無意味なものになったらどうしようと思っていた節もある。

 

 けど、そんなことは全然無かった。

 

 地方が変われば空気が変わり、ポケモンが変わり、そして戦い方が変わる。

 

 当然ながら、ダイマックスというものも存在しないため、戦闘の流れがガラリと変わり、自分がいかにダイマックスに頼りきっていたかがよくわかった。

 

 俺は確かにジムチャレンジャーの中ではトップに立つことが出来た。それは他の地方で言えばポケモンリーグに優勝したということと同義だ。自惚れじゃないけど、それ相応の実力は兼ね備えていると自負している。それなのに、圧倒的に多すぎる学ぶべきことの前に思わず立ちくらみを起こしかけたくらいだ。

 

(この地方に来て、本当に良かった)

 

 今なら、心からそう思える。

 

「バッジが8つ集まったということは、シンオウリーグに参加するんですか?」

 

 今までのシンオウ地方での旅を少し振り返っていると、ミカンさんからそんな言葉が聞こえ、ここまで言われてようやく、『そう言えば他地方ではバッジを全部集めるとようやくリーグ参加券が得られるんだっけ』と、ガラル地方とはちょっと違ったそのルールを思い出した。

 

 シンオウリーグ。別名スズラン大会。

 

 シンオウ地方のバッジを8つ集めることが出来た、選ばれし者のみが参加出来るシンオウ地方最大のトーナメント。そして、このトーナメントの上位数名が許される、四天王及びチャンピオンへの挑戦。

 

 トップへの挑戦権をかけて行われる過酷なバトルは、ポケモントレーナーなら誰しもが憧れる大舞台のひとつだ。そしてたった今、シンオウ地方にて8つのジムバッジを集め終えた俺にも、その大舞台への参加券が手に入った。

 

 あとは、ここナギサシティから北に向かったところにある、スズラン島にて受付を行えば受付完了。晴れて、その大舞台で戦うことが可能になる。けど……

 

「次のシンオウリーグまでかなり日がありますよね。流石にずっとシンオウにいるにしてはちょっと期間が長すぎるので、参加するにしろ、しないにしろ、1度ガラル地方に帰ってからにしようかなと考えています」

「確かに、まだまだ先ですもんね」

 

 シンオウリーグが終わってすぐのタイミングでこちらに来てしまったせいか、リーグ開催までまだまだ日にちがある。どれくらいあるかと言われると、今俺の地元で開催されているジムチャレンジが終わってもまだ期間があるくらいだ。さすがにそこまで期間があるのなら、せっかく妹やホップも参加しているみたいだし、1度戻って2人の姿を見に行きたい。どうやらかなり活躍しているみたいだし、かなりの注目選手だと聞く。1度バトルするのも楽しそうだ。

 

「ってことは、しばらく寂しくなりますね」

「もし良かったらミカンさんもガラル地方に来ますか?」

「え!?うーん……どうしましょう……」

 

 この後どうするか、そんな話をミカンさんと続ける俺。個人的には、ここで仲良くなったのも何かの縁だし、是非とも自慢のガラル地方を案内したいという気持ちが強いんだけど……

 

 なんて和やかな時間が流れていた時に、ふと視線に映る影。

 

 ミカンさんもその影に気づいたらしく、2人揃ってそちらに視線を向けると、そちらには俺よりひとつかふたつ歳の低そうな男の子が立っていた。

 

 青いジャケットに赤のインナー。黒のズボンに白のマフラー。更に赤いハンチング帽子をかぶっていた少年は、どこが遠くを見つめてぼーっとしていた。

 

 ただ少し幼く見える少年が黄昏ていただけ。それなのに無性に目が離せない。いや、その少年の正体に気づいてしまったが故に、離せなくなった。

 

「……マサルさん、あの人」

「はい……間違いない!」

 

 その人は、シンオウ地方にきて1番最初にテレビで見た人だった。

 

 

 

 

 曰く、稀代の天才。

 

 曰く、未来が見える。

 

 曰く、公式戦で負け無し。

 

 曰く、原点にして頂点に引けを取らないのでは。

 

 

 

 

 どの情報番組でも上げられる、とても年下の少年のことを言っているとは思えないその表現。

 

 この地方に来て、いつか戦いたいと思ったその相手。

 

 若くして、俺が到達できなかった場所に到達した先駆者。

 

「あの!!すいません!!……()()()()()!!」

 

 やっと会えたその人を前に、俺の足は勝手に動いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっと……やっと捕まえましたよ」

「ピピュッ!?ピピピ!!」

 

 どこかの街の地下深い、何かの研究をしているかのような施設。その深奥にて、宇宙色の雲を片手に喜ぶ男性が1人。

 

「あなたさえいれば、1000年はおろか、3000年経ってもエネルギーが枯渇することは無いでしょう!!あなたの力を、是非とも!!このガラルの未来に!!使わせてはくれませんか!?」

「ピュッ!!ピュイッ!!」

 

 明らかに興奮した様子で言葉を紡ぐ男性がいる中、それを見つめる黒いポケモンも一匹、近くにいた。

 

 その黒いポケモンは、明らかに嫌がっている宇宙色のポケモンの意志など眼中に無いのか、どれだけ叫んでも一向に離すことの無い男性のその手を、ただひたすらに見つめていた。

 

 何も無いこの地下で、唯一自分に話しかけてくれたそのポケモン。

 

 ずっとひとりで寂しくて、そんな時に優しく声をかけてくれた幼いそのポケモン。

 

 自分の唯一の友達が、今まさに襲われている。黒色のポケモンには、そう映ってしまった。

 

 助けなくては。

 

 こんな自分に優しく接してくれた、初めてのそのポケモンを守らなくては。

 

 3000年前に負った傷を癒すために蓄えていたエネルギーを少し使うことになるため、復活まではまた時間が余分にかかってしまうだろう。それでも、目の前の友達を助けたい。

 

 3000年前には欠片も浮かばなかったその感情。

 

 初めてのその気持ちに戸惑いながらも、黒いポケモンは力を放つ。

 

 

「〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!」

 

 

「なっ!?」

「ピュッ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 黒いポケモンから放たれた赤いエネルギー。

 

 友を守るために放たれたその力は、少しだけガラルの地表まで届き、軽い地震として表されたが、あまり大きくなかったため、誰も気に止めることは無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 色々な地方から、このガラルへと、少しずつ、物語が動き始めていた。

 

 小さな歯車が、少しずつ噛み合い始めていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




シンオウ組

レジ三体ゲット。同時にガラル地方への道が解放されました。
巨人はガラルにもいます。当然と言えば当然の結果ですよね。

カトレア

イッシュ四天王のエスパー担当。
実機でもシロナさんとは仲が良いですよね。
別荘を貸し借りする仲だとか。
コクランさんの労力が心配です。

ミカン

ジョウト地方、はがねタイプジムリーダー。
実機でもこの位置にいますし、なんならこの方にたきのぼりを貰わないと先に進めさんよね。
シンオウ地方に来た理由もちょっと面白い方です。シャキーン。

マサル

ジムバッジも集まり、コウキさんと対面。
さて、こちらの旅も佳境のようで?

黒いポケモン

初めての友達。




ガラル以外の原作キャラもちょくちょく顔を見せてきました。
出せるキャラは色々出していきたいですよね。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。