Fate/CurseRound ―呪怨天蓋事変― 作:ビーサイド・D・アンビシャス
今回の話で時系列は過去から現在へ、一章の先へ!
しこたま情報詰め込んで、次回からバトル書けるようにしました!
「へぇー【英霊】ねぇ。特定疾病呪霊の英雄バージョンって訳だ。え、じゃあそっちの、カルデアにさ、石田三成いる? 僕、けっこう好きなんだよね」
『うーん、残念ながらいないかなぁ。あっ、織田信長の霊基なら登録されてるけど?』
「うーん、あいつ髑髏で注いでくるから微妙だなー。やっぱ秀吉並みの気遣い欲しいよね。草履温めてくれるくらいのガッツ欲しいよね」
「待ってください⁉ 給仕前提で話が進んでいませんか⁉」
「五条さん、ノッブを挑発しないで! でないと大変なことになるから! ぐだぐだになるから! 具体的にはちびノブの大軍とかロボとかハニワが襲来してくる!」
「それほんとに信長? もうサブカルにいじられまくって原型残ってないよね織田信長」
五条自身がフラットな態度のせいか、藤丸のコミュニケーション能力が異様に高いせいか定かではないが、打ち解けるのにそこまで時は掛からなかった。
クーフーリン・オルタを強制退去させた後、藤丸とマシュ、五条は揃って床に腰を下ろし、ダヴィンチちゃん(映像)と話に花を咲かせていた。
『それでどうかな、五条悟くん? こちらの事情は概ね把握してくれたかな?』
「うん、大体ね。にしても、あれクラスが残り十九かー。僕が全部ふんじばって連れて来れたら良いんだけどね。生憎、多忙なんだ」
(逆に言ったら、忙しくなかったら本当にこの人一人で解決できそうだなぁ)
漠然とそう思った藤丸だが、それは正しかった。
続く五条の見立てでは、【英霊】……サーヴァントの等級は特級相当とのこと。ダヴィンチちゃんからキャスターやアサシンなど、正面戦闘が不得手なサーヴァントの存在を聞かされても、五条は「それでも1級クラス」と断じた。
「現状、今の生徒達でそのクラスとやり合えるのは、三人くらいか。それと……見込み有りな子が二人」
「サーヴァントと戦える生徒が三人もいるの⁉」と藤丸が目を剥き、
「いるよ。その内の二人、乙骨と秤は僕と並べる術師さ」と五条はニッと頬を持ち上げた。
藤丸は平安京に生じた特異点での出来事を思い出す。
生前の坂田金時や源頼光、そして渡辺綱など、生身の人間でありながら、サーヴァントと戦ってみせた豪傑達を。
こちらの【呪術師】という存在は、その豪傑達と見比べても遜色ない。
……そう、藤丸は思っていたのだが。
「けどねー。呪術師って万年、人手不足でね。1級術師なら【英霊】とも戦えるかもしれないけど……どいつもこいつも僕と同じく多忙の身さ。すぐ動かせるのは生徒達だけど、まだ荷が重いかな」
「あの、先程仰っていた乙骨さんと秤さんという術師は?』
「乙骨は海外、秤は謹慎中」
「じゃあ、残りの三人は? 見込み有りの子含めた」
「東堂は京都校の生徒だから。僕の指示じゃ動かない。まぁ、僕が言えばあんま関係ないけどね」
『やっぱり君が呪術高専という組織のリーダーなのかい?』
「違うけど? 僕はあくまで一教師。組織には上層部が別にあるんだけど……これがマジ腐ったみかんの集まりでさぁ~‼ ほんと皆殺しにしたくなんだよねー!」
あはは、とハツラツ笑顔で物騒なことを口走る五条。
マシュはその態度と言葉のギャップにギョッとして、次に憂慮の表情を浮かべる。
「そ、そんなこと言って大丈夫なのでしょうか?」
「ん? へーきへーき。だって僕、最強だし。あっ、でも言っとくけど、上層部に君らの存在バレたら秒で死刑だから。話通じると思わない方が良いよ」
突然の死の予感に、藤丸とマシュは固唾を呑み込んだ。
五条の口調は基本、飄々としていて言葉に重みが無いのだが……不意に容赦ない冷たさの現実を叩きつけてくる。
そして、これまでの口ぶりから判断すると、呪術高専も一枚岩の組織ではないようだ。寧ろ、個人最強の五条のおかげでパワーバランスが保たれていると考えても良い。
『肝に銘じておこう。――君とはずっとずっと仲良くしたいな♡』
「あっははー、ぶりっ子ポーズ! 良さ分かんねー!」
見え透いた愛嬌を振りまくダヴィンチちゃんを、五条は一笑した。ピシッと固まるダヴィンチちゃんの笑顔。藤丸があわわと心配してると、
「まぁ、そういう訳だから、君達の目的に手伝えそうなのは……一年の虎杖悠仁と伏黒恵だ」
五条は床に生徒達の資料をザっと並べた。
見ると、虎杖悠仁・伏黒恵・釘崎野薔薇の東京校一年の三人は奥多摩の任務についているとのことだった。
ダヴィンチちゃんはショックを引きずった様子のまま、資料に言及する。
『こ……この二人の少年がさっき言っていた見込み有りの子かい?』
「そっ。悠仁はこないだ交流会に乱入してきた特級呪霊を東堂と組んで撃退したし、恵は術式のポテンシャル的には、僕と負けず劣らずだ」
即断即決。
藤丸は資料から顔を上げて、鋭く口火を切った。
「よしっ! その奥多摩の任務、私達が手伝ってくるよ!」
「そうすれば心強い助っ人が付いてくれますね。よろしいでしょうか、五条さん?」
「構わないよ。こっちも古今東西、実力のある英雄との戦いは生徒達の経験値になるから。あ、そーだ。他の生徒達にそっちのサーヴァントを臨時講師として鍛えてくれないかな。真希やパンダはそろそろ等級上がっても良い頃だし」
『稽古ということかな? 良いとも。こちらで募集しよう』
藤丸はこれまでにない進展ぶりに、胸の奥から安堵する。これまでのレイシフトで、ここまでスムーズに問題解決の道筋が作られたことがあっただろうか。
いや、無い。
いつだってギリギリ。
その時その時の窮地を、多くの人々に、英雄に助けられてきた。
(五条さんに感謝しなきゃ)
順調に進展する状況に、藤丸はマシュと顔を見合わせ、綻ばせる。
「はい、じゃあこれ。奥多摩の任務詳細。呪霊の情報と被害者の情報は要確認ね」
そう言って、五条が任務の詳細を記した資料を藤丸に手渡した。
藤丸とマシュ、そしてダヴィンチちゃんは奥多摩の任務詳細に目を落とした。
【記録――2018年9月24日。
東京西多摩郡奥多摩町氷川周辺に濃霧が三度にわたり発生。
発生した濃霧に呑まれた非術師数名、一般人数名の内、三名の女性の遺体を確認。
遺体の損傷が激しかったものの、鑑定した結果、被害者は望月早織・立花明日香・川谷雫と判明。三名の被害者の共通項は①女性②子宮欠損。
また濃霧に呑まれた一般人に事情聴取したところ、霧内部での記憶が喪失していることが判明。
点在する霧の発生地点から、件の呪霊は『広域徘徊怨霊』として登録。術式の有無は今のところ不明だが、記憶に作用する術式であることが推測される】
「は?」
無機質に綴られた黒文字が、藤丸の視界を狭く引き搾っていく。
淡々と記された事実が、肌の産毛をざわつかせ、背筋から空白が走る。
「じゃあ、悠仁達と合流して、サクッと祓ってきちゃってよ。お手並み拝見させてもらうよ、カルデア」
最初から最後まで変わらない五条の軽い言葉を、藤丸は受け止めることができなかった。
――――この4時間後、ノウム・カルデアは虎杖悠仁の協力を得て、呪霊ジャック・ザ・リッパ―の祓除を達成。虎杖悠仁・伏黒恵・釘崎野薔薇の救出保護を遂行し、五条悟との同盟を締結させた。
今回は一話しか更新できず、申し訳ありません。
実は、ずっとこの作品と同時進行で執筆してきたオリジナル作品を、なろう・カクヨムにて、初投稿させていただきました(ユーザー名は統一しています)
JK4人がヤクザとマフィア相手にイカサマ仕掛ける麻雀放浪記ならぬ『麻雀帰宅記』です。ご一読して頂けたら幸いです。
また5月3日にVtuberデビューすることとなりました! 21時から初配信です!
名前は作者名と同じ「ビーサイド・D・アンビシャス」です。
よろしければ、お話しましょう!(お手柔らかに……)