Fate/CurseRound ―呪怨天蓋事変― 作:ビーサイド・D・アンビシャス
ハーメルンで更新してる小説の仕上げで遅れてしまいましたhttps://syosetu.org/novel/268755/
時間はかかってしまいますが完結させる意思はあるので、これからもよろしくお願いします。
万物を見通す眼の内側。
本来、ありとあらゆるところに存在する【無下限】の内へと、招かれる。
(これは―――――)
キアラは見渡す限りの星空に似た光景に瞠目する。
それは隣に立つ、自身の分身――――人類悪の超重量の霊基を半分分けた【水着キアラ】も同様だった。
いつまでも完結することのない、無限の情報を流し込まれ、並んで硬直するキアラ達。
五条はそんな二人の胸元、谷間の奥深くにある呪力の核を見抜く。
「ここが核か」
その呪力の核は、正しくは【霊核】。現世に対する英霊の存在証明であり、ここを破壊されれば、いかなる不死性を有したサーヴァントも現世にとどまることはできない。
六眼でその霊核の場所を視認した五条は、荒く息を吐きながら、その手刀の
「ほんと……サーヴァントってやつは厄介だね」
領域を展開せねば勝てないと判断した相手は、狂王クーフーリンを含めて二人目だ。
英霊。人間とは魂の階梯からして異なる、上位の精霊。
生者にして、それと比肩している五条こそ規格外であり、あまつさえ勝利できるのは、この【領域】のおかげだ。
知覚・伝達という作業を無限に強いることで、行動不能にする。
この領域の効果が、生得術式の火力増強では、決して英霊達に勝利する切り札とはなりえなかった。
「ほんとに……最悪な目に遭ったよ」
そこらの特級呪具よりも威力のある、五条の手刀がキアラ達の胸を貫く。
――ズズ、ズズチュ……。
キアラの遺骸が力なく倒れ込み、更に深く五条の手刀に突き刺さっていく。砕ける霊核を視認した五条は手刀を引き抜こうとして
「 解析完了♡ 」
王冠を携えしキアラが貫かれたまま、五条の右肩にしな垂れかかった。
同瞬、幻を司る最大の神獣【蜃】を喰らったキアラが、五条の左耳に唇を近づけ。
「小さき命にも五分の魂、慈しんで終わらせましょう」
女の吐息が、そよそよと【無下限の領域】に流れる。
その刹那――――【無限】が【幽世】に塗り潰された。
その幽世の名は、
五条悟を領域の押し合いで負かすことなど、この世界の誰もが匙を投げる難行。
それを、かの異界の獣は――――吐息の一つで成し遂げた。
雲散霧消した【領域展開】。
五条の体に刻まれている生得術式は、領域展開の負荷により、焼き切れている。
それすなわち。
「思う存分」
「あなたに触れられますわ♡」
約束の再会を遂げたおとぎ話の姫のように、二人のキアラが妖艶に微笑む。
そして微笑まれた王子様はどちゅ、と。
どちゅどちゅどちゅどちゅどちゅどちゅどちゅどちゅどちゅどちゅどちゅどちゅどちゅどちゅどちゅどちゅどちゅどちゅどちゅどちゅどちゅどちゅどちゅどちゅどちゅどちゅどちゅどちゅどちゅどちゅ
熱烈な
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「あぁ、本当にきれい」
うっとりと
「あなたがその目に惚けるから、無限の情報の解析に手間取ったではありませんか」
「まぁまぁ、いいじゃありませんか。二つの霊基による同時並列処理をもってすれば、解析など栓無きこと」
殺生院キアラという存在は、一度はムーンセルを手中に収めた類まれなる頭脳を有する才女である。その解析力が同時空に二人存在すれば、【無量空処】から与えられる無限の情報すら処理してしまえたのだった。
「それで? マスターは何と?」
五条の遺骸から探った通信機を一瞥し、水着のキアラが尋ねる。マスターとの通話に応えた
「ただ一言。――――失敗すると」
マスター藤丸立香は、キアラが五条悟を下したことを知っても尚、毅然とした声音でそう言い残した。
その一言を聞いた水着のキアラはきょとんと目を丸めて、その後に淑やかな仕草で微笑みを隠した。
「それはそれは……あぁ、やはり彼女は」
「魅力的ですね」
二人の美女が声をそろえて、可憐に笑う。
ひとしきり笑ってから、キアラはお互いを見つめ合って、マスターが「失敗する」と断言した企みについて語り合う。
「王冠の私。
「確保しました。これで天元様の結界を打ち破れます。水着の私はこれを」
ぱくん。
「お味は如何? 大量の人魚や神獣【蜃】を喰らったあなたの感想は?」
「――――だめですねぇ。【無限】の発動はできません。少しは期待していたのですが……」
「そぅ、残念。ですがこれで薨星宮本殿への侵入が可能となりました。天元様と六眼の因果を絶った今が好機」
天元とキアラの同化。
それは唯一の人間であるキアラが、天元との同化で進化し、全ての愛を受け止める
この呪術世界、全ての知性生命体を吸い込み、取り込むことだ。
「ふふふっ、先ほどまでは、マスターに世界の移住を勧めると言っていたのに」
「えぇ、本気で思っていましたよ。漂白された元の世界から、只の呪いが渦巻く平穏なこちらへと移り住むことを。ただ――――気が変わりました」
元の世界へ戻るか。
天の孔と化した呪術世界に飛び込んで、快楽に染まりながら消滅するか。
その二択を突きつけた方が気持ちよさそうだと思ったから。
どこまでも自分の快楽の為に動く女達は、目的成就のために薨星宮本殿へと一歩踏み出し―――――
「は……」
王冠のキアラの瞳孔が揺れる。
鮮血が噴水の如く噴き出す。
柔肌を内側から引き裂き、身を左右によじって、
ソレは長大な大剣を口にくわえ、両手には黒髪の少女と青髪の少女を掴んで、
六眼を喰らい、呪力を可視化できるようになった水着のキアラが、刮目する。
(呪力がまったくない……っ⁉)
「 はじめるよ、真衣 」
天与の暴姫が、