Fate/CurseRound ―呪怨天蓋事変― 作:ビーサイド・D・アンビシャス
呪術0、映画見に行きました! もう一回見に行きたい!やばい!
ミゲルやばい! ミゲル出したい!
『あら。ようやく目を覚ましたわ、
たおやかな声音が、五条悟の目覚めを暖かく迎えた。
昏き眼孔は何も映さず、蒼き眼光が晴れやかな着物に包まれた女性を映した。
五条は深く、長く息をついて、うなじに感じる柔らかな感触に身をゆだねた。
『あらあらあら、まだ寝足りないの? ――私の膝はそんなに心地よいのかしら』
「そうだねーー、僕の実家のかっったい枕より断ッ然。なにより」
おもむろに手を持ち上げて、五条の指先が着物の女性の頬へと伸びる。
「眼福」
『あら、お上手』と微笑みながら、女性は五条の手首を掴まえた。
お触りを断られて、むしろ五条は笑った。ごとん、と持ち上げた手が落ちる。
生得領域。
五条悟の、心の中。
そこは全天内包せし
無下限呪術を付与していない、直に
(――死ぬ時は一人、って思ってたんだけどなぁ)
五条の頭上には、満点の宇宙を花見のように鑑賞する女性がいた。
彼女は五条の視線に気づいて、顔を俯かせる。
「君、何者?」
垂れた黒髪を掬い上げ、耳にかけながら……着物の女性は可笑しそうに名乗った。
まるでその【階梯】に収まってる自分を、笑うように。
「――サーヴァント:両儀式。式で良いよ」
(サーヴァントってのは、厄介な奴ばっかりだな)
五条は苦々しく口の端を持ち上げた。
「で? 一体、この僕にどんな
死に際の人間の、更に心の内に【単独顕現】した彼女は、五条の空いた眼孔に手をかざす。
そっ、と慈しむように。
その手つきに慈愛をにじませて。
「 この眼を、あげる。だから――――――人であることを、辞めてほしい 」
両儀式の手が離れた後。
眼孔には、【死の概念】を映し出す、眼が、嵌っていた。
*************
一刀両断。
縦に裂かれたキアラだったが――――血肉の断面から芽生えた【魔神柱】が再び手を取り合い、くっつく。
そうしてキアラは両断の斬撃を放った黒髪の少年へ、前蹴りを放った。
ボゥッ‼ と膨大な呪力の前蹴りが、キアラの足裏と対衝突する。
互いの前蹴りの威力で、双方空中ではじけ飛ぶ。
黒髪の少年は大気と重力の法則に為されるがまま、もみくちゃに落ちていくが――――ふっと差し出された掌の上に足を着いた。
【ごメんなサァい……はなし、チャったぁ】
「ぅうんリカちゃんは悪くないよ。僕の方こそごめんね」
呪霊のようなおどろおどろしい声で、少女のようなしおらしい言葉を紡ぐ、異形の怨霊を黒髪の少年は慰めるように撫でる。
顔のない無貌でも伝わる安らぎの心を発しながら、怨霊は少年を地に降ろす。
降り立った少年は『生かさず』の決意を宿した、生気のない瞳で刀を正眼に構える。
きりきりと、ぎりぎりと、丹田から迸る呪力を、浸らせるように刀身に込めていく。
ふつふつふつふつと、加速する殺意の思考が脳髄でうずまく。
(脳を切ったのに再生した反転術式の治癒じゃないもっと細切れにする? いやそんな隙もうくれない呪骸のような核で動いてるのかなそこを突いていくか戦法も対呪詛師じゃなく対呪霊を想定して………………ッ)
「 ついてきて、リカちゃん 」
眼光が、残光と化す。
踏みしめた第一歩がクレーターの如き大穴を穿つ。
少年の、ただ呪力で強化したダッシュが、大地に縦線のクレーターを刻んでいく。
はじけ飛んだキアラの行方は、高専内の森林。
互いの拮抗した蹴りの威力が敵に遠大な間合いを確保させてしまった。
潰す、速度で潰す。
駆ける大破の一歩。ダンプカーのタックル、恐竜の踏みつけに匹敵する、質量弾の如き少年の膨大な呪力が空間を塗り潰していく。
その塗り潰した空間を―――――地中から湧現した【魔神】の槍が切り裂いた。
「……」
ゴッッッン‼‼‼‼ と更に加速する少年。
頭上の虚空から、足元の地中から、横合いの樹中から、突き生え貫く魔神柱の槍をよけようともせず、突っ込む。
五条悟を屠った【魔神】の槍が、少年の肌を破き、血潮を、臓物をこぼす――――前に。
【AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA‼‼‼‼‼】
怨霊の極大手腕が、【魔神】の悉くを薙ぎ折る。
倒れ伏す樹木、舞い散る土砂、千切れる魔神。そんな破壊の奔流の只中、少年は小さく……飛んだ。
中空で構えを取り、刀を上段に振り上げて……………走り飛びながら、斬撃を放つ。
浸され、大々量の呪力を含んだ刀が―――――百万分の一の大華を咲かせた。
その斬華、月の牙の如く天を
極黒の斬撃が一直線に奔り、森を吞み込みながら、人類悪をも嚥下せんとして。
「 不快 」
節操なく女体に食らいつく男の頬を打つように、斬撃の横面を叩き落とした。
黒閃と平手の衝撃が、キアラと少年の間にあった遮蔽物すべてを取り除いた。
間合いは目視圏内。
端と端で少年と美女はようやく正面から相対す。
「……なんでしょうね。理由は定かではありませんがあなた方は見ていて――――非常に腹が立つ」
「奇遇ですね。僕もです」
乙骨は虚空に手を伸ばすと、リカが何かを察したように腹からずらりと呪具を引きずり出し、手渡す。
それは【蛇の目と牙】が刻印された、拡声器だった。
「 死ね 」
瞬間、水風船のように腹部が膨張し、加圧でキアラの眼球がはみ出す。
そうして、乙骨とリカは人類悪の返り血を真正面から浴びた。
この二次創作も年を越してしまいました。
更新滞って申し訳ありません。渋谷事変書きたい早く。
でもプロットにはない展開が今できてて個人的に面白いですライブ感でやってるというか。
今後とも末永くお付き合いください。