─復活─
バリバリバリバリーーー!!!!
「ぬ……っ!あれはっ…!!?」
ヒュルトの最後の攻撃に備え、これまで黙していたブロキーナが驚愕の表情で思わず声を上げると、その視線の先には天を突く様なその異様な形に変形した角が漆黒の稲妻を纏っていた。
「その巨大な二本の角がお主の暗黒エネルギーの原動力というワケかのう……」
ブロキーナのその言葉通り二本の角の黒い稲妻のエネルギーが迸る度に、ヒュルトがブロキーナに向けて照準を合わせている暗黒エネルギーの塊にその力が注がれていた。
「グフフフフ……その通りだ。先刻も言った通り我が力は三つの暗黒エネルギーによって構成されている。暗黒魔力をベースに暗黒闘気を注ぎ練り込み、更に黒眼の力を加える……黒眼巨竜と呼ばれる俺自身が誇るこの角こそ、その暗黒の力を生成し生み出す源泉というワケだ……」
ヒュルトは自身の暗黒エネルギーの源を開示した。
「己が力の秘密をそうして口にするという事は、やはりワシを確実に葬り去る自信の現れか……」
「これも先刻述べた通りよ……これまでの技とはまさに次元が違うからな……まともに喰らえばメドゥルザ様とて無事では済むまい……」
「………」
「グハハハーーー!!!恐ろしくて声も出せんか!!!!」
しかし、ブロキーナは静かに全闘気を集中させて完全防御の体勢に入る。
「貴様……あくまで逃げずに耐え切るというのか?……覚悟は認めるが……オレは……オレのこの最後の技は、確実にお前の全てを跡形もなく破壊するぞ……」
「お主の破壊の信念とワシ等の命を繋ぐ絆の信念。どちらが勝つか勝負じゃ!!!!」
「いいだろう……ならば存分にその身で味わうがいい!!!真の暗黒の力による破壊と絶望をなぁーーーーー!!!!」
キュイィィィーーーーーン
ヒュルトの蓄えていた暗黒エネルギーが最大にして最後の集約を迎える。そして、大気との摩擦から生じる甲高い音がこの異次元の世界に響き渡る。
「これで終わりだぁぁぁーーーー!!!!
永劫の闇の彼方に砕け散れぇぇぇぇーーーーー!!!!!」
ドオォォォーーーーン!!!!!
ヒュルトは、これまでを遥かに超える全暗黒エネルギーが凝縮した塊を巨大な球状に変形させ凄まじい勢いでブロキーナ目掛けて放った。
「ヌオォォォォーーーーーーーー!!!!!」
バアァァァァーーーーン!!!!
ブロキーナは蓄えていた全身全霊の最後の闘気を両の手に集中させながら、その手でヒュルトの暗黒エネルギー弾を受け止めた。
「グハハハハ!!!よくぞ受け止めたな!!だが、俺のこの角から無限に注がれる暗黒エネルギーがある限りそんな防御に意味はない!!!!この暗黒の異次元の藻屑となるのは時間の問題だ!!!グハハハハハーーーーーーーー!!!!」
「くっ……!!
ぐぐっ……!!!?」
ブロキーナの両手は集中させた闘気によって守られているとはいえ確実にダメージは受けていた。
「負けるワケには……いかんのじゃ……絶対に……終わるワケには……いかんのじゃ!!!!」
「馬鹿めっ……!!!!受け止めただけでズタボロになったそんな手で何が出来る!!!!」
「フ……フフ……」
しかし、ブロキーナはヒュルトに詰られても一切構わないと言わんばかりに不敵な笑みを溢す。
「な、何がおかしい!!!!この絶望的な状況にとうとう気が触れたか……っ!!!!?」
「確かに、そうかも知れんな……」
「なんだとっ……!!!?」
「お主の言うとおり、ワシは……いやワシ達は今……絶望的な状況じゃ……しかしのう……ぐぐっ……!!」
「グフフフフ……虚勢を張るな!!受け止めている力が弱まっているぞ?」
すると、ブロキーナの左腕にある鬼眼の腕輪にヒビが入る。
「ホホ……腕輪も壊れたか……じゃが……何故か……何故か……ワシには感じるのじゃよ……」
「貴様……本当に気が……!!?」
「閃光の様な希望をな……」
すると、その時ある存在の声が響いた。
「その通りだ…
ブロキーナ殿!!!!」
「なっ……貴様っ!!!!?」
その瞬間、ブロキーナの傍らに白く美しい手が添えられる。そして、その手からは凄まじい鬼眼の力が溢れ、ヒュルトの暗黒エネルギー弾を食い止める。
「カ……カイア殿っ……!!!?」
カイアはルーラでブロキーナの危機に寸でのところで駆け付けて来た。
「遅くなってすまなかったブロキーナ殿!!しかし、よくぞここまで持ちこたえてくれたっ!!さすが拳聖ブロキーナ殿だ!!!!」
そう言うカイアの瞳には、先刻までの悲しみや憂いは消え、光輝く希望が満ち溢れていた。
「カイア殿……乗り越えられたのじゃな……」
「ああ……だが、乗り越えて来たのは私だけではないぞ……ブロキーナ殿」
「…………?」
すると、カイアは視線の先を上空に向ける。
そして、ブロキーナもそれに習い上空を見上げると、激しく輝く閃光がその目に飛び込んできた。そして、弓矢を引くような姿勢でその閃光を蓄え構える見知った大魔道士のその姿をも捉えていた。
「マ、マトリフ……殿……」
「なんだとっ!!!!!」
ヒュルトはブロキーナのその言葉に驚愕する。
そして……
「ワリィな……心配掛けた……だがこれで終わりだ……この長かった戦いもな……!!!」
「きっ……貴様なぜ……っ!!!?」
「へっ!!さぁなっ!!!!」
マトリフはそう不敵に笑って、両の手に蓄えたその最強の魔法力を全開に高める。
「くらえっ!!!!
メドローアーーーーーーーーー!!!!!!」
マトリフは自身の最強呪文の一つである渾身のメドローアをヒュルトに向けて放った。そして、それは死の淵から蘇ったマトリフがその魂に込めた希望の閃光であった。
復活です。劇的な復活としたかったのですが、どうですしょうか?伝わってますか?マトリフの死と復活をこの物語で入れたのはマトリフ自身の強さとブロキーナ自身の強さを改めて見せつけたかったというのがあります。ダイの大冒険のキャラクターの中でも特別大好きな二人なので、やはりなんとしても、この最強おじいちゃんコンビには、活躍の舞台を用意したかったのです✌(笑)
あ、お話はちょっと短くてスイマセン^^;