二人の関係/借り物競争
☆二人の関係
「こちらレヴィ6、ターゲットを確認。レヴィ9と共に尾行に入ります」
暁君の声に了解、と室長から返事がある。
場所はとある商業施設。今は能力を使った犯罪容疑者の従業員を追っている。
暁君から差し出された手をしっかりと握る。今はお仕事中だけどこんな商業施設でコソコソしていたらそれこそ怪しまれてしまうので、わたしたちは目立たないように仕方なく恋人のふりをして歩く。ふりといっても実際に恋人なわけだが。
わたしと暁君の関係は難しい。関係が悪いというわけではなくいろいろな関係が二人の間に乗っかっている。血のつながっていない兄妹で、ちょっと前からは恋人で、そしてもう一つ。
ターゲットが関係者専用の扉から店内部へ入る。さすがに私服姿で追いかけるわけにはいかないから、暁君が自然な動きで物陰に隠れ上着を脱いで中に着ていた制服のステルス機能をONにする。
「従業員エリアのマップも押さえてある。サポートは任せてよ」
「ああ、頼むぞ〝相棒〟!」
二人で挑むのなら、彼が必要としてくれるのなら、もう他には何もいらない。
☆借り物競争
パン!と破裂音がする。今日は俺達の通う中学校の体育祭で、今は二年生の借り物競争を行っている。そして今しがた始まった組には七海が出場していた。
あまり速くはない足で一生懸命お題箱まで走り、お題を引く。そして一瞬固まる。と思ったらギュン、とこっちを睨みつけながら走ってくる。お題は何だろうか。学校だし「ペン」とか「消しゴム」とか、もしくはすぐに見つかりそうな「眼鏡」とか?ちょっと難しく「お守り」とかも可能性としてはあるか。
「暁君、ちょっと来て!」
まさかのご指名だった。「家族」…だとご父兄が来られない子が無理だし、「男子生徒」や「先輩」あたりだろうか。
もの選びで時間のかからなかった七海は割といい順位でゴールし、係の三年生にお題を見せる。あ、この係俺のクラスの女子だ。
「うーん?…うん!オッケー、ゴール!」
係からお題合格の判定がでて無事にゴールできた。七海も喜ぶかと思ったらうつむいて顔をあげない。なんか首元まで赤いし、この程度の距離でそんなに体温上がるものか?あと、係の女子が俺たちのことをニヤニヤ見ているのが気になる。
「それで、お題は何だったんだ?」
「なんでもいいでしょ!ってうわ、なんで暁君眼鏡かけてるの?じゃらじゃらうるさいと思ったらいっぱいペン持ってるし。今日要らないでしょ?お守りまである…」
☆二人の関係
やなや記念すべき初投稿作品!
これに関しては緊張しすぎて記憶がない。
☆借り物競争
二人の中学校時代のお話です。
もうすでにシスコンとしてのレベルの高さが窺える…。
お題は七海ちゃんと係の女子しか知らないので想像が膨らみます。
あと、多分お父さんは校庭のどこかで暁よりガチ武装して待ち構えてそう…。