ヒロインとの1ページSS   作:やなや

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にゃーにゃーにゃー/予約

☆にゃーにゃーにゃー

 にゃーん、と下校中の俺たちの前を猫が通りがかる。

「あ猫。チッチッチッチ…」

 と椎葉さんが猫を呼ぶ。そして見事に首元をゴロゴロすることに成功していた。

「すごいな……。猫、好きなの?」

「うん好きー。かわいいよね、癒される」

 声こそ穏やかだか、手の動きがすごい。右手と左手で同時に違う箇所を撫でまくる。

「家で飼ってみたい気もするけどウチにはアカギがいるからね、ちょっと難しいんだよね。そうだ、保科君も撫でてみなよ。人懐っこい子だよ」

 と言ってくれたのでせっかくだから撫でさせてもらう。と、思ったが俺がほんの少し首元に触っただけでタッと走り逃げ出してしまった。

「残念だったね…。保科君は猫、好き?」

「特別好きなわけでもないけど今のはちょっとショックかも」

 そっか、と椎葉さんが考え込む。どうしたのかと待つと、じゃあさ…、と両手を軽く握り、右手を頭の横へ左手を胸の前へ構えて、

「にゃ、にゃーん、元気出して、にゃーん……」

 ……と。猫ポーズで慰めてくれた。一瞬呆気に取られてしまった。そしてそのかわいらしい格好を顔を真っ赤にしながら真面目にやっていることに耐え切れず噴き出してしまう。

「な! ちょっと励まそうとふざけただけなのにそんな笑わなくても!」

 

 

 

 

 

☆予約

「どうしたの? それ」

 紬が紅く輝く宝石を模したおもちゃの指輪を、じっと見つめている。

「職員室に用があって、そのときに久島先生にもらった……というか押し付けられたんだ。正直もらっても仕方ないんだけど、アカギが好きだし持って帰ろうかなって」

「なんでまたそんなの持ってたんだあの人……」

 ねー。と軽く返事が返る。

「そういえば知ってる? 指輪って左手の薬指以外にも意味があるんだよ」

 顔をあげて紬が問いかけてくる。

「確か、そこの本棚に……、あっ!」

 椅子から身をよじった弾みで指輪を落としたようで、コツっと軽い音が聞こえる。彼女は慌てて拾おうとするが、その前に声をかける。

「座ったままでいいよ、こっちに転がってきたから。……うん、そのまま座ってて」

 オレは指輪を拾い上げ、机をまわって紬の目の前に立ち、そしてひざまずく。

「紬、手をこっちに。右手がいいかな」

 キョトンとしたまま手を差し出してくる。オレだってこの部室には紬より前からいるんだ。その本だって知っている。右手の薬指に込められた意味——。

「今はここで。次の時には反対側に本物をプレゼントするから」

 そう言って彼女の白くて細い指に、恋人の証をはめ込んだ。




☆にゃーにゃーにゃー
2月22日猫の日に投稿したものです。
猫ポーズとる女の子可愛いよね、てお話。
紬に目の前でにゃーんなんてされたら速攻で抱きしめて撫でまわしちゃう。
なんてことを家猫にするから私はお猫様に若干警戒されてしまっています……。
ちなみに時系列は苗字呼びからお察しの通り付き合う前想定。
これをTwitterに投稿する際に、「どうせなら22時22分に投稿したろ」思て5分前くらいから待機していたのはいい思い出。
その時はまだ予約投稿なるものを知らなかった……。

☆予約
お題「おもちゃの指輪を右手の薬指にプレゼントするシチュ」
頂いたお題で書きました。
お題の通り、右手の薬指に指輪をはめ込むお話。
いいね! 指輪のプレゼント!
右手の薬指は諸説あるようですが、今回は「私には恋人がいますよ」をアピールするもの。
それをわかって紬につける柊史の独占欲とかが伝わればいいな、なんて。
あ互いに好かれている、愛されている、という自信はあってもそれでも独占欲が湧き出ちゃう系のカップルが好きです。
ちなみにアカギが指輪を好きというのは、カラスって光物好きだよね程度の浅い考え。

今回投稿した今日の日付は4月18日。
椎葉(418)紬の日です。
紬! 可愛いよ! 最高だよ!
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