ヒロインとの1ページSS   作:やなや

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甘えたい気分/ご挨拶

☆甘えたい気分

 すごく疲れた。今すぐに泥のように眠りたい。

 なんて顔をしていたら絶対に紬に心配をかけるから気をつけないと。

 そう考えながら玄関を開ける。

「おかえりなさい柊史くん、今日も一日お疲れ様。ご飯にする? お風呂にする? そ・れ・と・も……」

 ——ガバっと。

 だめだった。紬の顔を見た瞬間、直前の決意など忘れて胸に飛び込んでしまった。

 そんなオレを紬は優しく労ってくれる。

「本当にお疲れ様。もうすぐご飯できるからお風呂はいってきちゃって? お風呂から上がってくる頃にはちょうど出来上がると思うから。今日の晩御飯は柊史くんの好きなものだよ、なんだと思う?」

「紬」

 紬の問いかけにオレはノータイムで答える。

「え? もー、ご飯だってば」

「紬」

「聞いてるの?」

「つむぎつむぎつむぎつむぎつむぎつむぎつむぎつむぎつむぎつむぎつむぎつむぎつむぎつむぎつむぎつむぎつむぎつむぎつむぎつむぎ……」

 オレは壊れたように彼女の名を呼びながら彼女の胸に顔を沈める。

「……はぁ。仕方ないんだから。ちょっとの間だけだよ?」

 と紬はオレのしたいままにさせ、そっと頭を撫でてくれる。

 俺たちの間にまだ子どもはいないけど、彼女の母性は既にとどまることを知らかった。

 

 

 

 

 

 

☆ご挨拶

 良く晴れた空の下を二人で歩く。

 なんて言うとまるで海岸沿いでも散歩しているように聞こえるが、ここはなんてことはないただの街路である。

「本当に着いてくるの?」

「着いてくるも何も、ワタシが連れ行って、って言い出したことでしょ?」

「別に楽しいことはないと思うよ」

「楽しいことだとは思ってないけど。それでも、ご挨拶はしたいからね」

「そこまで気にしなくてもいいのに」

「こう言っていいのかわからないけど、せっかくの機会だからね。さすがにお盆とかに着いてきちゃうと本当に邪魔になっちゃうから。だから今日はちゃんと〝未来のお嫁さん〟って紹介してよね」

「わかってるよ。ちゃんと紹介する。……っと着いた。先にここで花買って行かないと」

「なにを買うかは決まってるの?」

 目的地への道すがら、立ち寄った花屋で品定めをするオレに、紬は優しく問いかける。

 紬だってわかっている。こんな日に買う花はそれしかないのだと。

「仏花として何が正しいのか、オレはよく知らないけどね。でも、今日ならこれしかないよね」

 オレは、陳列されている中からなるべく鮮やかなものを選び、店員に声をかける。

 ――一束のカーネーションを大事に抱えながら。




☆甘えたい気分
もうほんと疲れた時ってひたすらに甘えたくなる時ってあるよね? てお話。
この話は本当に私自身がくたくたで帰ってきたときに飯も風呂も投げ捨てて20分くらいで書き上げてそのまま投稿したやつ。
一家に一人大天使紬エルいたらいいな……。
ちなみに「おかえりなさい、ご飯にする? お風呂にする? それとも……」の定番のシチュは大好きです。大好物です。


☆ご挨拶
母の日にお母さんにご挨拶しに行こう、てお話。
母の日何か書きたいなー、誰書こうかな、やっぱり大聖母紬ママかな、でこうなりましした。
いやもう私自身がカーネーション渡すくらいしかこのイベント知らないからどうしよって思いました。
悩みに悩んで3パターンくらい書いたけど投稿したのはこちらのお話。
もっとこうシチュエーションはある気がするけど思いつかないので来年に期待。

ちなみに本日母の日更新でしたが「ヒロインとの裏話」の方も同時更新しているのでそちらも是非!
紬です!
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