ヒロインとの1ページSS   作:やなや

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帰省中のとある一日LEVEL1,2,3

☆帰省中のとある一日LEVEL1

 俺の名は在原隆之介。国の非公開諜報機関『情報局特別班』の室長だ。

 そんな俺には愛する息子と娘がいる。二人とも学院の寮に入っているため普段は会えない(仕事柄通信はよくする)が、今は夏休みのため昨日から二人が帰ってきている。

 そのことが嬉しくて今朝の寝覚めは素晴らしく、俺は早速リビングに向かった。

 リビングから声が聞こえてくる。七海ちゃんがお父さんのために朝ご飯を用意しているのかな、休日の暁にしては起きるのが早いな、なんて考えながら扉に手をかける。

 

「お父さんの買ってきたケーキおいしいね」

「うまいけど買い過ぎなんだよ。一晩で食べきれない量の料理を買ってくるなよな」

「悪くならないうちに全部食べちゃわないとね」

「だな。親父が起きてくるのはもっと遅いだろうし、暑さに弱いものは先に片付けよう」

「あ、暁君。クリームついてるよ。ほら」

「七海もついてるぞ。口のところ。」

「え? ……とってほしいな、お兄ちゃん」

 七海ちゃんがいたずらを思いついたように微笑み、目を閉じる。

 暁は妹がなにをさせたいのか悟ったように、顎に手を添えて静かに狙いを定める。

 

 そして、ゆっくりと二人の距離が近づいて……。

 

「待て待て! 付き合うことは聞いたが、俺の目の前でイチャつくのは許してないぞ!」

 

 久しぶりの家族水入らず。しかし今夏はいつもと一味違くなる予感がしてきた。

 

 

 

 

 

☆帰省中のとある一日LEVEL2

 毎日ここで過ごしていたのに、少し離れていただけでずいぶん懐かしく感じるものだ。

 そんなことを考えながら柔らかいソファに腰を掛ける。

 色も形も座って見える景色も、何も変わらないはずなのに。

 唯一、俺の隣に座る存在との関係だけは変わったが。

 

「お兄ちゃん。はい、あーん」

「あーん」

 

 七海に差し出されたものを確認もしないで口に入れる。ん、ピノだ。

 

「甘くて冷たくてうまい」

「ふふ。はい、もっとどうぞ。あーん」

 

 七海は微笑みながら次々と俺の口にピノを放り込んでくる。

 2個3個4個5個6個……。

 

「……あ。全部あげちゃった。わたしも食べたかったのに」

 

 落ち込む姿を見た俺は、手でクイクイと呼びよせる。そして。

 

「ん、……ん。チュ……。——ぷはっ」

 

 俺の口の中に残っていた最後のピノを七海の口に押し込み、そのまま二人で味わった。

 

「ん。甘くてうまいな」

「甘くておいしいけど、熱くなってきちゃったよ……。——ん」

 

 蕩けたチョコレートアイスの余韻を感じながら、それとは違う甘さを求め始める。

 

 

 

 

 

☆帰省中のとある一日LEVEL3

 静かな部屋の中で布が擦れる音と微かに荒い息遣いが漏れ聞こえる。

 

「ん……んむっ……んっ、んん……。……お兄ちゃん、がっつきすぎだよ」

「……仕方ないだろ。こっちに帰ってきてからずっと我慢してたんだから」

 

 ここはわたしの部屋。位置的にお兄ちゃんの部屋よりお父さんの部屋から遠い、けど。

 

「あんまり物音立てるとお父さんの部屋まで届いちゃうかもよ。バレちゃうよ」

「大丈夫だって。声を出さなきゃいいんだろ? 俺のことよりも七海は平気なのか?」

「わたしだって平気だもん。わたしのことよりも、お兄ちゃんの方が心配だな。ここ、こんなに膨らんでるよ?」

 

 わたしはズボンの上からお兄ちゃんのを優しく撫でる。

 お兄ちゃんは反撃するかのようにわたしの胸を直に鷲掴みにする。

 

「生意気な妹だ。そんなこと言ってられるのも今のうちだぞ」

「っん……お兄ちゃんこそ。余裕ぶってられるのは今のうちだけなんだから」

 

 啖呵を切りあうと、どちらともなく顔を近づける。もちろん手はそのままで。

 

「ちゅぅ……んんっ、んじゅる、ちゅっちゅっちゅ……んんーーー……っ」

 

 きっと、こんなところでこんな勝負を始めてしまった時点で、お互いに勝ち目などなかったのだ。

 次第に来ていた服も、場所も、秘する理由も。全部全部忘れて。

 わたしたちはただ互いの熱さに溺れていくのだった。




☆帰省中のとある一日LEVEL1,2,3
 夏休みに実家に帰省して……なお話。
 レベルと共に兄妹のイチャイチャ度が上がります。
 夏休み期間中にまとめることができてよかった。
 まあこっちに投稿するのは9月になってしまっているのでそれも微妙ですけど。
 とりあえず在原家のとある日をピックアップしてみました。
 というと誤解を生みやすいですけど全日別日の想定ですよ。
 あまり細かいことは考えずに乗り切りましたが結果的に父、兄、妹のそれぞれ視点で書けておさまりが良かったと思います。
 初期案では全部お父さん視点だったんですがあまりにあんまりだろうと却下いたしました。
 無垢な時代を過ごした場所でひとつ成長した姿を見ると感慨深いものがありますよね。
 もしくは背徳感か。
 なんにせよ在原家には〝家族〟としてずっと幸せに暮らしていてほしいですね。
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