ヒロインとの1ページSS   作:やなや

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七海インポスター/七海インジェクション

☆七海インポスター

 いかなる困難でも七海と一緒なら乗り越えられる。言葉なんてなくても互いに通じ合っている自信がある。そんな油断が俺にはあったのかもしれない。

 だから……。

 

「わたしのこと信じてくれてありがとう。でも、ごめんね。……バイバイお兄ちゃん」

 

 

 

「勝った! やったね千咲ちゃん!」

「うん! ナイスキル七海ちゃん! さすが先輩をキルするのうまいね」

「あー……暁君ずっとわたしの後ろついてくるからね。だからわたしがクルーの時は心強いんだけど、インポスターの時には『お兄ちゃんどいて! その子殺せない!』って感じで……ちょっと困る。暁君をキルする分には隙だらけで簡単なんだけど」

「うおぅ。さすが『『『シスコン』』』」

 

 イヤホン越しに壬生さんの声と他のみんなの声がピンポイントで重なる。……おい。

 

「いやいや。クルーの団体行動は基本だろう。そこにシスコンは関係ない」

「いやいや。ゲームの中でさえつきまとうのはシスコン以外何物でもないからね?」

「いいだろう。そこまで言うなら次のゲームで証明しようじゃないか」

 

 そう宣言すると俺はマイクをミュートにした。それに続いてみんなもミュート表示になり次のゲームに備え始める。

 

「……どこでもわたしのことを守ってくれるのは嬉しくは思ってるんだよ?」

 

 イヤホンを介さない唯一のその声はイヤホン越しよりも少しくぐもって聞こえた。 

 

 

 

 

 

☆七海インジェクション

「うう……お兄ちゃん……いやだよ、お兄ちゃん」

 

 七海が俺の腕にがっしりしがみついて離さない。

 家に帰って服を脱いだら絶対赤く痕になってると思う。

 

「嫌だ嫌だって言っても仕方ないだろ。お前今年受験生なんだから病気になったら大変だぞ。予防接種くらい大人しく受けてこい」

「だっていやなものはいやなんだもん。うう、おに……おに……」

「おいそこで止めるな。涙目の妹を引きずり歩いてる俺が〝鬼〟みたいじゃないか」

「……こんなに泣いてる妹をなぐさめてくれない兄なんて鬼と変わらないもん」

「そうかい。俺も来週受けるから立場は変わらないんだけどなぁ。……ところでここに親父からもらったご褒美用の軍資金があるんだが……」

「帰りにプリン買って行こう! あとクッキーとチョコレートも!」

「へいへい。ちゃんと注射頑張れたらな」

「あああああ……一瞬だけ忘れられたのに……。お兄ちゃん診療室の中までついてきてくれる? 手繋いでてくれる?」

「……別にいいけど、それ七海は恥ずかしくないのか? 来年から高校生だろ?」

「だってだって、注射怖いんだもん……。お願いお兄ちゃん!」

 

 手を繋ぐくらいは構わないが……これだけ横で怖がられると来週俺も受けるのが嫌になってくる。兄の意地にかけて妹の前で半べそなんてかけないのが辛いところである。




⭐︎七海インポスター
「お兄ちゃんどいて! そいつ殺せない!」てお話。
実は七海ちゃんが言った言葉じゃない個人的に第一位。
これ特班2人でインポスターやってクルー壊滅させて欲しいですね。
周りにもちゃんとシスコン認定受けてるのがポイント高い。
今回、わざと文章にしないで表現しないことで綺麗に見せる……的なテクニックをしてみたんですけどうまく行ってるのか微妙ですね。
まだまだ精進あるのみ。

⭐︎七海インジェクション
注射嫌だよ怖いよ、てお話。
最近の注射は痛みは抑えられてるけど怖いもんは怖いですよね。
タイトルはヒロインの名前の後ろに英語くっつけとけばそれっぽくなるというのは化物語とかデートアライブで学びました。
なんとこのお話もちあぽろさん(Twitter ID:@aporo_mochi12)にイラスト化していただきました!
七海ちゃんが素晴らしく可愛らしく描かれていますのでぜひご覧ください!
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