☆ご挨拶
良く晴れた空の下を二人で歩く。なんて言うとまるで海岸沿いでも散歩しているように聞こえるが、ここはなんてことはないただの街路である。
「……本当に着いてくるの?」
「着いてくるも何も、ワタシが連れ行って、って言い出したことでしょ?」
「別に楽しいことはないと思うよ」
「楽しいことだとは思ってないけど。それでも、ご挨拶はしたいからね」
「そこまで気にしなくてもいいのに」
「こう言っていいのかわからないけど、せっかくの機会だからね。さすがにお盆とかに着いてきちゃうと本当に邪魔になっちゃうから。だから今日はちゃんと〝未来のお嫁さん〟って紹介してよね」
「わかってるよ。ちゃんと紹介する。……っと着いた。先にここで花買って行かないと」
「なにを買うかは決まってるの?」
目的地への道すがら、立ち寄った花屋で品定めをするオレに、紬は優しく問いかける。
紬だってわかっている。こんな日に買う花はそれしかないのだと。
「仏花として何が正しいのか、オレはよく知らないけどね。でも、今日ならこれしかないよね」
オレは、陳列されている中からなるべく鮮やかなものを選び、店員に声をかける。
—— 一束のカーネーションを大事に抱えながら。
☆五月病特効薬
新しい生活にも慣れ、緊張や不安が遠のき気持ち的にだれてしまう恐ろしい病。
——その名も『五月病』。
この四月から勤め始めた会社ではそれはもう精一杯働いていた。
しかし、初の長期連休を味わった今、やる気に再ブーストをかけるのが難しい。
「あー、会社行きたくねー。働きたくねー。学生時代に戻りたいー」
わずか二か月前までのことがやたらと遠くに感じる。
こんなこと、せっかくの休日に紬に愚痴ってもどうにもならないが甘えてしまう。
「それなら、頑張った分だけご褒美上げるから。そしたらやる気でる?」
「……でる。すごくでる。紬さん、具体的にご褒美とはどのような……?」
「なんでもいいよ。ちゃんと頑張ったなら柊史くんが望むことなんでもしてあげる」
「なんでも。……ちなみに、明後日からの仕事のためにご褒美前払いは可能ですか?」
「はぁ、仕方ないね。わかった、なにしてほしいの? ちなみにひとつだけです」
「ぐ、ひとつか。ちょっと待って。厳選するから」
「……それとさ。ワタシにももちろんあるんだよね? 頑張ったご褒美」
紬が上目遣いでそう尋ねてくる。その仕種だけでも可愛くて、もはやご褒美レベル。
「も、もちろん。オレにできることならなんだって。というか紬に甘えられるとか普通にご褒美……。当然ながら明後日からのための前払いもアリです」
「やった。なにしてもらおうかな。それじゃあまずは手始めに——」
☆ご挨拶
母の日にご挨拶する、てお話。
ちゃんと母の日に合わせて投稿したものですよ。
なんでこっちに載せるのが今頃になったのかわからないですけど。
とにもかくにも親へのご挨拶って定番ネタの一つですよね。
このキャラだったらどんな挨拶するかな、やっぱテンパるかな、と考えるのもなかなか楽しかったり。
ちなみにこのお話、後日談というかお墓参りの後話として「母親」という短編を「ヒロインとの裏話」の方に載せてありますのでそちらも是非。
☆五月病特効薬
なーんもやる気でないわー、てお話。
あの病気、普通に五月以外にもかかるから厄介ですよね。
今回、ここに投稿するための作業していて気が付いたんですが、最近紬で何も書いてねぇ!
びっくりするほど書いてないんですよね。
基本紬では甘々癒されな感じのお話を書きたいんですが、うまくいかないなー、と。
まあまたぼちぼち書いていきたいなとは思っていますので楽しみにしてくれる、という天使みたいな方はそっと応援していてください。