ヒロインとの1ページSS   作:やなや

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妹空間/デートが始まるタイミング

☆妹空間

 状況を整理しよう。今この場には壁も床もなく、ただただ空間が広がっている。

 足で床を踏んでいる感覚はあるけど床はない。どれだけ目を凝らそうともこの空間の境界は見えやしない。

 え? 何これ? どういう状況?

 というかなんで七海は我が物顔で仁王立ちしてるの?

 ちなみにその肩には『本日の主役』と書かれたタスキが掛かっていた。

 それもやけに豪華で七海の趣味に合っているものだからもしかして手作りだったりするのだろうか。

 

「さて、お兄ちゃん」

 

 七海が問いかけてくる。

 

「妹の仕事は兄のお世話をすることです。では、兄の仕事は?」

「いやそれは仕事ではないと思うが……。えぇ……妹を守ること、とか?」

「惜しい! 満点!」

「惜しいのに満点なのか……」

「兄の仕事はそれにプラスして妹を甘やかすことです。それはもう盛大に。というわけでお兄ちゃん、椅子になって」

「は? それ妹じゃなくて女王様だろ」

「何言ってるの? 早く座って? ほら早く。そう、それで膝広げて」

 

 七海に促されて胡坐で座る。七海はその上にきれいに収まると指をパッチンと——。

 ——七海の好きなクッキーが出てきた。なんでもありかこの空間。

 

「お兄ちゃーん。食べさせてー? あーん」

 

 まあ、七海が嬉しそうだから何でもいいか。

 

 

 

 

 

☆デートが始めるタイミング

「お待たせお兄ちゃん、待った?」

「いいや。俺も今来たところだ。……なんだその顔」

「驚いた。20分も前なのにもういるなんて。絶対ギリギリか遅れて来ると思ってた」

「わざわざ待ち合わせデートをしたいと言われたからな。俺をなんだと思っているんだ」

「毎朝妹に起こされて、それでも起きられなかったお兄ちゃん?」

「返す言葉もございません」

「でもそっかぁ。お兄ちゃんは〝恋人〟のためならちゃんとできるんだね。〝妹〟じゃ苦労したのになぁ」

「……悪かった。反省してるからあまりいじめないでくれ」

「どーしよっかなー。そういえばあそこのお店で新作スイーツが出たらしいなー」

「オーケー、わかった。それで手を打とう。……打たせてくれ」

「仕方ないなー。それで許してあげようかな」

「助かる。それで? 念願の待ち合わせはどうだった?」

「んー。新鮮で楽しかったけど、もういいかな」

「あれ、なんで? なにか不満だったか?」

「……だって、出発から一緒の方が長くデートできるから。ほら行こお兄ちゃん!」

「急がなくたってスイーツはどこにも逃げないよ。って引っ張るなって!」

「今日はデート始まるの遅かったんだから。その分楽しい思い出いっぱい作らないと!」




☆妹空間
 兄の仕事ちゃんとわかってるよね? てお話。
 妹の日のSSです。
 妹の日、なんてすばらしい日があったのでしょうか。
 個人的に「惜しい! 満点!」のノリの良さがすごく気に入っています。
 この謎空間ですがよくある(?)○○○○しないと出られない部屋系の亜種だと思ってもらえれば多分あってます。
 要は妹を甘やかさないと出られない部屋。
 条件満たしても出ないでずっと甘やかし続ければいいと思う。

☆デートが始まるタイミング
 デートの始まり方は大切、てお話。
 たまにやってみたくなる会話文だけのSS。
 とは言っても私が書くのなんて大体が会話文メインだからいつもとの違いはそうありませんが。
 「毎朝妹に起こされて、それでも起きられなかったお兄ちゃん?」ってところが好きです。



 ここのところ投稿頻度が落ちてきてまして、毎週更新するためのストックが付きそうです……。
 もしかしたらそのうち七海ちゃん、涼音さん、紬以外のキャラもこっちに投稿するかもしれません。
 そうなったら、お話ごとにどのヒロインのお話なのか分かりやすくしないといけませんね。
 あとSSだけじゃなくて長いのもやりたい……。
 リアルがなかなかに忙しいのが悩みどころです。
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