☆特別な日には
いつものように、というほどではないものの今日も今日とてミノムシ作戦を決行する。
今回はちゃんと計画立てての行動だから、すんなり窓が開いて部屋に入れた。
「それで? 今日はどうしたんだ?」
お兄ちゃんが目を逸らしながらぶっきら棒に聞いてくる。
「いくらお兄ちゃんが鈍いからって、なんとなくはわかってるでしょ?」
そんな風に答えると「まあな」と照れくさそうに一言だけが返ってきた。
いつまでもそっぽを向いているものだからぐるっと回り込んでみるけど、お兄ちゃんは絶対に目を合わせないようにその場でクルクル回りだす。これはこれでちょっと楽しいんだけど、明日はせっかく特別な日なんだから今日はもう寝てしまわないと。
わたしはドーン! と回る勢いそのままにお兄ちゃんをベッドに押し倒す。あ、やっと目が合った。体勢的にやたらと距離が近いけど、お楽しみは今日ではない。だから。
「今日はもう寝よっか? お兄ちゃん」
日が変わったころにふと目が覚めた。お兄ちゃんは隣で静かに寝息をたてている。
特別な日には目が覚めた瞬間から会いたくて。誰よりも先にその言葉を贈りたくて。
それが今夜、わたしが訪れた理由だ。夜が明けるまではまだかかるから、わたしはもう一度目を閉じる。でも、その前に一言。本人には聞こえてないからフライングだけど。
「お誕生日おめでとう、お兄ちゃん。大好きだよ」
☆ポッキーインパクト
本日は11月11日。つまりはポッキーの日である。
だから昨日のうちにちゃーんと準備しておいたのだ。あんまり食べると太っちゃうから一箱だけ。早速今日帰ったら食べるんだ。……と思っていたのに。
「……悪い。ちなみにこれが最後の一本だったりする」
信じられない。よりによってこのタイミングで。いくらイベントごとに興味がないからって普段は食べないお菓子を今日は食べるなんて。学校から帰ってきたら無性にお腹が減っていたとは犯人の供述だ。いくら申し訳なさそうにしていたって到底許せない。
「もう咥えちゃってるけど……食べるか? なーんて」
それを聞いたわたしはお兄ちゃんが発言を撤回しないうちに反対側からポッキーをパクっと咥えた。
お兄ちゃんは冗談のつもりで言ったようで、目を見開いたままで固まっている。
それをいいことにわたしはパクパクパクパクとポッキーを食べ進んでいった。当然、顔はどんどん近づいていって、お兄ちゃんの目がどんどん大きくなっていく。そしていよいよ口同士が触れる、というタイミングで……「ふんっ!」と。
わたし渾身の頭突きがノーガードのお兄ちゃんの額に決まった。
そして目を白黒させているお兄ちゃんを置いてわたしは自室に戻る。それから……。
「……………………っ!」
枕に顔を沈め、ゼロ距離のお兄ちゃんの顔を思い出して足をバタバタさせたのだった。
☆特別な日には
特別な日には誰よりも先に……てお話。
これは私が自分の誕生日記念に書いたお話です。
なーんも思いつかないな、と書きたいけど困った困ったと言いながらノープランで書き始めたら、いきなり七海ちゃんと暁がくるくるしだして自分で笑いました。
なんだか楽しそうだからこのまま進めよう、とやって完成したら案の定オーバーしたので削りまくったのですが。
ところで七海ちゃん√、添い寝シーンがいっぱいあってとても良きです。
なんなら親友の√にお邪魔して専用BGM付きで添い寝シーンあったりするからこの妹強い。
そうそう、ツイッターでよく見る「誕生日に風船飛んだ」てやつやったんですが、人生で一番多くの人に祝ってもらいました。本当にありがとうございます。
☆ポッキーインパクト
思い出しポッキーゲームでバタバタしちゃう、てお話。
枕に顔をうずめて足をバタバタさせる表現とても好きです。
これは11月11日にポッキーの日ということで書いたお話。
私事ですが、11月11日生まれとして無視できないイベントでした。