ヒロインとの1ページSS   作:やなや

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秘密の暴走(小)/特別な一輪

☆秘密の暴走(小)

 とある日の放課後、コンコン、とオカ研部室の扉がノックされた。

 

「は、はーい。どうぞ、空いてます」

 

 そう返事をしたものの、今部室にはワタシ一人しかいない。複雑な相談事だったりしたら対応できるかな。せっかく来てくれたのだから、できるだけ力にはなりたいんだけど……。

 

「失礼します。あれ? 椎葉さんだけ?」

「あ、越路さん。うん、今はワタシだけ。もしかして戸隠先輩に何かご用?」

「うん、そう。……なんだけど、いないなら仕方ない、出直すよ。急ぎの用事でもないし」

「そうなの? 越路さんさえ良かったらここで待っててもらってもいいよ? お茶とかも淹れられるし」

「いいの? じゃあお言葉に甘えて待たせてもらおうかな。……ジー……」

「うん! お茶はなにの……む? どうかした? ワタシ何か変? いや男の子の格好してて変もなにもって感じだけど」

「椎葉さん確かに男の子の格好してるけど、しっかり女の子だなと思って。態度だったり、仕草だったりが」

「そう? えへへ、なんか嬉しいかも、なんて」

「それに隠れてるけどスタイルも結構いいよね? 着やせするタイプというか……。ちょっと学ラン脱いでみてくれる?」

「へ? え、越路さん、目が怖いよ? 越路さん? 聞こえてる? 待ってー⁉」

 

 

 

 

 

☆特別な一輪

 やばいやばい、時間に遅れる。

 あいにくの雨が降る中、本日のデートの待ち合わせは駅前だった。

 しかも厄介なことに、こんな日に限って携帯電話を家に忘れてきてしまった。

 ただでさえ約束ギリギリなのに、今から取りに戻っていたのでは確実に間に合わない。

 とにもかくにも、一刻も早く待ち合わせ場所に向かわなくては。

 ……だというのに。

 駅前の屋根のある場所には人が溢れていて、収まりきらない人たちはそれぞれの傘を広げて雨に打たれている。

 その色も大きさも実に多様で、いきなり色鮮やかな花畑の中に放り込まれた感覚……いやそんなことよりも。

 紬に限って遅れるということはないので、この中にいるはず。

 すぐ近くにいるはずなのに連絡手段がないことがもどかしい。

 ええと、確か紬のお気に入りの傘の色は……と。

 カラフルな傘の中から目的の彼女を探す。みんな傘で顔が見えないから本当に厄介だ。

 ——ふと、視界に入った。

 探していた色ではなかった。でも、絶対にそうだと思った。

 近づくと、傘が少し持ち上がって中の彼女の表情が、ぱぁっと咲いた。

 花々がそれぞれの色を競う中、オレはようやくたった一輪のオレだけの花を見つけた。




☆秘密の暴走(小)
 隠してる秘密の一端が思わず……てお話。
 これは確か越路さん√を書かれた彼の方の創作家誕生記念で書いた話のはず。
 そちらまだ未読でしたら是非読んでみてくださいね。
 ちなみに私はサノバウィッチなら、紬を抜いたら七緒さんがお気に入りです。
 気が向いた時に七緒さんのSSも投稿するので読んでね!(もう半年くらい前に書いて投稿せずに眠ってるのがあるんです……)
 紬の何気ない仕草から女の子を感じるの良いですよね。

☆特別な一輪。
 自分だけの大切な花を見つけるお話。
 有名な歌で「もともと特別なオンリーワン」ってありますけど、この場合は「今では特別なオンリーワン」って感じですかね。
 こういう、色だとかキャラごとの好みへの見解がまるでないのでいつも誤魔化します。もう少し解像度上げられるともっといいのが書ける気がするけどちょっと厳しい。

 今回、意図せずにほぼほぼ会話文の回と地の文オンリーの回がセットになりました。
 基本的に私は漫画脳なので会話文主体になりがち。
 地の文が綺麗でオシャレな感じの書き方にあこがれてたまに挑戦しては打ち砕かれます。
 まあうまくいかなくて失敗しても特にマイナスはないので気が向いた時に挑戦あるのみ。
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