━━━━最終種目トーナメント表━━━━
A B
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障 常 口 心 瀬 飯 葉 尾
子 闇 田 操 呂 田 隠 白
C D
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鉄 切 色 発 轟 峰 麗 砂
哲 島 丞 目 田 日 藤
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━━障子
最終種目は初戦からか…
緊張がないと言えば嘘になる
しかし、ヒーローを目指す以上
そんなことを気にしているのは間違っているだろう
どんな状況下であろうと
自身に出来るベストを尽くすだけ
例え相手が常闇だろうと…な
ためらいがないかと言うと嘘になる
常闇を傷付けるのは気が引ける
だが、それで手を抜くのは彼への侮辱だろう
そして彼はおそらく俺よりも格上だ
本人から離れるという意味では遠距離攻撃だろう
しかし行われるのは近接格闘戦だ
ただの遠距離型なら攻撃を掻い潜り接近して
格闘戦に持ち込むのがセオリーだろう
それを近接格闘しながら行うのは至難だ
実質2対1なのだから
常闇から聞いた話だと
その上、単なる攻撃ではダメージを受けないらしい
もっともダメージを受けないだけで当てることは出来る
なら、俺に出来る戦法としては
迫って来た“黒影”を殴って怯ませ、
その隙に常闇に接近して場外に出すことか?
…兎に角、今は腹ごしらえだな
タコ焼が確か売っていたな
好物だ、幸先がいい
飲み物は…ジンジャーエールでいいか
売り子にお金を払って購入する
もちろん大ジョッキでだ
…ん?
なんか妙にジンジャーエールが苦いな
どこのメーカーの物だ?
普通のジンジャーエールと違って甘くないのがいい
後味と喉越しもいいから
後で調べて買ってみようか
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━━幕間
観客の多さに比例して経営価の生徒達は忙しくなる
もっとも売り子として出ている者達だが
ソフトドリンクや酒類等のドリンク、
ポップコーンやホットドッグ等の軽食の販売だ
学校公認のアルバイトとも言える
雄英高校は経営科でもプルスウルトラだ
学校に申請して許可を得たら大体が出来る
1人辺りの予算は1万円だ
その予算で商品を仕入れて販売して
売上金から返済して残った金額は自分の物になるし
純利益が多ければ成績も上がるのだ
高く売れれば利益も大きくなるが
売れなければ在庫を抱えることになるし成績も落ちる
売れる商品の見定め、相場の理解が必要な実習だ
過去には競技の結果を予想した賭博
いわゆるトトカルチョを行って
(案の定問題となってその後は禁止されたが)
1日で数百万の利益を出した猛者もいたとか…
それはさておき、
経営科の生徒達はとても忙しかった
経営科の生徒達はあくまで学生でプロではない
だから些細なミスだって多いにある
おつりを間違えることもあるし、
下手をしたら計画時点で計算ミスをして
売れば売るほどに赤字になってしまうこともある
だから、オーダーミスなんて些細なミスである
「あのよォ!さっきビール頼んだんだけど
渡されたのがジンジャーエールなんだよ!」
「失礼しましたぁ!!すぐお取り替えします!!」
(おかしいなぁ…ビールは出したと思ったんだけど…)
本当に些細なミスである
間違えてビールを渡した先が学生でなければ
そしてその学生が最終種目参加者でなければ
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『さぁ!いよいよ最終種目!!
記念べき1回戦はヒーロー科A組 障子 目蔵君 VS
同じくヒーロー科A組 常闇 踏陰君よ!!』
『奇しくも第2種目で同じチームだった2人です!
協力しあっていた仲間ですがここでは敵同士!!
このシチュに萌えるのは私だけでしょうか!?』
『フフフ、私も萌えているわ!むしろ濡れ…コホン
それでは試合開始!!戦いまくりなさい!!』
ステージの上で対峙する2人
常闇は腕を組んで障子を見る
…いつも通りだ
違うのは障子の方である
障子はフラフラと揺れていた
ステージに上がるまでも足元が覚束無いように見えた
もしや具合が悪いのだろうか
「し、障子…?」
常闇が選択したのは先制攻撃ではなく問い掛け
本当に具合が悪かったならば対応せねばならない
もし、油断を誘うための演技ならば
騙された自分が未熟だっただけのこと
人に優しく自分に厳しいのが常闇という男だった
「あ~!踏陰だぁ~!!」ニパァッ
障子はニパァッと笑った
口調もおかしい、というか異常に陽気である
フラフラしながら近づいてくるが
あまりに不自然な事態に対して常闇は動けなかった
「障子よ、これはいったい…!?」
「つ~かまえたっ!!」ダキッ
「な!?は、離せ!!」バタバタッ
手を伸ばせば届きそうな距離になった時、
動いたのは障子だった
先程までのフラフラしていてゆっくりとした動きからは
想像もできない程の速度で常闇を抱き締めた
捕まれた肩や腰に軽い痛みがあるが
それは問題ではない
この状態から抜け出せないのが問題である
鯖折り、あるいはこのまま場外へ投げるのか
なんだったら頭突きや噛みつきにも警戒が必要
そう常闇が考え始めた直後、浮游感が襲った
投げられた━━わけではない
ただ“複製腕”による拘束が解かれただけだ
身長差ゆえに足が浮いていたために落下し
暴れていたためにバランスを崩しただけだ
尻餅を付いた常闇の前には仁王立ちした障子がいる
高い身長に加えて“複製腕”が皮膜ごと広げているので
横にも大きく見える
状況の変化に戸惑っていた“黒影”だが
さすがにマズイと察して障子に向かおうとするも
障子の行動のほうが速かった
そして、“黒影”は見た
障子の目が据わっていることを…
「ほら中二病は病気なんだろう?
だったらヒーローを目指す以上は救わないとな…」
「障子、やめっ」
雄英のジャージは丈夫に出来ているが
“複製腕”の握手の前では普通の布並み…
いや紙程の防御力しか持たず無惨にも破られた
「俺がしっかりと大人にしてや…ウプッ」
「……障子?」
「おろろろろろろろろろろろろろろ」
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
「フミカゲェーーー!?」
障子は出すだけ出すとイビキをかきながら寝入った
常闇は服を破られ吐瀉物まみれになっていた
“黒影”はただオロオロするだけである
『えーと、障子君戦闘不能により常闇君の勝利よ!!』
『これが第1試合で大丈夫ですかね?』
スヤスヤと眠る障子は教員の手により担架に乗せられ
念のため保健室へと運ばれていった
常闇は1人、ステージから降りる
そんな常闇に駆け寄る影が2つ
ある意味で同類である心操と黒色である
「常闇っ常闇、しっかりしろ!!」
「大丈夫か…大丈夫だよな…?
だってお前には最強の深淵たる影が…」
「馬鹿じゃないか?ゲロまみれの俺に
そんなものついてるわけないだろ…
…ああ、はやく身体洗わないと…」
「「常闇ぃーーーー!!」」
汚れつちまつた悲しみは
なにのぞむなくねがふなく
汚れつちまつた悲しみは
倦怠のうちに死を夢む
汚れつちまつた悲しみに
いたいたしくも怖気づき
汚れつちまつた悲しみに
なすところもなく日は暮れる
(中原中也 詩 汚れつちまつた悲しみに より抜粋)
※障子 目蔵の設定
寡黙な紳士…だったが豹変した
力と技で魅せる試合のハズが事件(未遂)になった
なお、本人には昼食後の記憶がない
未成年の飲酒ダメ、ゼッタイ
※常闇 踏陰の設定
いきなり抱き締められて服を破られた上に
白くて生臭いモノ(消化中のタコ焼)を
頭からぶっかけられた(嘔吐感)
よごれつまつた
※黒影の設定
よくわからない内によくわからない事が起きて
よくわからない結果になって
どうすればいいのかよくわからない
わかるのは障子、アイツ キライ
※黒色 支配の設定
常闇のふれんず1
常闇を心配して駆け付けた
許すまじ障子 目蔵
最終種目に出なくて良かったと少し安心している
※心操 人使の設定
常闇のふれんず2
常闇を心配して駆け付けた
許すまじ障子 目蔵
次は俺の番かと戦々恐々としている
※経営科の人の設定
最大の戦犯
誰にも気付かれず本人も知らないうちに
最終種目第1試合をブチ壊した
酒類は年齢確認をしてから売りましょう