僕のH☆EROアカデミア   作:紫煙隊

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その変態、まさに紳士

 

 

「またせたな」

 

 

 

パチンコ店のパを破壊したいタイプの

色丞 狂理 (しきじょう きょうり)だ!

 

今日は少し昔の話をしよう

別に存在を忘れていたとか

思いついたはいいけど時間軸的に違うから

無理矢理に回想シーンとして捩じ込もうなんて

理由ではないぞ

 

断じてないぞ

 

あれは私が2歳の頃だったな

“彼”とであったのは

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

「決してレベルの高くない我が校で落第点をとり続け留年

 加えて今回の仮免4回目も落ちた

 正直こちらも自主退学をすすめる他ない」

 

昨年、担任に言われた言葉を思い出す

……フ、フフフ大丈夫さ

私はめげない!!教科書に載るくらい偉大な男になる!!

留年がなんだ!仮免がなんだ!

名門校たる雄英では“Plus Ultra”という

モットーがあるではないか

ならばこの程度の受難に私は負けない!

私の成長の為、もっと大きな受難でもかまわないさ!!

 

ティーブレイクを終え私が喫茶店から出ると

なにやら騒ぎが起きていた

人々が指差すのは上!!

そこにはビルから落下しそうになっている作業員がいた

私の“個性”ならクッションになる!!

私は迷わなかったし、迷っている暇もなかった…

“個性”を使用して私が飛び出そうとして…

 

 

フォォォォォォォォォォォ!!!

 

 

━━━私の目の前には変態がいた

 

驚いたことにその変態は穿いていたブリーフを広げて

落下中の作業員の頭をその中に収納したのだ!!

私は理解し鳥肌がたった

あの救助方法はブリーフの伸縮性と股関の柔らかさで

ショックを吸収しようとしているのだッ!!

なんという適格な判断力なのか…

 

そして変態は地上へと降り立ち

ブリーフから作業員の頭を引っこ抜いた

作業員は落下した恐怖で気を失っているが無傷のようだ

いやあれほど完璧な救助だったのだ無傷にきまっている

 

私はフラフラとその変態、いやヒーローに近づいた

 

「私を弟子にしてください」

 

ああ魂からの叫びだったよ

そのヒーローはグッと親指をたてて

 

「ついて来たまえ少年…

 私が紳士(ジェルトル)にしてやろう!!」

 

━━━こうして私は師匠と出会い

   真なる紳士になったのだ

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

「さて少年、まずは君の名を聞こうか」

 

「はいッ!飛田 弾柔郎(とびた だんじゅうろう)と申します!!」

 

「では飛田少年、君にとってのヒーローとはなんだ?」

 

「私にとってのヒーロー…それは…」

 

「それは?」

 

「ヒーローとは!!紳士(ジェントル)です!!!」

 

「exactly 素晴らしい正解だ!!」

 

「師匠!!」

 

「なにかな?」

 

「私は私立のヒーロー科に通っているのですが

 恥ずかしながら留年しておりまして…

 仮免も4回も落ちています」

 

「…ふむ」

 

「そんな私でもヒーローになれますか!!」

 

━━━私だって気付いていたさ

実力も学力も何もかもが足りない

私だってわかっていたさ

ヒーローには向いていないなんて

それでも、常に前向きに!常に笑顔で!

だってヒーローに泣き顔は似合わないだろう?

それでも我が師の元で学べばヒーローになれるのではと

訊きたくなってしまったのだよ

だがそれは予想外の裏切り

いや予想以上の答を師匠はくれてね

 

「ヒーローとは紳士だ

 簡単になれるものではない…」

 

私は想わず顔を伏せた

 

「だがヒーローとは職業ではない!!生き様だ!!

 金の為でも、仕事だからでもなく!!

 人を助けようという心が大事なのだ!!

 ヒーローになれるなれないではなく!!

 君は!!もうヒーローだ!!」

 

私は泣いたよ

認めてもらえて本当に嬉しかったのだ

 

それから師匠の話を聞いた

師匠はヒーロー免許やヒーロー科どころではなく

学校にすら行ったことがないらしい

それには私も驚いたが

“誰かを救うのに資格が必要なのか”

“学校に行ってなければヒーローではないのか”

…と教えてくださった

それは私が学校を辞める理由としては十分だった

 

そして師匠がビキニパンツを私に渡そうとしてきた

さすがにね…ビキニパンツだけでは変態ではないか

師匠の格好も一見すると変態のように見えるしね

だけど師匠は仰有ったのだよ

 

“紳士は隠すような所は無い”と

“恥ずべき点は私には無い”と

 

師匠は私をヒーローだと言ったが

私はまだまだだった

自分をさらけ出すこともできずに…

ヒーローなど烏滸がましいにも程がある

 

私は衣服を脱ぎ捨てビキニパンツ一丁になった

その瞬間わかったのだよ

世界はこんなにも厳しいのだと

世界はこんなにも優しいのだと

世界は私を受け入れてくれたのだと

春の風に冷たさと暖かさを感じて

私の身体が世界と一つになるのを感じた

 

私が衣服ともう使わないであろう

ヒーローコスチュームを捨てようとすると

師匠が待ったをかけた

マントは残しておいたほうが良いと

しかし、マントなど残したら身体が隠れてしまうと

私は心配したが師匠の言葉に納得した

 

“ヒーローのマントは自分を隠す為にあるのではない”

“傷付いた女の子に掛ける為にあるのだ”

 

ああ、ああ、師匠よ

私は自分のことしか考えていませんでした

 

ヒーローとはその身体、その装備全てが

人を救う為にあるのですね!!

 

 

師匠!!

私は一生着いていきます!!




※飛田 弾柔郎の設定

自ら変態の魔の手に飛び込んだ猛者
変態の行動は兎も角、
言っていることは大体正しいので手に終えない
次回、バージョンアップする

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