その満員電車、恋はいつでもハリケーン
時が流れ時代は移ろうとも人の習慣とは変わらない
生活様式が変わろうとも
習慣とはなかなか変わらぬものなのだ
“個性”が発現し、超常が日常となり
ヒーローとヴィランがいる世になったとしても
高校生はマックやファミレスで駄弁り、
ブラック企業は撲滅されず、隣国は反日を続け、
朝の通勤ラッシュは解消されず、
結局、その日も満員電車で学生、会社員は
通勤、通学をせざるを得なかった
鮨詰め状態…等と言ったら寿司に怒られるだろう
鮨詰めとは“お寿司”を折り箱等に詰める際に、
崩れないよう隙間なく詰める様子からできた言葉だ
日本の満員電車の乗車率は200%近い
“お寿司”だったらもう潰れているに違いない
もっとも、インドの乗車率500%よりかはマシだが
あの体育祭も終わり2日目の朝である
雨のせいかいつもより電車内は混んでおり、
湿度も高く不快度指数は上限を振り切っている
その混雑の中、坊主頭の少年は気付いた
目の前にいるブレザーを着た女子高生が
テレビで見た覚えのあることに
他人の空似?
いや、あのブレザーは雄英の物に違いない
まさか凝り性なコスプレイヤー等というオチはあるまい
本人の性格もあり、声を掛けずにはいられなかった
思うに彼は少し考えるべきだったのだろう
あの体育祭で何が起きて
どのような結末を迎えたのか
ソレを鑑みれば対応は変わっていたのかもしれない
「もしかして雄英高校生の…
それもヒーロー科の1年生っスか!?
自分、雄英高校大好きっス!!
あの雄え「いやー痴漢のこ!(棒)」
「ち、違うっスよ!?俺は何も…」
「痴漢は犯罪デース!!許されない悪デスよ!!
私の国なら訴訟されてヒップの毛までむしられマース」
「雄英の生徒相手に痴漢とかさ…
アンタ、自分のやったことわかってる?
次の駅で降りて駅長室行こっか?」
「痴漢とか本当にウラメシい」
「怖かったのこー、お尻とかあんなトコとか
そんなトコまで撫で回されたのこー(棒)」
「だから違っ!?」
「痴漢はだいたいそう言うのよねぇ」
「停車したデス!さっさと降りてくだサーイ!」
本当に声を掛けなければよかったのだ
某坊主頭の少年は雄英の女子生徒達に連行され
下車して駅の一角… 人気のない端の方に追いやられた
「さて、シンキングタイムのこ!」
「このまま駅長室に行って人生終了するのと
私達に示談金支払うのとどっちがいい?」
「痴漢はウラメシいけど
誠意ある対応をすれば善処してもいい」
「誤解っスよ!俺は痴漢だなんて…」
「問答無用デース!財布をさっさと出してくだサーイ!」
ああ、憐れだ
たとえ冤罪だとしても
痴漢だと言われたら男は怯えるしかないのだ
会社や学校、親に連絡がいってしまえば
そこで人生が終了してしまうからだ
万が一、ちゃんと説明をすれば
わかってもらえるだろうと淡い観測によって
駅長室までついて行ってしまったら
その時点で逮捕されている扱いになってしまうのだ
日本の法律上、民間人でも逮捕権はある
ゆえに駅長室に行けば法律上は逮捕された後の
警察への受け渡し待機期間として成立するのだ
起訴後有罪となる確率が99%は伊達ではない
「…ッチ、しけてるのこ」
「おら、ジャンプしな!!
いや面倒ね、服全部脱ぎなさい」
「本当にコレしかお金は持ってないようね」
文字通り身ぐるみ剥がされた少年は
駅構内で正座させられていた
点字ブロックの凹凸も今は拷問器具として
使用されているありさまである
「取り敢えず慰謝料として貰っておくのこ!
制服とか下着も転売すれば二束三文にはなるのこ!」
「警察に突き出されないだけ感謝しなよ!」
某坊主頭の少年…
いや、もういいだろう名前をだしてしまおう
夜嵐 イナサは多くの物を失った
財布もスマホも、制服、下着ですら…
夜嵐は泣いた
男泣きに泣いた
悔しさと無力感と……怒り
許せなかった憧れの雄英の生徒からの扱いが
許せなかった流されているだけで何も出来ない自分が
そんな夜嵐に対して
白いハンカチが差し出された
思えば一目惚れだった
紅白の艷やかな髪色
スラリと高い長身に整った顔立ち
少し低めの声色も全てが全て夜嵐の琴線に触れた
昂る思いを胸にお礼を言おうとして気が付いた
雄英の制服を着ていることに
そして、感慨に耽る
ああ、これこそが自分の望んだ雄英生
いや、もはや憧れの高校の生徒であるかなんて
些細な問題だ
天使……いや、女神だ
女神が顕現なさったのだ
今までは巨乳派だったが、
今ならわかる
包まれたいというのは愛ではない
自己欲求の現れだったのだ
包んであげたいという心こそが愛なのだ
昔から言うではないか
“貧乳はステータスだ希少価値だ”と、
豊穣の…と言えば聞こえはいいが
所詮、巨乳などは怠惰と暴食の成れの果てだ
慎ましく淑やかに過ごした結果が貧乳なのだ
もはやあれほど好きだったハズの
ボインボインのバインバインなど
単なる醜悪な脂肪の塊にしか見えない
髪色の紅白はきっと情熱と冷徹を表しているのだ
二律背反、矛盾、油と水…
相容れない2つが揃っていること
これこそ神の存在証明ではないだろうか
スカートから覗く御足は引き締まっており、
機能美と外観美が両立している
男性の逞しさと力強さがありながら、
女性の滑らかさとしなやかさがある
白い地膚と紺のソックスの対比など
言葉に出来ないほどの芸術性を醸し出している
夜嵐は思った
なんて自分は語彙力がないのだろう
この美の化身を説明くる語録もなければ
褒め称える言葉も、持ち合わせてはいない
せめて1割…いやほんの数%でも
言葉にできていたならばっ…!!
いや、決して言葉にしてはならない
言葉にできるほどに、この美しさは安くない
されど、言葉にするとしたら
この時が永遠に続けなよいと思えるほどの
天上の美、甘露なる一時であった
しかし、夜嵐の思いなど
あくまで一個人の思いに過ぎない
夜嵐は神ではないのだ
時を止めることなどできやしない
夜嵐は忘れていたが
朝の通勤ラッシュなのだ
人々は行き交い時は流れる
女神が去ってしまう
その後ろ姿も美しいが
せめて、せめて名前だけでも教えほしい
もし今生中に再び
この思いは本物で、
生涯、
かなしかな
思いないつまでたっても思いであり
口に出さねば相手には伝わらぬのだ
もう、見えなくなりつつある後ろ姿
聴こえなくともいい
伝わらなくともいい
ケジメ、自己満足だとしても叫ぶ
「惚れもうし「君、駅長室に来ようか」
悲報
全裸で愛を叫ぼうとした少年、連行される
少年は告白をしようとしただけだと語るが
全裸だったため、
悪質なストーカーとみなされ
学校及び保護者に連絡される
※夜嵐 イナサの設定
ホムラファンの士傑高校生
とある紅白頭の雄英生に出会い一目惚れした
某腐海の住人達に出会い身ぐるみ剥がされる
駅員に連行され学校にも連絡された…合掌
※腐海の住人達の設定
タチの悪い腐海の住人達
通学時に“小遣い稼ぎ”をよくやる
法的にも性できるにも男性の敵
放課後、クラス皆でラ●ンドワンに行った
※とある紅白頭の設定
体育祭のケガは完治したので
普通に女装して登校なう
いたたまれない坊主頭がいたので同情した
結果、1人の少年の性癖を歪めた