僕のH☆EROアカデミア   作:紫煙隊

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そのジジイ、まだ現役

 

 

人は誰しも夢がある

願望と言ってもいい

将来●●の仕事に着きたい

○○○と付き合いたい

宝くじが当たって欲しい

何でもいいから楽して生きたい

 

夢とはキレイなモノだけではない

人が望むモノが夢ならば

ソレは欲望の結晶に違いないからである

 

欲望とて大なり小なり千差万別である

ちょっとした欲望

例えば、朝の星座占いで一位になっていてほしい

なんて細やかという表現ですら不適当な欲もあれば

不相応な欲も、不健全な欲もあるだろう

“人”とはダブルスタンダードが可能な…

いや、ダブルどころかトリプル、クワッド…

いくつでも基準、目標が持てる生き物だ

 

“縛られない生き方をしたい”と言いつつ、

職場では敬語を使い、世辞を言い、

家では愚痴を放ち、傲慢に振る舞う

それが処世術というものである

 

長いモノには巻かれろ

弱いヤツは見下し搾取しろ

甘えられるヤツには甘えろ

世の中、誰しもそんなモノである

 

ソレは、かの“クソナード”ですら当該する

常識の向こう側、現実を壊す者、世界の異物…

そんな彼でも“常識”はあるのだ

もっとも彼の“常識”が世間の“常識”とは違うのだが

幼少期の偏見こそが将来の常識とも言う

 

 

 

兎も角だ

クソナード、もとい緑谷 出久は柄にもなく緊張していた

それは彼にとって緊張して当たり前のこと

あの“オールマイト”からのお願いである

緊張して当たり前、むしろ失神してそのまま夢せ…ゴホン

 

緑谷は緊張と未知への恐怖、

それと期待を持ってその場に立っていた

 

 

…廃ビルと言ってもいいくらいボロボロなビル

一応、ここが目的地らしい

 

“………”

 

何か聴こえた

 

“…けて……誰か……いや”

 

確かに聴こえた

 

“助…て……ヒーロー!!”

 

聴こえたなら応えるのがヒーローである

 

 

「もう大丈夫!何故って?僕が…」

 

 

 

緑谷が飛び込んだ室内には

ズボンを降ろし、下半身を露にした老夫がいた

 

 

「oh・・・!!」

 

 

確かに事案といえば事案である

下半身剥き出しの男がいるのだ

青年ならば無論事案であるし、

幼ければ幼いで児童ポルノで事案である

 

問題はその老夫の前面、

壁際に置かれたテレビに映っていたモノ

肌色が大部分を締め、赤黒かったり、

単に黒かったりするナニカが映っていた

…モザイクさんのおかげで

ナニカがナニであるかはわからないが……

ことのつまり、老夫は独身男性らしく

コトに及んでいたわけであり、

クソナードをもってしても言葉に詰まり、

ソレに関してとやかく言うのは無粋ではあるのだが

…ソレはソレで事案である

 

 

 

━━prrr、もしもし、ポリスメン?

 

 

 

クソナードは通報した

自分自身がやってきたコトを横に置き、

かつ、他人の家に扉を破壊して侵入したことも捨て置き、

通報したったのである

 

 

「誰だ君は!?」

 

 

そりゃそうである

来客の予定があったとしても

自分の家でコトに及んでなにが悪い

コトの最中に来客が来たとしても

インターホンを鳴らした時点で、

コトを中断して衣類を整え、

なんだったらファ●リーズで消臭も可能なのだ

来客が強盗よろしく扉を破壊して侵入してこなければ

 

 

━もしもし、ポリスメン?変態がいます

 

 

コレはコレで正しくもある

例えば読者諸君が食べることにも困窮し、

押し入り強盗を働いたとしよう

侵入した家宅で一番最初に目撃したのが

ソロプレイに勤しむ老人がいたらどうするか

“ちょっと…電話してきますね”だろう

心境はまさに“なんだこの人…急に…”だろう

ソレが家宅の主に認められるかは兎も角だ

 

 

「待て、待て待て待て!!受精卵小僧!!」

 

 

「じゅ、受精卵…!?

 ハッ!?まさか、僕のことを孕ますつもりで…」

 

 

━━ppppppppppp

 

 

緑谷は迷わず防犯ブザーの紐を引いた

下半身剥き出しの男にいきなり

“受精卵”呼ばわりされればそりゃあ引く

我が身の危機であるからだ

 

 

 

されど老夫、老人…グラントリノ

老いても枯れてもヒーローである

単なる学生を抑えつけるには過剰なほどの実力はある

瞬時に後ろをとり緑谷を拘束した

拘束してしまった

 

 

 

警察だ!!動くな!!

 

 

最悪のタイミングでポリスメンが駆け付けた

グラントリノは考える

回答を口にするまでの数瞬の時、

されど限界まで、限界を越えて引き延ばされた時間

数多のことが脳裏を駆け巡り最適解を弾き出す

 

ただ、簡潔に

 

ありのままを説明すればいい

 

 

 

「ち、ちょっと“わからせ”ようとしただけです」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

━━確保ー!!

 

ま、待て違う!!誤解だ!

 

━━黙れ変態ジジイ!!

 

俺は成長を促そうと…

 

━━なにが成長だ!!性犯罪者め!!

 

俺はヒーローで後ろ暗いことは…

 

━━はいはい自称ヒーローね

━━続きは署で聴こうねおじいちゃん

 

 

 

 

 

 

━━速報

 

自称ヒーローの老人

男子高校生にみだらな行為

警察官が駆け付けた時には下半身を露出し、馬乗りに

 

 

 

 

世の中こんなものである

事例として、

溺れていた女児を救助して逮捕された案件もある

ただ救助した側が全裸だっただけでだ

パンツを脱いだだけで人は皆、犯罪者に堕ちるのだ

 

 




※緑谷 出久の設定

さすがのクソナードとて苦手なモノくらいある
クソナードだってジジイのソロプレイを見れば
言葉も失うし、通報だってする
今回は被害者


※自称ヒーローの老人の設定

ある意味では被害者
自宅に押し入ってきた高校生に通報された
ジジイだって男だもの
ムラムラする時だってあるんだよ


※ポリスメンの設定

あらゆる意味で最強の存在
時と場合にもよるがOFA継承者だろうが
AFOだろうが逮捕できる法の番人
シリアスには滅法弱い



※AFOの設定

殺人…というか魔王モードならほぼ無敵だが
痴漢やら、猥褻物陳列罪などで
ポリスメンが出動してきたなら逃げるしかない
“ソレ”で万が一捕まったら魔王の矜持が傷付くもの


※OFA継承者達の設定

受け継がれし“個性”とは別に
電車に乗るときは両手をつり革にだとか
冤罪予防の知識も受け継がれている
そんなんで捕まったら立つ瀬がないもの
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