正月企画で始めたIFストーリーなのに
3月になっても終わらない。
「まさか、そんなハズはないわ」
蛙吹 梅雨は思った
いや、思い込もうとした
信じたくなかった
一緒にヒーローを目指す仲間だと
同じクラスメイトなんだと
しかし、ソレは状況が許さない
“偶然”、
“偶然”、
“ソレ”はどんな偶然だろうか
そんな偶然があってたまるか
“偶然”、『校外授業の時に限って』でも
これだけの人数を用意しました
後は一か八か、襲撃を仕掛けます
襲撃成功です
あるハズがないだろう
(もっとも、オールマイトの不在は予想外なのだが)
“ソレ”はむしろ計画性を示唆するだろう
“あらかじめ”授業のカリキュラムを知っていて
成功性の高いタイミングで仕掛けてきた
そう、考えるのが必然であり合理的だ
しかし、
だが、たかだか15歳だとか16歳の子供には
非現実的で悲劇的で非日常的過ぎた
むしろ、“偶然”
“偶然”到着が遅れていたオールマイトが駆け付け、
一件落着、結果オーライ、結果オールマイト
そう、なるハズだと
そう、ならなければおかしい
そう、じゃないといけない
蛙吹 梅雨はそう信じ熱望し妄想をしていた
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「いや、急に編入してきた俺が怪しいけどさ、
いるだろ…普通に考えてさ、“
先日ヒーロー科“雄英高校1年A組”に編入してきた男
心操 人使は言う
現実的だとは自分でも思う
だから言った
悪くない
自分は悪くない
当たり前のことを言ったのだ
誰が責められる
普通の、常識的な、そんなことを言っただけだ
自分が怪しまれるようなことだとは理解できる
“小説”や“マンガ”や“アニメ”なら
“
けど、言った
状況を打開したくて
どうにもならないことを知っていて
憧れていた“ヒーロー科”は
予想以上に生徒達は
予想以上に英雄は
予想以上に自分は
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“彼”に最初に気付いたのは誰だったのだろう
蛙吹だったかもしれない
心操だったかもしれない
あるいは
誰も気付いてすらいなかったのかもしれない
兎に角、“彼”に気付いた誰かの視線を追って
誰も私も“彼”に気がついた
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“彼”を見た時になにを思ったのか
蛙吹 梅雨は独白する
正直、『ああ、やっぱり』と、
次いで『そんな、ありえないわ』と、
その特徴的な“ブドウ頭”を見間違えるハズもないのに
“内通者”その言葉だけが脳内に繰り返され
この事態を引き起こしたであ
……おや?ブドウ頭のようすが……?
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「ごめ゛ーーん!!!」
「下ネタばがり゛言っで
ごベーーん!!!」
泣いていた
“彼”は峰田 実は泣いていた
号泣、男泣きに泣いていた
「オイラが悪がったァーー!!」
その時、
誰もが動けなかった
蛙吹も心操も、関係ないハズの敵でさえも、だ
「今更みっともねェんだけども!!」
「オイラA組を除籍になっちまったけども!!」
「アレ…!!取り消すわけには
いかねェかなァーー!!!
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とある
その光景を見て思い出したのだ
幼き頃、まだ両親がいて
普通の幸せを普通に享受していた“あの頃”を
彼はイジメられていた
“超常”が“日常”になって幾星霜
過去では“個性”的過ぎた姿も認められつつある世だが
彼の出身地である田舎では
いまだに差別が残っていた
“異形型”
もう、この言葉からして差別だろう
“人”とは“異なる”“形をした”人外の扱い
彼は“人”として扱われなかった
両親の“個性”は言ってはなんだが“普通”の“個性”で
彼が突然変異の“個性”だったことも大きいのだろう
鱗の生えた皮膚に顔から首にかけてある
指の間には皮膜が張り、魚介類特有の生臭さがあった
イジメられた
当然だ
人は自分と違うモノを認められない
友達もいなかった
学校が休みの時はよかった
相手がいなければイジメは発生しない
両親だって気味悪がって近付かない
彼の両親が罪悪感からか与えた“タブレット”
ソレが彼の全てで世界だった
当然、幼い彼がニュースを見たり
あるいは教育番組を見たりして学習し
実は天才だったなんてオチはない
バラエティ番組も見ない
友達も親子の会話も無い彼には
ソレの何が面白いのかがわからない
ただ、アニメは見た
“個性”以上に特殊で特別な能力を持った者達、
自分以上に不幸な境遇から這い上がった者達、
夢にも見たことのないような幸せな暮らしをする者達…
ある日、彼はランキングを見た
今まではなんとなくで選んで来たが
人気があるアニメなら面白いのではないかと
そう、軽い気持ちで“とあるアニメ”を見た
圧巻だった
言葉に出来なかった
ソレ以上に、“居た”
自分が“居た”のだ
似ている姿型が“居た”
その“キャラクター”は強くはなかった
それに敵役だった
でも、妙に焦がれた
そして真似た
『魚人空手……“鮫瓦正拳”!!』スカッ
真似ただけだ
彼は空手を嗜んでいたことはない
“正拳突き”とも言えないお粗末な“ソレ”
『バッカじゃねぇの
“バケモノ”の癖に調子のってんなよ』ドコッ
当然、同級生達に見られればバカにされた
イジメの原因、難癖をつける理由になった
見つかる度に殴られ蹴られ、
服を破かれ私物を壊され奪われた
『俺は“異形型”なんかじゃねェ!!
誇り高い“魚人”なんだ!!』ドンッ!!
それでも
それでも彼は辞めなかった
捨てなくなかった
唯一好きなモノ
それだけは守りたくて
守りたかったのに
いつしか“ソレ”すらも忘れていた
そうだ…
俺は……
“魚人”なんだ
家庭環境はまともじゃなかったが、
学校でのイジメなんかもあったが
…全部、関係ねぇ
性格が歪んだとか
そんなんでもねぇ
俺は“魚人”なんだ
“人間”ごときに負けるハズがねぇんだ!!
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とある
己の人生を振り替えっていたのだ
彼は犯罪者に身をやつしていた
万引き、強盗…なんでもやった
生きるために仕方がなかった?
違う
なりたかったからだ
“海賊”に
“
自由を愛し、自由に生きる“海賊”に
だが、今の自分はなんだ
小物だ
名も無き小物
恥ずかしい
俺は自分が恥ずかしい
子供の頃の夢を語ることがか?
いいや、
子供の夢すら叶えられない
そんな自分がだ!!
『俺は俺の旗の元で生きる!!』
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とあるヒーロー科の生徒は思った
『男子って時々バカだわ』
もちろん、頭のいい人もいるでしょうけど
“時々”ではなく“常に”バカな人もいるわね
『…アスィ』
梅雨ちゃんと呼んで欲しいわ
隣にいる
どこから出したのかしら?
深緑色のバンダナと薄緑色の腹巻きをしているわ
避難ボートに積んであったオールで三刀流をしようと…
あ、辞めたわね
思いの他、口に咥えるのが辛かったのね
私が言えるとしたら
髪色的にはあなたはドン・ク●ークよ
それにしても、峰田ちゃん
本当に反省したのね
嫌な事もあったけれど私は許……
蛙吹 梅雨は思い出す
かつて彼が居たA組の日々を
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『ハァハァ…なぁ蛙吹ィ
確か“個性” “カエル”だったよなァ…』
『ええ』
『そんならよぉカエルも好きだったりするか!?』
『…かわいいと思うわね』
『ならよぉならよぉぉ!!
ちょっとオイラのオタマジャクシを…』ゴソゴソ
『………死になさい』ドコォッ
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それにしても…このブドウ、
本当に反省したのかしらね…?
すごく嫌な事もあったし私は許さ…
蛙吹 梅雨は思い出す
かつてソレが居たA組の日々を
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『なぁなぁなぁなぁ!!
チチカカミズガエルはヒダヒダが
すっげぇんだけどよぉ!!』
『お黙りなさい』
『蛙吹の下のヒダヒd』
『朽ち果てなさい』ボコォッ
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………”河童の川流れ”なんて言葉もあるけれど
“カエル”は流されないのよ
ええ、意味は違うんだけども
私は空気とか場の雰囲気には流されないの
私は思ったことはなんでも言っちゃうから
「ケロケロのォ…
JETピストル!!!」
その攻撃は実に絵になった
主人公が宿敵を倒したその様は
単にブチキレたカエルがエロブドウを吹き飛ばした
それだけである
※ブドウ頭の狙撃手の設定
一度はクラスを離れたが
再び“船”に乗りたくて涙の謝罪
もぎもぎの実のブドウ人間…でない
鼻は長くないがすぐに天狗になる
※ヒーロー科の生徒(男子)の設定
憧れちまったもんは仕方ない
今は出来なくてもいずれ三刀流を…
多分、ドン・●リークみたいに仕込み武器とかを
使った戦闘を行えば強いかもしれない
※ヒーロー科の生徒(女子)の設定
自分が幼い時もアニメを見ていて、
弟や妹とも一緒に見ていたので実は詳しい
ちなみに初恋の相手はヨコヅナ
単行本を揃えた上で廉価版も購入するタイプ
※とある異形型ヴィランの設定
力も強く水中でも活動可能だが
幼少期のイジメからかヒーローは目指さなかった
いや、目指せなかった悲劇の男
ちなみに“個性”は“ニギス(半魚人タイプ異形型)”
※ニギスの設定
キスに似ているがキスはスズキ科、
ニギスはニギス目ニギス科である
食用にされるが、“キス”の名で売られることも…
ちなみにギスはソトイワシ目ソトイワシ科
※とある自由を愛するヴィランの設定
海賊には違いないのだが…なんか違う
海賊王の方ではなく宇宙海賊に憧れている
仰天人間バトシーラーも好き
……え?知らない?ボンボン読んでない?
※とあるヒーロー科の生徒が乗った
USJに設置された名も無き船の設定
メリー号でもサニー号でもない
アルカディア号でもないしシーホース号でもない
ただの舞台装置としての船である
願わくば船名くらい欲しかった…