僕のH☆EROアカデミア   作:紫煙隊

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          ╰⋃╯






明けましておめでとうございます。
年明け早々に読んでしまった皆様へ

本日は連続投稿をしております。
“最新話”から来た方だと
チン初めが出来ない可能性があったので
各話の前書きにブツを仕込んでおります。
今話は4発目なのでごぜぇますだ。


そのバアちゃん、生涯現役

 

 

 

「実はね、鋭児郎には秘密にしていたことが

 私にはあったんだよ・・・」

 

 

 

嗄れた声で老婆は語る

 

 

 

千葉県某所某病院の一室

入院してる老婆が横になるベッドがあった

 

そのベッドの回りには男と女、それと少年

少年の名は切島 鋭児郎という

両脇にいる男と女は彼の両親であった

ベッドにいる老婆は彼の祖母

彼の父にとっての母にあたる

 

 

鋭児郎はおばあちゃん子であった

長期休暇を利用しては

よく祖母の家に宿泊していた

 

そんな祖母が入院した

鋭児郎が中学校3年生の冬休みのことである

 

 

 

鋭児郎の父は一人っ子だった

父親をはやくに亡くしたが

その分、母が愛情を注いでくれた

片親ながらに片親だからこそ

より愛情を注ぎ、

鋭児郎の父は大学にまで進学できた

大学を卒業後は商社に勤め

母に恩を返すべく一心不乱に働いた

 

そして、ある日

彼は恋に落ちた

 

恋の季節は廻り

愛へと移ろった

結婚して住居を、という話になったときに

彼は実家を選んだ

 

古くなった家をリフォームし、

歳をとった母の為にバリアフリー化した

母が好きな花を植えるために

庭に大きな花壇を作った

母はしわが増えた顔を

さらにしわくちゃにして喜んだ

 

 

転機があったのは

彼の妻の妊娠がわかり家族で喜びあった

その、翌日であった

 

 

転勤の辞令だった

辞令そのものは良いものだった

栄転であるし地位も給料も上がる

会社側も彼を評価しての善意だった

 

しかし、転勤先が遠かった

自宅から通うとしたら無理のある距離

通えなくはないが

今までの生活はできず

体と家族に負担がかかる距離だった

 

彼は辞退しようとした

自分の身体などどうでもいい

家族に負担をかけたくない

家族と共に過ごしたい

 

 

そんな彼を母は諭した

 

『真っ当に生きてきて

 真っ当な評価を受けたんなら受け取りなさい

 母ちゃんは大丈夫だから』

 

 

彼は妻を連れて実家を離れた

だが彼の母は一緒にと懇願しても

実家を離れなかった

 

『あなたが育ったところだからね

 普段、帰るのは嫁様の所でも、

 たまに母ちゃんの所に帰りたくなったときに

 家が空っぽじゃさみしいでしょう?』

 

まぁ、いるのはババだけどね

そう言って母は笑った

 

 

子供が生まれ彼は父になった

彼の子は母に、彼の祖母に懐いた

彼の子、鋭児郎にとって

祖母の家は自宅に次ぐ第二の居場所だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「実はね、私はパートで働いてたんじゃないの」

 

 

 

 

鋭児郎は言葉の意味がわからなかったが

鋭児郎の父は疑問に思い、納得もしていた

 

パートで働いているとは言っていたが

家にいる時間が長かった

パートにしては稼ぎが多過ぎた

 

 

 

「私はね、エロ漫画家なのよ」

 

 

 

 

祖母の独白に切島一家に衝撃が走った

 

 

「ま、まってよ!!バアちゃん!!

 ソレじゃ毎年くれてた“お年玉”も!?」

 

「エロ漫画で稼いだモンだね

 なんなら七五三の時の千歳飴も

 小学生の時のランドセルだって

 エロ漫画で稼いだ金なんだよ」

 

 

鋭児郎に電流が走った

 

 

おばあちゃんは年金暮らしなんだから

お年玉貰ったら駄目よと言われ

遠慮したものの両親に隠れて

こっそり渡してくれたお年玉も

 

七五三で家族で写真を撮った帰りに

バアちゃんが買ってくれた

甘くて優しい味の千歳飴も

 

同級生達にバアちゃんが買ってくれたんだと

自慢して6年間背負い続けた

ピカピカのランドセルも

 

 

「全部・・・全部エロ漫画だったのかよ!?」

 

漢、切島 鋭児郎 魂の叫びである

 

 

 

大好きなバアちゃんに裏切られたのだ

その慟哭は計り知れない

 

 

しかし、それ以上にショックを受けた男がいる

鋭児郎の父である

 

 

   「か、母ちゃん

           嘘だよね?」

 

嘘であってほしいと

祈りをこめて確認した

 

 

「嘘なもんかい!!

 アンタが食ってたメシも

 アンタが着ていた服も

 アンタが通った学校だって全ぇ~部!!

 エロ漫画で稼いだ金で払ったんだ!!」

 

 

鋭児郎の父にも電流が走る

オマエはエロ漫画で育てた発言

もう体はエロ漫画で出来ていると言ってもいい

 

 

 

鋭児郎も鋭児郎の父も

意識が強制シャットダウンしてしまった

シャットダウンしたのは心かもしれない

 

 

再起動に時間がかかっているなかで

声をあげたのは鋭児郎の母だった

 

 

「あの、もしかしてお義母さんのペンネームって

 切島 ガッチンポ先生ですか?」

 

「おや?知ってるのかい?」

 

「ええ!!もちろんです!!

 私、昔から先生の大ファンで!!

 まさかお義母さんがガッチンポ先生だったなんて

 握手してください!!」

 

 

母、あるいは嫁の突然のエキサイトに

父と子は打ちのめされた

再起動にますます時間が掛かる

 

 

 

その後、面会を終えて病院から帰宅したが

父と子は入院が必要なレベルだった

おもに精神的にである

 

 

 





※鋭児郎の父の設定

自分の人生を否定された気分になった
なにもかも投げたしたくなったが
息子と嫁のために普段通りの生活を送る
息子が急に髪を紅く染めた時には
ああ、やっぱりなと
反抗期に違いないと思った
なら自分も少しくらい自己主張しても
いいんじゃないかと
植毛定期コースに申し込んだら
嫁がブン殴られた
趣味は読書と庭いじり


※鋭児郎の母の設定

家族に内緒で“サークル”活動をしていたが
義母の正体に超☆エキサイティングして
暴露してしまった
夏のコミックなマーケットではコラボするそう
本人曰く、結婚前は荒れてた時期もあったが
結婚後はお淑やかな婦人として過ごしている
轟母と八百万母とは同級生でライバル
趣味はフルコンタクト空手と
無差別級“個性”有りスーパープロレスへの参戦
得意技はパイプ椅子による顔面攻撃


※千葉某所の婦人会

鋭児郎母が所属する婦人会
別名“千葉 六腕(ろって)マインズ”
アマチュアながらもプロ並みの格闘婦女子軍団である
残虐ファイトで重症者を続出させる
有名な選手を紹介するならば、
“闘鬼”零子
踊るようなフォームで相手を錯乱させる
“踊る三日月拳”レム
何度でも立ち上がりアンデッドとも呼ばれる
“不死王妃”出伊場
その拳骨で多くの骸の山を築いた
“拳魔”彩希
パイプ椅子の攻撃は空間を凍らせる
“空間椅子”莉愛
千人の選手の選手生命を絶ったという
“千殺”圓子


※鋭児郎の設定

バアちゃんの思い出がエロ漫画で上塗りされた
もう泣いてもいい
というか、泣いた
高校生になるならもう大人だから、と
渡されたバアちゃんの自著
“もうヒロインじゃいられない!!~敗北編~”
読んでまた泣いた
汚されちゃった感がすごい
ソレにより性癖がねじ曲がり、
良く言えば“自分より強い女子”がタイプ
悪く言えば“苛めてくれる女子”がタイプ


※“もうヒロインじゃいられない!!”シリーズの設定

新米女性ヒーローがヴィランに✕✕される漫画
シリーズとして“敗北編”、“凌辱編”、“屈服編”、
“解放編”、“再調教編”、“妊娠編”、“性転換編”、
“悪墜ち編”等があり外伝シリーズも人気で
過去にドラマ化やアニメ化もしたベストセラー
実写映画かもしたが内容が内容なので
上映箇所は限られたが入場者は多かった


※鋭児郎の祖母の設定

御年67歳のバアちゃん
入院した原因はただの食べ過ぎ
享年138歳、生涯現役のエロ漫画家だった
鋭児郎の子供どころか孫、
曾孫にまで悪影響をあたえた挙げ句、
玄孫として転生し人生を謳歌したった
転生後、産まれて初めて喋った言葉は
『よう!!鋭児郎!!久しぶりだな!!
 玄孫だと思ったか!?アタシだよ!!
 しかし、嫁とズッコンバッコンやってまぁ
 七男八女ってねぇ!!ババァは嬉しいよ!!
 ん?アタシの子孫達かい?
 はじめまして!!親父殿、祖父殿!!
 アタシがアンタ等の祖先で子孫の
 切島 ガッチンポだ!!
 今世ではペンネームじゃなく
 本名として使うからよ!!
 そこんとこヨロシク!!
 あ、出生届けにも書いといておくれよ!!』


※将来産まれてくる切島の子供の一人の設定

おとーさんはヒーローだけど
うちにはおかねがない
けどアニキたちとアネキたちがいるから
まいにちが、たのしいです まる

※将来産まれてくる切島の孫の設定

近所の大沢木さん家に影響されて
波乱万丈な人生を送る
初孫の喜びに孫パワーに目覚めそうになるが
なんか、萎えた


※将来産まれてくる切島の曾孫の一人の設定

父親がヤニカスで困っていた幼児期を過ごし
だめんずな兄に困っていた少年期を過ごし
普通に就職して普通の生活を送っていた
そう、子供が産まれるまでは


※切島 ガッチンポ先生の設定

世界最年長のエロ漫画家
通称“ギネスの無駄遣い”、“エロ漫画界の貴婦人”
あるいは単純に“バケモノババァ”と呼ばれる
一時入院し引退を疑われたが退院後に
新作“恋人は紅髪ベビーフェイス”を発表
今まで描いていたNL作品ではなく
BL作品だったことで(一部の)世間を賑わせた
まるでモデルがいるかのような人物像と
学生同士同性同士の禁断の恋を描いた漫画は
BL界に大ブームを巻き起こした
ifストーリーとして“教え子は紅髪ベビーフェイス”
“先輩はキメラで触手で馬並みで!?”、
“年下彼氏!!カエル男子は嫌いですか?”等があり
外伝として“恋人は金髪才能マン”がある
出版する度に鋭児郎は入院し、
重版がかかる度に吐血したという
鋭児郎のヒーローとしての人生で
ヴィランより苦しめられた一般人(身内)


※千歳飴の設定

堅くて長いスティック
舌先でチロチロしたり、
口に含んでしゃぶったりする
溶けると白くてドロドロになる

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