そして、誤解されがちだが彼は無口ではない
むしろ誰よりも人と話したいと思っている
だがその優し過ぎる性格ゆえに
『自分が行ったら迷惑ではないか』
『話しかけたら不興を買うのではないか』
『自分といたら不快になるのではないか』
…と、自らで他人との間に壁を作ってしまった
そして、それゆえに寂しさは増し
人と話そうとすると次から次へと
頭の中に言葉が浮かび上がり
結局、頭に口が追い付かずに
身振り手振りで意思疎通を計ってしまう…
彼の1日の始まりは早い
彼には『友達』がいなかった
なので彼は『友達』を作る為に周りの人間の観察をした
仲の良い者同士がいる時は笑っていることが
多いことに彼は気が付いた
あの“オールマイト”もいつも笑顔である
人気者…とまではいかなくとも
せめて1人くらいは『友達』が欲しい彼は
“笑顔”こそが『友達』になる第一歩だと考え
まだ外が薄暗い時間から1時間以上かけて
“笑顔”の練習を毎日行っていた
そして第二に“話題”である
『友達同士』と思われるペアやグループでは
いつもテレビやマンガ、ニュース、最近あったこと等、
何かしらの“話題”があって話し、笑い合っていた
なので通学時間ギリギリまでテレビを見て、
新聞を読み、“話題”を探した
通学バスの中ではスマホでニュースを検索し、
帰り道では本屋により週刊誌をチェックするのも忘れない
『もし、誰かから話しかけられても大丈夫なように』
…と、備えていた
それでも彼には『友達』ができなかった
そんな彼に転機が訪れたのは彼が13歳の時だった
彼のクラスで“話題”となっていた『雄英高校の体育祭』
月曜日にクラス“話題”になることは間違いない
確実にチェックするために録画の準備もして
テレビの前でデータをまとめる為のノートを広げた
だがそのノートには一文字も書かれることはなかった
『雄英高校の体育祭』
…その開始時に映った白くて愛らしい人物
一目惚れだった
すぐさまネットで情報をあさり
名前や生年月日、過去の動画や画像を集めた
気が付くとチェックすべきだった『雄英高校の体育祭』は
既に終わり夕方のニュースが流れていた
キャスターの無機質な言葉の羅列に
彼は我に返り、
『友達』すら出来ない自分が『恋』などど…
『告白』はおろか『話しかける』ことすらできないだろう
頭では納得できたが思春期の13歳の心は納得しなかった
母親の「もうすぐご飯できるよ!」との声を無視して
夕暮れの街を走った
そして、気が付くと海に着いていた
岩手の海の風はこの時期でも夕暮れ時は少し冷たい
少し落ち着いた
波の音だけが聞こえる
寄せては返す波の音だけが
行ったり来たりで動いているのに進まない波が
まるで自分のようだ
その時、波の音に混じって
聞き覚えのあるメロディが聞こえた
「フンフンフンフン フンフンフンフン」
これは音楽の授業で聞いた…
バッハ?いやベートーベンの『第九』?
夕闇に紛れて姿がよく見えないが
海から突き出た岩に誰かが腰掛けて歌っている
目を凝らして見ると…
「きょおからいちばん♪かぁっこいいのだぁ~♪
バリバリ最強ナンバァ~ワン!!」
歌っていたのは
ブリーフ一丁にパンティーを被った変態だった
「歌はいいねぇ…歌は心を潤してくれる
リリンの生み出した文化のキワミだよ
そう感じないか?口田 甲司君」
ソレが口田 甲司と色丞 狂理の出会いであった
口田の間違いは話しかけられたことに
気が動転して色々とぶちまけてしまったことだろう
『友達』が居ないことや『一目惚れ』をしたこと…
本当に言ってはいけない相手に言ってしまった
「甲司……色を知る年齢か!!」
そこからはまさに怒涛であった
色丞は口田に逸般人向けの異常識を教えこんだ
動物は言葉を喋らなくとも仲間になれるし
人間も動物の内だから喋らなくともよいだとか…
むしろあの校長はネズミっぽい人じゃなくて
“個性”をもったネズミなのだから
動物らしいコミュニケーションのほうがよいだとか…
犬や猫、ネズミが『まずはお友達から』なんてするか
出会って即合体してから夫婦になるだとか…
ソレを口田は天啓と勘違いした
優しい口田少年は実は大変アグレッシブでもある
まず、“笑顔”の練習を辞め、テレビも見なくなった
家ではペットの
外では近所の犬や猫、同級生を
食事の時も
こうして稀代のペロリストとなったのだ…
※口田 甲司の設定
末期のケモナー
ケモ耳や尻尾とかの次元ではなく
ケモノを愛しているペロリスト
レロレロすれば使っているシャンプーの種類までわかる
※結の設定
ペロリストのペットのウサギ♂
いきなり口に放り込まれた時は焦ったが
レロレロされている内に癖になった
毛並みのキューティクルがヤヴァイレベルになった
ネズミ野郎なんかにご主人様は渡さない!!
※口田の同級生の設定
“犬”の“個性”で顔がマルチーズの同級生
無口のデカイ奴だと思っていた口田に
いきなり肩を掴まれ滅茶苦茶レロレロされた
そして性癖が歪んだ
※根津校長の設定
間接的な色丞の被害者
挨拶なのか告白なのか性的暴行なのか
レロレロの正体がわかっていないので
注意も処罰もすることも出来ないでいる
いつかレロレロが快感に変わる日がくるのか…?