誉れ高い「優俊」の編集部に配属になって早半年、最近はミスも少なく、怖いチーフから没を喰らう回数も劇的に減ったし得意分野では特集を任されるようにもなった。
我ながら中々の成長力だと思う。
これなら、いっぱしにトラックマンって名乗ることも出来るかな?
とはいえ、自分より優秀な先輩方は、社内はおろかライバル社にもいる訳で‥‥成長出来た分だけ自分との力量差がはっきりと見えてきてしまったがもっぱらの悩みだ。
特に「月間トゥインクル」の乙名史悦子とフリーのテンプラ、この二人はダンチだ。
乙名史さんは先輩に連れられた際に紹介して貰ったこともあるし、何度も同じ現場に居合わせたこともあるからそれなりに交流させて貰っているけどとても良い記事を書く人だ。
ウマ娘に関する知識は現役のトレーナーにも負けないんじゃないかってぐらい豊富だし、何よりあの情熱は見習いたいと思う。
‥‥とはいえ、情熱的すぎて深読みしすぎるというか、もはや妄想癖もあるんじゃないかってぐらい勝手に誇張してしまうのがついて行けない時がある。
というか記者として捏造して良いのかと最初は不快感を覚えたけど、翌日彼女の記事を読むと非常に真摯で妄想の部分は一切ないのだから不思議だ。
よくよく読めばそれだけの情熱が文字の裏に隠れているようにも思えるのでもしかしたらあれは自分のモチベーションアップや熱量を文章で伝えるための高等テクニックなのかもしれない。
とてもではないがあの領域に辿り着くにはまだまだ時間が掛かりそうだ。
もう一人はテンプラという謎の男。
ふざけた名前だが忘れもしない。
チーフに人生初のボツを喰らったときに代打として選ばれた人だ。
あれ以来気になってチーフには一度会わせてほしいとお願いしたがあちらさんも忙しい‥‥どころではないな。
フリーとは言えこの人の仕事量は多岐に渡り過ぎててちょっと引く。
彼の書いた記事を読ませてもらって勉強させてもらっているけど、この人は発想が奇抜すぎると思う。
本当に奇抜すぎて最早なにを書きたいのか分からなくなるぐらい奇をてらっている時もあれば、常識過ぎてだれも疑問に思わなかったウマ娘のあれこれに真っ正面から向き合うなど堅実な記事を書くもんだから非常に評価に困る。
文章力や情熱度では乙名史さんには負けるけど、ウマ娘の小学生向けの雑誌からアダルト向けの大衆紙までと雑誌毎の購買層の要求に的確に合わせた記事を書くのは素直に凄い。
これだけ仕事しているのだからいくらでも会う機会なんてありそうなものなのにどういった訳かそのチャンスは巡ってこず、入ってくるのは人づてに聞いた彼の印象ばかりだ。
これも当たり前かもしれないが割りと評判の分かれるお方なので判断が付きづらい。
乙名史さんにテンプラの印象を聞いてみたところ、何度か会ったことがあるらしく、その割には彼に対する評価は割と辛口だった。
曰く、最初に会ったときの印象が悪すぎたとのことだ。
彼女から見てテンプラは覇気も情熱も皆無で、そのくせ有力なウマ娘を一目で見抜く才能に溢れているのが気に食わないとのことらしい。
それどころか選抜レースに出るウマ娘の名前のリストを見ただけで有力なウマ娘は居ないと判断し、レース見学と取材を取り止めたという話もあるらしい。(流石にこれは乙名史さんのお得意の妄想癖だとは思う)
その影響か、彼の注目したウマ娘が大当たりに違いないと選抜レースでウマ娘を見ずに彼の動向ばかりを注視する三流トレーナーも居たとかなんとか。
と言うわけで、取材担当する記者たちの印象では割りとテンプラの評価は低い。
しかし覇気や情熱が無いという割には彼の記事は情熱こそ乙名史さんには敵わないだろうけど、取材対象に対するリスペクトというか、不快になる気持ちにはならない文章を書く人な気はする。
一応今度、アーカイブで昔の彼の記事を読んでみようと思う。
先輩方の言うテンプラの当時の人物像が分かるかもしれない。
アグネスデジタル欲しかった‥‥
ファインモーションのSRが手に入っただけヨカッタ。
想像以上に王族しててびっくりしました。
王女殿下を町のラーメン屋に連れて行ってしまった男がいるらしいですよw
主人公がテンプラを名乗った訳を知りたいですか?
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Yes
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No