子連れ番長も異世界から来るそうですよ?   作:レール

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皆さんお久しぶりです。待っていてくれた読者様には感謝の言葉しかありません。
まだまだ現実が忙しく、更新速度はしばらく変化しないと思いますがこれからもお待ちいただけると嬉しいです。

それではどうぞ‼︎


魔遊演闘祭・第一予選

【ギフトゲーム名 “蜘蛛の糸・極楽を目指せ”

・勝利条件:地下都市からの脱出。

 

・敗北条件:上記の勝利条件を満たせなくなった場合。

 

・舞台ルール:地下都市を脱出するための道は二つのみであり、使用可能なのは一度限りとする。チームの誰か一人でも脱出に成功すればそのチームの勝利とする。舞台内で飛行することを禁止とする。

 

宣誓:上記を尊重し、誇りと御旗の下、各コミュニティはギフトゲームに参加します。

“七つの罪源”印】

 

 

黒ウサギの開幕宣言と同時に現れた“契約書類”は、見物する参加者だけでなく転移させられた参加者の手元にも舞い落ちた。

 

「ふむ、特に難度の高いギフトゲームというわけではなさそうだ。やはりある程度は単純明快なものの方が見世物としては好まれるか。早く我々もーーー」

 

レティシアは“契約書類”、舞台である地下都市、鐘乳石から垂れるロープを順に見やっていく。そして横に立っていた男鹿に話しかけようとしてーーー言葉を失った。

 

「・・・辰巳、それをどうするつもりだ?」

 

「あ?」

 

「アイ?」

 

何時の間にか少し離れていた男鹿の手元では雷電がバチバチと爆ぜており、既に腕を後方に引いた姿勢となっていた。あと数瞬気付くのが遅ければその雷電は手元から解き放たれていただろう。

 

「面倒くせぇから穴開けようかなと」

 

「頼むからやめてくれ。それに恐らく破壊は不可能だろう。力の浪費だ」

 

レティシアにそう言われたので、男鹿はーーー試しにぶっ放してみた。

 

「いや、何故だ⁉︎」

 

レティシアの愕然とした声を無視し、放たれた雷撃は地下都市の天井へと突き進んでぶつかり爆ぜる。しかし穴が開くどころか欠けることもなく、それに加えて途中で巻き込みながら進んでいたロープすら切れていなかった。

 

「・・・だから言っただろう。これで我々の居場所も知られた。あれ程の遠距離攻撃を有する辰巳を相手は放っておくまい」

 

もし放っておいてロープを登っている時に狙い撃ちされればどうしようもない。参加者は遠距離攻撃への対処法を見つけること、または男鹿を倒すことが必須となってしまったのだ。

 

「とにかく移動しつつ脱出口を探すぞ。舞台やゲーム名から天井の何処かだが、大まかな場所は予測できていることだ・・・し?」

 

レティシアが移動しようとした時、急に地面から足が離れて視線が高くなる。何事かと振り向けばすぐ横に男鹿の顔があってベル坊もおり、気付けば男鹿に子供を担ぐように片腕で担がれていた。と言っても今の彼女は少女姿なのでそこまでの違和感はないが。

 

「い、いきなりどうしたのだ?」

 

「いや、だから移動すんだろ?出口を目指して、天井近くに」

 

男鹿が上を指差しながら言うのと同時に足元に紋章が現れてその輝きを増していく。この時点でレティシアは男鹿が何をしようとしているのか理解した。

 

「た、辰巳‼︎ ちょっと待ーーー」

 

レティシアの制止も虚しく爆音に掻き消されてしまい、爆風による急激な推進力に堪らず男鹿にしがみ付く。爆風と合わさった跳躍は地面と天井の中間あたりである約五十メートルの高さまで達し、新たに出現させた少し大きめの紋章に着地した。

 

「よし。それで?出口に目星がついてるとか言ってたが何処だ?・・・おい、聞いてんのか?」

 

返事がないので不思議に思って見ると、何やら俯いてぷるぷると震えているレティシア。

 

「い」

 

「い?」

 

「いきなり過ぎだ馬鹿者ッ‼︎ 少しは心の準備をさせろ‼︎ 不安定な抱え方で落ちたらどうする⁉︎ 飛行は禁止されているんだぞ⁉︎」

 

沈黙も一瞬、レティシアは(たが)が外れたように叫ぶ。若干涙目に見えるのはきっと気のせいだろう。

しかし耳元で叫ばれた男鹿とベル坊は堪ったものではない。

 

「〜〜〜ッ、つってもいつもお前が飛んでんのよりは遅ぇだろうが」

 

「アウ〜」

 

「自分で飛ぶのと跳ぶ者に掴まるのでは感覚が違う‼︎」

 

ぜぇ、はぁ、と突然の出来事と慣れない大声で乱れていた呼吸を整えていき、最後に大きく息を吐いて冷静になる。

 

「とにかく、こんな空中では遠距離攻撃ができる者のいい的だ。急いで脱出口を探しにーーー辰巳、来たぞ‼︎」

 

レティシアの懸念はすぐに現実となり、下から炎の塊が迫ってくる。

しかし遠距離攻撃のデメリットは着弾が遅いことであり、速度が遅い遠距離攻撃など注意が逸れている上での奇襲でもなければ当たりはしない。

 

二人を飲み込まんとした炎は大きいものの速いとは言えない。男鹿は余裕をもって攻撃の範囲外へと移動し、炎は何事もなく横を通り過ぎていく。

 

「「ッ⁉︎」」

 

そう、()()何事もなく通り過ぎた。想定外だったのは炎の下から追従するように人影が現れたことだ。

 

「クッ」

 

男鹿は空いている腕で襲撃者の拳を防ぐ。その顔は仮面を着けているので分からないが、男鹿とあまり変わらない年齢の男だと思われる。

 

「ほれ、姫様ががら空きじゃぞ?」

 

そしてその反対側からはロープで遠心力をつけた蹴りを放とうと、これまた同じく仮面を着けた老人と思われる男が迫り来る。

 

「残念ながら姫というのは私には合わないな。仮にも私は騎士だぞ」

 

老人には両腕が塞がっている男鹿の代わりにレティシアが対応した。相手の遠心力の加わった蹴りに対してレティシアは男鹿から跳んで王臣紋の力を解放し、魔力強化された拳で迎え撃つ。

ぶつかり合った衝撃でお互いに押し返され、老人は他のロープに乗り移って留まり、レティシアは展開されたままの紋章に着地する。

 

「辰巳、背中は任せた」

 

レティシアは髪のリボンを解いてギフトカードから槍を取り出す。大人姿となった彼女は背中から翼を展開した。飛行のためではなく、足場の悪い場所での姿勢保持のためだ。

 

「ああ、久しぶりの同類(なかま)だ。意地でもボコって話を聞いてやる」

 

レティシアは男鹿の“同類”という言葉に疑問を抱いて若い方の男を横目に捉え、その言い回しに納得する。

 

「・・・なるほど、探す手間が省けたということか」

 

その男は老人のようにロープに掴まることはなく、しかし落下も浮遊もしていなかった。

 

 

 

その男の足元には男鹿とは違う、無限の記号が特徴的な紋章が展開されていた。

 

 

 

「会いたかったぜ、男鹿。お前達が消えてから石矢魔のトップは空位のままだったからな。今は一種の停戦状態、雑魚の小競り合いばかりだ」

 

「やっぱお前、石矢魔(うち)生徒(やつ)かよ。鷹宮といいお前といい、もう“紋章使い”の巣窟になってんじゃねぇだろうな」

 

「否定はしねぇよ」

 

他愛のない(?)やり取りが二人の間で交わされる。しかし今はギフトゲーム中でゆっくりしている余裕はないのでレティシアが率直に聞く。

 

「懐郷、と言っていいかは分からないがお喋りはその辺にしておけ。・・・七大罪・マモンの契約者よ、お前の名と目的は何だ?」

 

若い男には契約悪魔を言い当てられても動揺はない。“七つの罪源”に教えていることから特に隠すつもりはないのだろう。名乗りもあっさりとしたものだった。

 

「赤星貫九郎だ。目的なんてものは喧嘩には無粋だろう。今は楽しもうぜ」

 

 

 

 

 

 

第一予選の内容はベルフェゴールの千里眼によって発生した空間の亀裂から複数の視点で中継されている。黒ウサギはそれを見て実況を進めているが、やはりメインで実況しているのは地下都市の空中を映し出している亀裂だ。

 

「おぉっと、まさか飛行が禁止されたこのギフトゲームで空中戦勃発か⁉︎ これは激戦となる予感がします‼︎」

 

黒ウサギの実況と映像にその場の参加者は騒ついている。

 

「さっきの雷や炎は凄かったな」「というかあの二人が立ってるのはなんだ?」「見たことも聞いたこともねぇな」「全員魔力を纏ってるらしいぞ」「何にしても実力者らしい」「弟よ‼︎ 相手を薙ぎ払うのじゃ‼︎」「あの翼に容姿・・・まさか吸血鬼?」「吸血鬼に魔力って、マジかそれ?」「あ〜、俺も喧嘩してぇ」

 

しかし広場は初っ端からの派手な戦闘、しかも箱庭では珍しい紋章術に大興奮だ。そんな中、黒ウサギは外面はギフトゲームを盛り上げる審判の役目を果たしているが内面はそれどころではなかった。

 

(まさかこうも早くマモンの契約者と遭遇するとは・・・。ていうかこの赤星貫九郎という“紋章使い”、“サウザンドアイズ”からの参加者になっているんですけど⁉︎)

 

審判として手に入れた情報にチラッと白夜叉へと目を向けるとあちらも気付いたようで、舌を出して“てへぺろっ”と返してきた。

白夜叉の仕草は効果抜群‼︎ 天真爛漫・温厚篤実・献身の象徴とまで謳われた“月の兎”をイラッとさせた‼︎

 

(あぁ、そうですか。我々に自分の北側行きを話さなかったのも、北側に来てから私達の前に姿を現さなかったのも、ギフトゲームが始まってからようやく姿を現したのも、そもそも防寒のギフトを買いに行った時の素っ気なさも全ては計画通りですか。そういえば大魔王様から手紙をもらってましたもんね。手紙だけではなく派遣もいたということですか、そういうことですか)

 

色々と小さな疑問が氷解していった黒ウサギは内心で愚痴を呟きながらも実況を続けていくのだった。

 

 

 

 

 

 

「これこれ、若いもん同士で盛り上がるのはいいが年寄りを放っておくのはいかんぞ」

 

赤星が名乗った後、今まで黙って待っていた老人が話に割って入る。

・・・実際にこの中で一番年上なのはレティシアなのであろうが、外見的にそこは置いておく。

 

「・・・爺さん、俺とどっかで会ってるか?」

 

さっきから感じているもやもやに男鹿は疑問を呈する。仮面なので人相は分からないが、何となく記憶に引っかかっているのだ。

 

「・・・さぁのぅ、気のせいじゃない()()()()?」

 

突然の語尾にレティシアも味方である赤星でさえ不思議に思うが、男鹿だけはピーンときた。

 

「お前、あの時のカイワレBOYか‼︎」

 

「ホッホッ、今はベヒモスと名乗っておるんでよろしく頼むぞぃ。してどうする?今度は二人だけで儂を相手取るかいのぅ?」

 

男鹿の構えが少し固くなるのを見てレティシアも少し緊張を高める。ベヒモスという名前はレヴィが始めたギフトゲームの解答に必要な一人なので関心はあるが、今は追求すべきではないと判断して男鹿に疑問をぶつける。

 

「・・・強いのか?」

 

「・・・前に()った時は五人掛かりで一撃入れるのがやっとだった」

 

男鹿は苦虫を噛み潰したように答える。その時は暗黒武闘も対消滅エネルギーに似た魔力増幅法も使用してはいなかったが、勝てなかったことには変わりない。

 

(・・・隙を見て脱出口を目指した方がいいか)

 

男鹿の情報からレティシアは総合的に判断し、小声でそれを伝える。

 

「辰巳。私達が向かい合う相手の後ろに、周りに比べて長い鍾乳石があるのは分かるか?」

 

言われて見れば、確かに一際長い鍾乳石がある。

 

「確率的にその二つが脱出口である可能性が高い」

 

「何で分かんだよ?」

 

「説明は後だ。とにかく、どちらかが隙を見て脱出口に向かうぞ」

 

レティシアの言葉に男鹿は思わず背後を振り向く。

 

「はぁ⁉︎ 逃げんのかよ⁉︎」

 

「逃げではない。寧ろ競争なのだから勝ちにいっているだろ?それ程の実力者なら私達の次に脱出するはずだ。運にも寄るが本選で戦えればいいではないか」

 

レティシアの言い分は最もだ。それでも男鹿にとっては“逃げる”という選択肢は好きになれないようで、納得顏には程遠い。

 

「・・・分かった。では辰巳は全力で相手を打倒しに行け。私もできる限りそうするが、難しそうならば隙を見て脱出する。その時は援護を頼むぞ」

 

「・・・おう、分かった」

 

未だに納得していない様子だが了承はしてくれた男鹿にレティシアはホッとする。

 

「では頼んだぞ。・・・待たせて済まなかったな、一応礼を言っておく」

 

男鹿へは手短に説明したとはいえ、説明している時間を律儀に待ってくれていた相手にレティシアは礼儀として感謝した。

 

「気にすんな、終わったのならかかって来いよ。先に奇襲を掛けたのはこっちだからな、フェアにいこうぜ」

 

赤星はそう言って待ちの構えを取る。どうやら最初の奇襲は男鹿達のゴールを阻止するためのものであって本意ではなかったようだ。

 

「では、御言葉に甘えるとしよう‼︎」

 

赤星の言葉にレティシアは遠慮なく“龍の遺影”を展開して赤星とベヒモス(仮)の二人へと殺到させる。

ベヒモス(仮)へは躱しにくいように身体を狙ったがロープを飛び移ることで躱され、赤星へは()()()()()()()()()()()()に頭を狙い、上体を反らすだけで躱させた。

 

そこへ男鹿が瞬時に()()()を疾走して赤星へと迫り、無防備な顎へと蹴りを放つ。

 

「うおっと」

 

それを赤星はさらに上体を反らして紋章から落ちることで回避し、一回転して新たな紋章に着地する。

 

「いいな、やっぱそうじゃねぇとよ」

 

赤星は手を銃の形にして男鹿へと照準を定めた。すると指先に炎が渦巻き球体が形成されていく。

 

紅線銃(レッドガン)

 

球体から炎のレーザーが四筋発射され、男鹿の手足を貫こうとする。蹴り抜いた姿勢の男鹿は片足で前方に飛ぶことで躱し、影から跳び降りながら手に雷電を纏わせた。

 

魔王の咆哮(ゼブルブラスト)ッ!!!」

 

放たれた雷撃は空気中を駆け抜けていくが、赤星はまた不意を打たれないようにしっかりと躱す。

そして躱された雷撃は男鹿の狙い通り、反対側でレティシアが相手取っているベヒモス(仮)へと突き進んでいった。

 

「危ないじゃろうが」

 

それを難なく蹴り落とすベヒモス(仮)。

レティシアは彼が男鹿の攻撃を対処するその一瞬の隙を狙う。

 

「ハアァァッ‼︎」

 

生じた隙に対してレティシアも紋章から跳躍し、手に持つ槍をその頭上へ向けて振り下ろす。

 

「まだまだじゃわい」

 

だが吸血鬼の力を込めて振り下ろした槍をもベヒモス(仮)は易々と片手で受け止めてしまう。

しかしそれを見たレティシアの口角は状況とは逆に吊り上がった。

 

「捉えたぞ」

 

受け止められた瞬間にレティシアの影が蠢き、再びベヒモス(仮)へと殺到する。先程はロープに掴まっているとは思えない俊敏さで躱されたが、今は状況が違う。

 

左腕はロープに固定され、右腕は槍を受け止めている。仮に足で捌こうとしても、男鹿の攻撃を蹴り落とした直後で片足しか使用できない状況では捌ききれないだろう。

さらに今の“龍の遺影”は魔力を込めた特別製だ。“魔遊演闘祭”までの五日間の修行で影に魔力を込め、不定形の影を魔力で形作ることで影の斬撃性を打撃性に変換することに成功している。つまり殺傷を気にすることなく影を行使できるのだ。

 

 

 

「ハァァァーーーフンッ」

 

 

 

それが今回ばかりは仇となった。

殺到する影を前に、老人とは思えない程の膨大な魔力がベヒモス(仮)から迸り、身体に力を込めて影の乱打に耐えてみせたのだ。

 

レティシアは知らないことだが、この老人は男鹿の“魔王の咆哮(ゼブルエンブレム)”すらほぼ無傷で受け止めて平然としているような化け物だ。影の斬撃性を打撃性に変換したものに魔力強化することで使い勝手が良くなった強力な技だが、魔力の扱いに日が浅いレティシアでは出力不足だったようだ。

 

「さて、捉えられたのはどっちかの?」

 

今のレティシアは決め手として攻撃を仕掛けたので防御が欠けた無防備な状態だ。ベヒモス(仮)が放つ魔力が込められた蹴りの衝撃を想像し、どうすることも出来ず覚悟を決める。

 

 

 

しかし結果としてレティシアへ蹴りの衝撃は来ず、代わりに訪れたのは圧倒的な魔力と全てを包み込む輝きだった。

 

 

 

変化はさらに続く。突然の輝きに目を閉じたベヒモス(仮)へと横から何かが高速でぶつかって槍から手が離れる。

そして自然落下するレティシアをすぐさま何者かが小脇に抱え込む。

 

「油断し過ぎだ、ボケ」

 

聞こえてきたのは言うまでもなく男鹿の声だった。ベヒモス(仮)にぶつかったのは吹き飛ばされた赤星である。

 

「・・・悪い、足を引っ張ってしまった」

 

レティシアは言い返すこともできずに項垂れる。

龍影に魔力を込めた攻撃を受け止められるとは思わず、不測の事態に動きを止めてしまっては基本真面目なレティシアが言い返せるはずもない。

 

「ま、こんなところで怪我してトーナメントで足引っ張られる方が御免だからな。さっさと外に出るぞ」

 

レティシアを気遣ったわけではないだろうが、素っ気なく返して行動に移す。

 

「そういうわけだからもう行くぜ。ーーーお前ら、死ぬんじゃねぇぞ?」

 

離れたところで空中に留まる二人に向けて宣言し、別れの挨拶を交わすように片腕を挙げた。その動作に合わせて地下都市を包んでいた巨大な紋章の輝きが増していく。

 

 

 

「ーーー落ちろ。魔王光連殺」

 

 

 

挙げられた腕が振り下ろされ、連動して紋章から幾筋もの光が二人へと落ちていく。いや、二人というのには語弊があるだろう。光の筋は紋章が覆っている範囲ーーー地下都市全てに降り注いだ。

 

「いつの間にこれ程の技を・・・」

 

呆然と呟くレティシア。一緒に修行していた時は魔力増強法の修行のみで技の修行は見たことがなかったからだ。

 

「おら、とっとと勝ち上がるぞ」

 

「ダッ」

 

「あ、あぁ。そうだな」

 

レティシアを抱えたまま男鹿は脱出口と思われる鍾乳石の真下まで跳ぶ。そこで鍾乳石に触れた瞬間にその場から転移させられ、脱出第一号が決定したのだった。




あっれ〜、おかしいな。こんなに長くするつもりは無かったんだが・・・。戦闘の方は短くするのを意識して視点変換は控え、細かい攻防は省かせてもらいました。

今回出てきたオリジナル要素についても幾つか簡単に説明します。
赤星の紋章イラストは正確には無限の記号に四つのダイヤ(金)マークが四隅にあります。
魔王光連殺は原作の鷹宮戦ラストで見せたレーザーナイフの攻撃を光弾として射出したもので、紅線銃はその縮小版というイメージです。

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