子連れ番長も異世界から来るそうですよ?   作:レール

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お久し振りです、少し遅くなりました。
もうね、十六夜君の扱いを考えるのが大変で仕方ない。彼、この段階ではぶっちぎりでチートですもん。

あと前話で登場した“高慢の魔王”を“傲慢の魔王”に訂正しました。ゆっくりRUISUさんには感想で色々と言いましたが、やっぱり傲慢の方が罪源としては主流だと考え直しましたので。

それではどうぞ‼︎


魔遊演闘祭・第三予選

【ギフトゲーム名 “落ちる光の創造者・六対の選定”

・勝利条件:失われる輝きを半数集める。

 

・敗北条件:上記の勝利条件を満たせなくなった場合。

 

・舞台ルール:存在する選定物を破壊することはできない。

 

宣誓:上記を尊重し、誇りと御旗の下、各コミュニティはギフトゲームに参加します。

“七つの罪源”印】

 

「え〜、ルシファーマジで参戦しねぇの?・・・俺が暴れたら引き摺り出せるかな?」

 

「やめて、マジでやめて。俺の胃がマッハでゴーするから」

 

“契約書類”を見て物騒な言葉を漏らす十六夜に、古市が悲壮感溢れるツッコミを入れる。

 

「まぁ言っても俺は知能派だからな。こういうお宝探しも嫌いじゃねぇし、大人しく楽しむとしますかね」

 

そう言って十六夜は“契約書類”と一緒に落ちてきた舞台の地図を見る。第二予選と同じく直径二km程度の空間に造られた都市で闇雲に“失われる輝き”を探すよりも、地図を見て隠された場所を特定してから探しに向かった方が効率がよさそうだ。

 

「で、まずは何処に向かうんだ?やっぱり発電所か?」

 

「おっ、どうしてそう思うんだ?」

 

二人で地図を見ながら古市がそう聞いてきたので、十六夜は試すように笑みを浮かべて聞き返す。

 

「いや、ほとんど勘みたいなもんだけど・・・“光の創造者”ってのが舞台的に発電所かなぁって思っただけ」

 

光の創造者=電気を作る場所という関連付けで古市は場所を特定したようだ。

 

「理由付けはあれだが、まず向かう場所としては間違ってないな。時間の無駄だから歩きながら説明するぞ」

 

「えっ、これって争奪戦だろ?走らなくていいのか?」

 

「そうだが、まだ急ぐ必要はない。いや、だからこそと言うべきか?」

 

古市は頭に疑問符を浮かべながら歩いていく十六夜を追う。

 

「そんな考えることじゃないぞ?具体的な形や場所が不明な以上、急いで動いたらその方が他の奴のヒントになるってだけだ。最悪、出遅れても奪えばいいだろ」

 

「うわぁ、もう盗賊思考だよ。反論はないけど」

 

確かにゲーム名の六対の半数、六つも“失われる輝き”を集めなければならない以上、序盤で急ぐ理由はないと古市も納得する。

 

「で、具体的な形についてだが、まぁ羽型の発光体が妥当なところか」

 

「羽・・・?」

 

「あぁ。“光の創造者”ってのはルシファーのことだからな。ラテン語で“光を生む者・もたらす者”ってのがルシファーの語源で、十二枚の輝く翼を持っていたとも言われているから“六対の選定”。考え方としてはこんなもんだ」

 

こんな推測が瞬時にできる十六夜の頭はいったいどうなっているのだろうか、と古市は本気で感心を通り越して呆れてしまう。

 

「・・・ん?でもルシファーって堕天使なんだから翼も輝いてないんじゃーーーあっ、だから“失われた”輝きじゃなくて“失われる”輝きなのね」

 

古市は十六夜の考えを聞いて疑問に思ったことを口に出していたが、言っている途中で気付いて自己完結していた。

 

「そう、このゲームは堕天使ルシファーではなく大天使ルシファーを元に作られているんだよ。ゲーム名も“落ちた”光の創造者じゃなくて“落ちる”光の創造者になってるしな」

 

十六夜の解説に加え、古市の頭の回転も合わさって滞りなく謎解きは進んでいく。

 

「ん〜、でも全部発電所にはないよなぁ。発電所は六ヶ所しかないし。いや、空間面積から考えれば六ヶ所もあるって言えるけど」

 

「流石に一ヶ所に二つも羽は置いてないだろ。それにルシファーが神に次ぐ地位の天使だったことを考えれば、発電所を神に見立てて電気が供給される最初の場所にある可能性も高いな」

 

「じゃあこれからの行動方針としては発電所で羽型の発光体を捜索しつつ電気の供給経路を確認。その後は電気の供給経路順に場所を捜索って感じか?」

 

「それと念のために羽型の物体は発光体じゃなくても全部チェックだ」

 

うへぇ、とチェック項目の増加に辟易としてしまう。

 

「っと古市、そろそろティッシュ詰めとけ。長時間使用しても大丈夫なんだろ?」

 

そして近くの発電所が見えてきた辺りで十六夜がそう言ってきた。“火龍誕生祭”の実験・実戦では一時間ほど使っても問題はなかったので大人しく言われた通りにする。

先程の謎解きは十六夜の豊富な知識から論理立てて進んだが、それは他の参加者も解けている可能性もあるということだ。仮に謎を解けなくても、古市のように“契約書類”の文面や発電所の多さから場所を特定して近付いている参加者もいるかもしれない。

 

「さて、いったい誰が来るのか・・・」

 

古市は残り少なくなってきたティッシュを見て、無駄にしないためにもいい人選になることを祈りながら鼻に詰める。

 

 

 

「おーおー、また呼ばれたんだアタシ。久しぶりだね」

 

 

 

現れたのは赤髪に眼鏡を掛けた、ビキニアーマーの女性ーーーアギエルだった。

 

「呼び出したのはどんな奴なんだ?強いのか?」

 

当然だが、霊体状態であるアギエルは十六夜には見えていない。

 

「ん、何だ?お姉さんに興味があるのかな?ちょっと自己紹介するから身体借りるね、ふるっち」

 

「あ、はい。というかふるっち?」

 

古市が説明するよりも本人に言ってもらった方が早いので、突然の渾名については深く追究せずに身体の主導権を渡す。

 

「さてと。ベヘモット柱師団柱将、アギエルだよ。よろしくね」

 

「おう、俺は逆廻十六夜だ。・・・にしても柱将か」

 

十六夜の認識としては、団長クラス→柱爵クラス→柱将クラスで強さ的には柱将は一番弱いというイメージだ。

その声音から何となく考えを感じ取ったアギエルは挑発的な笑みを浮かべる。

 

「ふぅん、中々の自信家みたいだね。なんなら試してみる?」

 

「ヤハハ、そっちも中々の戦闘狂みたいだな。その提案乗ったぜ‼︎」

 

「よ〜し、じゃあ早速得物を「待て待て待て待て‼︎」」

 

自己紹介が気付けば戦闘用意に変わっていたので、古市は慌てて身体の主導権を取り返す。

 

「逆廻、今は捜索優先‼︎ アギエルさんも説明するんでお願いします‼︎」

 

「「えぇ〜」」

 

「文句言わない‼︎」

 

見事にシンクロして不満を漏らす二人。まぁ十六夜に関しては今回のゲーム性から時間をきちんと計算して余裕があると判断していたので、本当に戦闘になってもゲームには支障無かったと考えていたりする。

取り敢えず二人は発電所に入り、中を捜索しながら古市はアギエルに今の状況を説明していった。結構シンプルな構造をしていて捜索はすぐに終わり、それらしい物も見つかった。ついでに古市はアギエルが使う得物として鉄パイプも手に入れている。

 

「恐らくこれで間違いないとは思うが・・・何だこれ?舞台から電化製品の類だと考えていたんだが、羽そのものが発光してんのか?」

 

どうやら電気の明かりそのものがカモフラージュとミスリードだったようだ。捜索物の中には羽型の電灯もあったが、これはその比ではない存在感を放っていた。十六夜は三〇cmくらいの羽を弄びつつ発せられる神性に興味津々だったが、しかし今は判断のしようがないのでギフトカードに収める。

 

「よし、あと五つか」

 

「逆廻、次の場所は何処なんだ?」

 

捜索時に電気供給の見取り図もあったのだが、それは固定されていたので自前の地図に十六夜が書き足したのを見て次の目的地を確認する。

 

「次は二〇〇mくらい離れた工場だな。発電所を密集させているのは次の供給場所を隣接させないためでもあったのか」

 

約二kmの空間に六ヶ所も発電所を点在させているのは、発電所に隣接する場所への電気供給を他の発電所から引っ張ってくるためでもあったようだ。これでは発電所に目を付けて近隣を探すとしても、他の場所を特定できずにかなりの時間を費やすこととなってしまうだろう。

 

二つ目の羽を探しに行く途中で発電所に向かおうとしていたであろう他の参加者と遭遇したが、

 

「てい」

 

の一言と共に繰り出された十六夜の拳で蹴散らされてしまった。同行していた古市には相手の冥福(死んではいない)を祈ることと、羽を獲得しているか確認することしかできなかった。

蹴散らされた参加者は羽を持っていなかったが、工場の方の羽は難なく見つけることができた。置き場所のパターンも把握したので次の発電所へと向かうのだが、十六夜は何処か不満そうだ。

 

「張り合いがねぇなぁ」

 

「さっきの参加者のことか?ぶっちゃけお前が強過ぎなんだよ。しかもまだ本気には程遠いだろ」

 

「俺が本気でさっきの奴とやったらオーバーキルもいいところだ。それでも張り合いがねぇって言ってんだよ。・・・もう少し俺好みにゲームメイクするか?」

 

後半は小声での呟きだったので古市には聞こえなかったが、十六夜の気持ちも分からないでもない。彼が今までに本気で戦ったのは弱体化していても星霊であるアルゴールと神格を持った悪魔であるヴェーザーだけだ。その二人レベルとは言わないが、もう少し戦闘と呼べるレベルで戦いたいのだろう。

 

「ほら、ぶつくさ言ってないで三つ目を探すぞ」

 

二ヶ所目の発電所の捜索を促して二手に分かれる。そこでアギエルが話し掛けてきた。

 

「ねぇ。この調子だったらアタシ要らなくない?色んなのがいたりあったりでつまらなくはないけど」

 

「すいません。実はティッシュが少なくなってて、不意打ちも考えればいて欲しいんですよ」

 

十六夜が一蹴したとはいえ参加者と遭遇したのだ。これからはさらにその頻度は増えることだろう。

 

「ん、りょーかいりょーかい。今は柱師団の仕事もないしね。暇潰しには丁度いいよ」

 

雑談交じりではあるが見落としがないように発電所内を探していく。だが、

 

「ないですね」

 

「ないねぇ」

 

少なくとも古市とアギエルが探した場所には羽はなかった。

 

「逆廻〜、そっちはどうだ〜?」

 

「ん〜、こっちにもねぇな〜」

 

古市は少し離れている十六夜にも訊くが、あちらも芳しい成果は得られなかったようで一先ず合流する。

 

「どうやら此処の羽は既に取られた後みたいだな」

 

「どうする?電気供給の地図はあるからそっちの確認に行くか?」

 

「そうだな。此処の羽を取った奴は発電所に絞って探している可能性もあるし、最初の供給場所にある羽は残っているかもしれない」

 

ただ、謎解きはできていなくても頭の回る参加者ならば電気供給の見取り図から不自然な電気供給の距離に気付いて捜索に向かっているかもしれない。

今度は次の場所に向かう途中では誰とも遭遇しなかったが、同様に羽も見当たらなかった。

 

「・・・これはもしかしなくても面倒なことになるんじゃないか?」

 

古市は苦い顔をしながら考える。二人は地図を見て最短距離を効率的に移動してきた。それなのに羽を持っている参加者とは遭遇しなかったことから、この参加者は二人と同方向に進んでいる可能性がある。この参加者が羽を取ってからどの程度経過しているかは分からないが、後を追っていくのでは徒労になる確率の方が高い。

 

「どうするんだ逆廻?多少非効率的でも進行ルートを変更するか?」

 

古市は自分が思い至るぐらいなんだから十六夜は当然理解しているという考えで簡潔に問い掛ける。

 

「ま、そこまで焦る必要はないだろ。俺達は羽を二つ持っている以上、取られなければ負けはない。・・・だが古市の言う通り面倒なのも変わりはない」

 

やはり十六夜も理解しているようで古市に同意する。このゲームは一見して宝探しだが、その本質は奪い合いだ。置いてある状態で見つけるのが最善だが、見つけられなければ後は根気よく羽を持っている参加者を探し続けるしかない。

 

「・・・よし、俺に考えがある。取り敢えず羽の一つはお前が持っておけ」

 

これは仮にどちらかが羽を奪われても問題ないようにするための処置なのだが、何故このタイミングでしたのかは古市には分からない。

 

「それじゃあ行くぞ。アギエルにも楽しい展開にしてやるから楽しみにしとけ」

 

「ふぅん、それは楽しみだねぇ」

 

十六夜は軽薄な笑みを浮かべてこの場にいる見えない人物へと語る。アギエルも応えるように口元に笑みを浮かべているが、それを見ていた古市には嫌な予感しかしなかった。

 

 

 

 

 

 

「で、どうしてこんな所に?」

 

十六夜に着いていくこと暫く。二人は進行ルートを変更して舞台の中心付近、その最も高い建造物の上にいた。そして古市の疑問は無視して十六夜は屋上の縁にまで歩み寄り、大きく息を吸い上げ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「“ノーネーム”所属、逆廻十六夜‼︎ 既に失われる輝きの二つを手中に収めてある‼︎ “ノーネーム”如きに負ける訳がないと高を括っているモブ共は奪い取りに来やがれ‼︎」

 

 

 

気持ちよく宣言した。

 

「あとは待つだけだな」

 

「何してんのお前⁉︎」

 

清々しい表情で戻ってきた十六夜に古市は叫ぶ。

 

「いや、何したいかは分かるよ?分かるけども‼︎」

 

「おう、バトルロワイヤルだ。わくわくするぜ‼︎」

 

「何処の戦闘民族だお前は⁉︎」

 

羽を持った参加者を根気よく探すのが面倒な十六夜は、逆に集まってくる参加者を叩きのめす方向にチェンジしたのだ。しかもバトルロワイヤルとは言っているが、実際は参加者による羽持ちが確定している二人への集中砲火になるだろう。羽二つだけでも十分に勝利へと近付くことができるのだから。羽の所持を二手に分けたのは乱戦になった場合にどうなるか分からないための保険だ。

 

そんな十六夜の意図は理解しているが、同時に別の思惑があるのも古市は理解していた。参加者一人ひとりでは張り合いを感じなかったので、人数を集めることで質より量での戦闘を楽しむつもりだろう。

 

「じゃ、俺は北と東。お前は南と西。OK?」

 

「了解だよコンチクショウ‼︎」

 

やけくそ気味だが、言われた通りに屋上の対角に位置する場所に古市は行く。十六夜が挑発した以上必ず誰かは来ると思うが、何も直情的に突っ込んでくるばかりではない筈だ。十六夜達を後回しにして羽の捜索を続ける参加者もいるだろうし、密かに近付いてくる相手を逸早く見つけるためにも屋上という場所は打って付けだ。

 

「おっ、早速来たねぇ」

 

アギエルがもう楽しみを抑え切れないという風に古市の身体へと勝手に入り込んで臨戦態勢を取った。視界にはコソコソと物陰を移動している三人組を捉えている。

 

「じゃあお先に行かせてもらうよ、さかっち」

 

「お手並み拝見だな。というかさかっち?」

 

十六夜の疑問は無視して屋上から躍り出し、壁面を走って垂直落下していく。地面に近付くと勢いを殺さずに跳躍して屋根に飛び乗り、そのまま屋根の上を一直線に走り抜ける。

 

「まず一人‼︎」

 

相手は隠密行動していたことが災いし、速攻の襲撃に反応が遅れて一人殴り飛ばされる。残った二人は何やら鳥人化して鋼鉄化させた翼を振るってくる。

 

「あっは、変身したよ‼︎」

 

アギエルは鉄パイプの両端を使って器用に同時にいなし、流れるように片方に回転蹴りを放つが、

 

「おぉ、固っ」

 

いなされた羽とは反対の羽で防がれ、硬質な感触が脚に返ってきた。

 

「でも・・・」

 

防いだ羽に足を掛けてバク宙することで後ろから迫る攻撃を回避しつつ背後を取り、左右交互に高速の連撃を放つ。相手も左右の翼で同じように交互に防いでいたが、数度目の攻防で片方の羽ごと頭部に打撃を加えられた。

 

「片方の翼しか硬質化できないみたいだね。駄目だよ、相手の得物と接触している時に変化させたら」

 

アギエルも葵と同様に達人と言われる域に達した剣士だ。最初の攻防の時に鉄パイプから伝わる感触のみで情報を読み取ったのである。

 

「はい、ラストォ‼︎」

 

相手の実力を把握したアギエルは、そのまま怒涛の勢いで残る一人を撃破した。

 

「さてさて、羽の方は持ってるのかな〜」

 

打ち倒した三人の懐を探り、羽またはギフトカードがないか確認する。相手取った近くの二人にはそれらしいものはなく、最初に殴り飛ばした相手を確認してギフトカードを見つけた時ーーー元いた建造物の崩壊する音が鳴り響き、傍らでは隕石が落ちたような轟音が生じた。

 

「ーーーハッ、漁夫の利を狙うにしてはいい腕してやがるな」

 

音源に目を向ければ、そこには黒い矢状のものを握り潰した十六夜の姿があった。握りつずされたそれは闇夜に溶けてすぐに消滅したが、アギエルは呆然と目を点にして十六夜を見ていた。

 

「・・・もしかしてアタシ、気付かなかった?」

 

「まぁ無理はないと思うぞ。俺だって気付けたのはさっきの場所から見ていたからだしな」

 

黒い矢状のものは闇に紛れ、空気中に音も発さず、敵意を感じさせない超長距離からの狙撃だった。アギエルの戦闘を観察しながらも周囲の索敵を怠っていなかった十六夜だからこそ気付け、第三宇宙速度という尋常外の速度を出せる十六夜だからこそ防げた一撃だったと言える。

 

「・・・一撃離脱か?追撃が来ないな」

 

暫く警戒していたが、第二射が来ないことから周囲への警戒は怠らないまま戦闘態勢を解く。

 

「で、ギフトカードに羽はあるか?」

 

「ちょっと待って・・・あった‼︎ それも二つ‼︎」

 

顕現させた相手の羽を自らのギフトカードに移しながら喜ぶアギエル。

 

「この調子ならあと二・三回の釣りで終わりそうだな」

 

身体の主導権を取り返した古市が楽観的にそう告げるが、予想に反して羽を持っていない参加者との戦闘が続き、殆どの参加者と戦う羽目になったのだった。十六夜も楽しそうに戦闘(蹂躙)していたが、黒い矢状のものの狙撃や同系統のギフトを使うような参加者がいないことが頭の隅に引っ掛かっていた。

 

 

 

 

 

 

「うん、実戦データとしてはいいデータが取れました」

 

双眼鏡を構えて戦闘を見ていた男と、黒い矢状のものを手に顕現させてゴーグルを掛けた女が舞台のギリギリの位置にいた。

男は黒髪を後頭部で結んだ中性的な顔に眼鏡を掛けて黒い帽子を被って目元を隠し、女は薄い水色の短髪に黒いニット帽に黒いコートと全身が黒系統中心の格好をしていた。

 

「それは試作品の?それともあの子達の?」

 

十六夜達を見ていた望遠ゴーグルを外して女が問い掛ける。

 

「両方ですよ。・・・それじゃあ終わらせましょう。もう用はありませんからね」

 

男は足元に置いてある羽を取ってゲームをクリア条件を満たした元々回収していた羽をわざと放置することで待機していたのだ。

それを見ていた会場では、その行動を不思議に思いながらも勝ち上がるであろう相手の力量を測っていただけという風にしか映っていなかった。




さてさて、最後の人達は一体誰なのか。
そして下層ではどうしても十六夜は無双し過ぎるため一般的なゲームの進行は難しいです。逆に消化不良になってしまったかもしれませんが、今回は謎解き中心ということでご容赦を。
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