プリキュア5の世界に転生しました…悪役サイドだった者ですが。   作:クルミ割りフレンズ

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小説書くのに47話見返してたんですけど作画ミスなのか黒い扉から闘技場に行くシーン、のぞみちゃん と かれんさんピンキーキャッチュ付けてないんですよね。


第7話 還ってきたW/絶望しない男

「う~ん...ココォ!?ナイトメアがっ!!ナッツ!ドリームコレットは!?」

 

「ナツ...。」フルフル

 

「そんなぁ!?」

 

 プリキュア達はピンキーを55体集め気が緩んでしまっていた隙を突かれてカワリーノにドリームコレットを奪われてしまっていた。

 気絶させられ成り代わられていたココは酷くショックを受けていた。その悲痛さは他の皆も同様、特にパルミエ王国出身の者達はかなり落ち込んでいた。

 その中でもカワリーノに騙される形とは言え直接ドリームコレットを渡してしまったミルクの落ち込み具合は半端ではない。

 

「ウェザートさんが言っていた『カワリーノに気を付けなさい』ってこういう事だったのね。それなのに折角の忠告を無碍にしてしてしまったわ...。」

 

「かれん、あまり一人で抱え込まないで。貴女だけじゃないわ、私も皆も油断してしまっていたのよ。」

 

 どうにか皆お互いに励まそうとはするものの事の重大さ故にいつもの様に行かない。

 しかし、そんな時でも希望を見失わ(諦め)ない存在がいる。

 

「誰のせいでもないよ。」

 

「のぞみ?」

 

「大切なのはこれからどうするか、だよね。ココ!」

「今までだって沢山ピンチはあったじゃない。でも私たちは絶対諦めなかった!」

 

 その言葉に皆の表情からは暗さが先程よりも薄れて行った。

 それでも未だ空気は重い。しかし のぞみ はそんな事知るものかと言葉を続ける。

 

「さぁって、それじゃ行こっか。」

 

「え、何処に?」

 

「ドリームコレットを、取り返しに!」

 

 空を指差しながらそう宣言する のぞみ。その言葉にココとナッツ、ミルクは俯き既にドリームコレットを使われているかもしれない。ドリームコレットを使えるのは一度限りだと言い落ち込んでしまう。

 しかし、そうはならないのがプリキュア5のリーダー夢原のぞみ だ。力強く空を指差しもし本当に使われてしまっているのならこんなにも空が綺麗な筈が無いと言いきった。

 その言葉に皆が一筋の希望を見出しやっと笑顔を見せ始めた。

 そして皆でドリームコレットを取り返しに行こうと決めようとした時...

 

「よーし!それじゃあ皆で取り返しに行くぞー!けっte...」「って のぞみ!」

 

「うぇ!?何、りんちゃん?」

 

「後ろ、後ろの花が!」

 

 のぞみ のいつもの決定を遮り りん が彼女の後ろを指差す。

 そこにはいつかの日にウェザートに貰った氷で出来た胡蝶蘭があった。そこまではいつもの事だがその胡蝶蘭が突如キラキラと輝き始めた。

 一同は先程の事を一瞬忘れてしまう程驚愕したがどうにか冷静になろうとした。その時胡蝶蘭全体の輝きが一つの花に集まり50cm程照射した。

 まるでコンパスの様にどこか場所を示しているように。

 のぞみ が試しに胡蝶蘭を持ってみて動かしてみるが光は同じ方向を指し続けている。

 

「みんな、行こう!」

 

『うん(はい)(ええ)(ココ)(ナツ)(ミル)!!!』

 

(ありがとう、ウェザートさん!)

 

◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 

 胡蝶蘭の光が指示した場所はとある広場。

 そこまで来ると花からは先程の様な輝きが消えいつも通りの状態に戻ってしまった。

 

「...消えちゃいまいしたね。」

 

「でも、此処で消えたんなら何かあるかもしれないナツ!」

 

「そうよね、ナッツさん。皆でこの辺りを何か手掛かりが無いか探してみましょう。」

 

 ナッツと こまち の言葉に皆が頷いて周囲を散策しようと決めた。

 その時思いもよらない声が聞こえて来た。

 

「おや皆さん、こんな所で何をされているんですか?」

 

「アンタは、カワリーノ!」

(やっぱりウェザートさんは私たちをコイツが来る所まで案内してくれたんだ!)

 

「こんな所で何をなされていたのか知りませんが丁度良い、探す手間が省けました。」

 

 彼女たちはココ達の為にもドリームコレットを返せと要求する。

 そんな のぞみ達を嘲笑うように返せないと言い、返して欲しければと、ナイトメアに通じる黒い扉を出現させた。

 

 扉を潜った先ではかつて超獣化したギリンマと戦った闘技場。

 玉座ではドリームコレットを手にしているが未だ使用していないデスパライアがいた。

 カワリーノは自身に勝って見事ドリームコレットを取り返してみろと言い立ちはだかる。のぞみ達はプリキュアへと変身しカワリーノはカメレオンを彷彿とさせる魔人の姿へと変わった。

 ここからは原作通り戦い始める両者。僅かな違いはカワリーノの予想よりもプリキュア達が強くなっていた事だろう。しかし、それでもプリキュア達を蹂躙してみせたカワリーノ。

 

「フフフ、思っていたよりもやるようですが所詮この程度です。しかし悔しがる必要はありませんよ、こうなる事は最初から分かっていたのですから。」

 

 自分達の攻撃を全て尻尾で絡めとり逆に利用してしまう強さにプリキュア達はウェザートと戦っていた時の事を思い出していた。

 

「しかし、このままお別れしてしまうのも勿体無いですねぇ。おぉ!そうだ、良かったら私の部下になりませんか?」

「今までの使えない部下たちや処分した裏切り者のウェザート(・・・・・)と違ってずっといい仕事をしてくれそうだ。」

 

 その言葉に愕然とした。部下になれと言ってきた事にでは無い。

 ウェザートを処分したという言葉にだ。デスパライアでさえも「カワリーノ、貴様何故...」と呟いた辺りデスパライアでさえも知らなかったようだ。

 

アンタ今なんて言ったの!ウェザートさんを処分とか裏切りとかどういう事よ!

 

「おや、そこに食いつきますか。あの者はナイトメアを辞めたのですよ、組織を辞めるなど裏切りも同然。役立たずとして見切りを付けたブラッディさん共々絶望の闇へと堕ちて頂きました。」

「それにあの者の動きは何処かおかしかったのですよ。貴女達プリキュアの存在を知ってから研究だ何だと言って自室に籠りきり。そして外に出たかと思ったら貴女達と会っていた様ではないですか。」

「そして一番怪しいと感じたのは奴と貴女達が戦った後ですよ。しっかりと貴女達は強くなっていたと言うではないですか。ナイトメアを辞めた後は貴女達の方に鞍替えするつもりだったのかもしれませんねぇ。消して正解でしたよ。」

 

 まさかたったそれだけの事でウェザートを消したのかと彼女達は怒りが湧いた。

 確かにプリキュアとナイトメアという敵対関係でこそあったが、そこには確かにそれ以上の絆と呼べるモノがあったと言える。

 歳の離れた友人のような、自分達の事を客観的に見てくれる父性を持った教師のような存在にも感じていた。

 自分達が不躾な質問をしてしまった時も笑顔を絶やさずこちらに気を使い優しくしてくれた。

 最後に戦った時も態々忠告までしてくれて、ボロボロになってしまった自分達を学園ではなくナッツハウスまで送ってくれた。

 そして自身が居なくなっても自分達を導いてくれた綺麗な胡蝶蘭を贈ってくれた。

 そんな彼を消したというカワリーノが許せなかった。

 

 しかし、カワリーノは更に続ける。ナッツが嘗て傷ついたピンキーだと思い門を開いて招き入れたのは自分なのだと。嘲笑う様にナッツに感謝を述べる。自身を騙したカワリーノに飛び掛かっていくナッツ、更にその後を追うココとミントを軽くあしらう。

 

 

アンタ絶対許さない!

 

ココとナッツ、ミルクの故郷を滅ぼしておいて!

 

まったく悪びれもしない!

 

そして更に皆を傷付けて!

 

剰えあんなに優しかったウェザートさんまで手に掛けるなんて!

 

 此処までのカワリーノの所業にかつてない程に堪忍袋の緒が切れた。しかし、

 

「許さない?おかしな事を言いますねぇ。パルミエ王国は兎も角、奴が裏切り者になったのはそもそも貴女達プリキュアが現れたからではないのですか。」

 

 そんな怒りは砕け散ってしまった。奴の言う事など荒唐無稽、頭ではそう考えようとしても本当にそうなのか?と頭が埋め尽くされる。

 

 どうにか助けようとココとナッツは俯いていたミルクに声を掛けプリキュアの力になるよう頼んだ。またしても、

 

「そうはさせませんよ。貴女にはコレ(絶望)がお似合いです。」

 

「嫌ミル!ミルクは絶望なんてしたくないミル!」

 

「あぁそうだ、ドリームコレット。ありがとうございます。」

 

 その一言で絶望してしまいミルクは絶望の仮面を付けられてしまった。

 ココ達もプリキュア達もその光景に呆然とした。

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 

 

 ここに堕とされて一体どれだけの時間が経ったのでしょうか。1分?1時間?1日?それとも1年でしょうか?

 まず最初に視覚が、次に時間感覚が失われました。周囲はとても暗く昏い闇そのもの。自分の手足の場所さえ把握に困るほど何も見えず、何も聞こえず、何も感じない。

 こんな場所から執念のみでカワリーノをブラッディさんは道連れに出来たのだから敬服しますよ。そのブラッディさんともこの闇に堕ちた瞬間に何処へやら。

 おそらく完全に闇へと飲まれた事でカワリーノの支配から解き放たれたのでしょう。私を放すと何処かへ行かれました。まぁ見えないし聞こえないので直ぐ隣に居るかもしれませんがね。

 次に日光を利用して周囲を照らせないかとも考えましたけど、失敗しました。一瞬のみ照らせましたが私が出した光は直ぐに周囲の闇へと吸収されてしまいました。体力の無駄だと判断して直ぐに止めましたよ。

 

 あーあ、何故あそこで油断してしまったのでしょうか。っていうか自分でフラグ立てて回収してましたよ。何が「どのような生き物も目的が達成しそうになった瞬間が最も気が緩むもの。」キリですか。自分で言って自分で実践してたら世話ないです。(...カー...)

 黒歴史を新たに更新しちゃいましたよ!あぁ此処床も壁も無いからゴロゴロとのたうち回る事も出来ません。(ピカー...)

 大体カワリーノが現状で最も警戒するべき相手なんですからブラッディさんに仮面付けてる時点で問答無用で変身していれば良かったんですよ。(ピカー)

 そもそも何各部署に最後の挨拶回りみたいな本当のサラリーマンみたいな事やっちゃってんですか。ナイトメアは立派な悪のそしki(ピカー!)あぁ!もう何です!さっきからピカピカ、ピカピカ!そんなに輝いたら眩しいじゃないですか!こちとら今大事な後悔を...ん?

 

 ピカピカ?この闇の中で?輝く?どうやって?眩しい?何処から?

 えっ、私の懐!?急いでコートの内ポケットを探る。

 こ、コレは!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 プリキュア5ウォッチ(私命名)(仮)!!!

 あぁそうだ、この世界に来てふと持ち物を探った時に何故か持ってたブランクライドウォッチ。それが最初にプリキュア5と戦った時の最後に【プリキュア・ファイブ・エクスプロージョン】を受けて変化したんでした。

 前面のリングパーツ、ウェイクベゼルを回すと5つ蝶のマークになったから驚きましたよ。起動させたら思いっきり小山〇也ボイスで【プリキュア5!】って言いますし。

 起動させた場所が私の結界内で良かったです。ナイトメア本部で起動させた日にはデスパライア様がすっ飛んでくるかもしれない程の希望の力に溢れていました。

 

 因みに去り際に取り出した懐中時計ってコレの事だったんです。後ろ向いた瞬間コートの内側がピカッっと光りまして内心焦りまくってました。のぞみちゃん に呼び止められた時は心臓バックバクだったのは言うまでも無いでしょう?

 

 それにしてもこの闇の中でも輝き続けるなんて凄いですね。流石に範囲は私の周囲といった所ですが照らせている。しかし何故突然?私が寂しくなったから照らしてくれた訳でもないでしょうに...ん?

 ウォッチの光が伸びて行く。これは、追ってみるしかありませんね。

 

 ウォッチの光に導かれて辿り着いた場所。その光景とは、

 

 

 

 (なるほど、神様という存在がいるのなら感謝します。私は未だ自分の罪を数える機会がありそうだ。)

 

 

◇ ◇ ◇

 

 

 

 

 

 

 時間は少し経った闘技場。あれからデスパライアはドリームコレットを使用して願いを叶えてしまい永遠の命と若さを手に入れてしまっていた。

 カワリーノは更にプリキュア達を絶望させようと、自分を倒してももはやどうする事も出来ないと言い彼女達を甚振った。

 そして最後の仕上げだと言って彼女達の足元に絶望の闇を展開させた。

 

「それは裏切り者のウェザートも堕ちた絶望した者を飲みこむ絶望の闇。その闇に飲まれたら最後永遠に闇の中を彷徨い続ける事になるのです。」

「ほら、早速皆さんの絶望の匂いを嗅ぎつけて来ましたよ。...何?」

 

 他の4人の足元には既に準備完了とでも言うように闇が展開されているがドリームには闇が寄り付けていなかった。

 震える足を支えに何とか立ち上がる。

 

 過去カワリーノの策略によって仲間を失いかけた事。そんな思いはもうしたくないと叫ぶドリーム。しかし、とうとう肉体の限界か倒れ込んでしまう。

 

「この様な状況の何処に希望があるというのです。呑まれてしまいなさい。」

 

 自分の勝ちを確信し嘲るカワリーノの姿を最後にドリームの下にも闇が寄って来た。

 

 それでも彼女達は何度も何度でもどの様な闇の中でも希望を見出してきたプリキュア5。この様な状況下でも自分達は将来どんな事をしたいのかと自分達の明日(希望)を話す。

 絶望しきらない為に彼女達の周りの闇は揺らぎ始める。

 

「!?絶望の闇がッ!?」

 

みんな、今将来の夢を話したよね。ってことは

 

私達は未来を諦めていない!

 

そうよ、まだまだやりたい事がいっぱいあるんだから!

 

こんな所で、挫けてる訳にはいかないですよね!

 

皆で力を合わせれば!

 

みんなで力を合わせれば何でも出来るんだから!

 

 立ち上がる。何度でも何度でも、挫けても良い倒れても良い。その度に彼女達にお互いを支え合える仲間がいるのだから。

 そして、

 

 

「その通りです。」

 

 彼女達の足元にあった闇の中からカワリーノに堕とされたというウェザートが光と共に出現し周囲の闇を吹き飛ばした。

 

ウェザートさん!

 

「お久しぶり、かは分かりませんがあの時以来ですね皆さん。」

 

 一度堕ちれば永遠に彷徨い続けるという絶望の闇から帰還してみせたウェザートに両者共驚愕する。っと言っても片方は歓迎、もう片方は理解不能という事によるもの。

 

「ありがとうございます。皆さんのどのような絶望()にも負けない希望()のお陰で私はあの闇から戻る事が出来ました。」

 

どういう事?私たちのおかげって?

 

「それはですね...」

 

「何故だぁ!何故だ何故絶望の闇から戻った!?」

 

 ウェザートがプリキュアにお礼と説明をしようとしているとカワリーノが割り込んで来た。ウェザートは「やれやれ」と言わんばかりに溜息を吐き、

 

「何ですかカワリーノ、図体が大きくなった所為で空気を読む程度の脳比率も低下しましたか?」

 

「貴様ぁ!!!」

 

「そもそも何故も何もありません。あの闇にはカワリーノ、お前が無理矢理私を堕としたのでしょうが。絶望した者を引き込み永遠に彷徨わせるのなら絶望していない者ならば糸口さえあれば抜け出せるのは道理です。」

「さて、積もる話もありますがカワリーノ。反撃と行かせて頂きます。」

 

想覚

 

 雷が冷気が暴風が熱波が豪雨がウェザートの周りを目まぐるしく覆っていき戦う姿へと変えて行く。

 そしてプリキュア5もウェザートと並び立てた事を喜び勇ましく明日への希望を滾らせて構える。

 

「ここからは我々のステージです。」

 




沢山の応援ありがとうございます。取り敢えずあともう少しでこの小説は完結します。短くてごめんなさい。
重ねて主人公は生存と死亡どっちも書こうとしたら私が過労死します。なので両方望まれた方にはごめんなさい。

どれを書けばいいですかね?

  • 最初からプリキュア陣営
  • 鏡の国
  • 5GOGO
  • 新規にライダーとのクロスオーバー

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