プリキュア5の世界に転生しました…悪役サイドだった者ですが。 作:クルミ割りフレンズ
第1話 苦慮:ウェザート葛藤中~ヘイトレッド・ヴィラン~
さてさて私が
1年生から3年生まで全員を担当しているので大変といえば大変ですが私のこの良く回ってくれる頭脳のお陰で教師として結構やっていけてますよ。
生徒達からの反応もまずまずといった具合で授業に雑学や蘊蓄などを取り入れたのが功を奏した様です。やはり同じ内容でも面白いと感じて貰える方が頭に残るでしょうしね。
それと一番大きかったのは赴任してその日に受けた新聞部の増子さんの取材ですかね。根掘り葉掘り聞かれて誤魔化すのが大変でした。最近の中学生ってあんなにバイタリティ溢れてるんですね、次の日には記事になってるから驚きましたよ。
驚いたで言えばプリキュア5の皆さんからも「驚いた!」って言われました。確かにいつかまた会えます的な事は言いましたが雰囲気は完全に今生の別れでしたのでコレは私が悪かったです。
どうやって教師になったのか聞かれましたけどナイトメア時代に作ったパイプで色々ゴニョゴニョしてなったなんて言えないのでこれも誤魔化しました。ナイトメア辞めてからも誤魔化してばっかりですね。
あぁそれと私生徒会顧問になりました。何でも以前の生徒会顧問を担当されていた方が私と入れ替わりで辞められたようで教頭先生から「良い機会だから生徒会顧問、やってみませんか?」って言われて2つ返事でOKしちゃいました。いやぁ私って単純!
顧問に就任した事を かれんさん に伝えると驚かれましたが直ぐに満面の笑みになられて祝われました。顧問ってそんなに大層な役職じゃないんですよね、恐らく普通だったら教師が手助けしないといけない事でも かれんさん達が居るとすらすら解決しちゃうのであんまりやる事無いんですよね。強いて言うなら生徒会長である かれんさん から報告書なんかの書類を受け取って顧問の判子押すぐらい。ぶっちゃけ私居る意味あるのかなと思いつつも彼女の傍に居れて何かしら力になれていると思えば嬉しいんですよ。
さてと、ナイトメアは壊滅、学園の桜は満開。ならば時期的に考えると原作でいえばそろそろ『5GOGO』が始まる時期ですがどうなりますかね。それというのも1つ問題があるのです。
私は彼女達の活躍が好きです。それは前世でも
近い未来、彼女達は再びプリキュア5として復活する。しかしソレが本当に彼女達の為になるのか分からないのです。折角普通の学生に戻れたというのに再び辛く苦しい戦いが待っている日々に戻ってしまう。敵が出てくるならば全ての力を取り戻した私が変わりに戦えば良いとも考えました。でも結局はソレは単なる私の自己満足な訳で彼女達の為になるのか分からない。
だから私は今もこうしてウジウジしてしまっているんです。彼女達のファンとしての憧憬と
話を変えましょう。私は今職員室から理科準備室に移動しています。明日行う授業で必要な資料等を前もって準備していたのでそれを取りに行っていた最中です。
ただサンクルミエール学園、途轍もなく広い。職員室から準備室まで10分程掛かるというのがその証拠。生徒とすれ違う事もあり、その度に挨拶をしてくれるので此処の学園の生徒は皆さん良い心掛けをされています。
「こんにちは。」
「「こんにちは!」」
この様に挨拶すると気持ちの良い返しをして頂けます。ご近所の方からもご好評なんですよ?かなり独創的な生徒も多いですけどね。
さてお仕事をさっさと済ませますか。
「ねぇ聞いた?近くの山で火事が起きたんだって。」
「私も聞いたよ、原因は不明だって言われてたなぁ。」
はて?近くで山火事、ですか。その様なイベントは無かった筈ですが、私の記憶違い?
しかし、この時期に起こったという事は無関係では無いかもしれませんね。これは内々に調査してみる必要がありますね。
◇ ◇ ◇
先日生徒達が話していた山火事、調査してきました。
収穫としては『怪しいが彼女達に今後関わってくるかは分からない』といった所でしょうか。唯の山火事では無い、という事は確かでしたね。
典型的な山火事と比較してもあまりにも燃焼範囲が狭かったのです。しかし、その代わりとでも言う様に燃焼した部分は悉く何も残っていなかったのです。炭化した木々の破片や灰が殆ど残っておらず僅かな痕跡からでしか山火事が起こった事が分からない程に。燃焼というのは温度が高いと残留物が残り難い、これは新しい火葬炉を想像して頂ければ分かって頂けるでしょう。新しい炉は古い炉よりも火葬温度が高いので余程丈夫な骨を持っている遺体でない限り殆ど燃えてしまうのと同じですね。それを示すように一部地面がガラスになっていました、これは余程高温でない限り発生しない現象です。
強力な爆弾などでこの様な現象が発生するのは聞いた事がありますが、そんな物使おうものなら山火事だけでは済まされない程のニュースになっているでしょう。第一ここは日本、そんな物騒な物を簡単に用意出来ますかねぇ。
もう一つ可能性があるとするならば...我々の様な
そんなニュースもあれから1週間、今時の中学生には他にも面白いニュースがあるようで直ぐに風化しました。
まぁ私としても生徒達がキナ臭い事件に興味を持ったりしないのは安心しました。あの増子さんも最初こそ興味を持っていた様ですが直ぐに別のスクープを見つけた様で其方に向かってくれました。
もし、考えた以上に生徒が先のニュースに興味を持つ様な事があれば かれんさん に相談して危ない事はしないよう改めて注意喚起して頂こうかと思っていました。
む?そのような事を考えていたら何やらワイワイと聞き覚えのある、というか彼女達が何やら大声を上げている様子...もしや。
「皆さん、どうされました?この様な場所で。」
「あっ、ウェザートさん!実はさっき...。」
◇ ◇ ◇
ふむ、どうやら のぞみちゃん が運び屋を名乗る謎の少年と共に一瞬で消えてしまったという事らしいです。間違いなくシロップ君でしょう、成程今日でしたか。
「分かりました、そういう事ならば私も一緒に のぞみさん の捜索を手伝いましょう。」
「でも未だお仕事が残ってるんじゃ...。」
「ご心配無く、最低限必要な仕事は終わらせてあります。先生方には急用が入ったとでも言っておきますので。」
『ありがとうございます!』
お礼を言われる程の事ではありませんよ。第一この様な事態では天秤にかける様で申し訳無いですが彼女達の方が重要です。
さてと、確か のぞみちゃん とシロップ君は大きな時計塔に居ましたね。この辺りで時計塔といえばあそこですか、直ぐに向かっても良いですが何故場所が分かったのか聞かれたら困りますし時間を見計らいつつ彼女達と共に捜索するとしましょう。
今期の敵役が登場するのが夕方あたりだった筈、その時間で時計塔に向かえば問題ありませんかね。
◇ ◇ ◇
「まさか!?あれって!」
「そうですよ!間違いありません!」
はい、あれから少し経って のぞみちゃん達を発見しました。問題があるとすれば2人が暴漢に襲われかけているという事でしょうか。字面だけなら大問題なんですがシロップ君がいますし大丈夫でしょう。
と思っていたら時計塔に居た皆さんが真っ逆さまに落ちてきました。人通りが少なくて良かったですよ、少なくとも傍から見たら阿鼻叫喚です。
「きゃあああぁ!」
『のぞみ(さん)!!』
何もしないのはアレなので能力を使う姿勢だけ見せる事にします。取り敢えず風を手に纏わせておけばいいでしょう、本心としてはこのままあの〇安ボイスを吹き飛ばしてやりたいところですが。
そうこうしている内に2人は地面に激突しそうになります。その瞬間モコモコとした煙に包まれて中から大きな鳥の姿になったシロップ君が現れました。
「ロプッ!」
『ロプ!?』
あれよあれよと言う間シロップ君達は空の彼方に飛んで行ってしまいました。
あの子〇ボイスも2人を追いかけて行ったようです。我々も追い掛けるといたしましょう。
「皆さん!私達も追い掛けましょう!」
「でも、あんなに早くて空も飛んでいるのにどうやって...?」
「それは勿論...
『...え?』
言うが早いか全員纏めて風で包んで序でに光を屈折させて周囲からも見えないようにします。
皆さん目をくりくりさせて驚愕されており大変可愛らしい、おっと。
「では皆さん、あまり口を開かないように。舌を噛んでしまいますから、それと目は瞑っておく事をお勧めします。酔ってしまうかもしれませんから。」
『ちょ、ちょっと待っt』
「すみません、時間がありませんので...行きます!」
『きゃあああぁ!!!』
本日2回目のそれも4人分の絶叫が響き渡りました。
空の旅に4名様ご案内です。
あっ勿論私が先頭を飛んでいますよ?何故かというとセクハラになってしまいますから。
◇ ◇ ◇
割と手加減したつもりだったのですが普段鍛えてる りんちゃん以外少しフラフラしています。これは悪い事をしてしまいましたかね。
シロップ君の正体がココさん達と似たり寄ったりな不思議生物と判明して皆さん少し嬉しそうです。
「ちょっといいかな、お取込み中失礼。」
「あなたまたローズパクトを奪いに来たんでしょう!さっきはよくもシロップを!」
「違うよ、元々ローズパクトは我々に届けられる筈だったのさ。シロップが届け先を間違えたのさ。」
さてそろそろ私も会話に混ざるとしましょうか。このままでは何でコイツいるの?って思われそうですし。
「失礼、先程から話に出ているローズパクトとは?」
「何だ貴様は?まぁいい、これさ。その娘が隠し持っている物こそがローズパクト、何の価値も分からない子供よりもその価値が分かる我々が持つべきだと思わないか?」
そう言って奴は意気揚々とカタログ本を開いてローズパクトが載っているページを見せてきました。何でこういう奴ら妙にサービス精神豊富なんでしょうか?
まあ幾ら説明されようともローズパクトにどれほどの価値があろうとも私には関係ありませんがね。
「さっきも言った様にシロップのミスなんだよ。貴様も同じ大人なら分かるだろ?真の価値があるものはその価値が分かる者が持つべきだ。」
「成程、ローズパクトとやらにはそれ程の価値があると。」
そう言って一旦彼女達に目を向けます。全員が強い意志が籠った目をしている、やはり彼女達はこうでなくてはと思ってしまいました。
「ウェザートさん...?」
「分かったらさっさとローズパクトを此方に「ふざけるな。」...何だと?」
「貴様、今私に同じ大人ならと言ったな。ふざけるなよ、目的の為なら平気で他人を貶めようとする貴様なんかと一緒にするんじゃない。
貴様が言うローズパクトにどれ程の価値があるか等私の知った事ではありません。ですが、今の私にとって最も価値ある私の生徒を貴様は傷付けようとしました。
その罪の方が今は何よりも重いぞ、カニ擬き。」
「何を言うかと思えば下らん、そんなものは無価値だよ。それと1つ訂正だ、私はカニじゃなくてサソリだ!」
そこにキレるのかとツッコミたくなりましたが我慢します。序に彼女達がいつでも逃げられる様に前に立ちました、つまり私と奴が向かい合っている状態ですね。
「だったらどうすると言うのですか?」
「我々エターナル流のやり方で、直ちにローズパクトを没収する!」
ふむ、怪人に変身して来ましたか。それなら私も迎え撃ちましょう、とくと御覧じろ何てね。
「奪えるものなら奪ってみなさい。私が相手になりましょう、このナイトメアの元・最高幹部ウェザートがお相手する。」
「何だと!?」
この掛け声を言うのは久方振りですねぇ。手加減出来ずに吹き飛ばしたらごめんなさいね。
「想覚」
突風に熱波、冷気に雷雲、豪雨を纏って怪人態に変身完了。
絶叫マシン以上のスピードで好感度下がらないかドギマギしたこのストレス、ぶつけさせてもらいます。
「瓦解したナイトメアの元・最高幹部だと!?何故そんな奴ここに!?」
「難しい話じゃありませんよ、唯彼女達の夢と希望に魅せられただけです。」
早速奴が両腕の鞭で攻撃してきましたが片方は弾いてもう片方はウェザーマインで絡めとりカウンターで風の衝撃砲を浴びせます。
この混乱に乗じて彼女達も離れてくれましたね。
「ぐおっ!?」
それにしても私がまともに戦った相手ってプリキュア5の皆さんと
奴...酢昆布さんが弱い訳じゃないんですけど、もう少し食らいついて下さい。あれ?スケッチさんでしたっけ?
まぁどうしようかじゃれ合っていると空の彼方からいつか見た光の蝶が現れました。
光の中から5つの蝶、ココさんとナッツさんも登場です。
私が戦っている以上彼女達は必ずしも戦う必要はない。どうしますか、皆さん?
「ローズパクトが!?」
ローズパクトの光と5つの蝶の力が混ざり新たな力が生まれました。『キュアモ』、彼女達を新しいプリキュア5へと変える力。それを手に彼女達は再び力強い目を私に向けます。
「皆さん、宜しいんですね。それを使うという事はまた戦う運命に巻き込まれてしまいますよ。戦うだけなら私がいます。」
やはり彼女達はその道を選びましたか。殆ど分かっていたようなものです、それならこうして悲観する必要はもうありません。こうして彼女達が自分で決めたのなら私はまたファンとして最大級に応援するのみ!
今ここに新たな力を得て再誕したプリキュア5が復活を果たしました。ちょっと目頭が熱くなりそうですが我慢です。
それならば私もまた彼女達と共に戦いましょう。
ストップさんは私の名は知っていてもプリキュアの事は知らないという事で嘗めている様子。攻撃を仕掛けましたがドリームに受け止められカウンターを食らいました。続くルージュとレモネード、ミントとアクアの連携でタジタジ。お返しとばかりに殴り掛かるもドリームに正面から拳で打ち据えられれて決まりません。それに、
「私を忘れられては困りますよ、ロブスター男!」
「ごはぁ!」
殴り掛かった後に出来た0.1秒の隙を突いて雷を纏わせたボディブローを叩き込みました。
多勢に無勢もあるでしょうがぶっちゃけラスボスレベルな私が此方側な時点で相手にとっては割りと詰んだ状況ですね。恐らく今回はエターナルボールすら持ってきていなかったのでしょう。ホシイナーを使えばその隙に逃げ出せたかもしれませんが、これも運が悪かっただけです。
まだ新たな力で変身したばかりで必殺技に目覚めていない彼女達では倒しきれないかもしれません。超獣化しないならそれに越した事はありません、だったら私が取り敢えず倒さない程度に吹っ飛ばします。
「これで、終わりです。」
「くっ!」
風を纏って高速で近付き、回し蹴りを食らわせる。
その時両腕をクロスさせて咄嗟に防御の姿勢を取る。全く認識していなかった方向からの強力な衝撃波、ソレによって体勢は崩れ威力は減衰し私はその場に着地するしかありませんでした。
私を襲った衝撃波が来た方向を見やる。
「帰りが遅いから見に来てみれば、随分苦戦している様だなぁスコルプ?」
漆黒のローブを身に纏った人物がそこにいた。顔や手、足などが全く伺えない為辛うじて声で男性だと分かる程度。誰だ、この人物は?こんな人物は私は知らない。私が忘れているだけ?そんな筈無い、ここまで強烈な人物が居れば忘れる筈が無い!
「お前は!わ、私は別に苦戦など!」
「していただろう?無様になぁ、そこの5人組とソイツになぁ」
フードに隠された頭でプリキュア5を見渡した後に一際強烈な圧を掛けて私を見やる。やはり只者ではありませんね、その余波だけで彼女達やスコルプが腕でガードしなければ一瞬吹き飛ばされそうになっている。
何だ、私だけに向けられるこの感情は何だ悪意なのは間違いない。憎悪?殺意?詳しくは分からない。しかしこれ程までの悪意を持たれる事をした覚えが無い。
それでも彼女達ではなく私に向けられているだけマシですね。それに、
「今回は退け、何の準備もしていなかったお前に出来る事は屍を晒すだけだ。」
「いいだろう、今回は退いてやる。ローズパクトも見つけた、次こそは没収してやる!」シュン!
「俺はローズパクトなぞどうでもいい。エターナルとは利害が一致しているだけだからなぁ。
あぁ、だがやっとだぁ。やっと見つけたぞウェザートォ、他の財宝など要らんがいつかお前の命を貰うぞ。」シュン!
それに、少なくとも完全体の私に明確な痛みを与えられる相手。現・エターナルの中でも最も警戒すべき相手ですね。
いつの日か『プリキュア・ファイブ・エクスプロージョン』を受け止めた時と同様に凍り付き治癒を促す腕を見てそう思わざるを得ませんでした。
私は かれんさん推しなのですが5GOGOでの変身バンクはレモネードが好きです。
でも全員共通の変身後の着地する瞬間も好きなんです。
第1話で早くも新キャラ出しちゃいましたけど個人的にこれで良かったのかと悩みながら書きました。