プリキュア5の世界に転生しました…悪役サイドだった者ですが。 作:クルミ割りフレンズ
私事で色々ゴタゴタが起きちゃってまして、何回か書こうとはしたんですけど内容が思いつかないようなんつて。
1読者としてはちょくちょくハーメルン来てはいましたんですけど書こう書こうと思ってるとハマってるゲームのイベントが始まっちゃうしで中々腰を据える事が出来ませんでした。
沢山評価を頂いているのに半年以上もお待たせしてしまって本当にすみませんでした。誤字脱字報告も助かってます。
長々失礼しました、それではどうぞ。
この世界には凡そ存在してはいけない怪物が私の次に生まれてしまった事に一瞬頭が真っ白になってしまった。確かに
ならば目の前の存在は?増子さんが強制変身させられたドーパントである。ガイアウィスパーは【カメラ】と鳴っていた、であるならば差し詰め【カメラ・ドーパント】と呼ぶべき存在でしょう。
そんな存在を作り出すことの出来るコイツは何者なのか、という疑問が晴れないが今は増子さんです。アレが本来のガイアメモリと同じ物ならば未成年で長時間の使用は命に関わります。それに生体コネクタすら出現していなかった、このままではメモリの毒素で身体が持たない!
「増子さん、今助けるからっ!」
「いけません、貴女達は手出し無用です。」
友達想いの彼女達の事です、今にでも駆け出そうとします。しかし今回に限ってはそれは悪手でしかない。
ガイアメモリを使いドーパントになった者を救出するにはメモリのみを破壊しなければいけない。それ以外の方法で攻撃し続ければメモリ使用者は死ぬ。
ガイアメモリを破壊するにはガイアメモリから出力・増幅させたエネルギーをぶつける、それが出来るのは我々の中では私だけだ。だからこそ彼女達に手出しをさせる訳にはいかない。
いくら彼女達が奇跡の存在であろうとも其れだけはさせられない。あぁだからそんなそんな「何で!?」みたいな目で見ないで下さい説明しますから。
「AAAAAAAAAAAAaaaaaaaa!!!!!」
「ちょっ、何でよ!このままじゃ増子さんが...。」
「ルージュも、皆さんも難しいですが落ち着いて下さい。端的に申しますと私以外の力で攻撃し続けると増子さんの命が危ないのです。」
「「「「「っ!?」」」」」
彼女達は息を呑む。無理も無いでしょう、今までプリキュアとして戦ってきてはいましたがここまで明確に自分達のよく知る人物が死ぬかもしれないのだから。
そして自分達は増子さんを助ける事が出来ない。助けようとする事自体が増子さんの命に関わってしまうと分かってしまったから。
そんな重苦しい雰囲気の中愉快そうに高笑いをする人物が一人。ええ奴ですよ、正体不明のローブの人物。ガイアメモリで人間をドーパントに変える力を持つ危険な存在。
「フハハハハ!!!やはり知っていたかぁ、ウェザート。その嬢ちゃんはなぁ俺が此処に来た時に偶々見かけたもんでな、挨拶代わりに実験台になってもらったよ。」
「貴様っ、たったそれだけの理由でこれだけの事をしたというのか!たったそれだけの理由で彼女の命を危険に晒しているというのか!」
いけない、あまりにもな外道発言と態度に怒りを発してしまった。私と奴のオーラがぶつかった衝撃でプリキュア5の皆さんは吹き飛ばない様に踏ん張っているしホシイナーは壁に激突している。
しかし怒りが一周回って頭はクールになりました。普段紳士ぶってるんだからこういう時も気を付けなければいけませんね、はい反省。
「ふぅ、皆さんはあちらのデカブツの相手をお願いします。増子さんを救うには少々デリケートなモノでして、邪魔が入らない様にして頂きたい。」
「「「「「Yes!」」」」」
「ククク、やるなら早くした方がいいぜぇ?あのメモリは試作品もいいところだ。あの嬢ちゃんの体質にもよるだろうが出力は高めに設定してある、それだけ毒素も強力だからなぁ!」
私は【カメラ・ドーパント】の下へ駆ける。ホシイナーは彼女達に任せれば問題ない、前世では動画サイトのコメントで散々戦闘集団だの特殊小隊だの言われていた彼女達だ。ことチームワークに関しては以降に登場するプリキュアにも負けない完璧な以心伝心具合を
とにもかくにも増子さん基【カメラ・ドーパント】の相手をしなければ、はてさて一体どういった能力なのか。ダブルに出て来たドーパントならば対策は出来るのですが...
「GAAAAaaaaa!!!GAAAAA!!!AAAAAaaaaa!!!」バシャッバシャッバシャッ!
「っ!おっと、危ない危ない。」
咄嗟に身を翻して跳躍し少し離れた場所に着地し自分がさっきまで居た場所を確認する。
成程、【カメラ・ドーパント】の特殊能力は大体分かりましたよ。
「どうやら撮影した場所を抉り取れる力をお持ちのようだ。」
そうさっき奴からは三度シャッター音が鳴り私が居た場所は重なる様に三か所が抉られています。しかし範囲はそこまで広く無いと思われますね、恐らく奴は局所的にしかあの能力は発揮できない。今も尚私を
「その能力の全容はある程度分かりましたが面倒なのは変わり無いので封じさせて頂きます。」
「GIIii!?GAAAaaaaa!!!!????」
カメラは湿気や雨に弱い様ですし、温度差と湿度てレンズを曇らせてみました。やはりあのレンズはあのドーパントにとっては一番の武器であると同時に目でもあるようですね。突然視界がぼやけて見えなくなれば驚くのも無理ないでしょう。
殆ど攻撃は加えていませんがメモリによって増子さんは今かなり身体を痛めつけられている筈、なら手加減していてもメモリブレイクは可能でしょうね。
正拳突きの構えを行い力を選択する。
【ウェザー】に含まれる必要な記憶は雨や湿気といったカメラの天敵。最低限の力でメモリブレイクを行うのなら最大の弱点を狙えば良いだけです。
辛いでしょうが頑張って下さい増子さん、痛みは本当に一瞬です。それを過ぎれば貴女は悪い夢を見ていただけなのです。故に貴女の体内にある異物を除去しなければいけません。
「これで終わりです。」
「GAAAAAaaaaaaa!!!!!!」
「MAXIMUM・TEFNUT!」
あの者に装填されたと思われる辺りの首筋にメモリの力を増幅した拳を叩き込む事に成功しました。
どうやら彼女達もホシイナーを倒したようですね。増子さんの様子は...どうやら元の姿に戻ったようです。メモリも排出され砕け散りました。
しかし増子さんの容体は心配です、短期間とはいえ未成年が毒素の強いメモリを使用したのです。どのような後遺症が出るか見当も尽きません。取り敢えず目に見える範囲での以上は目の下にクマが出ているくらいでしょうか。
これはメモリによる多大なストレスによるものか...とはいえ私か かれんさん の紹介で病院に連れて行きますか。
もう一つ懸念があるとするならば...!
「ハァハッハッハ!中々面白いゲームだったなぁ。」
「ゲーム...だと、今そう言いましたか?」
「その通り!これはゲームさ。早く助けない誰か死んじまうゲームだがなぁ。」
こんな事がゲームだと言うのか、コイツは!何も関係無かった増子さんを巻き込んでおいて、下手をすれば死んでいたかもしれないというのに!
コイツは人の命を何だとっ!
「何とも思っちゃいないさ。」
「貴様っ...。」
「雰囲気でそう言ってたぜぇ。まぁいい、今回はお前の勝ちだが次はどうなるか楽しみだなぁ。」
そう言うと奴は闇に溶ける様に消えて行きました。
とにかく今は彼女を病院に運ばなければ、ここからは教師としての仕事をしましょう。
◇ ◇ ◇
「上里先生、増子さんは大丈夫!?」
「落ち着いて下さい夢原さん、私は医者では無いので表面上しか分かりません。それでも良いのなら今は呼吸も安定していて脈も正常なリズムを刻んでいます。」
「一時はどうなるかと思ったわ、あの黒い奴が増子さんに何かしたと思ったら怪物に変わってしまうだなんて。」
「それなのですが水無月さん、何処か彼女に病院を紹介して貰えませんか?今はこうでもその後が心配です。」
という事で かれんさん に大き目の病院を直ぐにでも紹介して貰う事になりました。坂本さんを呼ぶと言われましたが流石に悪いと思いタクシーで向かう事になりました。
【HOUKOKUSHO】
結局病院に到着しても増子さんは目覚めず取り敢えず血液検査も含め緊急入院という処置になりました。30分後に両親が到着し流石にありのまま説明する訳にもいかず中庭で気絶していたという事にして現状説明。
私の説明を聞いて心配そうに俯いているご両親に心を痛めていると真横から大欠伸で増子さんが起き上がり寝ぼけ眼でご両親の顔を見て一言「おはよう~」。
ご両親、今度は違う意味で俯いてしまいました。お二人揃って顔を真っ赤にするというオマケ付きで。事態が呑み込めて無いのは増子さんただ一人、ゆっくりご両親が居る方とは反対側の私が居る方に顔を向けると今度は増子さんがお顔真っ赤で俯いてしまってちょっとカオスな状態になってしまいました。
そんな状況を打破するべく現れたのは増子さんを検査したドクター。検査結果は殆ど異常無しで倒れた原因は過労だという事になり一日大事を取る事で解決。
増子さん一家にはそれはもう頭を下げられてしまいましたが元はと言えば此方が巻き込んでしまった様なモノなので心が痛い。
次の日いつものメンバーで報告会をしました。
どうやらピンキーを捕まえたらしいですが王様の何方かでは無かった様です。それとココさんと のぞみちゃん は仲直り出来たようです。私にとってはプリキュア全員が推しといっても良いのでその推しの笑顔が再び見れるだけで上々です。
そして増子さんの身に起こった事を説明しなければいけませんね。本来ならば無関係でいて欲しかったのですが、現状こうなってしまってはしかたありません。
◇ ◇ ◇
「それで、この前の事を説明して貰ってもいいかしら。」
かれんさん が先陣を切り又は代弁をするように不安げに私に質問をしてくる。他の皆さんも同様だ、当たり前か。目の前で友人が怪物にされたこれ程恐ろしい事はそうそう無いかもしれない。もしかしたら奴の魔の手は他の友人や家族にさえ及ぶかもしれないのだから。
「本来ならば皆さんには無関係であって欲しかった。しかしこうなってしまっては私には説明する義務が生じました。」
一拍置いてからテーブルの上に砕け散った【カメラ・メモリ】の入ったビニール袋を置き話し出す。
「【ガイアメモリ】と言います。このUSBメモリのようなアイテムには地球の記憶が内包されています。」
「地球の、記憶?」
「はい。例えばこのメモリは【カメラ】、つまり写真機の記憶が封入されています。これを人体に挿入する事でその記憶を元にした超人【ドーパント】へと変身させます。」
「あの、前にウェザートさんが のぞみさん から受け取っていた物も同じガイアメモリなんですか?」
説明していると うららちゃん がおずおずと挙手して質問をして来ました。皆さんも何か合点が行ったような表情をしています。
あぁ、成程。私が出現させたメモリは奴のメモリと外見が違いますからね。そこが引っ掛かっていたのでしょうね、私のメモリは次世代型で奴のメモリは化石の様な骨を思わせる造形がありますから。それにウェザー・ドーパントの見た目は他のドーパントと違ってダークヒーロー感がありますからね。
私の【ウェザー・メモリ】を出現させて合わせて説明する。
「えぇ、私のメモリも奴のメモリも本質は基本は同じです。このメモリはそもそも外側だけですが。」
「ええっと、どう言う事?」
「私はそもそもドーパントですらないのです。ドーパントは人間がメモリを使って変身した存在ですが、私は違う。私は地球の記憶の、その内の【天気】という概念が心を持ち肉体を得た存在だからです。」
後半はちょっと捏造だ、転生したなんて言えません。でも私はドーパントですらないのは本当です。ガイアメモリの力を【ニンゲン】という余計な中継器を通さずに直接出力する事でドーパントという存在の上位互換になれる。
ハイドープは過剰にメモリを使用した事で超能力を得た人間です。もともとメモリには存在しなかった能力を得た存在、それがハイドープ。ならば私は?最初から色々出来ていましたよ、ウェザー・メモリの力では証明出来ない力が。人間への擬態・瞬間移動・あらゆる監視を防ぐ結界構築・単純な命を吹き込み動く雪人形etc.
元々過剰気味な出力と便利だからとポンポン使っていたメモリとはまったく関係ない能力。つくづく自分が怪物である事を再認識する事になりました。そんな私を恐怖の対象で見ない彼女達には本当に感謝の念しかありませんね。
「そして、ここからが本題です。あの時何故増子さんの命が危ないと言ったか覚えていますか?」
「たしか毒素がどうとかって言ってたココ。」
「その通りです、程度はあれどこのガイアメモリは強力な毒素を含んでいます。
彼女が暴走したのはその毒素による苦しみによるものでしょう。しかし今回は彼女が意識が無かった事が功を奏しました。」
「なぜ意識が無いことが良かったの?」
「理由は単純です、このガイアメモリの毒素にはたった一回の使用で手放せなくなる程の
私の言葉に皆一様にぎょっとする。当たり前だ、だってこの説明ではそう...
違法な薬物その物なのだから。
「学生の皆さんも授業で何度か習ったでしょう、違法な薬物などの話を。
このガイアメモリはそれよりも更に危険な物です、使用し続ければ段々と精神や身体が毒素に侵食される。最終的には自身の負の感情を制御出来なくなり暴走し最悪死に至る事もある。
しかしこれは本来はの話です。」
『本来は(ココ)(ナツ)(ロップ)?』
そうこれまで話した事は本来ならばの話、そして増子さんに起こった事も含めれば一致しているとすら言える。
だからこそおかしいとも言える。何故今更になってなったのか、奴も自分と同じ転生者なのか?それならば何故このタイミングなのか分からない。
つい最近転生した存在なのか、そもそも本当に転生者なのか。次会ったとしても下手な事は聞けない。
一番不可解なのは奴が私の事を知っていてそれでいてあそこまで禍々しい悪意を向けて来た所だ。多分ですけど私前世と今世で人相は大分違うと思うのです。見た目は30半ばのオジサンですが前世でもキャーキャー言われそうなハンサムですよ。前世の自分の顔面は憶えていませんがこんなハンサムだったら(多分)独身だった筈ありません。
そういうのも含めて奴が前世から私の事を知っていたとしても私の事を見分けられるのか疑問があるので色々分からないんです。エターナルにいるのはその方が私を狙いやすいという利害一致だと言っていましたし。
「訳有って言えませんし未だ自分の昔の記憶は戻っていませんがガイアメモリがこの世界に存在する事自体がそもそもあり得ない。」
「...ロプ。」
ん?あぁ、そういえばシロップ君も昔の記憶が無いのでしたね。私の言った事に自身を重ね合わせてしまったといったところでしょうか?
明確に憶えている事がある私は幸せなのでしょうね。
「とにかく断定するにはまだ早いですがガイアメモリを造れるのは奴のみだと思います。そしてドーパントに出会ったら絶対に攻撃しないで下さい。」
「昨日も言われたけど一体どうして?」
「ドーパントはメモリで進化した超人と説明しましたが言ってしまえばその身体は強靭な肉体を持った生身です。許容量を超えたダメージを負えばやがて肉体はその負荷に耐えきれなくなり使用者は死んでしまうでしょう。」
「そんなっ...!?」
「しかし私の様な地球の記憶のエネルギーを増幅しメモリにぶつける事が出来れば使用者の命を奪わずにメモリのみを破壊して救出する事ができます。」
私の最後の説明に彼女達は一斉にホッとする。恐らく今日の説明で最も聞きたかった事でしょう。
この世界にメモリを使うライダーが居てくれれば心強いのですが、無い物強請りはいけませんね。
「よぅーし!むずかしいお話も終わった所で増子さんのお見舞いに行くぞー!けってーい!」
ただ少しでも怪物である私に彼女達の傍に居られる権利があるのなら見守って行きたいものですねぇ。
カメラ・ドーパントのイメージに関してはティーレックスドーパントや親子丼ドーパントみたいな2頭身タイプだと思って下さい。色は全体的に黒で描写は無かったですが腕は19世紀に使われていたスタジオカメラの様な形状で伸縮します。手足の指は巻いたフィルムです。
8×10インチの撮影した場所を抉り取る能力があります。割と強い設定で考えていたのに苦も無く倒されたのは主人公の方がアホみたいに強かったからです。
地球規模でどうこう出来るモノホンの怪物とそこらへんの女子中学生が素体の怪人だと比べるべくも無いですよね。
自分に絵心があれば良かったんですけど昔友人にサメの絵を描いて見せたらカバの化物と言われる程度の画力なので無理ですね。
直感で選んで下さい。
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G4
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王蛇
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オーガ
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グレイブ
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歌舞鬼
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キックホッパー
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コーカサス
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牙王
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ネガ電王
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レイ
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アーク