プリキュア5の世界に転生しました…悪役サイドだった者ですが。 作:クルミ割りフレンズ
あれからまた少し日が経ちました。プリキュア5との戦闘記録及び彼女達の
仮面を付けている為表情は窺い知れませんが、ご期待にはお応え出来たようです。
そういえばその後暫くしてブンビーさんの部署が解散したり新部署が出来たりアラクネアさんとガマオ君が倒されたそうです。
今回の褒美としてボーナスと数週間あまりの休暇を頂けました。
そういう訳で僅かばかりの仕事を片付けて私は今比較的ナッツハウスに近い場所にあるカフェテリアに来ています。運が良ければまた彼女達に出会えるかもしれませんからね。しかしこうして寛ぐというのも良いものですねぇ、プリキュア云々を抜きにしても充実した一時です。ナイトメア社に居ると暗い雰囲気でこうは行きませんから。
おや、おやおやおや。噂をすればなんとやら、仲良さそうに談笑しながら5人で歩いて来られてます。しかも のぞみちゃん 、こまちさん、かれんさん のバッグからは気配が其々1つずつ。ココさん達も一緒ですね。
相変わらず仲良き事は美しきかな。ふむ、向こうも漸く気付いて頂けたようです。こちらも目を合わせるとしましょう。軽く会釈してから座るよう目配せしました。
最初は軽く警戒していたようですが周りのお客さんの目もあるので のぞみちゃん が先陣を切りました。他の皆さんもそれに続きます、毎度思いますけどこの娘達の度胸ってどうなってるんでしょうか。
「ごきげんよう、皆さん。暫くぶりですね、ショッピングか何かの途中ですか?」
「アンタこそこんな場所で何してんのよ。また何か企んでる訳?」
「ちょっと りんちゃんっ。そんな言い方しちゃダメだよ。」
「ははは、構いませんよ夢原のぞみさん。夏木りんさんの質問にお答えするなら何も企んでいませんよ。私は今休暇中なものでして。」
まぁそりゃあ警戒されますよね。敵の幹部が休日にこんなに堂々とカフェでティータイムと洒落込んでいれば。
それでも此処は元々私のお気に入りのお店なんですよね。以前ブンビーさんに差し上げたお茶とクッキーも此処で買った物ですしね。
『休暇中!?』
「お静かに、他のお客さんも居られるので。」シー
『あっ、ごめんなさい。』
顔の前で人指し指を立てて静かにという様なジェスチャーをする。彼女達も声が少し大きかった事に気付き素直に謝罪されました。こういう素直に謝れるところは彼女達の一つの美点ですね。
しかしそうですね、
マスターと話した内容は普段使っていない奥の部屋を使う許可でした。このカフェのマスターとは懇意にしているのもあってこういう我が儘を聞いてもらえます。マスターに彼女達を改めて招いてもらいました。
「この部屋なら遠慮無くお話が出来るでしょう。隠れている皆さんも出てきても大丈夫ですよ。」
私の言葉にココさん達は頭を覗かせ出て来ました。ここは一番見た目的にも内面的にも大人な対応をするとしましょう。
「お話をする前に皆さん良ければ何か注文してはどうですか?」
「え、でもそれは...」
「遠慮なさらないで下さい、第一何も注文せずに長居というのもお店にご迷惑をお掛けしてしまいます。代金は私が持ちますので遠慮なさらず。」
私の言葉に「確かに」というような表情をする皆さん。のぞみちゃん と うららちゃん、ココさんとミルクさんは既に壁とスタンドに挟まれているメニューに釘付けです。
しかし他の方は未だ渋っているようです。注文するのは良くても私に奢られるのは抵抗があるのでしょう。ならば最後の一押しです。
「このカフェは私が貴女達プリキュアが現れる前から通っているお店なんですよ。和洋カフェという種類で和菓子と洋菓子、どちらも取り扱っていてどのメニューも絶品です。」
「洋菓子ならクッキー・ケーキ・チョコレート・シュークリーム、和菓子ならあられ、かりんとう、羊羹、豆大福と数多くの種類を扱っています。」
メニューを語る私を見て先程の方々は更に目をキラキラさせ、こまちさん はもじもじとしてナッツさんすら「ナツゥ...。」と言って りんちゃん と かれんさん を見上げます。お2人も仕方ないとばかりに互いに苦笑いしました。これでやっと注文して頂けます。私もエクレアのお代わりを注文したかったですし。
「本当に良いのかしら、全員分ともなればそれなりになると思うのだけど。」
「構いませんよ、それだけの持ち合わせはあるつもりですし。何かを頂きながらの方が落ち着いてお話も出来るというものですから。」
その言葉を皮切りに皆さんそれぞれメニューを見ながら注文内容を決めて行きます。まあ大体皆さん好物を注文されますよね。
「さて落ち着いて来た所で何をお話しましょうか。と言っても私もナイトメアの者、言える事には限度がありますが。」
「なら私から。私達はこれまで貴方達の仲間を3人倒したわ、それにドリームコレットを守る為に何度も貴方達の邪魔をして来たようなもの。それに対して貴方はどう思っているのかしら?」
最初から割と重い事聞いてきましたね、かれんさん。こういう事を聞いてくるのが彼女の凄いところですね。個人的にコレットに関しては結構どうでも良いんですよねぇ。原作通り話が進むならカワリーノが手に入れてデスパライア様に献上するでしょうし。
「2番目の質問からお答えします。私個人はそこまでドリームコレットに執着していません。前にも説明した通り立場上早々現場に行けませんので。勿論デスパライア様に命じられれば私も全力でドリームコレットを奪取しに行きますので。」
紅茶を一口含んでから再度口を開く。これが結構反感買いそうだから言いたくないんですけど、嘘も言いたくないですからねぇ。
「彼ら3人が倒された事、これに関しては0ではありませんが...そこまで大きな何か感じているかと言えば嘘になってしまいます。」
私の言葉に皆さん其々険しい表情、哀しい表情をされる。無理もありませんね、どんなに強くても彼女達はまだ中学生なのですから。
「そんな...確かに倒したのは私達よ。でも仲間を倒されたのにあまり気にしていないなんて...。」
「貴女は優しいですね、秋元こまちさん。敵である我々にもその様なお気持ちを向けて下さるとは。分かって頂けないでしょうが我々には皆さん程の仲間意識を持つ者は殆ど居ないのですよ。」
「闘うという事はどういう事だと、思いますか?」
敵であるナイトメアたる我々にもその優しさを向けてくれる こまちさん に一瞬ウルっと来てしまいそうになりました。
質問にしっかりと答えるために敢えて私からも質問を投げかけます。
「〝たたかう″という事、についてですか?」
「はい、春日野うららさん。貴方はどのような事を思いますか?」
「はっきりとは、分からないです。でも!私も のぞみさん みたいにココたちの夢を叶えてあげたい。その為にドリームコレットを狙うナイトメアと〝たたかう″って決めました!」
「良いですね、それは。それでこそ貴女達プリキュアと言えます。」
「なら次は私の考えを話しましょう。これはあくまで私の考え、貴女達に押し付けるものでは無い事をお分かり下さい。」
再び紅茶を一口含み一拍間を空ける。こうやって注目される事はやはりあまり慣れませんね。
「私は未だ貴女達とは一度しか闘っていません。しかしその一度の闘いで私は貴女達との闘いは命を懸けるだけの価値があると感じました。」
「命を、懸けるって...。」
「当然です、それだけの覚悟を持って挑むという事は当たり前です。戦場に立つという事は命のやり取り。自分が倒される事すら想定せずに挑むとは愚の骨頂。」
「そういう意味ではギリンマさんとアラクネアさんは称賛に値します。あの黒い仮面を自らの意志で着けたのですから。ガマオ君は、カワリーノに半ば騙される形で黒い仮面を着けましたから。」
私の話を聞いて皆さん少し暗い顔をされます。やはり皆さん未だ中学生、この様な話は少し重すぎましたか。
皆さんの為にも私はそろそろ失礼した方がよろしいですね。そろそろ失礼します。そう言って立ち上がった時に前と同じ様に声を掛けられました。
「待って!最後に一つだけ聞かせて、やっぱり何回考えても分かんなかった。あなたはやっぱり優しい人だよ、そんな人が何で酷いことばかりするナイトメアにいるのか分からなかった。だからどうしても聞きたいの。」
のぞみちゃん の言葉に皆さんも合わせて立ち上がった私を真剣な表情で見上げました。のぞみちゃん 皆さん...
そんな純粋な目で見ないで下さいよおおぉ!!!ナイトメアにいる一番の理由が貴女達プリキュア5と会えると思ったからだなんて言える訳ないでしょううぅ!!!
くっ、しかしこんな純粋な瞳を曇らせる訳にはムムム!
そうだ!あの手がありました!嘘も言わずかと言って本当の事も言わない方法が!
「私がナイトメアに居る理由、ですか。そうですね一番の理由はデスパライア様に恩義があるからです。」
「えっと、助けられたって事?」
「その通りです。私が私として目が覚めた時、私は自分自身についての記憶がありませんでした。」
「あっ...ごめんなさい、ウェザートさん。」
「気にしないで下さい。私もその事に関してあまり気にしていません。どういう訳か力の使い方は知っていました。その時目の前にデスパライア様が現れナイトメア社にスカウトされました。」
「こんな何処の誰かも分からない私を力が強いという理由のみで幹部にまで引き上げて下さりました。私は少なくともこの恩を返せたと判断できるまではデスパライア様の下に居るつもりです。」
「そうなんだ、ウェザートさんはいつか記憶が戻って欲しいって思う?」
「いいえ、今の私はおそらく以前の私では見た事が無い程素晴らしいものを見れている筈ですから。では、機会があればいずれ。」
ふうぅ~何とか誤魔化せましたかね。浮かれ気分でプリキュアに会えるかもと態々テラスでお茶してましたけど、こういう事になりかねないから控えるべきですね。
「それと、あの氷の綺麗なお花!ありがとう!みんなで大切にしてるよ!」
その言葉に先程の焦りは何処へやら。片手を挙げて部屋を後にすると気持ち軽快な歩みで支払いを済ませて店を出ました。
今日の天気は私の能力が無意識に作用したのかそうでないのか、それでも今の私の心を表すような気持ちの良い雲一つない青空でした。
別に りんちゃん のセリフや描写が少なかったのは忘れてた訳でも冷遇してるわけでも無いんです。単なる私の技術力の問題です。
どれを書けばいいですかね?
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最初からプリキュア陣営
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鏡の国
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5GOGO
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新規にライダーとのクロスオーバー