それから三日後
秋風鎮守府では艦隊の再編成と訓練が始まった。
そして秋雨は装備量産を行うため秋風村に協力を求めることにした。
秋雨「それじゃあ行ってきます!」
秋月「行ってらっしゃい。気をつけてくださいね」
秋雨「うん!お姉ちゃんもいるし大丈夫だよ!」
電「フフ、それじゃあ行こっか」
秋月「うん!」
そう言って二人は車に乗った。
ちなみに二人は車の運転ができないため妖精が運転した。
秋風村は鎮守府がで来た頃に日本からきた移民で集まった村で鎮守府にとっては資材などの供給で必須な村だ。
しかし徴収や差別などで鎮守府の信頼がなくなり今では供給をしていなくて基地は物資不足になった。
そのため装備量産には秋風村の協力が必須だった。
電「提督、本当に大丈夫なのです?」
秋雨「うん・・・ちょっと怖いけど」
電が隣を見ると秋雨の手は震えていた。
電はそっと秋雨の手を握った。
電「大丈夫ですよ、提督ならやれるのです!」
秋雨「お姉ちゃん・・・うん!」
電の励ましのおかげで秋雨も元気になった。
30分後
秋風村役所前
電「一人ですけど大丈夫なのです?」
秋雨「うん。大丈夫。じゃあいってくるね」
電「はい。行ってらっしゃい」
そう言って秋雨は役所に入っていった。
役所の中は少し暗かった。秋雨はまず受付に向かった。
受付の人は秋雨を少し睨んでいた。
受付人「なにかご用ですか?」
秋雨「はい。村長にお会いしたいです」
受付人は何も言わず目の前の電話をとった。
そして小さな声で話していた。
しばらくたち電話を切ると受付人は部屋から出た。
受付人「こちらへ」
そう言われ秋雨も黙ってついていった。
そして部屋の前に着くと受付人がノックした。
中から声がし、扉が開いた。
受付人「どうぞ」
秋雨「失礼します」
中に入ると村長が一人、椅子に座っていた。
受付人が扉を閉めた。
村長「私はこの村の村長の秋風と言う。提督が挨拶に来るのは君が初めてだ。そんな幼いのにな。それでなんの用だ?」
秋雨「はい。秋風村に協力してほしくてまいりました」
10歳とは思えない話し方に秋風村長は驚いた。
秋風「ほう、なかなか礼儀がなっているな。そこに座れ。詳しく聞こう」
秋雨はソファーに座った。秋風も反対のソファーに座った。
秋風「それでなにを協力すればいいんだ?」
秋雨「装備生産を上げるためこの村に工場のための敷地と建設員、それに働く人の協力をしてほしいのです」
秋風「つまり、基地の戦力向上のため働けってことか?我々はもうあそこは信用してない。今まで酷い仕打ちをされたからな。あそこの喧嘩で村で死人も出ているだぞ」
秋雨「はい。これまでのこの村にしてきた仕打ちは本部で聞きました。僕はその償いをしに来ました。僕は一般人を戦闘に巻き込みたくありません」
秋風「そのため戦力を上げこの村を守ると?」
秋雨「それもありますが、僕はこの村をもっと大きくしたいんです。これを」
そう言うと秋風に資料を渡した。
秋風「・・・これは。よくできてる。たしかにこれだったら協力してもいい。だが、これを守らなければ分かってるよな?」
秋雨「分かっています。死は覚悟しています」
秋風「・・・西側の沿岸部に作れ。資材機材もそこに運べ」
秋雨「分かりました。協力していただきありがとうございます」
秋雨はその場に立って頭を下げた。
秋風「明日から忙しくなる。今日は帰れ」
秋雨「はい。それでは失礼しました」
秋雨は部屋から出るときもう一度頭を下げて部屋を出た。
秋風「秋雨雪翔ね~。まったくいい子供を生んだな、あいつ」
そう言って静かに笑った。
秋雨はそのまま外に出て車に乗った。
緊張してたのか乗った瞬間ため息をついた。
電「提督?大丈夫なのです?」
秋雨「うん。緊張しただけ」
電「そうですか。あ、出発してなのです」
秋雨「・・・お姉ちゃん」
電「どうしm・・・」
電が振り向くと秋雨が抱きついた。
秋雨「・・・ちょっとこうしてていい?」
電「・・・はい」
電は少し戸惑ったがすぐに理解しそっと秋雨を抱き締めた。
電「いつでも甘えていいですよ」
電はこのとき秋雨を本当の弟みたいに思っていた。
二人を乗せた車はそのまま基地に帰った。
運転していた妖精はなにも言わなかった。
翌日
次の日から秋風島では慌ただしくなった。
基地では物資機材の輸送の準備を開始した。
秋風村では建設員の募集をした。
鎮守府を一番信用してない村長が協力したため村から協力する人が続々と現れた。
そして基地でも輸送作業が始まった。
重機などは陸路から輸送するが資材の大半はこの日のために造られた一式小型輸送挺が海路で輸送した。
この一式輸送挺は全長30mの小型挺だが大部分は木材でできている。
そして輸送挺40隻からなる船団は、計58tの資源を鎮守府から輸送、機材が届く前に到着した。
建設予定地にはすでに村の人達50人が集まっていた。
そして資材が届くと木材等の加工が始まった。
しかし集まった人達は加工が得意な人が多く重機が到着する頃には加工作業が終わっていた。
響「・・・早い」
響は指揮能力がとても高かったため、今回の建設の指揮をとっていた。
響「こんなに早いとは・・・まだ4時間しかたってないのに、加工作業が終わっている・・・」
秋風「そりゃそうだ。集めたのは建設会社の奴らや元大工ばかりだからな。全員なれてるぞ。そういうあんただって適格な指示をだせてるじゃないか」
響「・・・まぁ、こっちも資材運搬とかで三年も指示だしてるからね。あ~君は壁班に行って」
秋風村長と雑談しながら響は適格に指示をだしていった。
響はブロック工法を採用して作業を行ったため建築速度は速かった。
秋雨は1ヶ月かかると思っていたがまずか一週間で工場四棟と倉庫二棟が完成した。
秋雨「すごい・・・こんなに早くできるなんて思ってなかった」
響「この職人達がいい仕事してくれたからね」
秋雨「そうなんだ。皆さんありがとうございます」
秋風「別にいいさ。だが約束は守ってもらうぞ。都市化計画、しっかり頼むぞ」
秋雨「はい!任せてください!」
こうして秋風村は都市化計画の第一歩として友好的な関係になった。
この工場がしばらくの間、秋風鎮守府の装備生産効率が飛躍的に上がった。
そして秋雨はこの時から装備の設計、開発を始めた。