魔槍の姫   作:旅のマテリア売り

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4話 夢での邂逅、現世での邂逅

 

 白。白い、何処までも白い空間。

 霧がかかったように霞んでいる足元も、見上げる空も、右も左も、前も後ろも、果ては地平線の向こうまでもがただ白一色に染まっている空間。

 そんな空間に、気付けば咲月は一人、ぽつんと立っていた。

 

「ここって、確か『生と不死の境界』よね……? なんでいきなり……」

 

 何も無い、白一色の周囲を見回しながら咲月は疑問に思う。

 現在彼女が居る白い空間は『生と不死の境界』と呼ばれる場所だ。欧州魔術界ではアストラル界、中国では幽冥界、そして日本では幽世と呼ばれている、宇宙開闢からのあらゆる記録が存在している場所でもある。

 アカシックレコードとも呼ばれており、霊視能力を持つ者や神託を託宣される巫女や魔女たちは、この場所から世界の記録を読み取る事が出来る。神託の権能を持つ咲月にとっては、ある意味でよく知った場所でもある。

 だが、確か自分は食事を取った後に明日の弁当用のおかずを何品か作り、マーナの毛をブラッシングした後風呂に入って床に着いた筈だ。眠る前に権能を使った覚えはないし、そもそも自分は、この幽世に渡れる魔術は知らないし、同じ様な効果を持つ権能も持っていない。

 となると、知らないうちに扉が開いて落とし込まれたか、若しくは意識だけがこちらに呼び込まれたかのどちらかだろう。

 が、前者の可能性は限りなく低い。そんなことをされれば、いくら眠っていても気付く。

 だとすれば、残りは意識だけが呼び込まれたという考察だが……

 

「そう言えば、前にも同じような事があったような……?」

 

 思い当たる事があったのか、記憶からその情報を探る。

 以前に来た時は確か、北欧で二つ目の権能を簒奪した時だったか。あの時も確か、宿で眠っている時にいつの間にか……。

 だが、思い出そうとした所で頭に鋭い痛みが奔る。ギリギリと頭を締め上げる様に鈍く、それでいて針を刺す様に鋭い痛みだ。

 

「ぃ、あっ! つ、ぁあっ……!」

 

 突然の激痛に頭を抑え、咲月は堪え切れずに膝を着く。鏡が無いので咲月には確認できないが、琥珀色のその目は、神託発動時の鮮やかな翡翠色に変色していた。おそらく、覚えていない記憶を思い出そうとした事で自動発動したのだろう。

 幽世は宇宙開闢からの記録が全て存在している場所である。そんな場所で、幽世から情報を引き出し読み取る神託の権能を使おうものなら脳に多大な負荷が生じるのは自明の理。

 頭の中に入って来る膨大な量の情報によって生じる激痛を、涙を流しそうになり、歯を食いしばって耐えながら、咲月は権能の発動を止めようと集中する。

 

「あらら、また無茶するわね。ここでは記憶を繋げると痛い目を見るって、前にも言ったのに」

 

 何とか発動を止め、しかし痛みで頭を抱えたまま座りこんでいると、背後から声をかけられた。小さな女の子が出す様な高い声だ。

 痛みを堪えて背後を向くと、そこには声の主であろう少女が居た。長い髪を二つに結った、純白のドレスの様な衣装を身に纏った少女だ。歳の頃は14、5歳と言った所で、咲月より背丈も低い。可憐な少女だ。

 だが、その雰囲気は決して少女の物ではなく、何より『女』を感じさせる。蟲惑的な、世の男性全てを魅了してしまうような『女』だ。

 

「やっほー、サツキ。久しぶりね。元気にしてる?」

「義母さん……これが元気そうに見えるんだったら、今すぐ眼科に行く事をお勧めするわ……」

 

 軽い感じで声をかけてくる明らかに歳下だろう少女に、咲月は親愛の情と皮肉を多分に込めた、半ば以上に恨めしそうな口調でそう返した。

 咲月の前に現れた彼女の名はパンドラ。咲月を含めた神殺し、カンピオーネ達の元締めであり支援者、そして義母であり、簒奪の儀を担う女神である。

 外見は完全に自分よりも歳下の、幼い少女のそれだが、実際年齢は存命しているカンピオーネ達の誰よりも上だ。何せ、不死の領域に引き籠もっているとは言え、神話の時代から生き続けているのだから。

 とは言え、その事を言ったら被害に遭うので口には出さない。具体的に言えば、揉まれる。

 

「ここに病院なんてないから無理ねー。そもそも行く必要も無いし。まぁ、それはいいとして、頭はもう大丈夫?」

「……どうにか。おかげで前も同じ事をして悶えた事も思い出したわ。どうせまた忘れる事になるんでしょうけど」

 

 皮肉はあっさりと流された。

 小さく溜息を吐く咲月に、パンドラは生温かな笑みを向けている。

 咲月が彼女と出会うのは三度目だが、神殺しとして転生した時には意識が殆ど無い状態だったので記憶の通りに考えれば二度目である。前に呼び出された時に「義母と呼んでもいい」と呼ばれたので、その時からそう呼んでいるのだが、この性格や口調の軽さは相変わらずのようだ。

 幼い外見の義母を見て、咲月はそう思った。

 

「それで、今回はどんな用事なの? 前は権能簒奪の時に死にかけていたからって思い出したけれど、今回は何も無い筈よ?」

「ああ、単に話をする為」

「……え?」

「いえね、最近誰も来ないから、暇なの。私も神だからそうそう不死の領域から出張する訳にもいかないし、でもこっちに呼んでも、咲月以外は誰も「お義母さん」って呼んでくれないし。他にも理由は有るけど、6割はそれ」

 

 あっけらかんとした義母の言葉に、咲月はぽかんとした顔を向ける。まさか自分を呼び出した理由が、暇だから話をする為とは……。

 思わず、ジトっとした目で見てしまったのは悪くないだろう。

 

「まあまあ、落ちつきなさいな。残り4割は貴女達全員に関係ある事なんだから」

「全員?」

「そ、カンピオーネ全員」

 

 口調こそいつもと同じく軽いものだが、その言葉に含まれた空気は決して軽いものではない。

 それを敏感に察した咲月は、表情を改め義母と向き合った。

 

「……どう言う事なの? 八人目と関係ある事?」

「あ、もうゴドーとは会ったんだ?」

 

 咲月の問いに義母が笑みを浮かべた顔で応じるが、咲月は首を横に振った。その「ゴドー」と言うのが八人目である彼の名前なのだろう。何と言うか、待ち人来らずの戯曲の人物みたいな名だ。

 厄介極まるアテナの神具を持っている彼の姿は知っているが、離れた場所から見ただけなので会ったと言うには弱いだろう。関わり合いになりたいとも思わない。

 そう言うが、義母は然して気にした風ではなく、寧ろ「サツキの性格を考えれば納得だわー」と言っていた。相変わらず、軽い。

 

「まあ、あの子の事はまた後で話すとして。関係は、有ると言えば有るし、無いって言えば無いかなあ」

「……義母さん、どっちなの?」

「ぶー。ゴドーもそうだったけど、サツキったらノリが悪いわねー。結論を急ぐのは詰まらないわよー?」

 

 態とらしく、不機嫌そうに目を細めてパンドラが言う。しかし咲月はそんな義母に何とも思わず、黙って彼女の顔を見ていた。自分を含めたカンピオーネ全員に関係ある事なのだ、ノリが悪くなるのは仕方がないと思って貰いたい。咲月自身のノリが悪いのは生来のモノもあるのだが。

 そんな咲月の感情を読んだか、パンドラは不機嫌そうな表情を引っ込めて義娘に向き直った。

 

「正確に言うなら、この東の果ての国にやって来る神様が切掛けになって出てくるかもしれない神様が関係有るの」

「アテナが?」

「そ。サツキも知ってるでしょうけど、アテナ様は蛇の神格よ。蛇は鋼にまつろわされる。それは単純に殺されたり、妻にされたり、或いは支援者にされたりと色々有るけど……これはいいわね?」

 

 義母の言葉に頷く。咲月自身、鋼の属性を持つ英雄神を殺して神殺しと化した身だ。その辺は調べて、知識として蓄えてある。

 『鋼』は大地母神をまつろわせる。その特性上、竜蛇や大地、水、火に関係深い戦神の神格だ。神によっては風や雷なども深い関係に有る。出生に水が関わり、大地母神の三相一体であるモリガンを倒し支援者としたクー・フーリンは十分に鋼の英雄たりえるだろう。

 また、『鋼』の軍神は純血に近ければ近い程、或いは高位であればある程厄介な能力を持つと言う。それがどのような能力なのかは、残念ながら分からないが……。

 

「で、この国には今、三人の『鋼』が居るわ。まあ、実際にはもっと居るんだけど、明確に顕現して寝てるか隠棲してるかで、私が知ってるのが三人って言うだけだけど。私も結局は神だから、詳しくは神側の掟があるから言えないけれど、一人は隠棲中で、一人が半分隠棲してるような状態みたいなもので、もう一人は眠ってるの。この眠ってる『鋼』の方が危険なの」

「眠ってる方が? 何で?」

「その方は『最強の鋼』よ。長い長い流浪の果てに、貴女とゴドーの故郷、東の果ての国に流れ着いたのね。もう随分長い間眠ってるから、もしかしたら大丈夫かもしれないけど、アテナ様に刺激されて起きるかもしれないわね」

「は!?」

 

 さらっと重大な事を言うパンドラに、咲月は思わず大声を上げる。

 『最強の鋼』。随分と仰々しい名を持つ神である。だが、ほぼ全ての神の知識を持つ義母が危険だと言う存在だ、その名に偽りはないのだろう。最強と言うからには、おそらく最上位の『鋼』か、最源流の『鋼』だろう。あるいはその両方に当て嵌まるか。それほどの『鋼』なら、ほぼ間違いなく厄介な能力を持っているだろう。そんな存在がこの日本に眠っている等、初めて知った。

 

「もしかして、その『最強の鋼』って言うのが私達に関係有るの?」

「そ。まあ、ゴドーも居るし、あの方が起きる前にもう一人の『鋼』が出てくるかもしれないけどね。気をつけときなさい、サツキ。あの方の『最強』の名は、決して伊達なんかじゃないから」

 

 その言葉は、普段の義母の軽さを一切含んでいなかった。この義母がここまで言うほどの『鋼』の神格。成る程、余程以上に危険なのだろう。

 アテナの事も考えなければならないが、その『鋼』の情報も調べる必要があるか。ここでの記憶は目覚めれば忘れてしまうが、完全に忘れてしまう訳ではない。無意識の領域には残るのだ。

 ……神託の権能は、自分に対して使う場合は呼び水となる情報が無ければ使えないから、文献や足で調べて廻る必要があるだろうが。この領域になら情報は有るだろうが、下手をすると頭が壊れかねないのでやる訳にはいかない。

 

「とまあ、堅い話はここまでにして……」

 

 咲月が現世に戻った後の事を考えていると、軽さを含んだ義母の言葉が聞こえた。考えを止めて彼女の方を見ると、義母は何故か、獲物を狙う様な目で自分を見ていた。

 ――何か、嫌な予感がした。

 

「うりゃっ!」

「ひゃっ!? ちょっ、義母さん、何を!?」

 

 妙な気迫を込めた目で見られて思わず一歩下がった咲月に、パンドラは猫の様に飛びかかってきた。

 咄嗟の事に反応が遅れ、思わず抱き留めてしまったが……それが悪かった。

 もにゅりと、義母の手が咲月の胸に触れる。

 

「ひうっ!?」

「むむっ、前に触った時よりも大きくなってる!? カンピオーネは個人差があるって言っても基本不老の筈なのに……あーもう、娘だけれど妬ましいー!!」

「ちょ、まっ……義母さん、やめ……ぁんっ!」

 

 咲月の抗議をスルーしつつ、パンドラは彼女の胸に手を這わす。

 神は完成された存在であるため、肉体の成長と言う物が基本的に存在しない。神話によっては、生まれてから成長すると言う物もあるが、それもある程度まで進めば止まる。

 パンドラは神である。それも、母体から生まれた存在ではなく、神々によって創り出された女神だ。彼女も元は、冥府に関係ある女神だったらしいが、成長と言う物は、作られたその瞬間から存在していない。始めから完全な存在、不変存在として創り出されたのだ。

 本人曰く、とっくの昔に過ぎ去った過去の事なので幼児体型は気にしていないらしいが、それでも娘の方が体のスタイルが良いと言うのは妬ましいのだろう。

 実際、そんな事を叫びながら咲月の胸を揉んでいる。

 

「か、義母さん……や、んぁっ、やめ、て……や、め、っふぁ、やん、くぅっ、は、や……やめてって言ってるでしょ!?」

「ふぎゃんっ!?」

 

 悶えていた咲月だったが、羞恥と怒りとその他諸々の感情を込めて義母の頭に、全力で拳を叩き込んだ。

 ゴヅンっ! と言う、鈍い音が白い空間に罅き、衝撃でパンドラは胸から手を離して白い地面にべしゃりと顔から突っ伏した。

 解放された咲月は顔を紅くし、胸を両手で隠して倒した義母から距離を取る。顔が赤い原因は、やはり羞恥と怒りからだろう。睨むように義母を見ている琥珀の瞳には、僅かに涙が浮かんでいる。

 思い切り殴られ、頭に大きなたんこぶを作ったパンドラは、気絶でもしたのか起き上がる気配を見せない。

 それでも警戒して注視していると、周囲にノイズの様な物が走った。見れば周囲の景色も、徐々に掠れ、崩れて来ている。これは夢の様なものだから、目覚める時が近づいているのだ。

 

「か、か……義母さんのバカーッ!!」

 

 現世に意識が戻る寸前に咲月が気絶した義母に投げかけたのは、多分の羞恥と怒りを含んだ罵倒の言葉だった。

 神殺し、魔王カンピオーネとは言え咲月は年若い乙女である。如何に義母とは言え、自分の体をまさぐられるのはダメだったらしい。

 

 ●

 

「っ!?」

 

 朝。まだ日も昇り切らない、薄暗い時間帯。

 咲月は突如目覚め、勢いよくベッドから身を起こした。彼女は時間も確認せず、まず自分の体に異常がないかを触って確認した。

 特に胸を念入りに確認した。

 

「……何かしら。何か、とても重要だけど、色々と台無しにされた夢を見た気がするわ……」

 

 一通り確認して、体に何の異常も無いと分かると一息吐き、セットしても鳴っていない目覚まし時計を見た。

 午前3時半だった。

 

「何かしら……何か、調べなきゃいけない事があったような……でも、何を?」

 

 完全に覚醒したとは言えない頭で、何を調べなければならないのか思い出そうとする。

 何を調べなければならないのか。確か、蛇や金属に関する事について調べなければならない気がするが……。

 一般的に考えて、関係性がまるで見出せない二つの事柄が頭に浮かんだ。しかし、それの何を調べればいいのかが分からない。

 

「……まあ、大切な事だったらその時に思い出すでしょ」

 

 分からないまま考えを打ち切り、咲月は目覚ましのアラームスイッチを切ってベッドから抜け出てシャワーを浴び、着替え、朝食を取っていつもと同じ様に弁当を鞄に入れて、いつもよりも随分と早い4時半に家を出た。散歩の様な感じで、少し遠回りしていこうと言うのだろう。

 いつもと同じ様に静かな、いや、いつも以上に静かすぎる住宅地を、いつもとは違うルートで学校に向かって進む。

 

「変ね。普段なら二、三羽程度は居るのに、今日は一羽も居ない……?」

 

 鳩どころか雀一羽すら見当たらないその道の様子に、咲月は僅かに首を傾げる。いつもだったら、とても早起きの人を除いて鳥が三、四羽程度いるのだが、今日はその姿は影も見えない。

 いつも家を出る時間帯よりも早いので、それも有るのだろうと言ってしまえばそれまでなのだが……直感で、それは違うと判断した。

 何か妙な感じがする。そう思い、警戒心を抱きながら咲月は道を進む。

 

 住宅地を抜け、市街地を通り、多くの道を歩いて彼女は何かに導かれるかのように町はずれの公園に辿り着いた。そこは学校へ向かう道の、丁度反対方向にある場所なのだが――其処に辿り着いた瞬間、咲月の体に力が漲った。朝の散歩で半覚醒状態だった全身が完全に覚醒し、同時に心の中の獣が牙を剥き、闘争心が昂る。

 体の全てが戦闘に向けて緊張する。仄かな臭いも嗅ぎ取る程に、微かな音すら聞きとる様に、全身の感覚がこれ以上ない程に鋭敏になる。

 体に急に発生したそれは、カンピオーネが宿敵たる『神』と遭遇した時に起こる現象だった。

 

「ほう、この国に神殺しはあの男だけかと思っていたのだが、もう一人居たのか。一つの国に二人の神殺し……珍しいものだ」

 

 体の変化に、神が居る事を察して全方位を警戒していた咲月に声がかけられる。それは彼女の後方やや上方からかけられた物だった。

 すぐに振り返り声がした方向を見ると、街灯の上に一人の少女が立ち、彼女を見下ろしていた。

 その少女はとてつもない程に美しかった。

 闇夜に煌く銀月の様に輝く白銀の髪、夜の闇を凝縮した様な濃く、深い闇色の瞳。肌は白く滑らかで、白磁や雪花石膏の様なと言う表現がこれ以上なく当て嵌まる程に美しい。

 世界中の、最高の芸術品を集めても少女の足元には及ばないだろう。人外、神域の美とはまさにこの事か。

 だがそれは当然である。少女を含めた存在は人間を遥かに超越した、もはや一種の自然災害の様な物。その姿は人を遥かに超える美しさを持つか、凄まじく醜いバケモノかの二択しか存在しないのだ。

 その存在は、曰く、『神』。人に畏れられ、敬われるべき存在にして魔王カンピオーネの永遠の宿敵。咲月の目の前に存在する、闘争心を高ぶらせる原因でもある少女の正体はそれであった。

 そして、咲月は目の前に存在するこの神の事を知っている。

 月銀の髪に、梟を印象付ける夜色の瞳。そして全身から感じる、非常に濃い『闇』の属性の呪力。現代の人間の衣装を身に着けてこそいるが、つい数日前、神託で得た情報と完全に合致するその容貌。

 

「まつろわぬ、アテナ……!」

 

 彼女と咲月との邂逅は、酷く唐突だった。

 


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