涼宮ハルヒの憂鬱は俺の憂鬱でもあるのだから、如何にして歓喜に変えるのかというのは正に他人事ではなく、つまるところ幸福へと至るために俺がするべきことは彼女のご機嫌取りなのだろう。   作:おっぴろげ

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※追記 無記入・無記名の人がだいぶん増えてきました。悲しいです。

※追記1・実を言えば横ではなく縦読み推奨なんです

※追記2・あとムカッとするものがあったとしてもGood評価を押しといてください。そっちのほうが色々と面白いです。

※追記3・別にIDを辿って作品の揚げ足取りをするつもりはないので、酷評コメントを匿名で書き込まなくてもいいです。気にしないでください

※追記4・いろいろな表現をしていきたいです・・・
だ、○という表現を一つ削りました。くどい。
突飛のない、を修正。それでは逆の意味になってしまうため


涼宮ハルヒ

 

【挿絵表示】

 

 

 涼宮ハルヒという人間が俺のクラスには居る。

 何やらいつも放課後にわいわいと怪しい部活動を行っているらしく、時たま俺も見かける。活動として最初に目立ったのはバニーガール姿での勧誘活動だった。あれは今も色あせることなく鮮烈な記憶として残っている。特に脇筋が白く眩しく、そういった意味合いではあいつ等の部活動に参加してもいいんじゃないかな?なんて思ったりもした。

 しかし現在の俺が所属しているのは帰宅部だ。これは勉学に勤しみたいとかそういった向上心からではなく怠惰な気持ちからきたものなんだ。多くの学生がそうだと思う。

 そもそもこの学園はどの部活動も目立った功績なく魅力に乏しい。

 一種のシンボル的な立ち位置である野球部も悲惨な戦績と聞く。

 余談だが、その野球部よりも実力があるのではないかと噂されているのが、涼宮ハルヒとその一行の部活動で、彼らは草野球大会に参加し優勝候補の一角を破ったんだとか。噂だ。試合の直後、何故か勝利を譲り棄権したってのも胡散臭さを増している。

 どこもかしくも平々凡々、地味で平素で味気のない部活動の中、異彩を放つ涼宮ハルヒと配下による団体。教師どもの悩みの種でもあるそれは非公認としてこう名乗っている。

SOS団――世界を大いに盛り上げる涼宮ハルヒの団――

個人的にはセンスのあるネーミングだと思う。ただ素性や実態、活動方針が一切つかめない名だけれど。

 興味は湧く。

 湧くが、所詮は対岸の火事。遠巻きに見ているにとどまっている。関わればあるクラスメートと同じ目にあうことは分かり切っているからだ。その男子はみんなからはキョンと呼ばれている。間抜けな名だ、と思う。一体どうあってそうなったのか。鹿の名前からでもとったのか?

 とりあえず俺のクラスではそのキョンという男子生徒がトラブルメーカーの相手をしている。これは傍から見ればカップルにしか見えない。とても仲良しだ。一度、谷口なる男子生徒が追及していたのを耳にしたときはうんざりげに否定していたけど、建前だろう。

 というわけで、同じクラスにSOS団にとって最重要人物の涼宮ハルヒと配下その一である「キョン」がいる。団員はもう三人いて、うち二人が同学年で別クラス、残り一人が二学年の上級生だ。ちなみにその上級生はめちゃくちゃ可愛い。できればプライベートで優雅な時間を共に過ごしたいほどにだ。好みのタイプではないけどな。

 正確な活動期間は不明だが、四月の突飛で奇天烈な自己紹介の数日後から涼宮が動いていたとなるともう三カ月も経つ。

 その三カ月の間に多くの人間を混乱させてきた彼らの能力は、今も健在なんだろうけど、この俺自身が彼らの言動や騒動に巻き込まれたことはなく、この瞬間も頭をひねりつぶすそうとしているのはパラダイスタイムである夏季休暇を前にした、期末テストだ。

 現在は現国。

 主要人物たちの回りくどったらしい台詞や感情表現にイライラしながらペンを走らせるも、字数制限の問題で三度躓き、くそったれと投げた。

 他のものは全部書き終えてるんだから問題ない。

 などと訳の分からない理屈で自分を納得させ、壁掛けしてある時計の針を見つめながら次の数学の公式を思い起こす。

 巡回の教師が横に来る。

「まだ一問、残ってるわよ」

 大量のけしカスが目に入らなかったのか、入ったうえで言ったのか、分からないまま温厚と評判の若い女性教師は去っていった。

 カンニングと疑われるかもしれないが、その姿を少しだけ目で追う。すると窓際にいる涼宮ハルヒとその前席にすわるキョンが視界に入ってくる。涼宮はとっくに終了に至ったようで外を眺めている。同じく手を付けていないがこちらは俺と同様に投げ出したようで、キョンはうつらうつらと睡魔に襲われていた。

「……」

 残り十分。

 もう一度だけ、と年長者の意見を聞き挑戦してみることにした。

 再び手を出した設問その4を解きながら、頭の隅ではあることを俺は考えていた。

 おそらくこれから先もあの二人を含めたSOS団と俺の間には接点は生まれないだろう。何事もなく卒業し、数十年後に「ああ、あんな奴らがいたな」と思い出す。そんな程度の存在として終るだろう。向こうもこちらもだ。

 それでいい、と思う。本音を言えば加わってみたいのだけれど荷が重い。

 無縁のままでいい。

 そう『俺』は思っていた。

 だけど、許さない存在がいるらしい。

 涼宮ハルヒ。

 彼女だった。

 

 




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