八幡side
さっきのデスゾーンのシュートで11対0となってしまった。完全に帝国がこの試合を支配している。一体どうすれば……。
「続けろ。奴をあぶり出すまで」
来るまで?まさか豪炎寺が来るまでの間何をする気だ。
「サイクロン!」
帝国ディフェンダーの蹴りによって出来た竜巻で飛ばされる半田。
「百列ショット!」
空中で連続キックをして放つ。けど円堂は止めることができず得点が決まってしまう。さらにボールをわざと人に当てたりしている。
「キラースライド」
「うわぁ!」
足が何本にも見えるスライディング。それから次々とゴールが決まってしまう。なんだよこれ…これが帝国サッカーなのか。その後も次々とシュートも決まり、みんなボロボロになっていく。そして、得点は18対0になってしまう。
「でてこいよ。さもないとあの2人を…」
「叩きのめす!」
鬼道が言った2人とは円堂とオレだ。オレと円堂は帝国の攻撃陣により、人間サンドバッグ状態になっていた。顔面、腹を交互に攻撃される。
「ああ…アイツら…」
「ゴールを決めることが目的じゃない。円堂と比企谷を潰すのが目的」
まだまだ続く人間サンドバッグの中、風丸が…
「ふざけるな…こんなの…こんなのサッカーじゃねぇ!」
「「風丸!」」
風丸はそう言ってオレと円堂を押しのけ帝国が打ってきたシュートをヘディングで防ぐ。がその反動なのか自分自身がゴールへと飛ばされる。
「うぅ…」
「風丸…」
「風丸大丈夫か」
オレと円堂は風丸の元へと駆け寄る。
「円…堂…比企…谷…」
これはダメだ。風丸はもう試合をできる状態じゃない。
「円堂、風丸を目金と交代しよう」
「あ、ああそうだな!おい!目金!風丸とこうた…あれ?目金の奴どこ行った?」
「は?」
そう言われてベンチの方を見ると目金の姿がなかった。おいおい…どこ行きやがったんだ?まさか逃げたんじゃ……。これじゃ交代できねぇ……。
「スマン風丸。交代をすることが出来なくなった」
「お、俺は…大丈夫だ」
いや、大丈夫な訳ねぇだろ。
「お前の気持ち受け止めたぜ」
「ああ、そうだな」
オレは風丸をゴールから離れた場所にうつす。
「スマンなこんな所に置いてしまって」
「気にするな…いいから早く」
「ああ」
オレはそう言ってゴールへと向かう。
「絶対!このゴールは守ってみせる!」
そうだ!風丸が身を張って守ったんだ!絶対に決めさせちゃならない!
「フッ、1度としても守れてないがな。いや、1回だけだがな」
言わせておけば……。すると鬼道はボールを上にあげる。そして
「百列ショット」
またあのシュート。そのシュートは円堂めがけて飛んでいく。
「このシュート決めさせてたまるもんか!」
そう言って両手でシュートに立ち向かう。けど円堂の身体はだんだんゴールの方へと向かっていく。このままじゃ!そう思いオレは円堂の後ろに回り、円堂の背中を両手で押さえる。
「比企谷!」
「よそ見するな!止めるぞ!」
「!ああ…!」
オレと円堂の力で帝国のシュートを止めようとする。けれどこれでもまだパワーが足りない。けど諦めない!
「「うおおおおぉぉぉぉ!!」」
声を出して止めるようとしたが、パワー負けしてしまいボールオレと円堂と一緒にゴールへと突き刺さる。
「うわぁ!」
「ぐあぁ!」
くっそ!止めることが出来なかった。
『ああ!惜しい!2人がかりで止めたかに見えたか、円堂、比企谷。だがボールのパワーはそれを遥かに超えてゴールの中へ、帝国はこれで19点目』
うるせぇな。なんだアイツは?実況かよ。
「無様だなぁ」
「無理だな」
「お前らでは俺らから一点を取ることすらな」
笑う帝国イレブン。ダメだ。正論に加えて体力も残ってない。くっ……これが実力差か。そしてオレの心は折れようとした時だった…。
「まだだ!」
と隣で円堂の声が聞こえた。
「まだ……終わってねぇ。まだ……終わってねぇぞ!」
「っ!」
そうだ!オレは何勝手に折れようとしてたんだ。1人が諦めてねぇんだ。だからオレも折れちゃダメなんだ!オレと円堂はボロボロの身体を無理やり起こす。そしてまた人間サンドバッグ状態になってしまう。そして…
「「ぐあぁ!」」
また2人でシュートを止めようとしたが呆気なくゴールが決まってしまった。
『ゴーーーール。これで帝国は20点目!』
くっそ!くそくそくそくそ!負けてしまうのか…これで本当にサッカー部は廃部になってしまうのか……。せっかく円堂達とやるサッカーが楽しいと思えてきたのに……本当に終わりなのか…。すると…
「誰だアイツ!」
「あんな奴うちの学校にいたか?」
観客達そう騒ぎ立てる。一体なんだ?と思い見てみると、そこには目金が着ていたユニホォームを着た豪炎寺がグラウンドへと入ってきた。アイツ…。
『おや?彼はもしや、昨年のフットボールフロンティアで、一年生ながらその強烈なシュートで一躍ヒーローとなった、豪炎寺修也!その豪炎寺君が、なんと雷門のユニフォームを着て、我々の前に登場!』
あまりの事に冬海先生と審判が駆け寄る。
「待ちなさい!君はウチのサッカー部では……」
「良いですよ。俺たちは」
冬海先生の言葉を遮る鬼道。
「それでは、帝国学園が承認したため!選手交代を認める!」
審判の宣言により、豪炎寺の参加が決定した。
「豪炎寺!やっぱり来てくれたか!」
円堂は豪炎寺の肩に手をかけるが崩れる。
「ああ、大丈夫か?」
すかさず豪炎寺が支える。
「遅すぎるぜお前!」
「ホント…もっと早く来て欲しかったもんだぜ」
「フッ」
豪炎寺が参加するということで風丸と豪炎寺を交代させる。そして風丸がいたポジションには少林、少林がいたポジションにはオレが入り、オレがポジションには豪炎寺が入る。そしてオレ達のキックオフで始まるがすぐにボールを奪われてしまう。
「行け。デスゾーン」
鬼道からフォワード陣へボールが渡る。そして、デスゾーンを放つ。
「よし」
『走ったぁ!何故か豪炎寺、円堂を全くフォローせず!一人帝国ゴールに上がっていく!』
アイツ…まさか!
「なに?」
『目金と同じ敵前逃亡かぁ?』
違う!アイツは信じてるんだ。円堂がボールを止めて、そのボールが来ることを。すると円堂から今までにない力を感じる。その力はオレンジ色にも見える巨大な右手。その右手でガッチリとシュートを止める。けど…
「ぐっ!」
相当ダメージが大きいみたいだ。これじゃ豪炎寺にパスを送れない。だったら……
「円堂!こっちだ!」
オレは円堂にパスを要求する。
「!そうか。頼むぞ!比企谷!」
そう言ってロングスローでオレにボールが渡る。ああ、言われなくても。円堂が体を張って止めったボールは絶対に豪炎寺に繋げる。
「いかせるか!」
そう言ってオレを止めにかかる帝国。ここで止められる訳には行かないんだ!その時内側から力がは触れてきた。けど、今は繋げることで集中しており、その事に気づかない。そして一瞬オレの姿が消える。
「なっ!消えた!」
敵が驚いているとオレの姿が現れる。その現れた場所はさっき向かって来てた敵の後ろだった。そして無意識にオレはこう言っていた。
「ファントムドライブ!」
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ファントムドライブ
一瞬にして自分の姿を消し相手の背後に現れるドリブル技。
※黒〇のバスケのバニシングドライブみたいな感じのやつです。
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『なんと!比企谷が必殺技で帝国を抜いた!』
「豪炎寺!頼むぞ!」
相手を突破したオレは豪炎寺にパスを出す。オレからパスを受け取った豪炎寺はボールを高く上げ、自分もジャンプする。そして炎を纏い
「ファイアトルネード」
左脚でシュートを放つ。ボールは炎を纏いキーパーに止められることなくゴールへと入っていく。これでやっと1点決まった。
「ただいま、帝国学園側から試合放棄の申し出があり!ゲームはここで終了!」
『なんと!ここで帝国学園は試合を放棄!これは実質雷門側の勝利とも言える展開です!』
まぁ、確かに名目上そうかもな。
(円堂守、比企谷八幡か…思わぬ収穫があったな)
そして帝国イレブン達は乗ってきた車に乗り帰って行った。
「よく来てくれたなぁ。これで、新生雷門サッカー部の誕生だ。これから一緒にやっていこうぜ豪炎」
と言いかけると豪炎寺はユニフォームを脱ぎ円堂にユニホォームを投げ渡される。
「……今回限りだ」
そう言って去っていく豪炎寺。
「あ、豪炎寺。ありがとな!ありがとう!」
周りは止めないのかという意見に、いいんだと答える円堂。
「さぁ見ろよみんな。この1点!この1点が雷門の始まりさ。この1点が俺たちの始まりさ!」
そう言って人差し指を上にあげる。すると周りの奴らも一斉に上げ出す。え?何これ?良くみんな合わせられるね。不思議だよ。
「ほら、比企谷も」
と誘ってくる円堂。周りも期待の眼差しを向けてくる。
「わ、わーたよ。ほら、これでいいか?」
「ああ!ニヒッ」
そう言って笑い出す円堂。まぁ、たまにはこういうのもいいかもしれないな。
「というか比企谷。いつの間にあんな必殺技身につけたんだ?ファントムドライブって」
「確かに」
「すげえ必殺技だったな」
上から半田、染岡、円堂と言ってくる。
「いや、正直オレにもわからん。気づけば体が勝手に動いてそう言ってたんだ」
「それでもすごいじゃないか!よーし!みんな!比企谷に負けずに俺達も頑張ろうぜ!」
「「「「「おう!」」」」」
ホントあの必殺技はたまたまなんだけどな。しかもファントムドライブって…厨二病かよまったく。
そして翌日部室で会議している。
「帝国戦で俺達の問題がわかったそれで…」
「問題点も何もまず体力無さすぎ」
マックスが円堂の言葉を遮り事実を言ってくる。その一言で周りは酷く落ち込む。まぁ、本当のことだからな。
「あ、ゴメン。今の凹んだ?」
ああ、バッチリ凹んだよ。
「円堂。話を続けてくれ」
「まぁ、体力作りはもちろんなんだけど、こんなフォーメーションを考えたんだ」
そう言ってホワイトボードにフォーメーションを書く円堂。そのフォーメーションは帝国戦で使ったフォーメーションはオレと染岡のツートップと、染岡のワントップのフォーメーションだった。ワントップになると4-5-1となる。そんな会議中に
「あの~キャプテン」
「ん?なんだ?」
「この間の豪炎寺さん呼べないんですかねぇ」
「そうだよねぇ〜結局のところあの一点。豪炎寺君のシュートだったんだからねぇ」
宍戸と敵前逃亡を図った目金が言う。
「今の俺たちじゃ、あんな風になれないっす」
壁山も続けて言う。すると染岡が急に立ち上がり
「あんなのは邪道だ……俺が本物のサッカーを見せてやる」
と言うがね。この世はそういう風にできている。
「豪炎寺はやらないんだろ?」
「それは分からないけど……」
「円堂までアイツを頼りすぎだ」
「そ、そんなことは」
「俺たちだって出来るさ。もっと俺たちを信じろよ」
染岡の苛立ちはますます上がっていく。そんな時部室のドアが開く。
「皆お客さんよ……何かあったの?」
「いや、ちょっとな」
「それで客って誰だ?」
「あ、うん。どうぞ!」
木野の一言で入ってくる客。その客というのはウェーブがかかった茶色の長い髪に赤色のつり目。制服は一般の生徒と違って赤を着ていた。コイツは我が雷門中の理事長の娘、雷門夏未が入ってきたのだ。なんでコイツがここに?
「くさいわ」
と鼻をつまみながら一言漏らす。
「こんな奴。何で連れてきたんだよ」
「話があるって言うから」
明らかに苛立つ染岡。落ち着けよお前。そんなカリカリしてたら高血圧になるぞ。
「帝国学園との練習試合。廃部だけは逃れたようね」
「お、おう」
なんか圧力がやべぇな……理事長の娘マジパネェ…。
「これからガンガン試合していくからな」
「次の対戦校を決めてあげたわ」
え?練習試合?早くない?そんなに決まるものなの?
「次の試合……!」
喜ぶ円堂を筆頭としたサッカー部の面々。まぁ、喜ぶのはいいが雷門を無視するのはやめてあげてね。オレも昔やられたことあるから。
「おい、お前らまだ話終わってねぇんだ。最後まで聞け!」
「ああ、そうだな。悪い、続けてくれ」
「ええ、次の対戦相手は尾刈斗中よ」
「オカルト中?」
「尾刈斗中よ。でも、ただ試合をやればいいってだけじゃないわ」
「また、負けたら廃部か?」
「ええ、その通りよ」
「……またかよ…………」
「ただし、勝利すればフットボールフロンティアへの参加は認めましょう」
おお…マジかよ。
「精々頑張ることね」
そのまま去っていく雷門。フットボールフロンティア……日本一の中学サッカー部を決める大会か……。これに参加できるということで盛り上がるサッカー部部員。
「フットボールフロンティア…これに出られるのか」
「ああ、みたいだな」
「喜ぶのは早い。俺たちは次の試合に勝たない限り出場できないんだぞ」
「染岡の言う通りだよ。そもそも負けたら廃部だし」
「皆。この一戦絶対に負けられないぜ。練習やろうぜ!」
「「「「おう!」」」」
そして放課後、グラウンドはラクビー部に占領されているので、オレ達は今、河川敷で練習をする。けど、何を焦ってるのか染岡はラフプレーを連発をしている。そんな中、帝国学園戦でいた新聞部の音無が練習の見学ということで見に来ていて尾刈斗中には怖い噂があるとかでそれを教えてくれた。
「尾刈斗中と試合した人達は3日後に全員高熱を出して倒れるとか」
「高熱?」
「尾刈斗中の中に風邪でも引いてる奴でもいたんじゃないか?」
「あのな。もし、風邪でも引いていたら、試合自体出れねぇだろうが」
「あ、確かに」
ちょっとは考えれば分かるだろう。
「ハァ…まぁいいや。音無、続けてくれ」
「はい、続けますね。尾刈斗中が負けそうになるとすごい風が吹き、結局試合が中止になっちゃうとか」
すごい風?
「尾刈斗中のゴールにシュートを決めようとすると、足が動かなくなるとか」
「そんな怪奇現象みたいなのが本当に起きるのか」
「噂ではそう言ってます」
「そうか……。ま、所詮噂は噂だろうしな」
「比企谷の言う通りだ!」
そう噂は噂だ。そんなの誰が嘘っぱちを言ってるだけだ。
「けどやっぱり豪炎寺さんを」
「そうでやんすね」
「なんだ!お前ら!豪炎寺なんかに頼らなくても俺がシュートを決めてやる!フォワードならここにいるぜ」
そう言って自分に指を指す染岡。因みにオレもフォワードできるから行けるぜ。
「おう、その勢いだ。なんか豪炎寺、豪炎寺ってそりゃ染岡も怒るって」
「そうだな」
「ま、元からいるメンバーで頑張るってのもいいかもしれないしね」
「そうだな」
「でも、キャプテン。もしあの時豪炎寺さんが来てくれなかったらオレ達廃部だったんすよ。今度だって…な?」
弱気の言葉を言う宍戸。近くにいた栗松と少林に同意を求める。
「負けられない試合だってキャプテンも言ってたじゃないですか」
まぁ、確かに負けられない試合だけどよ。
「みんな人に頼ってたら強くなれないぞ!」
「そうだ!」
円堂と染岡が正論を言う。染岡はいつもまともな事言ってるが、円堂がまともな事言うだなんて…。ま、たまに役に立つ事言うけどな。
「よし!みんな!練習だ!」
「おう!」
「「「「「おう!」」」」」
円堂の一言で練習を再開する。オレも練習再開する前に。
「音無」
「はい、なんですか比企谷先輩」
「尾刈斗中の事教えてくれてありがとうな。オレら尾刈斗中の事全然知らなかったから助かったわ。と言っても個人的にだけど」
そういうと、音無はすごい明るい顔になり。
「はい!お役に立てて何よりです!」
「じゃそういうことだ」
オレはそう言って練習を再開する。それからオフェンスとデフェンスに別れて練習をする。そんな中オレがボールを持ちゴールへと上がっていると
「行かせないぞ!」
そういう言って風丸が立ち塞がる。パスを出そうとするが周りはマークされてパスが出せない。だったら…
「これならどうだ!ファントムドライブ」
「っ!消えた!?」
「こっちだ!」
風丸がオレを探している間にオレは風丸の後ろにいた。
「いつの間に!」
「いいぞ!比企谷。そのまま打ってこい!」
「行くぞ円堂!」
オレは足を大きく振りシュートを放つ。けれど円堂は横っ跳びでキャッチする。
「いいシュートだ!よし!次行くぞ!」
そう言って円堂はボールを高く蹴りあげる。やっぱり円堂からゴールを奪うのはまだまだ先のようだな。そしてちょっとした休憩時間。風丸が話しかけてきた。
「やっぱりすごいな比企谷のあの技」
「そうか?」
「ああ、一瞬どこいったかわからなかったからな」
「そうか。けどまだまだだ。もっと身につけないといざと言う時に出来なかったらダメだしな」
「そっか。比企谷ならできるさ!」
「ありがとよ」
こうやって誰かに応援してくれたのは初めてだな。悪い気持ちじゃない。ホントオレは円堂とサッカー部作って良かったと思う。けれど、ドリブル技だけじゃなくてシュート技も使えるようになりたいしな。頑張って練習するしかないな。けどどんなシュート技が良いんだろうか。誰かのシュート技を真似するとか?けど、今まで見てきたシュート技は、百列ショット、デスゾーン、そしてファイヤートルネードの3つ。この中で真似するとしたら…やっぱりファイヤートルネードだろうな。けどまるまる真似するのはダメだろうだから、少しアレンジしてみるとか、もしくは名前を変えるとかするか。よし、そうと決まれば早速練習だな。
いかがでしたか?ではまたお会いしましょう。
セリフの前に名前を
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つけた方がいい
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いらない