八幡side
音無と必殺シュートの特訓をすることになったが、今日はもう遅いのでお互い家に帰り明日に備えた。
翌日
うーんホント何が足りないのかわからん。ファイアトルネード、ホントどやって撃ってるんだろうな。何回かやっているがどうしても外してしまう。音無も手伝ってくれると言ってくれてるし、協力して完成させるか。そんな事思いながら校門を通り歩いていると……
円堂「フットボールフロンティア!」
と円堂が叫びながら走っていく。あ、そうかオレ達念願のフットボールフロンティアに出られるんだな。
そして時間は過ぎて、学校も終わり今は全員部室へと集まる。
円堂「皆!分かってるなあ!?」
「「「「「おお!」」」」」
円堂を中心に部室はかつてないほどの熱気に包まれている。それも当然。ようやくフットボールフロンティアが始まるのだ。因みにオレは一緒になって『おお!』とかは言ってない。いや、ホント君達息合うね。
円堂「とうとうフットボールフロンティアが始まるんだ!」
「「「「「おお!」」」」」
またもや全員の息が合う。ていうか豪炎寺も言ってないな。まぁ、豪炎寺はこういうのは言わなそうだしな。
風丸「で?相手はどこなんだ?」
円堂「相手は…」
真剣な顔になる円堂。お、まさか対戦相手知っているのか?
円堂「知らない!」
八幡「知らねぇのかよ!」
円堂の言葉で全員苦笑いをする奴もいれば、オレと同じ知らねぇのかよという顔になる奴もいる。すると円堂の後ろにある部室の扉が開き
冬海「野生中ですよ」
とサッカー部の顧問である冬海先生が入ってきた。
冬海「野生中は確か…」
音無「去年の地区大会の決勝で帝国と戦ってます」
八幡「え?マジで?」
音無「はい」
八幡「おいおい、初戦からすげぇ奴らと戦うな」
そして嫌味のように先生が「大差で初戦敗退はしないように」と告げる。その先生仮にも顧問なんだからもう少しやる気出してくれても良いのでは?
冬海「ああ、それから」
土門「チーッス。俺、土門飛鳥。一応ディフェンス希望ね。」
外から高身で少し色黒の男が顔を出す。見ない顔だな・・・転校生か?冬海先生がまた嫌味を言って去っていく。それに対して土門は指差しながら怪訝そうな表情を浮かべる。正しい反応だ。その後、秋と土門がかねてよりの仲であることが分かり、円堂が土門に歓迎の意を表す。
土門「それにしても相手は野生中だろ?大丈夫かなあ」
急に土門がそんなことを口にする。
八幡「何かあるのか?」
土門「前の中学で戦った事あるしね。瞬発力、機動力共に大会屈指だ。特に高さ勝負にはめっぽう強いのが特徴だ」
八幡「そんなにジャンプ力がすげぇのか?」
土門「ああ」
なるほど。これはオレの必殺シュートが完成したとしても、撃てるかどうかわからねぇな。
円堂「高さなら大丈夫だ。俺達にはファイアトルネード、ドラゴンクラッシュ、ドラゴントルネードがあるんだぜ」
土門「どうかな。あいつらのジャンプ力とんでもないよ。ドラゴントルネードだって上から抑え込まれるかもしれない」
染岡「んなわけ無いだろ」
と土門の言葉に否定をする染岡。
豪炎寺「土門の言う通りだ。俺も戦ったことがあるが、空中戦だけなら帝国をも凌ぐ。あのジャンプ力で上をとられたら…」
なるほどな。これは初戦から厄介な相手になってしまったな。そして土門と豪炎寺の言葉を聞いた途端、1年共が少し落ち込む。それにつられて周りも少し暗くなった時だった。
円堂「新必殺技だ!」
と円堂が言う。
円堂「新しい必殺技を生み出すんだよ!空を制するんだ!」
八幡「いや、お前よくそんな簡単な事言うな」
円堂「何言ってんだ比企谷!やってみなきゃわかんねぇだろ!」
八幡「まぁ、確かにそうだけど」
円堂「ほら!行くぞ!」
そう言って練習が始まる。まずは円堂がはしご車の上からボールを投げて、それを皆でひたすら蹴る練習。オレもこれで必殺シュートのヒントにならないかと思い参加する。けど何もつかめない。オレは一旦休憩の為に木にもたれ掛かる。
音無「お疲れ様です。比企谷先輩」
と音無が近づいてきた。
音無「どうですか?あの必殺シュートのヒント何か掴めましたか?」
八幡「全然、さっぱりだ」
音無「そうですか」
チラッと横を方を見ると、そこでは何やら円堂達が古株さんを中心に何やら盛り上がっている。何話してるんだ?
音無「あ、そうだ!私、実は豪炎寺さんのファイアトルネードを撮っていたんです。ちょっと待っててください」
ほう、豪炎寺のファイアトルネードを録画しているとは、さすが新聞部だな。
音無「ありました!こちらです」
八幡「おう、サンキュ音無」
オレはそう言って音無からビデオカメラを受け取り、動画を再生する。そこには確かに豪炎寺のファイアトルネードが映っていた。
音無「どうですか?比企谷先輩!」
八幡「ああ、助かったよ音無」
音無「お役に立てて良かったです」
と満面の笑みに向けてくる音無。そんなに嬉しかったのか?そんな音無を見ていると妹の小町みたいだなと思ってきた。
八幡「ああ、役に立った。マジでサンキュな音無」
そしてオレは音無の頭の上に手を置き、軽く撫でた。
音無「ぇ…」
八幡「ん?……はっ!」
オレは音無の頭の上にのっていた手をすぐさまどける。
八幡「す、スマン。妹のくせで撫でてしまった。嫌な気持ちにしたのなら謝る」
音無「そ、そんな事ありません!確かにびっくりはしましたが嫌な気持ちになんてなってませんから。気にしないでください」
八幡「そ、そうか」
そう言ってオレは再びファイアトルネードの動画を再生する。やっべぇ…マジで焦ったー。無意識で音無の頭を撫でちゃったよ。通報されないで良かったわ。
音無(ひ、比企谷先輩に頭を撫でられた。頭を撫でられたのお兄ちゃん以外初めてだな。それにお兄ちゃんとはまた違った感覚だった。気持ちよかったな〜)
その後は新必殺技を生み出すため、他の奴らは特訓をしていた。オレは練習が終わった後も特訓の続きをした。音無から借りたビデオカメラでファイアトルネードの動画を何度も再生しては、ボールを蹴るの繰り返しをしていた。そんな時だった……
豪炎寺「比企谷」
八幡「?豪炎寺か」
呼ばれてたので、声のした方を見るとそこには豪炎寺がいた。
豪炎寺「こんな時間まで練習か?」
八幡「まぁな。オレもお前と染岡の必殺シュートを見ていたら、オレも生み出したいと思ってな。それで特訓しているんだ」
豪炎寺「さっきお前のシュートを見たけど、あれはまさかファイアトルネードか?」
八幡「え?見ちゃった?」
豪炎寺「ああ」
八幡「マジかー……」
まさか見られていたとは思わなかったなー。くっそ…これじゃあドッキリ失敗だな。あ、そうだ、だったら…
八幡「まぁ、実はお前のファイアトルネードを真似していたんだ」
豪炎寺「やっぱりか。でも俺のファイアトルネードとは違う雰囲気だったぞ」
八幡「え?マジ?」
豪炎寺「ああ」
八幡「そうかでもまだ完成してないんだ。音無から借りたビデオカメラでお前のファイアトルネードの動画を見ながら何度もやったけど、全然完成しないんだ。だからお前さえ良ければさ、オレのシュートを見て何かアドバイスくれないか?」
豪炎寺「ああ、いいぞ」
八幡「え?マジで?」
豪炎寺「ああ、別にそれぐらいいいさ」
八幡「そうか。サンキュ!あ、それとこれは他の奴らには内緒にしてくれないか?ちょっと、あいつらを驚かせようと思ってな」
豪炎寺「なるほどわかった。誰にも言わない」
八幡「よし、じゃあ早速シュート撃ってみるからアドバイスくれ」
豪炎寺「ああ」
横で見ている豪炎寺に、未完成の必殺技を見せる。シュートはなんとかゴールに入るが、威力が足りないのだ。
八幡「こんな感じだ」
豪炎寺「なるほど。まず俺から見てもこのシュートはほぼ完成していると思うが、威力が足りないようだな」
八幡「あ、やっぱりお前もそう思うか?実はそうなんだ。最初は外してばっかりだったけど、なんとか入るようにはしたんだけど、次は威力が足りないんだよ」
豪炎寺「なるほど…じゃあ――」
八幡「ほう、じゃあ――」
オレは豪炎寺とファイアトルネード(パクリ)を完成されるために話し合った。そして色々出し合い練習を続けること数十分後、オレはまた横で見ていた豪炎寺に、またあの必殺シュートを見せると…自分でも分かるくらい、威力が上がったのだ。
八幡「おぉ…さっきよりも威力が上がった」
豪炎寺「ああ、そうだな。それにやはり俺のファイアトルネードとは違った雰囲気だな」
八幡「ああ、オレもそう思う。お前のは真っ赤な炎だが、オレのはなんだか黒い炎だな」
豪炎寺「ああ、そうだな」
さっきも言ったがオレのは豪炎寺のと違って黒い。もし、この必殺シュートに名前をつけるんだったら……
八幡「…ダークトルネードなんてどうだ?」
豪炎寺「良いんじゃないか」
よし、じゃあこのシュートの名前はダークトルネードに決まりだな。その後も何度もシュートを撃ったが完成しないまま、豪炎寺と別れて家に帰った。
そしてある日の部室での出来事である。いつものように部室で集まり話し合いをしていると…
「「「「「秘伝書!?」」」」」
オレの新必殺技は音無と豪炎寺のおかげで完成しつつある。そんな中円堂が秘伝書の存在を口にする。なんでも雷々軒というラーメン屋の人に教えて貰ったらしい。
八幡「というかなんでそんな人がそんな事知ってるんだよ」
円堂「…さぁ?」
と首を傾げる円堂。いや、なんで知らねぇんだよ。それよりもオレは雷々軒という店が気になってきたな。今度行ってみようかな。
円堂「まぁ、細かい事は良いじゃないか。とにかく秘伝書があるのは理事長室らしい。行くぞ!お前ら」
そう言って円堂達は理事長室へと向かっていった。オレ?行くわけねぇだろ。もし見つかってみろ、どんな罰を受けるかわからねぇしな。お、どうやら豪炎寺も行かないみたいだな。
八幡「アイツらホントに盗んで来るんじゃ…」
豪炎寺「それは……ないと思うが」
八幡「なんださっきの間は?まぁ、そんな事よりもお前のおかげで完成しつつある。ホントサンキュな」
豪炎寺「ああ」
その後も豪炎寺と色々話していると、円堂が手に秘伝書を持って帰ってきた。後盗んだんじゃなくて、理事長の娘の雷門夏未がくれたらしい。なんでくれたんだろうと思いながら、円堂のじいさんが書いたという秘伝書を見ると…何書いてあるかさっぱりわからなかった。これは円堂が持っていたノートと同じ字だな。だったら円堂は読めるな。
風丸・染岡「「円堂!」」
そんな事思っていると、秘伝書を見ている円堂に風丸と染岡が怒鳴る。
円堂「すっげぇー、ゴットハンドの極意だって」
風丸・染岡「「読めるのかよ!?」」
ほら、やっぱり読める。でも思うんだよな。よくあんな字を読めるよな。その後、円堂が野生中相手に勝つための必殺技を探していると…
円堂「あった!相手の高さに勝つにはこれだ。イナズマ落とし」
ほう、イナズマ落としか。中々凄そうな技じゃないか。一体どんな技だろうな。
円堂「読むぞ…一人がビョーンと飛ぶ。もう一人がその上でバーンとなって、グルっとなってズバーン!これぞ、イナズマ落としの極意!」
は?え?何?ビョーン?バーン?ズバーン?何言ってんの?
八幡「おい円堂。お前のじいさんの語彙力どうなってんだよ」
円堂「さあ?サッカー一筋の人だったらしいから」
いや、だからって語彙力無さすぎだろ。もっと語彙力仕事しろよな。
円堂「でもさ、爺ちゃんは嘘はつかないよ。ここには本当にイナズマ落としの極意が書かれているんだ。あとは特訓さえすればいいんだよ!」
風丸「どっからくるんだその自信」
八幡「まったくだな」
イナズマ落としのヒントはあの語彙力が無い言葉のみ。あれで本当にイナズマ落としの事わかるのか?そしてみんな揃って外に出て特訓する事になった。メニューは…
染岡「今日のメインイベントはこれだ!!」
と言って染岡がぐるぐる巻きにした毛布を穴に詰めたタイヤを見せびらかす。相手の技を受ける特訓・・・らしい。そのメニューの最初の生贄に宍戸が捧げられた。オレは気づかれないようにステルスでその場を離れて円堂の所に避難する。だってあんなの絶対に受けたくないし。そして円堂の近くに行くとすぐに豪炎寺がやってきた。
豪炎寺「円堂、比企谷。ちょっといいか?さっきの必殺技のことだが…」
円堂「ん?」
豪炎寺が土に絵を描きながらこういうことじゃないか、と説明する。なるほどな。そういう事だったのか。あんな語彙力の無い内容でよく豪炎寺は分かったな。そしてそれを聞いた円堂は目を輝かせていた。その後特訓してる奴らの悲鳴を聞きながら、オレ達3人は必殺技の話を進める。
八幡「今の説明によれば結構不安定な足場でオーバーヘッドキックが出来る奴といえば、豪炎寺しか思いつかねぇな」
円堂「ああ、そうだな」
豪炎寺「俺が?」
八幡「ああ、お前しかいねぇだろ」
円堂「そしてお前の踏み台になれる奴は…」
と言いかけたところで向こうの方で壁山が飛んでいくのが見えた。あ、適任者見っけ。
その後日が暮れるまで練習は続いた。壁山は円堂と一緒にタイヤを二つ身につけ、ジャンプ力を鍛える特訓。豪炎寺は染岡、風丸を踏み台に空中でオーバーヘッドキックの特訓。そしてオレはひたすらにダークトルネードの特訓をする。そして全員、既にボロボロなっていた。
八幡「はあぁぁぁぁぁぁー!」
真っ黒い炎がボールを包み飛んでいくが、まだ全然威力が足りない。何度も何度もシュートを撃つが、まだ全然足りない。体が壊れそうで、辞めたい気持ちが出てくる。けど、他の奴らもボロボロになりながら頑張ってるんだ!オレ1人がやめてしまえば、その気持ちは連鎖していき他の奴らもやめてしまうかもしれない。だからオレは何度もシュートを撃つ…が何度目かのシュートの時バランスを崩してしまい、地面に叩きつけられる。
八幡「がはっ!」
やっべぇ…受け身ミスってしまった。体がいてぇ……
音無「比企谷先輩!今日はもうやめましょう!体がもうボロボロじゃないですか」
八幡「大丈夫だ音無。これぐらい帝国戦の時と比べたらかわいいもんだ。それにほかの皆も頑張ってるんだ。オレ1人が辞められるかよ!」
音無の心配は正直ありがたいが、これだけは引けない。そう思い立ち上がると…
音無「でも、そんな義務感を感じながらやったって何にもなりませんよ!焦るばかりじゃ、何も掴めないんですから!」
八幡「え?」
義務感?焦る?
音無「今までの比企谷先輩は冷静で他の人に的確な指示を出していたじゃないですか!なのに今の先輩は何か焦っているようにも見えます!」
オレが焦っている…か。確かにそうかもしれないな。オレはいつの間にかサッカーの楽しさを忘れていたようだ。円堂に教えられたサッカーの楽しさをな。
八幡「フゥ…そうだな。確かに焦っていたのかもしれないな。焦ってサッカーの楽しさを忘れるところだったわ。また助けられたな。サンキュ音無」
ホント音無にはダークトルネードの事で沢山助けられたな。今度何かお礼でもしねぇとな。
八幡「よし、じゃあラスト1本!」
音無「え!?ちょっ!比企谷先輩!?」
八幡「大丈夫だって。ラスト1本。これでほんとに今日は終わりにするからさ」
音無「…わかりました。ラスト1本やったら本当に終わってください。約束ですよ!」
八幡「わかってるって」
オレはそう言いながらボールの前に立ち、気持ちを落ち着かせようと、深呼吸をする。焦っても何も掴めない。それだとますますダークトルネードの完成が遠くなってしまう。音無と豪炎寺が手伝ってくれたんだ。それを無下にできない。もっとイメージをするんだ。そう思いボールを高く上げる。そして回転しながらジャンプをする。オレの足は黒い炎を纏う。
八幡「うおぉぉぉぉ!……はっ!」
そして左足でシュートを放つ。ボールは黒い炎を纏い飛んでいく。今までの中で1番威力だと肌に感じる。そして今度こそオレは上手いこと地面に着地する事ができた。そしてそのシュートを見た音無は…
音無「比企谷先輩…今って…」
八幡「ああ…完成だ」
音無「おめでとうございます比企谷先輩!」
八幡「サンキュ。でもこれを完成させることができたのは音無のおかげでもあるんだ。だから色々とサンキュな」
音無「いえ、お役に立てて良かったです!」
音無は満面の笑みでそう言う。その音無の満面の笑みを見て一瞬ドキッとしてしまう。
音無「?どうかしましたか?」
八幡「い、いや…なんでも無い」
音無「ほんとですか?」
八幡「ああ、ホントホント。ハチマン嘘つかない」
音無「なんで名前の方カタコトなんですか?」
八幡「たまたまだ」
そんな事話していると円堂と豪炎寺達もやってくる。やっべぇ…見られたかな?豪炎寺は良いとして、円堂達にも見られたのなら、どうしょう?
円堂「比企谷、さっきのすごい音だったな!一体何してたんだ?」
良かった…どうやら見てないみたいだ。
八幡「ああ、オレの必殺シュートだ。今さっき完成した」
円堂「本当か!?見せてくれよ!」
八幡「スマンが見せられない」
円堂「え?なんでだ?」
八幡「音無とラスト1本撃ったら終わりという約束したからな。だから見せられない。けど、野生中の時に見せてやるよ」
円堂「本当か!?約束だぞ!」
八幡「ああ。後、豪炎寺、お前もありがとうな。おかげで完成できた」
豪炎寺「ああ。それなら良かった。おめでとう」
八幡「おう」
円堂「えっ!?豪炎寺は知ってるのかよ!」
豪炎寺「まぁな」
音無「私も知ってます」
円堂「そうなのか。くぅ〜!知りたいけど野生中戦まで我慢しなきゃな!」
八幡「まさかあの円堂の口から、我慢が出るとはな」
豪炎寺「そうだな」
円堂「ひでぇなお前ら」
そしてここにいる全員同時に笑い出す。ホントコイツらといると楽しいな。そしてこの日以降、オレはダークトルネードの感覚を忘れないウチに何度も放つ。何本か撃ってみたが、全部成功した。よし、完璧に身につけたとも、言っていいだろう。このシュートで野生中のゴールを奪ってみせる。
あれからイナズマ落としは完成することができずにいた。なんと壁山が高いとこが苦手だったらしい。それで何度も飛ぶがどうしても下を見てしまい失敗してしまう。
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そして試合当日。
野生中はなんとジャングルみたいな所にあった。すげぇ自然豊かな場所だな。そしてそのグラウンド周辺には沢山の応援いた。と言っても全部野生中のだけどな。
円堂「俺達にも応援してくれる奴はいるぞ!ほら、あそこに!」
そう言って円堂が指を指した方に小学生3人がいた。どうやら壁山の弟とその友達らしい。でも、3人だけかと思っていたら…
「お兄ちゃーん!」
と聞き覚えのある声が聞こえる。声のした方を見るとそこには、マイスイートシスター、小町がいた。
八幡「こ、小町。なんでここに?」
小町「何って応援にしに来たに決まってるじゃん。お兄ちゃんの為に小町頑張って応援するね!あ、今の小町的にポイント高ーい!」
八幡「あー、ハイハイ。そうですね」
まさか小町が応援来るとは思ってなかったな。まぁ、帰らすのもアレだし、まぁいいか。
風丸「あれが比企谷の妹さんか?」
八幡「ああ、そうだが」
半田「似てないな」
八幡「まぁな。オレみたいに目が腐ってたらあんなかわいい訳ねぇだろ。いや、ホント似てなくて良かったわ」
風丸「シスコン?」
八幡「誰がシスコンだ!ただ妹が大事なだけだ!」
半田「それをシスコンって言うんじゃ…」
そんな事を話していると、試合が始まってしまうのでポジションにつく。フォーメーションは尾刈斗戦と同じで、染岡と豪炎寺のツートップ。オレはミッドフィルダーのポジションである。さてさてさーて。一体どうなる事やら。
いかがでしたか?ではまたお会いしましょう。
セリフの前に名前を
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つけた方がいい
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いらない