2018年 丸亀城内にて
(あれから3年・・・私は中学三年生になっている。この改装されて学校になった丸亀城に通っているのは私を含めた勇者達5人と巫女1人だけ。
神樹様は何故もっと勇者の数を増やしてくれないのかしら?。
まぁいいか、私達の役目はバーテックスから四国の人々を守ること。)
そんな事を考えながら教室のドアを開ける。
「おはよう・・・皆」
「おはよう、郡さん」
挨拶を返してくれたのは勇者達のリーダーである乃木さん。
その後ろに見えるのは何故か取り押さえられている土居球子さんと、大人しい伊予島杏さん。
土居さんにもの凄い視線(主に胸に対して)を向けられているのが、巫女である上里さん。
「・・・貴方達何やってるの?」
バァン!(ドアの開く音)
「おはよーございまーす!高嶋友奈、到着しました!」
「おはよう高嶋さん」
「おっはよー、ぐんちゃん!」
この人は高嶋友奈さん。いつもフレンドリーに接してくれるからよく話している。
その後 放送室にて
「・・・諏訪より、白鳥です。勇者通信を始めます。」
「香川より、乃木だ。よろしくお願いする。」
(現在長野県諏訪湖東南には結界があり、四国同様に人々が暮らせる環境が残っている。今乃木さんが話している相手、白鳥さんはただ一人で諏訪の守護を担っている勇者だ。)
「白鳥さん、そちらの状況はどうだ?」
「芳しくありませんね。もっとも、三年前から状況が芳しかった事はありません。今は現状維持ができるだけ・・・、ザー・・・、でしょう。ノイズが・・・。最近、多くなっていますね。」
「そうだな。この通信もいつまで続けられるか・・・。」
(乃木さんの言う通り諏訪の方も限界かもしれない・・・時間が無さそうね)
その後食堂にて
「食事はみんなでまとまって摂るべきだ。チームワークを向上させる為にもな。」
「そういう理屈は置いとくとしても、ご飯はみんなで食べた方が美味しいよ!。」
「その通りね」
食堂はセルフサービス方式、彼女達はそれぞれ食事を取り分けひとつのテーブルにつく。
食堂には大人の姿も見える。彼らはバーテックス出現以降の対策において政府から全ての権限を委任された機関、『大社』の人たちだ。
(美味しい・・・)
何やら皆で話しているようだが、千景はそんな事を気にせずうどんを貪り食っていた。巨人と融合したせいか、彼女は普段よりも大食らいになっているのだ。ついに五杯目を食べ終わり一息つこうと箸を置くと、友奈はもう食べ終わらせていた。
「ごちそうさま!今日も美味しかった♪・・・どうしたの、みんな?深刻そうな顔して。」
「おい、高嶋・・・。さっきまでの話、聞いていなかったのか?」
「え、えっと・・・うどんが美味しすぎて、まわりのことが意識から飛んじゃって・・・」
「うどんは美味しいわよ、こんなに素晴らしい料理他にあるかしら?」
「郡さんはまず食い過ぎだ・・・」
「?」
その後
「今日の分の授業終わり、また食堂に・・・はぁ、忘れ物したわ・・・」
千景が忘れ物をとりに戻ろうとすると、通りがかった放送室からあまり良くない話が聞こえてきた。
「おかしい・・・。定期連絡はまだか?白鳥さん?聞こえるか? だめだ応答が無い・・・。」
「すみません・・・ザー・・・さん。少々こちら・・・ごたついておりまして。」
「おっと・・・!いや、構わない。何かあったのか?。」
「本日午後、バーテックスとの交戦がありました。」
「被害は?」
「問題ありません・・・ザー・・・敵は撃退。人的被害は無しです。」
「そうか・・・」
「四国の状況はどうですか?」
「変わりない。バーテックスの侵攻もなく、訓練と学習の一日だった。」
「そう・・・ザー・・・安心しました。」
「だが少しな・・・」
「どうしました?」
「彼女達には色々な個性がある。私はうまく統率できていない。まだまだ未熟だ・・・」
「そうですね・・・私も初めは似たような悩みを抱えていました。しかし、いずれその心配はなくなります・・・。」
「どういうことだ?」
「ザー・・・現実は想像よりも遥かに重く、私達に決断を迫る・・・ザー・・・。」
それを聞き届けた後に放送室の前を後にしようとしたところ、世界の時が停止し、周りは木の根っこが覆い、様々な色に彩られた。
いわゆる樹海化である。
その後樹海にて
「ここが樹海・・・神樹による人類守護の最終手段ね。」
「そうだ、だが樹海も完璧じゃない。私達が迅速にバーテックスを殲滅し、樹海化を終わらせる。」
「おお〜いっ!みんなー!悪い、遅くなったっ!」
「全員、揃ったな・・・これが私達の初陣だ。我々の手でバーテックスどもを打ち倒す!」
皆を確認すると、伊予島だけは足が震えており怯えているようだった。さすがにそのままでは無理そうなので、千景は伊予島を元気づけてみることにした。
「伊予島さん・・・怖がらなくても大丈夫よ。ピンチの時は必ず来てくれるわ。」
「来るって・・・誰がですか?」
「正義のヒーローよ」
その言葉を聞き、読者好きな伊予島は頭の中に物語の王子様を思い浮かべた。
「戦える?」
「・・・やってみます。」
どうやら成功したようだ。
「すまない郡さん・・・わざわざ」
「いいのよこれくらい。でもリーダーは貴方なんだから、今度からは頼むわよ。」
その言葉に若葉は苦笑いするのだった。
「よし、じゃあタマ達もそろそろ気合い入れるかっ!」
「皆で仲良く勇者になーる!」
その言葉と共に少女達は光に包まれ、神秘的な衣装を見に纏うのだった。
「こっちはタマに任せタマえ!全部倒してやるぜ!」
土居球子の使う武器は旋刃盤、盾としても使える飛び道具だ。
「よぉし!絶好調!・・・う!?手元に戻りきらない隙を狙われた・・・!」
バーテックス達がじわりじわりと近づいて来る、だが光の矢がそれらの侵攻を許さなかった。
「タマっち先輩・・・!」
「あんず・・・ありがとうな!タマが前に立つから、あんずは援護してくれ!」
(・・・二人とも大丈夫そうね。)
一方、そんなドラマを片目に見ながら千景は難なくバーテックス達を倒していった。
(そろそろバーテックス達も終わりかしらね・・・ん?)
明らかに異質なバーテックスが現れた。
「もしかしてあれが進化体・・・パッと見はただの棒だけど、百聞は一見にしかず。少し様子を見させて貰いましょう。」
少し観察していると、杏の矢が跳ね返されるのが見てとれた。
「ありゃ二人の道具じゃ無理そうね・・・、ちょっと高嶋さん!?」
加勢に行こうとすると、友奈が飛び出し進化体バーテックスに向けて何百回も拳を浴びせていた。友奈の武器は拳そのまま徒手空拳である。彼女の放つ、いわゆる勇者パンチが千回に達した頃進化体バーテックスは倒れた。
(流石高嶋さん・・・やる事が派手ね。)
それを見ていた千景と、もう一人若葉に残ったバーテックスが遅いかかるも哀れ無惨に細切れにされた。だがその細切れになったバーテックスを二人はあろうことか食べてしまった。
『不味い・・・』
初陣は勇者達の勝利で終わった。
「若葉ちゃん!変なものを食べちゃダメでしょう!」
「だが・・・かつて喰われた友達の仕返しをだな・・・」
「お腹を壊したらどうするんですか!」
巫女には勝てなかったようだ。
「ぐんちゃんぐんちゃん!バーテックスってどんな味がしたの?」
「美味しそうだったけど・・・味は無いに等しいわね、食感も最悪だったし。」
何気ない日常が帰ってきた。
郡千景 原作に比べて30%ポジティブに。優しいお姉ちゃんへと大変身。融合の影響で大食らいになってしまいますがネクストさんの方の原作では融合の影響は無いのでご都合主義です。多少はね?
乃木若葉 勇者達のリーダーではあるが千景にやって欲しいと少し思い、聞いてみた所断られてしまったよう。バーテックスを食べてしまいひなたにこっぴどく叱られる。
高嶋友奈 ムードメーカー 原作では千景の唯一の友達ではあるが今作では千景の友達が増えているのでそんな事はない。使うのは徒手空拳であり脳筋な一面もあるがそれも時には重要になる。戦いの疲れからかで黒塗りの検査入院送りにされてしまう。
土居球子 男勝りではあるがたまに女の子らしさも見せる。伊予島杏とは姉妹の様な関係である。
伊予島杏 読書好きで恋愛系の本をよく読んでおり、物語に出てくる王子様と球子を重ねて見ている節がある。気弱ではあるが千景のおかげで勇気を貰う。使う武器はクロスボウという見た目のマシンガン。戦場では知識と頭の回転を披露する。
上里ひなた 若葉の大親友であり保護者のような人。巫女の中でもかなりの力を持つらしい。
いかがでしたでしょうか。次回は肝試しです。感想ご指摘批判なんでもウェルカムなのでお願いします。それではまた。