海を駆ける傭兵   作:スフィラ

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なんだかんだ生きてます、はい

Armored Core Ⅵ発売決定ヤッタァァァァァアアアアアアアア!!!!


第12話

リコン発射機に詰めていた照明弾を打ち上げる

パンッという破裂する音が聞こえると同時に辺り一帯が白く照らされた

 

「赤城、瑞鶴!出番だ!」

 

基本的に夜間は艦載機が戦闘できない

なので照明弾で敵を照らす、それでも見にくくはあるだろうが

 

「想像以上に墜としたな、いい腕だ」

 

雲の上から急降下してきた零戦隊は複雑に動き回るビットを的確に墜としていく

これによりビットは大きく数を減らし、かつ一部が零戦隊の対処に回った為、エドガーに向かってくるビットの数は最初の三分の一程度になっていた

 

これならそうそうレーザーに当たることはない

 

グライドブーストを起動しつつハイブーストで不規則に進路を変えながら回避行動をとり続ける

とにかく弾薬の消費だけは抑える為に反撃はせずに、ロータスの息切れを待つ

 

『こちら長門、配置についたぞ、八丈島所属の艦娘も何人かが砲撃に参加する』 

 

「了解!もう少し待ってろ!」

 

『ロータスより高エネルギー反応』

 

ビットの攻撃を躱し続けるACに痺れを切らしたのか、ロータスが機体下部の主砲を光らせながらACに向かって飛んでくる

 

「根比べはお前の負けだな!」

 

主砲が発射された瞬間、ハイブーストで射線から出る

発射されたレーザーが海面に到達すると、急速に水分が蒸発し大規模な水蒸気爆発が発生し巨大な水柱を生みだす

 

水柱により周りの状況が確認できなくなり、エネルギーを使い果たしたロータスは、エネルギーの回復のため回転を緩めた

 

「今だ!」

 

エドガーの合図と共に上空から彗星が降下してくる

それにロータスが気づいた時にはすでに遅く、命中した爆弾がブースターを吹き飛ばす

 

《推進器を破壊しました!》

 

『砲艦に敵座標を転送』

 

クローリクが動きを止めたロータスの座標を砲撃を担当する艦娘に送信する

 

《座標確認!、全砲門斉射、撃てーッ‼︎》

 

爆音と共に、様々な口径の数十発の徹甲弾が夜空を飛翔する

 

《榴弾装填!続いて撃て!》

 

再び爆音が鳴り響き、今度は榴弾が発射された

その間に徹甲弾がロータスに着弾、装甲に多数の大穴を開ける

 

この時点でもかなりのダメージが入ったが、ダメ押しと言わんばかりに大穴の空いた部分に榴弾が飛び込み爆発

大量の爆煙がロータスを覆った

 

『敵反応、感知できません』

 

《やったか⁉︎》

 

「おいバカ!」

 

誰かが戦場においてタブーとされる言葉を放ち、エドガーの長年の経験が警鐘を鳴らす

 

《こちら長門!後方より敵艦隊が奇襲をかけてきた!戦闘を開始する!》

 

「わかった、俺もすぐそっちに行く」

 

今の長門達は八丈島所属も含めてかなりの戦力となっているが、奇襲となれば連携がめちゃくちゃになって数の優位は意味を成していないだろう

誰かに沈まれても面倒なので救援に向かおうとした時

 

『後方より高エネルギー反応!』

 

「なっ⁉︎」

 

反射的にハイブーストを連発して複雑な回避機動をとる

その後を追いかけるように何本ものレーザーが降り注いでくる

 

「まだ残ってたのか!」

 

『ビットだけじゃありませんパイロット!ロータスがまだ生きてます!』

 

「なんだって⁉︎」

 

ロータスは横に倒れながら海面に墜落していた

そのため下を向いている主砲も横を向き海面の敵を狙える状態になっている

 

「しまっ…!」

 

誘導されていたと気づいた時にはもう遅かった

ジェネレーター内のエネルギーは枯渇しハイブーストができず回避行動が取れない

主砲の輝きがさらに増しレーザーが発射されようとした瞬間

 

《やらせるかぁぁぁぁあああああ‼︎》

 

無線から聞き覚えのある声が聞こえ、後方から飛んできた火線がロータスの主砲を穴だらけにする

 

これにより主砲は不発に終わり、行き場を失ったエネルギーが暴走、ロータスは青い炎を噴き出しながら木っ端微塵に吹き飛ぶ

それと同時にビットは制御を失い海に墜ちていった

 

《良かった…生きててくれた…》

 

「こっちこそ、お前のことは海に沈んだと思ってたよ」

 

《ひどい…》

 

「悪かった、助かったよフェリ」

 

ACのすぐ上を2枚のプロペラを持ったヘリが飛んでいく

角張ったキャノピーに、プロペラのついた五角形のコンテナを両側につけた大型機

コンテナ全面には檻の中に入れられた兎のエンブレムが見える

 

それはエドガー専属のストーカーである姉妹、その妹であるフェリが使用するA-448だった

 

「1週間ぶりか?」

 

《10日だよ、なだから会えなかった10日分しっかりと甘えさせてもらうからね!》

 

「なんだそりゃ…とにかく、ロータスが死んだなら長門達の支援に…」

 

《こちら長門、敵艦隊を撃破、損害は出たが轟沈艦は出ていない、これ以上の増援もなさそうだ》

 

「そうか…やっと終わったな…」

 

一気に力が抜け、シートにもたれかかる

正直、幾らかの被害は覚悟していたが、被弾無しでロータスを撃破したのは嬉しい誤算だった

 

『周囲に敵反応なし、作戦目標をクリア、システム通常モードに移行します』

 

最後のリコンからの反応が消える、警戒は怠らないが、幾らか気は抜いていいだろう

 

《エドガー…》

 

「何だ?フェリ」

 

さっきとは打って変わって申し訳なさそうな声で通信を入れてくる

 

《ごめんね、あの島に置き去りにしちゃって…》

 

「別にいいさ、お前も無事で、俺も無事だ、それに謝る暇があったら負傷者と遺体の収容を手伝ってこい」

 

《…了解!》

 

ヘリが沖へと離れていくのを見届ける

 

「…それにしても、なんでロータスがここにいるんだ」

 

『私たちが出会った謎の光、もしかしたら複数箇所で発生していたのかもしれません』

 

「だとしたら相当厄介だぞ、あの黒い機体でもこっちに来てみろ、世界が終わる」

 

黒い機体とは財団による騒ぎで、とある傭兵が相対し撃破した大型の機体、その後はロータス等の機体と同じようにタワーからさらに出現し、各地で破壊活動を行なっている

 

『しかし可能性はあります、対策を練っておくべきかと』

 

この世界に来る際遭遇した、あの巨大なエネルギーを思い出す

時間どころか世界すら繋げるほどの現象がそんなに起こるかどうか怪しいが、現にロータスがこの世界に出現している以上クローリクの言う通り、その可能性は捨てきれない

 

「はぁ…厄介なことになった」

 

『しかし、別の傭兵もこちらの世界に来ている可能性もあります、そういった奴らを味方に加えることができれば』

 

「都合よくお人好しが来てくれればいいんだがな、シリウス辺りの」

 

『自己紹介ですか?』

 

「うるせぇ俺らも行くぞ」

 

レーダーに映る反応を元に鎮守府周辺海域を周り生存者を探す

 

しかしそのほとんどは焼け焦げたり欠損していたりしてとても生きているとは思えなかった

 

しかし

 

『嘘…』

 

「どうした?」

 

『レーダー切り替え、受信したシグナルだけを表示します』

 

切り替えられたレーダーには今まで表示されていた破片や瓦礫の反応が消え、ポツポツと友軍のシグナルのみになる

 

「おい、これじゃ艤装しか映らないぞ、死体の位置が…」

 

『艦娘にとって艤装は体の一部です、その艤装が身体から離れるのはその艦娘が轟沈した時のみ、そして発信機は艦娘が轟沈した際、自動的にシグナルを停止します、つまりこのシグナルは生存者の位置です』

 

「なんだって⁉︎」

 

エドガーはレーダーと目の前に浮いている全身が焼かれ、もはや誰かも判別できない艦娘を見る

どこからどう見ても死体にしか見えないが確かにその背中には艤装が付いており、シグナルを発していた

 

「冗談だろ…?」

 


 

八丈島鎮守府のドックはまさに地獄絵図だった

高速修復材を使っても次から次へと負傷者が運び込まれる

その中には八丈島鎮守府の艦娘だけでなく他の鎮守府から増援にきた艦娘たちも含まれ、もはや手足の欠損ぐらいなら後回しという状況になっていた

 

「おい!コイツ等はどうすりゃいい!」

 

その中に回収した艦娘達を抱えたエドガーとクローリクも飛び込む

 

「その艤装…まさか春雨ちゃん⁉︎」

 

焼け焦げた艦娘を見てドックにいた艦娘が悲鳴をあげる

 

「空いてるドックは!」

 

「こっちです!」

 

床中に転がされた負傷者の間を通って空いているドックを探す

 

「ここにお願いします!」

 

「まだまだいるぞ!」

 

この救助活動が落ち着きを見せたのは、日が昇り始めた早朝のことだった

 

「なんとか山は越えたか…」

 

残りの負傷者は中から小破から中破の艦娘を残すのみとなり、叫び声や怒鳴り声の響いていたドックはすっかり静かになっていた

 

現在エドガーは外に駐機してあるACの上でカロリーメイトを食べながら海を眺めている

 

「パイロット、フェリからの通信です、「提督が意識を取り戻した」とのこと」

 

「そうか、それ俺じゃなくて艦娘の奴らに言ってやればいいだろ」

 

「まぁ、臨時とはいえ現在パイロットがここの指揮官ですから」

 

現在本土の病院で治療中の提督に代わりエドガーがこの鎮守府の指揮をとっている

理由は艦娘は指揮を取るものがいなければ本来の力を発揮することができないため、形だけではあるがこの鎮守府の提督として着任した

 

艦娘が力を発揮できない原理は解明されていないが、戦死や離職等で長期間提督不在の鎮守府が少数の敵艦隊に壊滅させられたという事例は多い

 

モノは使う人がいなければ意味がないという事なのだろうか、どちらにせよ、この事も汚職を働く提督をなかなか裁くことができない原因のひとつである

 

「容体は」

 

「腕を片方切断したぐらいで済んだそうです」

 

「運が良かったな、初手で執務室にレーザー喰らってよく生きてたもんだ、それで復帰はしてくれそうなのか?」

 

「するそうですよ、退院でき次第戻ってくるそうです」

 

「すごいな、そいつも白崎と同じタイプだな、しかも度胸もある」

 

「白崎提督もかなり度胸のある人かと」

 

「まぁ…そうか」

 

シートにもたれかかってハッチの隙間から見える青空を眺める

そよ風が心地よく、いい感じに眠気を誘ってくる

 

「パイロット」

 

「なんだ?」

 

「私も隣で寝てもいいですか?」

 

「あー…何もしないならな」

 

「ありがとうございます!」

 

コクピットにクローリクが飛び込んでくる

2人も入れるように作られていないためだいぶ狭いが、眠気に敗北していたエドガーはそのまま目を閉じた

 

 

 

 

 

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