両家族への説明の日
場所は、高町家のリビングで行うこととなった。
「それで、話っていうのはなんだい?なのは、波留君。
そちらの方と関係があるんだろ?」
士郎さんがリンディを見ながら聞いてくる。
「初めまして皆様。私はリンディ・ハラオウンと申します。
実は本日、皆様にお集まりいただいたのは訳があります。それのご説明と、
ご理解をいただくためにお集まりいただきました。実は…………。」
リンディさんが一通りの説明をしていく。
自分がこの世界の住人じゃないこと。今この町で問題が起きている事。その問題に二人の協力が必要な事。一つ一つ丁寧に、嘘偽りなく説明していく。
「……以上になります。」
部屋に沈黙が広がる。
「それって、なのは達がやらなくてもいいんじゃないですか?」
沈黙を破って美由希が聞いてきた。
「ですので、お願いに伺った…」
「だって、元はあなたたちが管理するものでしょ?
それをなんで子供のなのは達にやらせるのよ!」
「美由希。」
「恭ちゃん!だって…。」
美由希は涙を溜めながら必死に訴える。
その時、今まで黙っていた士郎が口を開く。
「なのは…。」
「お父さん…。」
「なのははどうしたい?」
「…このまま続けたい!…それに、話をしたい子がいるんだ。」
真剣な目を見て士郎は
「……分かった。」
「お父さん!」
「まぁ待ちなさい、美由希。確かに危険なのかもしれない。わざわざこうして
リンディさんが説明に来るくらいだから。それになのはは言い出したら聞かない頑固者だしw。
何より波留君がいるから大丈夫だろ。」
「「お父さん。」」
なのはは喜び、美由希は落胆してる。
「ってことになったがいいか?孝夫。」
「いいも何も、全部決めちゃったじゃないですか。
まぁ波留もそこそこ強くなってきてるから大丈夫ですよ。
何せ俺の息子ですからw。」
「と、いう訳でリンディさんこの子達のこと、よろしくお願いします。」
「分かりました。お預かりします!」
◇
その後は、母親3人は子育ての話でもりあがり、父親二人はなんだかしみじみしてた。
子供たちは
「魔法が見たい!」
の亜樹の一言で、なのはがバリアジャケット姿を見せたり、室内で少しだけ飛んで見せたりしていた。
翌日から、なのは・ユーノ・波留・リニスのメンバーはアースラに乗り込むことになった。尚
ちなみに学校は「家庭の事情により」休学している。
そして波留は今、リンディに呼ばれてアースラのブリッジにいる。
「リンディさん、お呼びですか?」
「あぁ波留君。呼び出してごめんなさいね。実は聞きたいことがあって来てもらったの…。」
ちょっと聞きづらそうな言い方をしている。
「うちのことですか?それともブリジットのことですか?」
「両方…かしら。」
舌をちょっと出しながら、答える。
「いいですよ。何を聞きたいんですか?」
「じゃあ、まずおうちの事を聞いていいかしら。」
「うちはですね………。」
月山家に関して話始める波留。よく見るとなのは・ユーノ・クロノも混じっている。
古流武術をやっている事、代々裏稼業みたいな事(退魔や除霊関係)をしている事、先祖に吸血鬼(ダムピール)がいる事、その辺の話をかいつまんで説明する。
「なるほど、それであの動きができるのか…。」
クロノが納得したようにぶつぶつ言っている。
「それで、親御さんがあんまり驚かなかったのね。
あと……。」
こっちが本題だろう
「ブリジットの事ですね。」
「はい。聞かせてください。彼女は何者なんですか?
あなたの使い魔ではないですよね?」
「そうですね。彼女は簡単に言うと猫又という妖怪です。」
「「「「…猫又??」」」」
皆の頭に?が浮かぶ。
「彼女は………。」
波留がブリジットの説明をすると
「納得いったわ。とてもじゃないけどかなわないわね。」
リンディが首を横に振りながら答えた。
「じゃぁ俺はいったん部屋に戻ります。クロノ!後で訓練室な!」
「分かった。準備しておく。」
◇
部屋に戻った波留は、リニスと今後の相談をしている。
部屋には監視カメラが付いているがこれは波留の魔力でダミーの映像が流れている。
一応、聞き耳をたてられても聞こえないように遮音結界も張っておく。
「それで?」
「はい。私がいたころはミッドチルダの南部の山あい。アルトセイムという所に
住んでいました。」
リニスは当時の事を詳しく波留に説明していく。
フェイトが生まれた理由。自分が生まれた理由。フェイトの母”プレシア・テスタロッサ”の事。
「なるほどな。
皆、助けたいな…。」
「…はい。それとこの間あの子に、フェイトに発信機を着けたので今のプレシアの
居場所は間もなく分かるかと…。」
「そうか。」
波留はしばらく考え込む。
「……………!」
「リニス!当時のデータというか状況?わかるか?
"アリシア”が事故にあった時の事!」
「…ええ。分かります。それがどうしたんですか?」
「もしかしたら、アリシアは助かるかもしれない!」
「本当ですか?」
「ああ。多分だが。
…俺の記憶が言っている。この症状なら助かると。”赤バラ”の記憶が。」
はるか昔、似たような症例の事故が夜の国の隣国で起きたことがあった。
当時、夜の国と同盟を結んでいた国は緊急事態宣言を発令。同盟国である夜の国に助けを求めたのであった。当時、大将軍の地位にいたストラウスはブリジットと数名の部下を連れて問題の解決に向かったのだった。
「あとちょっとで思い出せない。…それにプレシアの病気。」
「…はい。私が内緒でサンプルとしてプレシアの血液を調べた時に言われたのが……。」
「レベル4の肺結腫…しかも今はどこまで悪化しているかわからない。。
とりあえず、このデータをブリジットにも見てもらおう。もしかしたら解決の糸口が
見つかるかもしれない。」
「そう、ですね。
では、データを姉さまに送っておきます。」
「よろしく頼むよ。」
少し前進したと、思い伸びをしながら結界を解く。すると
「おい!波留!いつまで待たせるつもりだ!早く来い!」
クロノの怒鳴り通信が入った。
「悪い悪い。今行くよ。」
足早に訓練室に向かう波留だった。