リンディに呼び留められた波留は、そのまま彼女の暮らすマンションに向かった。
「いらっしゃい!波留君。」
出迎えてくれたのはエイミィだった。
「こんにちは。お邪魔します。」
エイミィがお茶を用意してくれ、リンディはいつものようにお茶に角砂糖を4個とミルクを入れる。一息ついたところで今回起きている事を説明し始める。
「昨日の夕方、なのはさんとフェイトさんが襲われました。
先日、お話しした襲撃者によるものだと思われます。」
「それで今日、なのはは休みだったのか。容体は?」
「リンカーコアの委縮による魔力欠乏症はあるものの本人達はいたって健康よ。
今日明日にも戻ってこられるそうよ。」
「そうですか……、それで相手は?」
「レイジングハート達が映像を記録していたんだけどそれが…。」
リンディが言い淀みながら、エイミィが映像を出してくれた。
そこにはピンボケをした映像が映っているだけだった。
「これじゃ、人物の特定は……。」
「これでも解析してやっとここまで見れるようになったんだよ。」
エイミィがため息をつきながら答える。
「そうですか…。それで俺に用というのは?」
「それは…」
「それは、今回の件に協力して欲しいんだ。君の、君達の力を借りたい。」
そう言いながら部屋に入ってきたクロノが波留の質問に答え協力を要請する。
「具体的には何をすれば?」
「犯人達の捜索はこちらでやる。波留は見つけた犯人達の確保に協力してもらいたい。」
どうやら、武装隊の面々がやたらと張り切って捜索を行っているらしい。後でエイミィさんが教えてくれたが、なのはとフェイトは武装隊の中でかなりの人気があるらしい。
「……分かった。情報があったら連絡を。」
「あぁ、よろしく頼む。」
翌日の午前中になのは達は戻ってきたらしく、なのはは午後から登校してきた。
その翌日
うちのクラスと、5年に金髪美少女の転校生がやってきた。
うちのクラスはもちろんフェイトで、5年のクラスにはアリシアがそれぞれやってきた。
転校生で金髪美少女、あっという間にクラスの人気者になったということでフェイトは皆から質問責めにされ、それをアリサが治めるなんて場面もあった。
放課後、その人気者に更に拍車がかかることが起きる。
アリシアがうちのクラスにフェイトを迎えに来たのが事の発端だ。二人が並ぶとまるで双子と間違えるくらいそっくり(実際はクローンなので厳密には双子といってもいいくらい。)なので教室内から
「うわぁっ!神々しい!」
「女神降臨だ!」
などの声が男子から上がり、女子からは
「お持ち帰りしたい!」
「永久保存版、永久保存版・・・・・」
そう言いながら写メを撮りまくる奴までいる。
実際、その日の下校中は道行く人たちから同じような声が沢山聞こえてきた。
その後、アリサとすずかは習い事の為アリサの家の車で帰宅。
俺、なのは、フェイト、アリシアの4人はそのままテスタロッサ家にお邪魔して今後の事を話すことになった。
「……てなわけで、これから先、俺も協力することになった。戦った時の印象を教えてくれないか?」
俺の質問にそれぞれが答える。
「う~ん…。えっとね、接近戦がすごかったって感じ。」
「うん、私もそう感じた。」
なのはとフェイトがそれぞれ答えた。
「あたしは直ぐに捕まったけど、使い魔?みたいな奴だった。」
アルフも相手の印象を教えてくれた。
「他にはないか?」
「………」
「……そう言えば、相手のデバイスの中で何かが装填されたと思ったら、
魔力が一気に上がった感じがしたなぁ。」
「?」
フェイトの答えに首をかしげていると、プレシアが教えてくれた。
「それは、カートリッジシステムというものね。」
「「「「カートリッジシステム?」」」」
「えぇ、カートリッジシステムはベルカ式の魔法体系で扱いがかなり難しいとされているわ。
主に接近戦のクロスレンジが主体の戦法ね。古代ベルカの優れた術者は”騎士”と呼ばれるわ。
ちなみに私たちが使っているのはミッドチルダ式。主に射撃と砲撃がメインの戦法ね。」
「…騎士、ねぇ。
そう言えばなのは達はもう何ともないのか?」
「うん。しばらく魔法が使えないだけで体には異常なしだって。」
波留の質問に、なのはが答える。
「そっかぁ…、どれくらいで回復するって?」
「若いからよく食べて、ぐっすり寝れば1週間くらいだって言ってたよ。」
今度はフェイトが答える。
「それまでは皆、待機だな。」
「…そうだね。」
なのはが力なく答える。
「まぁ、武装隊の人達がすごいやる気だし回復すまでの辛抱だ。それに俺だって連絡が来るまで
待機だし、それまで待ってなよ。」
「うん!」
3日後 深夜
海鳴市市街地
同 ビルの屋上
「先日の戦闘でこの付近を中心に管理局の魔導士達が、我々を捜索している。
どうやら先の4人は管理局に所縁のある人物達だったようだ。」
シグナムが他のヴォルケンリッター達に話をする。
「ちょっと調べたら、シグナムが落とした子が局の嘱託魔導士だったみたい。
ヴィータちゃんが落とした子も局の人気者みたいよ。」
「…………。」
「まぁ過ぎてしまったことは仕方ない。これからは彼等の捜索の外で蒐集を行う。
基本的には夜中と日中は交代で遠征に向かう。ザフィーラは常に主と共に行動をしてくれ。」
「心得た。」
「それでは行くぞ!」
シグナムの掛け声と共に、4人は四方に散らばった。
一方その頃
地球にいるエイミィのもとに一本の通信が入った。
「ん?
はいはーい、こちらエイミィです。」
「あぁエイミィ先輩。本局メンテナンススタッフのマリーです。」
彼女は”マリエル・アテンザ”時空管理局本局メンテナンススタッフで主にデバイスのメンテナンスや強化改修なんかを受け持っている。クロノとエイミィの後輩でもある。
「どうしたの?マリー。」
「はい、先日、先輩から預かった2機のインテリジェンスデバイスなんですけどなんだか変なんです。」
「え?どういうこと?」
「部品交換と修理は終わったんですけど、エラーコードが消えなくって…。」
「エラー?何系の?」
「えぇ、必要な部品が足りないって…今データの一覧を送りますね。」
そう言いながらパネルを操作しエイミィにデータを送るマリー。
「あっ、来た来た。
えっ?
足りない部品ってこれ?」
「えぇ、これ何かの間違えですよね?」
そこにはレイジングハートからのエラーメッセージが映し出されていた。
「エラーコードE203
必要な部品が不足しています。
エラー解決の為の部品
CVK-792を含むシステムを組み込んでください。」
「2機ともこのメッセージのままコマンドを受け付けないんです。
それで困っちゃって…。」
「……分かった。持ち主の子達には私から伝えておくから、その子たちの言う通り改修をお願い。」
「…分かりました。」
そう伝えたエイミィは、通信の切れたモニターを見ながら
『レイジングハート…バルディッシュ…本気なの?
…CVK-792
ベルカ式…カートリッジシステム…』
2日後
亜樹は今日もはやての所に遊びに行くようだ。
昨日は、アリシアと遊び今日は、はやてと遊ぶ。忙しい小学生だな、なんて考えている波留も今日は店番を頼まれている。今日は土曜日で午後からは近所の子供達で店はごった返す。しかものろいウサギの新作が入荷するからなお質が悪い。
そんなドタバタも夕方には落ち着いてきて、一息ついていると亜樹が会えって来た。
「ただいまー。」
なんだか元気がないようだ。
「お帰り。どうしたんだ?元気ないじゃないか。はやての家で何かあったのか?」
波留が気になって聞いてみると
「うん。実は……」