「亜樹のデバイスも完成したから作戦を実行に移しますか。」
「そうだね。」
「作戦ってなになに?」
アリシアが興味津々に聞いてくる。
「内緒。」
波留が人差し指を口に持っていき笑いながらながら答える。
その反応に文句を言うアリシアだがその時、プレシアが
「あらいけない。もうこんな時間。お買い物行かなきゃ。
二人はゆっくりしていってね。」
そう言いパタパタと慌てて買い物に出かけるプレシア。ちゃんと母親をしている。
その頃
「大きい魔力反応が動いた。どうやら一人のようね。」
シャマルのクラールヴィントに反応があった。
〘みんな!動いたわ。準備をお願い。〙
〘分かった。この間の件もあるからあまり地元での蒐集はしたくなかったんだけど仕方ないな。〙
〘直ぐに局の魔導士がくる。手早くやるぞ。〙
〘これも主の為だ。〙
シャマルの念話にヴィータとザフィーラ、シグナムがそれぞれ返事をする。
その後シャマルは結界を展開させる。対象はプレシアの周辺である。
アースラで結界の確認がされると、直ぐに武装隊に連絡が入り近くにいた1班3名の隊員たちが対処に当たる。
「アースラ!こちら武装隊α小隊2班。結界破壊をしているが破れない!
この結界……固い。」
近くのビルの屋上で様子を見ているシャマルが
「当然よ。私とクラールヴィントの結界だもの。そう簡単に突破はさせません。」
その頃、結界内では
「あら?これは封絶結界ね。
しかもミッド式じゃなくベルカ式の…。」
結界内にいるプレシアは冷静に分析をしている。
すると直上から人影が現れ攻撃を受ける。辺りは衝撃で砂埃が舞う。
プレシアはその攻撃を躱し、砂埃から飛び出ると六角柱状のアメジストに魔力を注ぎ杖を出す。
長さ約120cmほどの杖で色は黒、先端に翼が装飾されその間に拳大程のアメジストがついている。
「…今のを躱すか。なかなかの手練れだな。」
襲撃者は剣で砂埃を払いのけゆっくり歩きながらプレシアに近づく。
「あらあら、お褒めの言葉ありがとう。
でも突然襲われるいわれは無いのだけれど?」
「それに関しては謝罪しよう。だがこちらも、止むに止まれぬ事情があってな…。」
「そうなのね?でも私、今日は急いで帰らなきゃいけないのよ。買い物を済ませて
お夕飯の準備をしなくちゃならないの。娘のお祝いをしなくちゃいけないから。」
杖を後ろ手に持ちながらプレシアは微笑みながら続ける。
「…闇の書。」
「!?」
プレシアのその言葉にシグナムは驚く。
「…そのシステムの一部、自らの意志と実態を持った無限再生プログラム
”守護騎士ヴォルケンリッター”あなた達は闇の書を使って何をする為に蒐集を
しているのかしら?」
「我らには我らの目的と理由があります。あなたに答える理由もない。」
「理由ね…。理由ならあるわ。
つい先日ね、私の娘がね、何者かに襲われたのよ。」
「なっ!」
「その時に負わされた傷はすべて治療された状態で見つかったわ。
発見したのは私。
デバイスの破損と一時的な魔力欠測が見られたけどそれも今日、完治するわ。」
その話を聞いてシグナムは一瞬、躊躇してしまう。
「
「でやあぁぁ!」
その時ヴィータがプレシア目掛けて、上空から攻撃を仕掛けてきた。
プレシアの立っていたところに命中し瓦礫と共に粉塵が舞う。
「シグナム!何ぼーっとしてやがる!」
「あっ、あぁ。
すまない。」
そう言うシグナムの傍を爆発からの逃れたプレシアが紫色の魔力を纏い、吹き飛ばされながらも体制を整える。
自身のデバイスを構えると後方に人化したザフィーラ、右前方にシグナム、正面やや左上空にヴィータが陣取った形になった。
「これはちょっとピンチかしらね?」
「
「え?ブエルなんて?」
プレシアは自身のデバイスに聞き直す。
「
その時、結界の外にいたシャマルが
「?上空に転移反応。」
時は少し戻り学校帰りのなのはとフェイトは皆への挨拶もおざなりにして大急ぎで帰宅した。
地球から本局に向かうには直接の転送が出来ない為、アースラを経由して行くことになる。その為、転送ポートのあるハラオウン家からアースラへ、そして本局にといういわば電車の乗り換えみたいなことをしなければならない。二人は一度、テスタロッサ家に寄りなのはは鞄を預けてフェイトは鞄をしまい制服のままお隣のハラオウン家へ。両家に居た人たちは口をそろえてその時の二人をこう言った。
「とっても嬉しそうな顔をしていましたよ。」
「待ちきれないって感じだったわね。」
「あれはまるで台風だ。」
そんな二人は今、本局のメンテナンスルームに来ている。
「「こんにちわ!」」
「あぁ。二人ともいらっしゃい。待っていたよ。
聞いていると思うけど修復ついでに改修をしてあるから詳しい内容は本人たちに直接聞いてね?」
「マリーさん大丈夫ですか?」
「目の下にすごい隈が出来てますよ?」
「ははは。
「「ありがとうございます。」」
「奥の部屋にいるから会ってあげて。」
なのはとフェイトは、はやる気持ちを押さえながら奥の部屋へと入っていく。
新しくなった愛機を前に二人は驚いている。
「あっ、レイジングハート。」
「
「レイジングハート、形が…。」
「
「うん。かわいい!」
「バルディッシュもカッコイイよ。」
「
それぞれが再会を喜びながら、新しい機能について確認をしているとエイミィから緊急通信が入った。
「なのはちゃん、フェイトちゃん、受け取りは完了した?」
「はい!どうしたんですか?」
「現在、市街地で件の魔導士達を補足。現地にいる局員で対応しているんだけど、
結界が固くて突破できないんだ。それに結界の中にプレシアさんがいるみたいで、
その相手と交戦中なんだ。アースラへのゲートを開くから直ぐにお願い!」
「母さんが!?」
「フェイトちゃん、急ごう!」
「うん、なのは!」
「マリーさん、ありがとうございました!」
「はぁい。気を付けてね。」
二人は部屋を出て、大急ぎで転送ポートに向かった。
アースラに到着後、エイミィから状況を確認した。
「相手は4名、結界内に3名と外に1名。転送は結界の上空、現地の局員が一部結界の破壊に
成功しているからそこから結界内部に突入して!」
「「分かりました!!」」
そして、転送が開始される。
結界の上空に転移した二人は落下しながら新しい相棒を起動する。
「レイジングハート エクセリオン!」
「バルディッシュ アサルト!」
「「セーット ア-ップ!」」
それぞれのバリアジャケットもバージョンアップし、何よりデバイスにカートリッジシステムが組み込まれている。
〘母さん!大丈夫?〙
〘フェイト♪大丈夫よ。ありがとう。〙
フェイトは真っ先に母プレシアの心配をする。
それがたまらなくうれしいプレシアはデレ始めている。
「…新装備……。」
「二人共、もう魔力が戻ったのか。呆れた回復速度だな。。。」
ヴィータとシグナムが各々口にする。
ザフィーラの背後にアルフがそして、結界の外にはリニスがシャマルを補足していた。
「なんだろうと関係ねぇ!邪魔をするならぶっ叩く!!」
ヴィータが構えるとなのはとフェイトはお互いに頷きあい飛行魔法を使い、それぞれヴィータ・シグナムと相対する。なのははヴィータと何とか話をしようとするがヴィータはお構いなしに攻撃を仕掛けてくる。
「私達、戦いに来たわけじゃないの!話を聞きたいの!」
「笑わせんな!やる気の新装備ぶら下げて言うことかよ!」
「この間も今日もいきなり攻撃してきた子がそれを言う!?」
いったん距離をとると
「こっちはもうお前には要はねぇんだ。」
「
「これでも受けて、しばらく寝てろ!!」
ヴィータがなのはに突っ込んでくる。近くのビルの屋上に着地したなのははレイジングハートを構え
「レイジングハート!」
「
カートリッジロードをしたなのははシールドを展開しヴィータの攻撃を防ぐ。
「っくっそ、かてぇ。」
「簡単に倒されちゃう訳にはいかないから。」
「っのやろー!」
ヴィータが鉄球を出したのに気づいたなのはは近距離砲で応戦、爆発でヴィータを見失う。
少し離れたところに無数の鉄球を出し、誘導弾の準備を終えたヴィータは
「ぶっ飛べーー!!」
鉄球をなのはに向かって弾く。
なのははそれを確認すると迎撃態勢に入る。
「
カートリッジを2発使い無数の魔力球を出す。
「アクセル……シュート!!」
お互いの攻撃が相殺される。
「本当に、お話を聞きたいだけなの。帽子の事も謝りたかったし…。
ね?いい子だから。」
一瞬躊躇したヴィータだが
「うっせぇ!ちびガキ!
邪魔する奴はぶっ叩く!」
再度、襲い掛かかってくる。
一方フェイトはシグナムの攻撃を躱し、時にはシールドで防ぎ、打ち合っては離れてを繰り返している。
少し距離が開いた時数発のフォトンランサーを放つがすべて躱される。
するとシグナムが納刀するとカートリッジロードをし
「
デバイスの言葉と共に剣を抜くと、蛇腹剣になりフェイトに襲い掛かる、それはまるで蛇の様だがフェイトはそれを躱しながら、バルディッシュを鎌へと変えシグナムに襲い掛かる。
その攻撃を鞘で受けたシグナムはフェイトの腹に蹴りを入れ距離をとる。
そして再びお互いがぶつかり合い爆発が起こる。
「ふむ。先日とはまるで別人だな。
前回は動揺がひどすぎたか?」
数か所、シグナムの服に傷が出来ている。
「ありがとうございます。今日は落ち着いてますから。」
「ヴォルケンリッターが将・シグナムだ!お前は?」
「え?あっ、フェイト・テスタロッサです。」
「テスタロッサか。こんな状況でなければ心躍る戦いなのだが今はそうも言ってられん。
殺さずに済ませる自信はない。この身の未熟を許してくれるか?」
「かまいません。…勝つのは私ですから!」
さらに激しい打ち合いが続く。
そしてアルフはザフィーラと交戦している。
「あんたも誰かの使い魔なんだろう?ご主人様が間違った事や悪い事をしてたら
止めなきゃダメじゃんかよ!」
「我が主は、我らの所業をご存じない。すべて我ら4人の意志であり我らの責だ。」
「えっ、えぇ?」
その時、シャマルは管理局の増援を補足していた。
「…局の増援。」
〘先日から配置されてた武装隊員。包囲が早いわ。みんな撤退の準備を!〙
他の3人が了承をすると
〘結界内に閃光弾を出すわ。その隙に…。〙
シャマルがそう言うと結界の中に緑色の魔力球が現れどんどん大きくなっていく。
シャマルの意識が皆の撤退に向いている時、背後からリニスが拘束しようと飛びかかろうとした時それを止める人物達がいた。
結界内ではそれぞれが対峙している相手に
「すまんなテスタロッサ。この勝負、預ける。」
「シグナム?」
「ヴォルケンリッター・鉄槌の騎士、ヴィータだ!
話があるならそのうちこっちから出向いてやらぁ。だから今は邪魔すんじゃねぇ!!」
そう言うとシグナム・ヴィータ・ザフィーラの3人は各々別方向飛んでいく。
「クラールゲホイル!」
シャマルの掛け声と共に先程出現した魔力球が光り輝きあたりを包んでいき最終的には音と光を発して消滅した。それと同時に結界も解除され、シグナム達も撤退した。
クロノと、ほかの武装局員達も到着しクロノがエイミィ他のアースラスタッフに追跡の指示を出し、それぞれが追跡を開始した。