リリカルの世界に転生?   作:Y's T

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クリスマスイブ

里での蒐集を終えて、一行は海鳴へと帰る。

帰りは来る時とは違い順路は関係なく通れるため、直ぐに道路まで出ることが出来た。

そこからバスと電車を乗り継ぎ海鳴市へと帰るのであった。

 

海鳴の着く前に波留は、シグナム達にある魔法を教えた。

それは特定以上の魔力を持つ者に自分の認識を間違って見せるいわゆる認識阻害の魔法だ。

そうすれば管理局に見つかりにくいと考えたのだ。

 

「ただしこれはどう頑張っても1日が限界なんだ。だから朝に必ず使うようにしてくれ。」

 

「そんな魔法を構築するなんて…。」

 

「俺一人で組んだわけじゃないよ。ブリジットに手伝ってもらって組み上げたんだ。」

 

その説明で皆、妙に納得してくれた。

 

夕方前には海鳴に到着した一行

波留達はそのまま家路にはやて達は商店街で買い物をしてから帰宅した。

 


 

翌日からは実に平和な1週間だった。

変わったことと言えば、亜樹の魔法訓練の時間が増えた事それとはやて達が月山家に来る回数が増えた事だろう。

後者に関しては奈々の言葉によるものだ。

 

「はやてちゃん。もっと家に遊びにいらっしゃいな。」

 

この一言で今まで週に1~2回で来ていた(買い物に)のがこの週は2日に一回のペースになった。

それに週の半ば、この日のはやては週に1回の通院日。その帰りに図書館に寄った際、偶然居合わせていたすずかと仲良くなり友達になっていた。

 

そして週末

今回の目的地は立山である。

立山は以前シグナムの襲撃にあった所だが、富士の典膳と一緒に行動をしている真玄、そして孝夫からの説明でなんのわだかまりも無く受け入れてくれた。そもそも各隠れ里の人間はそんな事は一切気にしない。襲われたり怪我をするのはその者の実力が不足しているから起きる事。いわば自業自得だからである。

それでもはやては謝罪をしていた。けじめを付けたかったのだろう。

ここでの蒐集は50ページほどが蒐集できた。

 

立山から帰ってきた翌週

波留はリンディに呼ばれていた。

 

「それで今日はどうしたんですか?」

 

ハラオウン家が借りている部屋のリビングには、リンディとクロノ、エイミィ、そしてテスタロッサ一家になのはそして波留。

以上の面々が集められている。

 

「今日呼んだのは今起きている事件の事だ。」

 

クロノが話始め皆が注目する。

 

「前回の襲撃があってから実に2週間近くが経過した。この間一切の動きが無いのが

 気になってね。それでみんなの意見を聞きたいと思って集まってもらったんだ。」

 

その言葉になのはが目を丸くして

 

「はっ、そういえば最近フェイトちゃんと訓練しかしてないね?」

 

「なのはヽ(´Д`ヽ)」

 

フェイトは困った顔をしながらなのはを見る。

そんな困ったフェイトを見てデレるプレシア。リニスに注意されハッとしたプレシアが

 

「コホン。単純に考えるなら、前回の襲撃が派手になりすぎたから鳴りを潜めているっていうのが

 セオリーだと思うのだけれど?」

 

「そうなんだけど、今までが見つからずに行動してきた奴らがここへ来て派手に動いて、

 そしてまたおとなしくなる…。」

 

「何かあると?」

 

「考えすぎなのかもしれないけど気になってね。」

 

クロノとプレシアの会話が続く。

 

「波留はどう思う?」

 

「う~ん。

 考えられるのは、プレシアが言った今は潜伏しているのが濃厚だと思う。

 ただもう一つ考えられるのはすでに蒐集が終わっているかもしれない…。」

 

「そんな…、いくら何でもそれは無いんじゃないか?」

 

「でも確証はないんだろ?闇の書に関しては分からないことの方が多いって聞いたぞ?

 そっちはどうなってるんだ?」

 

「確かにそうだが…、そちらはユーノに無限書庫で調べて貰ったが大した成果は出ていない。

 ただ蒐集が進むとほぼ必ず暴走事故が起きてその世界は滅んでいる。

 引き続き調査は依頼しているが資料が膨大過ぎて時間がかかるそうだ。」

 

「なら現状はこちら側に打つ手は無いに等しいと思うが?。」

 

「確かにそうね。波留君なら今の状況で我々が出来ることは何だと思う?」

 

波留の答えにリンディが肯定しながらも更に質問をぶつけてきた。

 

「そうですね…。前回の戦闘を見させてもらった限りだと結界は強固なものだけど

 時間をかければ突破できるのが分かりました。これは解析と人数を当てれば時間の短縮が

 出来るかと思いますがどうですか?」

 

「それに関しては結界の解析は6割がた出来ているから人数をかければ前回の半分以下で

 突破できるよ!」

 

エイミィが波留の言葉に答える。

 

「それと戦闘に関しては、なのはとフェイトの新デバイスが良かったと思います。

 今は訓練も重ねて練度も上がっているでしょうから期待できると思います。

 最後に、探索に関しては何とも言えないですね。」

 

「その理由は?」

 

「前回の戦闘で逃げられているじゃないですか?いくら解析しているとはいえこちらより

 向こうが上手だと認識していた方がいいと思います。蒐集が終わっているなら

 これ以上次元跳躍はしないだろうし、終わっていなければ近場よりは遠くで蒐集をするかな?」

 

「その裏をかくということは無いか?」

 

クロノが意見を言うが波留は否定した。

 

「それが出来るのはなのは達が落とされた時までだ。さすがに3度目の近場での蒐集をすることは

 無いと思うぞ。これは人間の心理に関わる問題だ。たいていはその場から離れる選択をするのが

 通常だ。よほどの理由がない限りは何度も同じ土地での蒐集をするのはリスクが高すぎる。」

 

「成程な?一理ある。」

 

クロノは右手を顎に当て納得した。

 

「それにしても波留はよくそんなこと知ってるね?」

 

話を聞いていたアリシアが波留に聞いてきた。その疑問にはその場に居た誰もが思ったことだ。

 

「ん?あぁ、いろんな本を読んでいるからそこからの知識と、

 うちにはブリジットがいるからねw」

 

「あぁ、成程ね。彼女なら納得だわ。」

 

波留の答えにプレシアが声を上げるとみんなも納得していた。

 

「それでは、これからの方針を伝えます。

 なのはさんとフェイトさんはこのまま訓練を継続。新デバイスの扱いを更に磨いてください。

 あっ、もちろん適度に休みを取ってくださいね?」

 

「「はい!」」

 

「波留君は今まで通りこちらの要請が入り次第協力を。」

 

「分かりました。」

 

「探索は広範囲を中心に行います。

 次元世界の移動に関しては近距離の世界ではなく中距離以上の世界を中心に、

 こちらはアースラのオペレーター陣に頑張ってもらいます。」

 

「了解!」

 

「現地の海鳴市に関しては2班の人員を残しそれ以外は国内全域を、最悪の場合は

 周辺国の探索も視野に入れます。」

 

波留達がそんな会議をしている間、はやては雑貨屋MOONに来ていた。

今日のお供はシグナムだったが通っている剣道場の師範から急な呼び出しがあり行ってしまった。

今は亜樹と2人で雑貨コーナーを見て回っている。

 

ドクン

 

一瞬、はやての体の中で何かが胎動したような感じがした。

それは、はやて本人にも分かるか分からないかぐらいのほんの小さな変化だった。

 


 

そして週末

今回は白山に赴いた一行は立山とは違い何故か歓迎されていた。

里の人達は事前に説明は受けていたが、それとは別に刺激が足りなかったようで今回の襲撃がいい刺激になったとかなり喜んでいた。しかしそれでもはやては里の住人に頭を下げ謝罪をしていた。

ここ白山でも50ページ程の蒐集が出来、闇の書のページも600ページを超えた。

 

「これなら来週には蒐集が終わりそうだな?」

 

「そうやね。ありがとな波留君」

 

「なーに。困ったときはお互い様ってね。」

 

そして白山から戻ってきた翌週から異変は現れ始めた。

 

ドクン

 

はやての中の胎動が大きくなり始めたのだ。

そして週に一回の通院日にそれは起きた。

病院に着くなりはやてが突然苦しみだし気を失ったのだ。

すぐさま検査が行われその結果が信じられない結果だった。

担当の石田医師からは

 

「足のマヒが徐々に全身に浸食していってます。

 このまま進むと大変危険です……。」

 

それを聞いたシグナム達はショックを受けながらも直ぐに波留に連絡を入れた。

知らせを聞いた波留は亜樹とブリジットの3人ですぐさまはやての下に駆け付けた。

 

コンコンッ

 

病室のドアをノックするとシャマルが開けてくれた。

 

「一体どういうことだ?」

 

波留はシグナムに訪ねるがシグナムは首を横に振りながら

 

「私達にも分からないんだ…。」

 

と力なく答えるだけだった。

どうしてこうなったかを考える波留に亜樹が

 

「お兄ちゃん本を調べてみるのは?」

 

と言われハッと気づく。

直ぐに闇の書をブリジットに見てもらうが前回と同じ事しか分からないと言う答えが返ってきた。

それならば試しに自分も調べてみることにした波留は、その場でブリジットに調査の魔法を教えて貰い闇の書を調べる。だが結果は同じだった。ここでふと波留はある考えが頭をよぎる。

 

「なぁブリジット?」

 

「どうした波留?」

 

「闇の書を調べるときの魔力はどうやって出してる?」

 

そんな質問を波留がするものだからその場の全員が首をかしげる。

 

「どうって普通にこの本に適した魔力に変換して使っているが?」

 

「それってなのはやシグナム達が使っているいわゆるミッド式とかベルカ式ってことだよな?」

 

「そうだが、それがどうした?」

 

「そしたら俺たちがもともと持っていた魔力そのままで調べたら何かわかるんじゃないか?」

 

「!そうか、その手があったか!」

 

「早速やってみよう!」

 

二人のやり取りをただ眺めるだけのヴィータが

 

「お、おい波留!どういうことだよ?」

 

「まぁ見ててくれ。」

 

そう言うと波留とブリジットは二人で闇の書を囲み、波留はヴァンパイアの魔力をブリジットはダムピールの魔力と霊力を使って闇の書を調べ始めた。

 

結果は

 

変わることが無かった。

再調査し始めた瞬間は闇の書も反応があったのだが直ぐに受付をしない状態になってしまった。

 

「すまん。うまくいくと思ったんだけど…。」

 

波留が謝るとはやてが目を覚ました。

 

「みんな。どないしたの?集まって。」

 

「はやて~。」

 

ヴィータがはやてに駆け寄る。シャマルが現状をはやてに説明すると。

 

「そうか。みんな心配かけたな?波留君達もありがと。」

 

はやてはそれからしばらく入院することが決定した。

みんな一旦帰宅することになった。

帰宅途中にシグナム達がすずかとばったり出会いはやての事を説明したところ、週末のクリスマスイブに友達も連れてお見舞に行っていいか聞いてきたので快く了承した。

 

そして週末

 

すずかたち()()は、はやての入院している部屋にやってきた。

 

コンコン

 

「こんにちわ~。」

 

病室の前ですずかが挨拶をすると中からシャマルが出てきて病室の中へと招き入れた。

 

その顔触れを見てヴォルケンリッター達は驚愕した。

すずかの他にアリサとなのは、フェイトとアリシアが一緒に来たからだ。

それはなのはとフェイトも同じで驚いた顔をしている。

シグナム達はここ数日波留から教えて貰った認識阻害魔法を使ていなかったのだ。

それもその筈ここ数日は、はやての事でみんな頭がいっぱいで認識阻害をかけている余裕がなかったのだ。

それを知らないはやてはすずか達とあいさつを交わす。

フェイトはなのはとアリシアに念話を送るが妨害されている。

それに気づいたシグナムがフェイトとなのはに聞こえる程度の声で

 

「念話は無意味だ。シャマルは支援魔法のエキスパートだ。この距離ならば妨害するのは造作もない。」

 

それを聞いたフェイトは諦めて

 

「お見舞いをしても?」

 

「あぁ。」

 

その後、一通りのお見舞が済んだら余り長居はしては迷惑だろうと言うアリサの一言でなのは達は退室した。

アリサとすずかは用事がある為そのまま帰宅することに。アリシアに送ってもらうことにしてなのはとフェイトはその場に残った。そして病院の屋上に移動するとシグナム達が待ち構えてた。

 


 

「はやてが闇の書の主?」

 

「あぁ。そうだ。

 我らの悲願は間もなく成就される。」

 

「そう。だから、たとえはやてちゃんのお友達でも邪魔をするなら…。」

 

フェイトの言葉にシグナムとシャマルが答える。そこへ

 

「ダメなんです!このまま完成しちゃうと大変なことに……。」

 

「でえええやぁぁぁ!!」

 

すると上空からヴィータがなのはに攻撃を仕掛けてきた。それをシールドで防ぐが吹き飛ばされるなのは。

するとシグナムもフェイトに攻撃をする。

 

「シグナム!」

 

「今、管理局に知られるのは困るんだ。」

 

「私の通信防御の範囲から出す訳にはいかないの!」

 

フェイトの呼びかけにシグナムとシャマルが答えヴィータがなのはに迫る。

 

「邪魔…すんなよ……。」

 

近寄りながら騎士甲冑を展開するヴィータ。

そんなヴィータに声をかけるなのは。

 

「ヴィータちゃん…話を、話を聞いて!」

 

それは、はやてのお見舞いをする数時間前。

 

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